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2004/06/24

ロスト・イン・トランスレーション

6月22日
日本人を「理解の出来ない未知の人種」としか描いていないことから「国辱ムービー」「親の七光りで才能のない娘が撮ったカラッポの映画」などという評価が一般的なソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』がやっと大阪で公開されたので見てきました。
まあ、欧米人種から見た日本って、結局この程度の理解度が平均的なものなのでしょう。そこらへんを正直に描いたソフィアは評価したい。別に最後まで何の事件も起こらずに淡々と日本滞在の現実が描写されるだけなのも良い。
でも本筋的には、主人公二人にとって日本そのものは本当にどうでもいい存在として認識されているし、必然性もない。
唯一うかつに、おかしさがすぐに理解できなかったのが、主人公二人がしゃぶしゃぶを注文して、ただの肉が皿に盛られて置かれたことに唖然とするシーン。日本人ならあたりまえに自分で調理するだろうけど、欧米人種って野外バーベキューでしか肉を調理できないんだなと。ましてやお金を払って食べるレストランとかでは。

この映画でいい所は、情けない中年の主人公ビル・マーレーが無理やりカラオケに連れていかれてロキシー・ミュージックの"MORE THAN THIS"をヘロヘロに歌うシーン。ブライアン・フェリーの超名曲をここまで情なく歌うシーンに男の悲哀が身に沁みました。
ヒロインのスカーレット・ヨハンソンはプリテンダーズの"BRASS IN POCKET"を音痴に熱唱。
さらにヒロインをカチンとさせるライバル的存在だった同じホテルに滞在する映画スターのアンナ・ファリス(『最終絶叫計画』大好き!)がラウンジの生バンドをバックにヘタクソな歌声で『007私を愛したスパイ』のテーマ・ソング、カーリー・サイモンの"NOBODY DOES IT BETTER"を歌う。007オタクとしては嬉しくなってしまいました。
いずれも二昔も前の名曲で、音楽ファンのツボを突かれた気分です。
はっぴいえんどの『風をあつめて』も使われているけど、まあサービスでしょう。大好きな曲だけど。

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