« 英語でしゃべらナイト | トップページ | ACID MOTHER GONG大阪公演 »

2004/04/10

海外盤洋楽CD輸入禁止法案

アジアで販売されている日本より安価な邦楽CDの逆輸入を禁止する著作権法改正案が、洋楽の輸入盤の販売禁止にも応用される危険性があるということで、ネットを中心にあちこちで大論争となっているようです。解りやすくまとめたサイトも多いですが、代表的なものでは
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20040323ij21.htm
http://www.wikiroom.com/copyright/?%cd%ce%b3%daCD%cd%a2%c6%fe%c8%d7%b6%d8%bb%df%a4%ab
http://sound.jp/stop-rev-crlaw/

などがあります。

20ヶ国のレコード屋を回った経験から言うと、世界で一番国内盤の価格が高い日本の業界は企業努力というものを一切しない方針(少なくとも邦楽に関しては)を貫くようですね。

デンマークに3回ほど行ったことがあって、向こうの友達に教えてもらったり自分で買ってみたりして解ったのですが、未だに記録用CD-Rの価格が1枚300円とかで、コピーする割安感を無くすことでCDの購買力を維持しているようです。録音用カセットテープも最近までかなり高価だった。録画用の生ビデオテープも2時間テープで1本800円くらいします。CDはほとんどEUからの輸入品ですが、日本と同じような値段です。こういう方法で音楽業界を保護するやりかたもあるんだなと思いました。

日本に関しては、たとえば野菜を始めとする食品や衣類、電気製品に至るまで、ほとんどを人件費の安い他のアジアでの生産を推し進めることによって品質は二の次で低価格化を計ってきて、オーディオ製品などの電気製品に関しては、コストを究極まで追求した挙句品質が落ちたのは明らかだし、最近の若い世代は高品質なオーディオというものに頓着しない人が大部分を占めるようになってきたと感じます。

今、音楽を聴く若い世代というのはほとんどがパソコンとかMDとかで聴く人達だし、アナログ・レコードの時代にあった「モノを所有する」喜びに価値を見出せない人がほとんどでしょう。まあ、音楽というのはモノではないので、それはそれで健全だとも思います。これの究極のカタチは音楽産業の崩壊という結果に落ち着くでしょう。

デヴィッド・ボウイは最近のインタビューで、インターネットが発達した今日では従来のCD販売による音楽産業のカタチは継続し得ないので、今後はミュージシャンはライブ活動主体にシフトしていくべきだと発言していました。そういう音楽媒体を楽しむ構造が根本的に変革している時期に来てしまったのでしょう。

個人的に言えば、今から死ぬまで幽閉されて、手持ちの音楽だけでガマンしろと言われたとしても、時間が足りないくらい充分な量があるし、買いたくないもの、欲しくないものは買わないという方法で対抗できます。
またamazon.co.jpなど海外の大資本系列でCDが信じられない安価で買える現状は、貧乏な時に国産品の半額以下の中国野菜などの食べ物を買うような気分でもあります。
でも一番お金がなくて、いろいろジャーマン・ロックが聴きたかった81年の時点でカンのタゴマゴのレコードは京都の輸入盤屋で5,600円もして、あきらかに足元を見られているなと思ったけど、どうしても欲しかったのでなけなしのお金で買ったという経験も思い出したりしました。

さしあたりは、鎖国されても何も買わなければいいとか思っている部分もあります。しかし国内で入手できないマイナー盤にまで規制がかかるのは許せない。

これからはいかなるマイナー盤も弱小レーベルによって正規ディストリビューションされて国内盤扱いにする方向になるかもしれませんね。もしくはモノとして流通させないで、インターネットでデータとして販売していくことになるような気がします。どちらにせよ、CDというフォーマットは今後そう長くはもたないのではないでしょうか。

|

« 英語でしゃべらナイト | トップページ | ACID MOTHER GONG大阪公演 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 海外盤洋楽CD輸入禁止法案:

« 英語でしゃべらナイト | トップページ | ACID MOTHER GONG大阪公演 »