2008/08/07

ドイツ プログレ・フェス 2日目 It Bites, The Flower Kings, Pain Of Salvation, BJH他

Lo1902Lo19036月19日早朝、夜は寒くてなかなか寝付けなかったが、テントで目覚めると、天気は晴れで、なかなかのキャンプ日和。トイレまで歩いて、ついでに朝食の屋台のチェック。朝食の看板には、さりげなく3日目のトリの出演者、Roger Hodgsonの在籍したSupertrampの大ヒット・アルバム"Breakfast In America"のジャケット写真が。

Lo1905Lo1906展望台への散策コースがあったので、ライン川が一望できる展望台に行く。なかなかの絶景で、カーブが激しく、かつライン川の幅が一番狭い場所で、昔は難破が相次いだそうで、ローレライの呼び声に船が引き付けられるという伝説も納得。帰ってからコーヒーとクロワッサンで朝食。

今回は昼の12時半からの開始で、昼過ぎまでテントでくつろぎ、1番目のバンドから見ることにする。昨日とは打って変わって太陽の日射しが強くて、肌が焼けてくる。日本から持ってきた日焼け止めを塗って、帽子もかぶって、本日のトリのFishのオフィシャル・サイトの通販で買った"Return to Childhood"のTシャツを着て会場に向かった。

Lo1901昼飯に昨日も食べた5ユーロもするポーク・ステーキのハンバーガーを食べる。高いがジューシーでスパイスが効いていて激ウマ。結局3日間で4個も食べてしまった。食べながらまだ客もまばらの石段の前方に座って1バンド目を待った。


Centralpark01Magenta02Prisma01Celntral Park
ハモンド・オルガンをフューチャーしたシンフォニック系。中盤からゲストの女性ボーカルが登場。
Magenta
女性ボーカルをフューチャーしたケルト風叙情シンフォという事前情報のとおりでした。途中で雨が降ってきたがすぐに止んでまた快晴に。
Prisma
ポリティカルな雰囲気の無骨なミクスチャー系。音はToolに近い感じ。
  

It Bites

Itbites01Itbites02Itbites03いよいよ楽しみにしていた再結成イット・バイツの登場。少々セッティングに時間がかかってしまい、15分ほど押しての開始となった。

フロント・マンだったFrancis Dunnery抜きで一昨年に再結成。やはり確執というものは恐ろしい。が、新ギタリストのJohn Mitchellは、歌い方も違和感がなく、非常にマッチしていた。しかし、ベーシストのDick Nolanもこの春に解雇されてしまい、サポート・ベーシストのLee Pomeroy参加の初ステージになった。

1989年の唯一の来日公演は見ていないのだが、John Wettonの1994年の来日公演のメンバーとして、John BeckとRobert Daltonを、同じくJohn Wettonの2003年の来日公演でJohn BeckとJohn Mitchell(当時はArenaのメンバー)を見ている。ジョン・ベックはトッド・ラングレン、アラン・パーソンズ、ジョン・エントウィッスルらと共に2001年に来日公演を行ったビートルズ・トリビュート・バンド"Abbey Road"のメンバーとしても見た。2003年の時は偶然終演後にホテルのロビーでジョン・ベックと遭遇し、ちょっとだけ話したことがある。その時はスキンヘッドだったが、今回は全盛期のIt Bites時の髪型で、お約束の化粧もしていた。

マリリオンのPete Trewavas、ポーキュパイン・ツリーのChris Maitland (King Crimsonのツアー・メンバーとして現在全米ツアー中!)と結成したバンド、KINOとほぼ同じメンバー(ドラムが途中からボブ・ダルトンに変わっているので)なので、It BitesというよりKINOだろうと突っ込むファンもいるらしいが、とりあえずIt Bitesのナンバーを聴けるのは嬉しかった。

セカンドが一番好きなので、"Yellow Christian", "Old Man & The Angel", "Midnight"は圧巻だった。「9月に出るニュー・アルバムを買ってください。」と言っていたが、オフィシャル・サイトではもう発売されている模様。

このようなフェスティバルで"Kiss Like Judas"をセットに入れないというのは、ちょっと考えられない。聴くのを楽しみにしていたのだが。

Ghosts
All in Red
I Got You Eating Out Of My Hand
Yellow Christian
Old Man & The Angel
Wind That Shakes The Barley
Midnight
Screaming On The Beaches
Calling All The Heroes / Once Around The World


The Flower Kings

Fkings01Fkings02Fkings03初来日を見ていないので、楽しみだった。本国スウェーデンなどから、追っかけファンが来ており、最前列のフェンスあたりを陣取っていた。快晴のなかセッティングが開始されるが、メンバー総員でサウンドチェックするも、ロイネ・ストルトのギター・アンプが不調らしく、やたらと時間がかかる。結局セッティングに40分位かかってしまい、うんざりする程盛り下がってしまってからの登場。
ロイネが「前回会った時から、長い時間がかかってしまったね。2分間」と皮肉を言って演奏開始。

主に現在の最新スタジオ作"The Sum Of No Evil"からプレイ。ツイン・キーボード、ツイン・ギターでサウンドは厚いし、演奏水準も非常に高いが、歌の途中でハウリングが出まくったりして、やはり機材が不調のようだ。サウンド・チェックが押したせいで、ラストの1曲を飛ばしたらしく、いまいち不自然にライブは終了。ほとんどのアルバムが2枚組か、ボーナス・ディスク付きで、長い曲と長いライブが特徴のフラワー・キングスにとっては、これからという時で終わってしまい、消化不良感が否めない。やはりフェスティバルではなく、単独で見たいバンドだと思った。

The Truth Will Set You Free
What If God Is Alone
Love Is the Only Answer
Life In Motion

Pain Of Salvation

Pain01Pain02Pain03_2スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンド。登場とともに激しい雨が降り出し、関空のローソンで買った、携帯レインコートを羽織った。気温も一気に下がって、凄く寒い。

不勉強でこのバンドのアルバムは"The Perfect Element I"しか持っていないのだが、そのアルバムのクライマックスであるタイトル曲からドラマチックに始まって感激してしまった。

ボーカルのDaniel Gildenlowが「皆で大声を上げれば、雨は止んで、再び太陽が輝く!」と客を煽って、大声を上げさせる。土砂降りで、とても雨が止むような状況とは思えなかったのだが、信じられないことに、後半に雨は止み、ちゃんと太陽も出て晴れてきた時は驚いてしまった。

中盤のコーンフレークの歌とか、ラストのディスコ・クイーンの歌とかが、いまいち退屈だったが、総合的には勢いあって楽しめた。

Barclay James Harvest feat. Les Holroyd

Bjh01Bjh02Bjh0370年代から本国よりもドイツで人気のあったバンドで、ライブ・アルバムにもなった1980年にベルリンでやった野外コンサートは伝説になっている。今回は現在2つのバンドに分裂しているバークレイ・ジェームス・ハーベストのベーシスト、レス・ホルロイドがやっている方。こちらもセッティングに時間をとって、既に1時間以上の押しとなっている。

ようやく演奏が始まり、ベテランの貫禄を感じるゆったりとした曲が続く。"Mockingbird", "Life Is For Living" "Hymn"など懐かしい曲もプレイ。内容はかなり良かったが、とにかく寒くて、震えながら見た。

Fish
続く・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/08/05

Tangerine Dream ドイツ ローレライ公演

タンジェリン・ドリームのライブを、Klaus Schulzeと同じく7月18日にドイツ、ローレライのプログ・フェスで見た。1983年6月28日の大阪フェスティバルホール以来25年ぶりの観賞。

メンバーは
Edgar Froese / Keyboards, Guitar
Thorsten Quaeschning / Keyboards
Linda Spa / Sax, Flute, Keyboards
Iris Camma / Percussion
Bernhard Beibl / Guitars

の5人

Td01Td03フェスへの参加ということもあって、膨大な機材を要するグループなのに、短時間でのセット・チェンジが可能なのか疑問だったが、メンバー自ら出てきてのセット・チェンジで、あっさりと20分ほどで準備が完了し、まだ夕方の明るさで、あっけなく演奏が始まった時は面食らってしまった。

エドガー・フローゼはNord Lead IIIを中心とした機材で、もうひとりのキーボーディスト、トーステン・クゥエシュニングともにバックに巨大な液晶モニターを配置して、音源ソフトと思われるプログラムの画像を写していた。

第1音が流れた時、一聴して分かる、まぎれもないタンジェリン・ドリーム以外に出せない音だったので、おもわず興奮してしまう。ラインナップが幾度変わっても、1977年のライブ・アルバム"Encole"あたりから貫かれている音色とリズム感である。

歴史の長いグループだけあって、時期によってファン層も分かれるところだろう。1970年のファーストしか認めない人、Ohrレーベル時代の4枚を最も評価する人、ヴァージン時代でもPeter Baumann在籍時のトリオ編成が一番好きな人、ヴァージン以降でもChris Franke在籍時までは許せる人、創設者のエドガー・フローゼがいる限り、現在に至るも熱心なファン。

初めてリアルタイムで聴いたのが、1977年の映画『恐怖の報酬』(Sorcerer)のサウンドトラックのテーマ曲『裏切り』(Betrayal)で、NHK-FMの映画音楽番組でかかったものだったが、あまりのカッコ良さにエアチェックしたテープを繰り返し聴いていた。
個人的には1972年のサード・アルバム"ZEIT"(ツァイト)が一番好きで、人生で重要な10枚に挙げているほど聴きまくったアルバムである。一時期は眠れない夜に毎日聴いていた。リズム無し、メロディ無しで、ひたすら混沌とした音響が続く2枚組レコード。ただ唯一聴き易い部分が1曲目でゲストのPopol VuhのFlorian Frickeが演奏するモーグ・シンセサイザーの旋律だけである。「ドイツの音楽を何か聴いてみたい」という普通の音楽好きの友人に聴かせたら「ただ音が鳴っているだけじゃん!」と文句を言われたことがある。

Tangerinedreamflyer00Edgar Froese, Chris Franke, Johannes Schmoellingのラインナップでウドー音楽事務所の招聘で行われた1983年の来日公演は、大阪フェスティバル・ホールが3分の1ほどしか埋まっておらず、盛り下がったが、ステージ3箇所に配置された膨大なシンセサイザー群には度肝を抜かれた。当時の機材のほとんどが、まだアナログ・シンセである。第1部で同年12月のポーランド公演を収録したライブ・アルバム"Poland"に収録される曲のほぼ同内容を演奏。1981年のアルバム"Exit"からシングル・カットされたポップでキャッチーな"Chronzon"もプレイされた。休憩後の第2部では1982年11月のロンドン公演を収録したライブ・アルバム"Logos Live"と同内容を演奏。アンコールには3回も応えた。個人的にはその後膨大に見る、ジャーマン・ロックのライブ体験の最初の1歩だった。

ある程度のファンなら、1990年にエドガー・フローゼの息子、Jerome Froeseが正式加入して親子二世代グループとなったあたりまでは把握しているだろう。ギターやサックス、パーカッションの導入で、ライブでもジミ・ヘンドリックスの『紫の煙』なんかをカバーし、ニューエイジ・フィージョン化して、脱エレクトロニクス・グループを図った頃で、ここらへんで見切りをつけた人も多かったのではなかろうか。

息子ジェロームも2006年に脱退し、現在のラインナップに近づいた。今のライブ・メンバーは非常にグループの音楽にマッチしており、安定しているように感じた。

Linda Spa、Iris Cammaの女性メンバー2人の参加で、何というか・・・、華があるグループになった。
女性二人は白い衣装で、リンダ・スパの胸元の大きく開いた衣装を双眼鏡で見ると、胸に銀粉?がまぶしてあった。

(;´Д`)

Td02Td04なんか無骨なおっさん3人組という印象だったタンジェリンがお色気路線に走るとは思えなかったのだが、しかしリンダもパーカッションのイリス・カーマも躍動的で肉体的な演奏をするので、他の男性メンバー2人の影がとても薄く感じられてしまった。

印象的だったのは、ヴァージン時代からのナンバーのキャッチーで耳馴染みあるポップチューンの素晴らしさで、エドガー・フローゼのメロディー・メーカーとしての優秀さを再確認できた。"Hyperborea"の抜粋や、"Tangram"の一番ポップなパート、日本盤でも12インチ・シングルでリリースされた、"Poland"からの抜粋の"Warsaw In The Sun"が演奏された時はおお!と歓声を上げてしまった。

最近の曲で特出して良かったのが、2曲目に演奏された"Boat to China"で、未聴だったが"The Anthology Decades - The Space Years - Vol. 1"のオープニング曲。お経のような単調なリズムにイリスのパーカッションが絶妙にからむ曲で、その後も凄く耳に残ってしまった。

Td05Td06Td07日が徐々に暮れてきて、照明の効果が上がってくる、レーザー光線もたっぷりと使用され、演出効果の素晴らしさに息を飲んだ。日本公演の頃の演出の単調さ(バックの丸いスクリーンにくるくる回る照明が当たるだけ)の頃からは格段に進化していた。

本編が終了して、再びメンバーが登場し、なんとエドガー・フローゼがエレクトリック・ギターを手にする。"Happy Birthday Bianca, That ones for you"と英語でアナウンスして、フィードバック全開のまぎれもなくフローゼのギター音で、"Modesty and Greed"をプレイ。後日調べたが、ビアンカというのは、近年のタンジェリン・ドリームのジャケット・アートなどを担当しているBianca Acquayeのことと思われる。

Td08Td10Td11そのまま2曲目のアンコール"Ayumi's Butterflies"に突入。なんかリンダのサックスがロキシー・ミュージック風。鳴り止まぬ拍手に、タンジェリン・ドリームは何と3度目のアンコールに応えた。しかも、プレイされたのはあの1976年の"Storatosfear"だった!嵐のように激しいビートにアレンジされたヴァージン時代の名曲には完全に打ちのめされた。

エドガー・フローゼがメンバー紹介をし、英語とドイツ語で謝辞を述べて2時間のステージは終了した。もうこれでお腹いっぱいという感じだったのだが、それでもこれから本命のクラウス・シュルツェを見なければならなかったのだった・・・。

シュルツェのライブ終了後に、シュルツェのTシャツと同時にタンジェリンの物販コーナーでTシャツと、このローレライのライブの日の為にリリースされたシングル、"DAS ROMANTISCHE OPFER"と2007年のライブDVD2種(PAL方式)を購入した。物販スタッフはタンジェリン側からのスタッフのようだったので、日本から来たこと、1983年に日本でも見たこと、今日のライブも素晴らしかったことをつたないドイツ語で告げると喜んでくれた。

1990年までのオリジナル・アルバムは膨大なサウンドトラック盤を除いてほぼ制覇していたが、1990年代後半~2000年代にリリースされた膨大なアルバム群で、所有していたのはごく僅かだったので、これらをいま一度ちゃんと聴いてみたいと思った。

TADRAM maillistによるセットリストは下記のとおり。

01 One Night In Space
02 Boat to China
03 Lady Monk
04 Hyperborea 2008
05 Bells of Accra
06 Cinnamon Road 2008
07 Leviathan
08 Sphinx Lightning 2008 Part 1
09 Sphinx Lightning 2008 Part 2
10 Tangram 2008 Set 1
11 Lily on the Beach
12 Warsaw in the Sun
13 Das Madchen auf der Treppe
14 Storm Seekers (without Cool Shibuya ...)
15 Fire On The Mountain
Encores
01 Modesty and Greed
02 Ayumi's Butterflies
03 Stratosfear '95

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008/07/31

Klaus Schulze ドイツ ローレライ公演

Klaus Schulze featuring Lisa Gerrardのライブを7月18日、ドイツのローレライ野外ステージ、Loreley Freilichtbuhneで見た。日本でのライブは1972年のソロ・デビュー以来1度も実現しておらず、ヨーロッパにおけるコンサートも約5年ぶり。ファン歴はまだ27年しかないが、私の音楽人生の頂点のひとりであり続けた人。

昨年12月にチケットを購入し、周到に計画を練ってここまで辿りついたが、今年の春に久々に行われる予定だったボローニャとパリでのコンサートが体調不良で直前に中止されており、今回のローレライのフェスティバルも直前まで予断を許さない状態だった。オフィシャル・サイトを直前までチェックして、どうやらローレライには出演するらしいと解かり、覚悟を決めてドイツに飛んだ。

やっとの思いで会場に到着し(前の日記参照)、会場に入ると、すでにこの日2番目の出演バンドHipgnosisのライブが始まっており、約5千人分あるという石段の座席の中間あたりに適当に座ってみる。

Hipgnosis01Isildursbane01

Hipgnosisは女性ボーカルをフューチャーしたシンフォニック系の解かりやすい所謂プログレ・バンドだった。40分ほど見ているとステージが終わり、15分ほどのセットチェンジがあって、北欧ロック・ファンの友人推薦のスウェーデンのIsildurs Baneのライブが始まる。同じスウェーデンのAnekdotenと同様に女性チェロ奏者がいるが、音はアヴァンギャルドでSamla Mammas Mannaに近い印象。女性チェロ奏者はメガホン・マイクで声を歪ませてボーカルをとったりもして、おもしろかった。

Tangerinedream01続いて1983年6月28日の大阪公演以来久々に見るTangerine Dreamの登場。詳細は後日書く予定だが、クラウス・シュルツェとは全く別の意味で、想像以上に素晴らしいステージだった。

タンジェリン・ドリームはアンコールを3曲プレイし、2時間に渡るステージが終了。もう夜の10時半を過ぎており、ようやくあたりが暗くなってくる。ドイツの夜は夏でも寒く、気温は20度以下に下がっており、寒さが堪えたが、友人に長袖のトレーナーを借りてきたので、それを羽織って寒さを凌いだ。

Ks01クラウス・シュルツェの巨大な壁のような機材(大部分がQuasimidiのラック・シンセ)がステージにセッティングされ始め、いよいよ本当にシュルツェが演奏するのだ!と思うと興奮してくる。それ以上にとにかく緊張してしまった。観客も静かにその時を待つ。
 

Ks02Ks03いよいよ時間となり、シュルツェが白いスーツ姿で登場。歩く姿は病み上がりからか、ちょっとゆったりとした印象だったが、まぎれもなく神と崇める御大その人だった。普通の人間の大きさで、普通の人間のように歩いている!!ステージ下手にあるマイクの前に立って、ドイツ語で挨拶。
ドイツ語の聞き取りが不慣れなもんで、完全には解からなかったけど、「再びステージに立てて、幸せです。まず30分ほどソロで演奏し、それからLisaと一緒にやります。」という雰囲気だった。

Ks04Ks051曲目から静かに演奏が始まる。タンジェリンの熱狂的でダンサブルなステージをチル・アウトするかのような静かな展開は山中の野外ステージにぴったりの雰囲気で、オーディエンスも聴き入っている。新作"Farscape"のオープニング、"Liquid Coincidence 1"をアレンジした曲だった。外科医のような正確な手つきで、シンセ群を操作するシュルツ。15分位たったところで、静かなシーケンス・パターンが加わるが、最後まで静かな雰囲気で25分ほど演奏。

メインに使っているキーボードはE-mu SystemsとRoland JD800、ミニムーグ、EMS Synthi Aなどで、Apple iBook G3もセッティングされていた。背後のQuasimidi Rave-O-Lution群で出来た壁が凄い迫力だが、実際につまみを操作していたのは1台か2台だったように見えた。

Ks06Ks07Ks08今回のパフォーマンスは全編数名のビデオ・クルーによって撮影されており、クルーが観客おかまいなしに死角になって撮影していたので、いささか邪魔なのが気になった。しかしこれがリリースされれば、歴史的な価値を持つだろう内容であろう。

徐々にフェイドアウトしていく曲の最後の一音まで聴きとってから、観客から割れるような拍手。シュルツェはステージ下手のマイクに歩み寄ってまたまたスピーチ。ちょっとドイツ語で冗談めいたことを言って観客にウケていたが、聞き取れず。

静かなテンションを保ったまま2曲目が始まる。10分ほどたって新作で共演しているDead Can Danceのメンバーで有名なリサ・ジェラルドが深紫のオペラ衣装でドレスアップして登場し、シュルツの左側で静か歌い始める。

Ks09Ks10Ks11リサはアルバムどおり、終始ゆったりとした静寂を醸した唱法で独特の世界を作り出していた。他のコーラスパートなどはシュルツが出しているようで、静かながら重圧感あふれる音の波が、山頂の自然と調和して、凄い効果をもたらしていた。だんだんとシーケンスパターンがハードに盛り上がっていくと、観客から大歓声が湧き上がる。テクノのイベントのパターンだが、凶暴さをこんなに静かに演出できるのもシュルツェならではだ。

1曲が終わり、拍手が沸き起こったが、音は途切れずにそのまま次の章に突入し、50分ほどに抜粋された"Farscape"はLisaのアカペラで静かに終わった。また最後の一音まで静寂を保って、観客ほぼ全員がスタンディング・オベーションで拍手喝采を送った。シュルツェとリザから感謝の言葉があり、一旦退場。

鳴り止まぬ拍手で再び登場したシュルツェはマイクで挨拶すると、ソロで強いシーケンスリズムを打ち始めててハードな演奏を展開。ミニ・ムーグを弾きまくっているシュルツは凄まじく凶暴なエレクトロニクスの帝王だった。
10分ほど演奏は続き、唐突に終焉するも、拍手は鳴り止まず、今度はリサ・ジェラルドが1人で登場し、アカペラで静かに歌いだし、5分ほどたったところで、シュルツェが加わって、静かに音を加えていった。15分ほどの演奏の後、音が止むも、しばらく完全な静寂が続いた。再び総員でスタンディング・オベーション。

Ks12Ks13Ks14時間は夜中の1時15分あたりで、これでさすがに終わりかと思われたが、信じられないことに、シュルツェは3度目のアンコールに応じて登場。マイクでお礼と「リサと演奏できて特別なエネルギーを感じられた」といった感じのアナウンスを行い、ソロで2001年リリースのライブ・アルバム"Live @ Klangart"1枚目の"Breeze to Sequence"を約10分にわたって演奏。小雨が降り出してきたが、おもわず最前列まで行って、目の前で御大が楽器群を操作するのを拝観。リズムは強烈だが、デリケートなシーケンスパターンが複合された、21世紀のシュルツェ・サウンドをたっぷりと堪能できた。

とうとう最後の演奏が終わり、シュルツェは「また会いましょう。ありがとう。」とアナウンスして退場。終演は夜中の1時半となった。呆然自失状態だったが、シュルツェの物販コーナーでしっかりとグレイの"Mirage"Tシャツを購入し、寒さに震えながらテントに戻った。

本当にシュルツェが登場した時の感動は、何物にも替えがたいものでした。ここに至る道は長く困難なものでしたが、人生でまだ見ぬ最後の大物を見られた感動で全て報われた気分でした。夢を叶えてくれた全ての人に感謝します。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2008/07/30

ドイツ プログレフェス ローレライ到着編

ドイツに到着した翌日、いつもお世話になっているケルンの友人宅から、出発。天気は雨で、結局コンサート前後のケルン滞在中はずっと雨だった。寒いからと、上着にジャージの上下も借りて、寝袋も借りての出発。途中スポーツ用品店で、テントの下に敷くマットも12ユーロで購入。ケルン中央駅からライン川沿いに南下していく急行で1時間強ほど乗り、Koblenz(コブレンツ)で乗り換え。鈍行でライン川の東側に渡って、約40分南下したところにあるSt.Goarshausen(サンクト・ゴアーズ・ハウゼン)で下車。

Loreley1800Loreley1801Loreley1802

時刻表は日本でドイツ鉄道の時刻表を検索していたので、ある程度のスケジュールは立てられた。駅からすぐのところにフェリー乗り場があり、反対岸のサンクト・ゴアーズとの間で渡し舟が行き来している。ライン川観光のフェリーも頻繁に接岸されていた。

Loreleyはローレライ伝説で有名な観光名所だけど、130m位のただの岩山で、会場のFreilichtbuhneは岩山の頂上にあり、駅からすぐのフェリー乗り場から1時間に1本ほどバスが運行されているので、それを待つ。バスが停車していたので、運転手のおねーさんにコンサート会場に行きますか?と尋ねると、会場近くで声をかけるので、そこで降りればOKとのこと。

Loreley1803Loreley1804Loreley1805

出発の時間となり、片道1.5ユーロを払って席に着く。同じくコンサート目当てと思われる人々が10人ほど同席。バスは坂道を登って15分ほどで到着。「コンサートに行く人はここで降りてくださーい!」と運転手のおねーさんが声をかけるとほとんどの人が降りた。道の左手になだらかな斜面の芝生の丘があり、ここがキャンプ場の模様。すでにテントが100個くらい建てられていた。

最初はなんとか近所のホテルを探すつもりで、コンサートのチケットのみネットで買って、キャンプ用のチケットを買っていなかったので、メールでプロモーターに問い合わせると、当日券でキャンプ用チケットが買えるとの返答があり、キャンプ場の入り口でその旨を係員に話すと、コンサート会場の入り口でキャンプ用チケットを買ってから来てくれと言われた。会場は徒歩5分ほどのところにあり、すでに1バンド目が始まろうとしていた。

Loreley1806Loreley1808Loreley1809キャンプ用のチケットは25ユーロですぐに買え、キャンプ場に戻って、チケットを切ってもらう。キャンプ入場用のリストバンド(布製)をしてもらって、ゴミ袋を5ユーロで買わされる。これは帰りにゴミを詰めて渡すとキャッシュバックしてくれる仕組みだそう。

Loreley1810Loreley1811Loreley1812Loreley1814Loreley1815Loreley1816

適当な空き地を決め、テントを設営することにする。テントで泊まるしかないと覚悟してからAmazonの通販で買った2,979円の安物テントで、日本からトランクに詰めて持ってきたもの。設営道具が何もいらない超簡単な構造で、初心者の私でもでも10分ほどで組み立てられた。ただペグがすぐにグニャグニャになってしまうほど柔らかい、ただの針金で、すごく心元ない。テントを設営中にパラパラと雨が降り出して、設営を急ぐも、すぐに止み、結局、その日は曇りか小雨という天候だった。

設営を済ませ、荷物の中に入れ、床マットを敷き、寝袋も敷いて、貴重品はショルダーバッグに詰めて、会場に向かう。

Loreley1817Loreley1818Loreley1819

会場は1988年に発売されたMarillionのライブ・ビデオ"Live From Loreley"の収録地となった場所で、ビデオでは20年間何度も見たことのあるお馴染みの場所。しかし実際に行ってみることになろうとは、夢にも思わなかった。

Loreley1820Loreley1821入り口で、チケットをもぎってもらい、3日間の入場用リストバンドをしてもらい、中に入る。ローレライの会場の全景が目に入った時は、感動してしまった。

続く。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008/07/13

ドイツ プログレ野外フェス遠征準備

Notp_iii_poster2008昨年チケットを購入したドイツのプログレ系野外フェスティバル"Night Of The Prog Festival III"が今週末に迫り、遠征の準備をしております。
周辺にホテルも無く、トイレ・シャワー、売店が完備された近所のテント村で3泊野宿できるチケットが売られていて、これを使う予定。Amazonで超安物のテントを買ったので持参する予定です。下に敷くシートなどは現地調達の予定。あと日焼け止め、虫よけスプレー、冷却スプレーなども用意しました。

ラインナップは二転三転しましたが、以下にまとまった模様です。
 
Freitag, 18. Juli 2008
SOLAR MOON
HIPGNOSIS
ISILDUR'S BANE
TANGERINE DREAM
KLAUS SCHULZE & feat. Lisa Gerrard

Samstag, 19. Juli 2008
CENTRAL PARK
MAGENTA
PRISMA
IT BITES
THE FLOWER KINGS
PAIN OF SALVATION
BARCLAY JAMES HARVEST feat LES HOLROYD
FISH

Sonntag, 20. Juli 2008
KNIGHT AREA
GAZPACHO
QUIDAM
SIEGES EVEN
NEAL MORSE & Band
RAY WILSON & STILTSKIN
ROGER HODGSON (SUPERTRAMP)

当初ラインナップにあったマリリオンがやはりFISHとは共演できないようで離脱、イエスの別プロジェクトCIRCAもイエスが40周年記念ツアーをやるということで離脱しましたが、結局それもジョン・アンダーソンの体調不良でキャンセルとなった模様です。

1番の目的は久々にライブを行うクラウス・シュルツェ。体調不良で今年のイタリア、フランスでの公演もキャンセルされているため、ギリギリまで本当に出演するのか危ぶまれていたが、どうやら無事初日のトリとして出る模様。
今月リリースされた新作"Farscape"にボーカルで参加しているしているLisa Gerrardとの共演名義です。

次がFISHで、マリリオンの初来日で1回見ているけど、あとはSunset Of Empireのプロモーションで1997年に1度来日しているのみ(タワレコのイベントでサインもらいました。)でソロ来日公演は実現していない人。ソロ・アルバムはライブも含めて35作ほど持っているほどのファンです。

83年6月の来日公演以来、久々に見るタンジェリン・ドリームや1998年のジェネシスのドイツ公演で見て以来のレイ・ウィルソンも楽しみ。あとはマリリオンの前座で2005年11月にパリで見たGaspachoを見たことがあるくらいで、残りは未見のものばかりです。

フランシス・ダナリー抜きで再結成したイット・バイツはライブ・アルバムを聴く分には十分良かったけど、最近ベースのディック・ノーランも抜けてしまい、どんなふうになっているか興味深いです。

フラワー・キングスペイン・オブ・サルベーションなどスウェーデン組には北欧ロックマニアの友人も大推薦するISILDUR'S BANEも出るので楽しみ。

分裂・脱退組としては、2つあるバークレイ・ジェームズ・ハーベストベーシストがやってるほう、スーパートランプの元リード・ボーカルのロジャー・ホッジソン、Spock's Beardの元リーダーだったニール・モーズなども。

メタル系の友人からはSIEGES EVENもレアだという情報もいただきました。


夏のドイツは11回目にして初めてなので、どの程度の暑さなのかが未知数で、体力がどの程度もつか心配なところです

| | コメント (4) | トラックバック (0)

Perfume love the world

Perfume01Perfume02Perfume03オリコンで1週目にて1位となったPerfumeのニュー・シングル"love the world"をアマゾンで購入した。今年に入って、周辺の40代後半のプログレ友達の多くが一斉にブログなどで「最近パフュームが気に入っている」とファン表明をするのを読んだりして、「ムーブメントは本物だな」と実感した。どうもジャーマン・ロックから派生したテクノの一環という定義で好きになっているようでもないらしく、本当にパフュームの楽曲を純粋に気に入っているようだ。どのくらい浸透しているかというと、まったくアイドルなんか聴きそうもなかった友人(ツェッペリンの72年の来日公演を見ている)とエイジアのコンサートで会った時、パフュームが良い!と言って、車の中でガンガンとかけていて、プロデューサーの中田ヤスタカのユニット、capsuleのCDまで買っているほどだ。

2005年位にちょっとネットで話題になった時、YouTubeで見ておもしろそうだと思っていたけど、もう歳も歳だし、うかつにハマってしまって、1990年代前半頃経験した、あの地獄の日々を繰り返すのはもう無理だ・・・という気持ちで、「見て見ぬふり」を貫いてきた。まだ全然世間には知れ渡っておらず、カルトな感じだったけど、もうマイナーなイベントとか行ける歳でもなかったので。

1990年頃まで聴いていた、いわゆる「アイドル歌謡」というものはせいぜい小泉今日子と中森明菜くらいで、おニャン子も完全スルーしていたくらいのアイドル音痴だったのだが、1990年にプログレ友達にB級アイドルのコンピレーションのカセットテープをもらってから、急激にハマってしまう。未知の扉を開いてしまったのだ。

結果、1990年~1996年くらいの間に女性アイドルのコンサート、イベントに200回位通った。

グループ・アイドルだと
Lip's、 CoCo、 Qlair、 ribbon、、non2、Key West Club、Pampkin、 ViVA!、 Cotton、 Melody、 MASK、DORA、Fairy Tale、Tiara、Buka Buka、東京パフォーマンスドール、東京パフォーマンスフィーユ、大阪パフォーマンスドール、南青山少女歌劇団、黒BUTAオールスターズ、制服向上委員会、うらりんギャル、メロン組、歌姫伝説、魔女ランド倶楽部あたりを生で見ていて、TPDやCoCoや南少は20回位づつ位ライブを見た。

1990年~1995年頃までは、恒常的なトリップ状態になっていて、洋楽はほとんど聴かず、ドラッグ漬けのようにアイドルを聴きまくっており、パソコン通信(!)で知り合ったアイドル仲間と毎週のようにイベントを見に東京に出かけていた。今の秋葉原のムーブメントと似たような状況だったと思う。しかし、同じ日の昼間にアイドルのイベントを見て、夜はキング・クリムゾンを見に行ったりもしていたが。

最後に追っかけたアイドル・グループが1995年のnon2 (ノンノン)で、すごくいいグループだったけどシングル2枚で消滅してしまい、それでこの生活に見切りをつけた。その後もMissionとかDreamとかのイベントにも付き合いで行くことには行ったけど・・・。

パフュームは一昨年出たDVD付きのシングル・コンピレーションは、いけないと思いつつも衝動買いしてしまい、iPodに入れて結構愛聴していた。ちなみにその頃に職場で若い同僚に最近Perfumeを聴いてるというと、「何それ、林原めぐみのアルバム?」と言われた。その後も売れる気配はなさそうだったので、気にもとめていないうちに、『ポリリズム』がブレイクしてしまい、一気にメジャーになってしまった。今年出たオリジナル・アルバム"GAME"が、あっさりとオリコン1位を獲ってしまい、隠れファンだった私ですら、ちょっと悔しさじみたものを感じたのに、昔から地道にファンをやっていた人にとってみたら微妙な気持ちだろうなーと思ったり。

実は売れるまで、各人のキャラクターすら意識せず曲だけ聴いていて、名前もロクに覚えていなかったが、TVに出まくるようになってやっと名前と顔が一致した次第。3人組グループでは一番好きだったQlairに例えると、
あ~ちゃん → 吉田亜紀
かしゆか → 井ノ部裕子
のっち → 今井佐知子

もっと好きだったLip'sに例えると
あ~ちゃん → 加藤貴子
かしゆか → 吉村夏枝
のっち → 山本京子
というところか。あ~ちゃんの話術はダウンタウンの松本をも凌駕する勢いで、これは凄い。まあ一般的に人気あるのはのっちだろうが・・・。かしゆかは35歳位のOLに見えたりするが、ポジション的に一番好き。

マニア的に見たら中田ヤスタカによるパフューム的楽曲の勢いのピークは『ポリリズム』で、その後は売れてしまったことを少なからず意識した作りであることも納得。しかし"GAME"のタイトル曲や、ニュー・シングルのカップリング曲"edge"などでのマニア度は素晴らしく、今後はここらへんが聴き所となりそう。

まあチケットの入手はもはや難しいだろうから、大阪公演もうかつに見ずに済んだし、11月の武道館もできればスルーして平穏な人生を送りたいものだ。間違ってもThe Whoのように大阪城ホールでやらないでほしいものです。絶対に見に行ってハマってしまうだろうから。

しかし、先ほどチェックしてみるとSex Pistols, Prodigy, Trivumあたり目当てで見に行く予定の8/10のサマソニ大阪のDance StageのラインナップにPerfumeの名前が・・・。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008/07/02

Van Der Graaf Generator 東京公演

Vdgg01ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーターの初来日東京公演最終日を6月30日、原宿アストロホールで見た。VDGGを見るのは2005年6月のイタリアはミラノとローマの2公演を見て以来3度目。

当初予定されていた3公演は、仕事と重なっていたことと、諸事情を考慮しても、あまりにも高い15,000円というチケットの価格設定に、今回はパスする方向だったのだが、最終日に追加公演が出て、仕事も休みだったし、見たい気持ちが強まったので、なんとかチケットを購入。当日、早割で公演チケットよりも5,000円安い飛行機で上京した。

会場は、2004年のDavid JacksonとPeter Hammillの公演会場でもあったところ。原宿は1991~92年頃に毎週のように今は無きルイードに東京パフォーマンスドールを見に通った懐かしい場所だが、今は全く行かなくなった場所。NHKの『東京カワイイTV』で久々に現状を見たりした。会場のとなりの天屋で天丼を食べてから入場の列に並ぶ。前3日とも観賞している友達に会う。徐々にハミルのコンディションは向上しているとのことで、期待が持てそうだった。

デヴィッド・ジャクソンが脱退したVDGGは残りの3人でバンドを続行していくことを決意し、トリオ編成でなんとニュー・アルバム"Trisector"までリリースしてしまった。これが新人バンドのように瑞々しくタイトでシャープでパワフルな内容だったので、本当に感動してしまった。結果的にオルガン、ドラム、ピアノ&ギターという変則的な楽器構成も斬新でありながら、分厚いサウンドを産むことに成功していた。

椅子を置いての収容数は100人強というところで、VDGGがやる会場としては、本当に小さなライブハウスである。ローマの巨大なテニスコートで見た時の感動とはまた別の生々しく間近で体験できる感動が味わえた。

19:05頃にメンバーが登場。いきなり1曲目の"Interference Patterns"の出だしからハミルがピアノをおもいっきりミスタッチしてしまい、グダグダになってしまう。ハミルのミスタッチはいつものことだが、なんか会場の雰囲気や音響も手伝って、一瞬だけアマチュア・バンドを見ている気になってしまった。バントンのオルガンとのポリリズムも、本当に間違ってズレているように聴こえてしまい、冷や汗が出る。うーむ。しかしおかまいなしにガンガンと歌っていくのはいつものハミルだ。

続く"(In The) Black Room"もちょっともたついてこなれていない感じ、イタリアでも演奏された曲だが、トリオだとちょっとだけ物足りない。3曲目の"Scotched Earth"から持ち直してきて、本領を発揮。ガイ・エヴァンス&ヒュー・バントンのリズム・セクションが素晴らしい。ヒューはいつものようにベースパートをペダルで演奏。ハミルの絶叫がからんで、凄いテンションで盛り上がった。VDGGではベスト3に入る位好きな曲なので大感動。

新譜からの2曲"Lifetime", "All That Before"が続く。ハミルはギターに持ち替えて、たっぷり時間をかけてチューニングをしてから演奏にかかった。が、やはりPAのバランスの問題上ちょっと小さな音で、物足りない気もした。ヒュー・バントンのオルガンは実にローランドの電気オルガンらしい音色で(自分も1979年発売のVK-1というのを持っているので、よくわかる)、ちょっとそこがシンプルでストレートすぎると感じている人もいるだろう。しかし私はこの音色が大好きで、たっぷりと堪能できた。

「長い曲をやるから、もう1度ギターをチューニングするよ」と言って、演奏されたのは、"Meurglys III (the Songwriter's Guild)"で、結果的に新譜を除けば、唯一2005年のツアーでは聴けなかった曲。最初にVDGGを聴き始めた頃によく聴いた曲で、途中のレゲエっぽいセクションのところとか大好きだったが、忠実に再現してくれた。

さらに新譜からラスト2曲の"Over The Hill", "(We Are) Not Here"が続く。新譜からの演奏はやはりマッチしていて、特にラスト2曲はドラマチックだった。

本編最後にハミルがヒューとガイをを紹介して、"The Childlike Faith in the Childhood's End"を演奏。イタリアで聞いたヴァージョンより生々しくて直接心に響いてくる。やはり小さな会場ならではの感動であろう。最後の絶叫で完全燃焼した感じ。

アンコールはリラックスしつつも熱い、前作からの"Nutter Alert"。ミラノでは曲順を間違えて演奏を飛ばして?しまい、ローマでしか聴けなかった曲。3人のアレンジでも違和感なく、ハードに展開していく感じがVDGGらしかった。

ライブ終了後、交流会があり、1人15秒位の持ち時間で1アイテムにサインしてもらえることとなった。うかつにも新譜を家に忘れてきてしまい、物販コーナーで国内盤で再度購入し、サインをしてもらう。3人に3年前にイタリアにも見に行ったこと伝えた。ヒューには彼のオルガン・ソロ・アルバムであるバッハの『コールドベルグ協奏曲』が素晴らしかったと言ったら、「あれは、バッハの新しい解釈なんだよ」と自信げに言っていた。CDも持参していたので、本当はこれにもぜひサインしてもらいたかったところだ。

終了後、友人達と軽くラーメン屋で打ち上げ。個人的にはイタリア公演のほうが総合的に感動したが、見て本当に良かったと思える公演だった。招聘元に感謝したい。


高額なチケットに関して、招聘元は日本ではマイナーなミュージシャンの招聘に非常に情熱的で、良心的な仕事をしていることを知っているので、いた仕方ない価格設定だったであろうことは十分に理解できる。別の招聘元の話だが、10年位昔のマイナー・プログレ・ミュージシャンの来日ラッシュ時の頃、お客は20人に満たないこともあり、赤字はあたりまえで、ミュージシャンもノーギャラで観光半分で行われていたものが多々あった。VDGGのようにマネージメントがしっかりしているところではそうはいかないだろう。

しかし、今回の価格設定がごく少数の年配のファンや熱狂的なリピーターのためだけにセッティングされ、これから何かを始めようという意気込みのある、新しく若いファン層をおおむね排除していたことも、結果的にみても現実であろう。この条件でなければ、来日公演実現は永久に不可能だったのだろうが、80年代のハミルの来日公演の頃のように、若者が詰め掛けるようなライブの実現が難しいのは、新譜の内容が若さに満ち溢れているだけに、非常に残念である。

Van Der Graaf Generator

Hugh Banton / Organ, Bass Pedal
Guy Evans / Drums
Peter Hammill / Vox, Guitar, Piano


Interference Patterns
(In the) Black Room
Scorched Earth
Lifetime
All That Before
Meurglys III (the Songwriter's Guild)
Over The Hill
(We Are) Not Here
The Childlike Faith In The Childhood's End

encole
Nutter Alert

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008/05/16

ASIA 大阪公演 2008

Asia01エイジアの約1年2ヶ月ぶりの大阪公演を5月9日に前回と同じ大阪厚生年金会館大ホールで見た。通算4度目の観賞。前回の大阪公演のレポートで再結成への想いを書き綴った。まさか1年以上バンドが持続して、完全なオリジナル・アルバムである"Phoenx"までリリースされてしまうとは全く予想外のことであった。

新譜は、1984年に出ていれば素晴らしいと大絶賛されただろう、当時のエイジアのエッセンスを感じさせるものであり、スティーヴ・ハウが絡んでいる曲はかなり良いと感じたものの、基本的にウェットン・ダウンズのデモ・テープを発展させていったような内容であった。

既に始まっていたワールド・ツアーの選曲を知っており、昨年と比較してさしたる新鮮さもなかったので、今回は結構冷めた状態でライブに望んでしまった。しかし、結果、予想より遥かに素晴らしく、プロフェッショナルな仕事に感服してしまった。

シングルのB面の隠れた名曲と名高い"Daylight"という意表を突いたオープニングも良かった。新曲の"Never Again"とイエスの"Roundabout"がちょっとリハーサル不足なのか危なげだったが、他の演奏はかなり安定していた。前回は外された3rdの名曲"Voice Of America"を初めとするウェットンのアコースティック弾き語り3曲は特に素晴らしく、声には昨年よりさらに磨きがかかり、一時期のスランプなど無かったかのようだ。とても昨年に心臓手術を行った人の声とは思えない艶と伸びだった。

後半も盛り沢山で、カバー曲は前回と同じで新鮮味はなかったが、『庶民のファンファーレ』のソロ合戦などは楽しめた。『ラジオスターの悲劇』での盛り上がりも尋常ではなかった。カールのドラム・ソロは相変わらずだが、スタミナの凄さに感心した。アンコールでは前回アコースティックだった"Don't Cry"をオリジナルのアレンジで演奏。イントロでのハウのギターとスライドギターと切り替えが難しそうだった。ハウがあまり好きではないのは、このイントロが難しいからなのか?とちょっと思ったりした。ラストは1番大好きな『孤独のサバイバー』。観客全員でスタンディング・オベーションをして熱狂のうちに終了。手を抜くことなく130分にも渡る長時間の演奏は、現在のエイジアに溢れている自信が表れているようだった。

観客の年齢層の高さは致し方ないが、アンコールまではゆっくりと座って見ていたいと思う人と、最初から盛り上がって立って見ていたい人のバランスが微妙で、場所によっては見辛い状況になっていた部分が気になったりもした。1990年にアルカイック・ホールで見た時はオープニングからメタルのコンサートのように全員がノリノリで立っていたが、プログレとして見るのなら座って見たいとも感じるところだ。

Geoff Downes / Keyboards, Vocal
Steve Howe / Guitars, Vocal
Carl Palmer / Drums
John Wetton / Lead Vocal, Bass, Acoustic Guitar

01. Daylight
02. Only Time Will Tell
03. Wildest Dreams
04. Never Again
05. Roundabout
06. Time Again
07. Keyboard Solo (Cutting It Fine)
08. Guitar Solo - Clap
09. Voice Of America (acoustic)
10. The Smile Has Left Your Eyes (acoustic)
11. Ride Easy (acoustic)
12. Open Your Eyes
13. Fanfare For The Common Man
14. Without You
15. An Extraordinary Life
16. The Court Of The Crimson King
17. Video Killed The Radio Star
18. The Heat Goes On - Drum solo - The Heat Goes On
19. Heat Of The Moment
encole
20. Don't Cry
21. Sole Survivor

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008/04/26

Cheap Trick at 武道館 AGAIN!

Budokan01_2Budokan02Budokan03チープ・トリックの『ライブ・アット・武道館』リリース30周年記念ライブを4月24日、日本武道館で見た。
3月5日の日記にも書いたが、夢にまで見た、待ちに待ったコンサートだった。
結論から書くと、別段スペシャルなことは何もせず、いつものチープ・トリックのライブをしただけだった。『ライブ・アット・武道館』を完全再現するという噂も現実とはならず、選曲も長さも、いつもどおりのコンパクトさで、それはそれで、チープ・トリックらしかった。そして、年間200回近くこなしているという、いつものチープ・トリックのライブ・パフォーマンスこそが、最高に素晴らしいものだということを改めて思い知らされたコンサートだった。

当日飛行機で上京し、新宿の安ホテルにチェックイン。チープ・トリックの例のロゴのTシャツを着て地下鉄にて九段下に向かう。車内にて、私のTシャツを見た同世代の女性に「チープ・トリック行かれるんですか!」と声をかけられ、初対面なのにおもいっきり盛り上がる。当時からの熱心なファンで、お姉さんが前夜祭のパーティー招待に当選して行ってこられたとのこと。九段下のホームで友達と待ち合わせされるとのことで、そこでお別れ。

Budokan05小雨の降り出した武道館前では、大きな看板を携帯やデジカメで撮る人だかりができており、私も数枚撮った。あとグッズのTシャツ2種類と、パンフレットを購入。雨が本降りになりそうだったので、そのまま入場した。
武道館の1F席はステージ上手、東側の真横よりわずかに後ろ側。4列目でまずまずの席だった。ステージ前に白い緞帳が降ろされており、アナウンスで開演前に20分のビデオが上映され、そのままコンサートに繋がるとのこと。

スダンド2Fの横側上部のほうが売れ残ったようで、黒い緞帳で席を覆っていたので客の入りは8割というところだろうか。客層はやはり40代後半以上の女性が主流で、同世代の男性がそれに継いだ感じ。親子2世代というのも多かった。が、その子供がセーラー服着た女子高生というケースもちらほら。そりゃ当時の女子高生も30年もたてば、その子供もそれくらいになってるわなー

開演5分前くらいにビデオ上映が開始される。スクリーンのほぼ真横なので、すごく見づらかった。てっきりこのライブのために編集した武道館に向けてのヒストリー・ビデオだと思っていたが、普通のライブ・ビデオやプロモーション・ビデオ、短いコメント、シンプソンズでちょっと取り上げられているシーンなどが無造作に繋がっているだけで、いまいち意図が掴みにくかった。

真横の席のおかげで、ビデオの終盤で、ステージ上手にロビン・ザンダーがスタンバイしているのが見えた。その途端に、女子高生に舞い戻ってしまった年配の女性たちが「ロビーーーン!!!」と絶叫する。ビデオがまだ続いているのに・・・。

ビデオが終わると、例の武道館のイントロのナレーション「オーライ・トーキョー!!アー・ユー・レディー!!」のMC。興奮も頂点に達するが、なんとなくレコードの音をそのまま使っているような印象があった。続くMC「プリーズ・ウェルカム・エピック・レコーディング・アーティスト、チープ・トリック!」と当時の所属レーベルのま