« 2005年4月 | トップページ | 2005年6月 »

2005年5月

2005/05/31

オペレッタ狸御殿

鈴木清順の新作。前に見た「ピストルオペラ」よりもキレまくっていて、清順テイスト炸裂。由紀さおり&平幹二朗の怪演が凄くて由紀さおりのエミネムばりのラップには眩暈がした。チャン・ツィーもほとんど中国語のままで演技を敢行。最初は「これ映画として成立するんだろうか」と心配になるほど意味不明の展開が続くが、徐々に開き直れてきて、楽しくなってくる。編集も舞台装置の展開も日活時代の鈴木テイストそのまんまで嬉しい。薬師丸ひろ子の演技が素晴らしくて、この映画にぴったり。かえるの「ケロリン!」では椅子からずり落ちそうになった。ダンスのシーンが北野武版『座頭市』をちょっと思わせたり。でもこっちのほうが優雅というか吹っ切れているというか。チャン・ツィーも1回転してグッド・キャスティングだったといえるかな。「初恋の来た道」の面影は微塵もないけど、綺麗だった。オダギリ・ジョー=宍戸錠、チャン・ツィー=真理アンヌで「殺しの烙印」をリメイクしたものを見てみたかった気もする。
http://www.tanuki-goten.com/

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ベルンの奇蹟

ドイツ映画はなるべく見るようにしていて、そんなに興味ないジャンルだったのだけど見てみるとかなり良かった。1954年の奇蹟のサッカー・ワールドカップ優勝実話を軸に敗戦から抜け出せきれていない炭鉱町の一家の物語を描いていて、本国では空前の大ヒットだったらしい。全ての人々の想いがラストのワールドカップ決勝戦に向かってじわじわと盛り上がっていき、最後に爆発する。この時代のドイツの様子に興味があったのだが見事に描けていて大いに勉強になった。精神的に復帰できないシベリア抑留帰りの父とその家族の葛藤という重苦しいテーマを、ワールドカップを密着取材するスポーツ記者とその妻のエピソードが緩和してていい感じ。近所の子供達がやってる草サッカーチームの紅一点の女の子(当時のドイツの女の子って皆こういう髪型だったんだろうな)がいい味を出していた。こういう映画を作られたら、来年のドイツ・ワールドカップはいやがおうにも盛り上がるだろう。
http://www.elephant-picture.jp/bern/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

バタフライ・エフェクト

タイムスリップものの映画はゴマンとあるけど、タイムマシーンを使うのじゃなくて、遺伝体質でタイムスリップしてしまう発想が斬新。編集のテンポが良くて先が読めずにスリリングな展開を堪能できた。ストーリーはマリリオンのコンセプト・アルバム"Misplaced Childhood"をちょっと思わせる部分があった。

再結成したり、完成できなかったアルバムを作ったりして後ろ向きの夢を実現させるのがロック・ミュージシャンだったりする。その意味ではルイス・シャイナーの『グリンプス』にも似たタイムスリップ映画だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

さよなら、さよならハリウッド

これでもかと、全く同じ絵を違うフレームで飾るかのように、同じスタイルの映画を撮り続けているウッディ・アレンの(日本では)最新作。『セレブリティ』で変化球を見せるも、ここんところは安心して見られるいつものウディ・アレン節が本作でも炸裂している。趣味でやっているジャズ・バンドのヨーロッパ・ツアーの模様を捉えたドキュメンタリー『ワイルドマン・ブルース』を見て、ほとんど素のままであの演技となることも理解できた。女狂いで、でも平穏で静寂な暮らしを求めるくせに映画監督なんかやってるウディはやはり天才。永遠の金字塔『アニー・ホール』とがらりと作風を変えた『インテリア』、そして『世界中がアイ・ラブ・ユー』がとりあえず私の3大ウディ・アレン作で、これを超えるのはもうちょっと無理かな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/05/17

ジューダス・プリースト 大阪公演

judaspic
5月16日、ロブ・ハルフォードが復帰したJudas Priestのライブを大阪城ホールで見た。前に見たのが1984年の大阪フェスティバルホールだから21年ぶり。メンバーも50代になって歳をとってしまったが、ついに再び本物のヘヴィ・メタルを見ることが出来たという充実感でいっぱいのライブだった。

初来日が1978年だから客層も10代から50代までバラエティに富んでいる。ロブ時代のプリーストを見たことのない若者も沢山いて、伝説のオリジナル・ヘヴィ・メタルのパフォーマンスに圧倒された感じ。さすがに50代での全力投球には体力的な限界があるのか、曲間の休憩が結構長くてクールダウンしてしまいそうになったが、1曲1曲は手をぬくことなく全力疾走。グレンやKKのギターも凄まじく、ロブの声も全盛期に劣らぬ素晴らしさだった。

終盤に福岡で復活したという"EXCITER"をやってくれてからは、脳ミソの中身が吹っ飛んでしまい、声もガラガラになるほど叫びまくっている自分に気がついた。最初に聴いたアルバムがライブ・イン・ジャパンの『プリースト・イン・ジ・イースト』で、15歳の頃、風邪と高熱でうなされながら寝ている時にラジオで東郷かおる子が紹介して流れてきた『エキサイター』を聴いて、高熱が吹っ飛んだ思い出がある。よもやこの曲を生で聴ける日が来るとは思っていなかった。

もう思い残すことは何もない。ヘヴィ・メタルという音楽のオリジナルをたっぷり堪能できたのだから。

1. The Hellion
2. Electric Eye
3. Metal Gods
4. Riding On The Wind
5. The Ripper
6. A Touch Of Evil
7. Judas Rising
8. Revolution
9. Hot Rockin'
10. Breaking The Law
11. I'm A Rocker
12. Diamonds And Rust
13. Worth Fighting For
14. Deal With The Devil
15. Beyond The Realms Of Death
16. Turbo Lover
17. Hellrider
18. Victim Of Changes
19. Exciter
20. Painkiller

21. Hell Bent For Leather
22. Living After Midnight
23. You've Got Another Thing Comin'

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/05/16

ジェスロ・タル東京公演

jethrotull
5月11日、12日と東京の渋谷公会堂にて行われた、ジェスロ・タルの12年ぶりの来日公演を見に行った。前回は93年の9月22日に渋谷のオン・エアでたった1回のみの日本公演で、それも見ることが出来たのだが、今回は最後の来日になる可能性があるとイアン・アンダーソンが公言していたので、万難を排しての観戦である。初日はソールド・アウトですぐに追加が決まり、2日目は『アクアラング』を完全演奏するという告知がなされていて、期待は高まっていた。会場では20数年来の友人が一同に会して、すっかり同窓会気分だった。

既に古くからのメンバーはイアン・アンダーソンとセカンド・アルバムからのギタリスト、マーティン・バレーだけになってしまっていたが、演奏は非常に安定しており、というよりはあらゆるロックバンドの平均的なパフォーマンスなど寄せ付けない迫力を維持していた。イアンのフルート・プレイも唸りまくっていて衰えを全く感じさせない。マーティン・バレーは評価されている以上にハード・ロック寄りのプレイをしているのが印象的。

両日とも歴代のアルバムからムラなく演奏され、イアンやマーティンのソロ・アルバムからもプレイされた。初日は中期の名盤"Heavy Horses"からも"Weathercock"などの珍しいナンバーが演奏され感動。2日目は『アクアラング』を一挙に演奏するのではなくて、間にいろいろ曲を挟んでのプレイ。"Thick As A Brick"も演奏された。

ハイライトは今でもネタにしている88年度グラミー賞ヘヴィ・メタル部門でメタリカを蹴落として受賞に輝いた"Crest of a Knave"の名曲"Budapest"で、恐るべき迫力と盛り上がりでロングヴァージョンとして演奏された。その後はお約束の"Aqualung"。アンコールも"Aqualung"から"Locomotive Breath"など。例の巨大風船も2個登場して、お客がすっかり風船バレーボールに夢中になっている間に終了。

演奏が完璧とはいえ、中期のあのメンバー全員がカリスマに満ちていた頃のジェスロ・タルには及ばないかもしれない。が、現役ロックバンドとしての誰も寄せ付けない貫禄をたっぷり堪能できた貴重なライブだった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ジェフ・ベック被害者の会、音出しオフ会

5月8日、名古屋のライブハウス、メモリーポップスで開催された『ジェフ・ベック被害者の会、音だしオフ会』に友人のバンドが出演するので見に行った。ジェフ・ベックを愛して止まない人たちが1~4曲づつくらい、かわりばんこにジェフ・ベックの曲を演奏するというイベントで、飽きずに大変楽しめた。

友人のバンドはELP編成のトリオで実はイントロでちょっとだけ『ブルー・ウィンド』を演奏して、その後はキング・クリムゾンのカバーをやるという反則出演。友人もジェフ・ベックは苦手とのことで愛が感じられない出演だったが、結構ウケていた。演奏もセンス・オブ・ワンダーが86年に東京FMのスタジオ・ライブで披露した『21世紀の精神異常者』よりもソリッドでアナーキーなカッコいい演奏だった。さらに『イージー・マネー』も演奏。

その他の出演者は超絶テクニックで『ギター殺人者の凱旋』~『ゼア・アンド・バック』あたりをコピーすものから、初期のシングル、『ハイホー・シルバー・ランイング』をぎこちなく演奏する女性バンド、第1期ジェフ・ベック・グループのブルース色の強い曲をカバーするものから、ゲイリー・ムーアがカバーしているヴァージョンで『シェイプス・オブ・シングス』を演奏するヘヴィ・メタル・グループとヴァラエティに富んでいて、めちゃくちゃ楽しかった。

ジェフ・ベックといえば、大好きなサイバー・パンクSF作家、ルイス・シャイナー(ロックファンは『グリンプス』は必読)の短編でSFマガジンの1986年11月号に掲載された『ジェフ・ベック』ほど、ファンのツボをつくものはないだろう。ジェフ・ベックしか聴かない主人公が倦怠期を紛らわすために友人にもらった得体の知れないドラッグを飲むが、それはジェフ・ベックのようにギターを弾くことができる魔法のピルだったという話。ディテールが完璧で、本当にジェフ・ベックのハードコアなファンでも唸ってしまうほどである。

今回このイベントを見て、このSF小説のことを真っ先に思い出してしまった。演奏した人々も魔法のピルを飲んでしまったに違いない。

7月には9度目の来日公演が実現する。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

G3 大阪公演

g3pic
5月6日、大阪国際会議場メインホール(グランキューブ大阪)でG3のコンサートを見た。出演はドリーム・シアターのジョン・ペトルーシ(ドラムも同バンドのマイク・ポートノイ)、スティーブ・ヴァイ(ベースはビリー・シーン)、そしてジョー・サトリアーニの3組。楽器の展示ブースもあって、ギター少年層が多かった。所謂早弾きを売りにしているギタリストばかりで、日本人にウケる判りやすいギターのテクニックのひとつである。早いということだけならアラン・ホールズワースを第1人者と考えたいが、3組とももっとメタリックでメロディアスな感じ。

ジョン・ペトルーシはドリーム・シアターで2度ほど見たことがある。思ったより地味なパフォーマンスで、座って見ている客もちらほら。ポートノイのドラムセットもドリーム・シアターからは考えられないほどシンプル。パフォーマンスではなく聴かせるショーにしていたようだが、中途半端な盛り上がりで終了。

スティーブ・ヴァイはデヴィッド・リー・ロスのソロ来日時とソロ初来日を見ている、ザッパ時代から大ファンのギタリスト。デヴィッド・リー・ロスの来日時には既に脱退していたビリー・シーンがベース。Mr.Bigで1度見たことがあるだけだが、このチームはハデハデで完璧なショーマンシップを披露してくれた。笑ってしまうほどのトリッキーなプレイはザッパ時代から鍛えられたものである。こういうショーは楽しい。キーボード兼サイド・ギターのトニー・マカパインも超絶ギターを披露してくれた。ビリー・シーンの日本での人気はやはり絶大で、歓声の度合いが違っていた。この面子でのライブを単独公演でも見たいと思う。

ジョー・サトリアーニは93年にリッチーが急遽脱退した代打ギタリストとしてディープ・パープルで見て(というかサトリアーニ見たさに行った)、あと96年のソロ公演を見ている。早弾きよりも優雅でキャッチーなメロディー・ラインが印象的で、やはり実力派という感じ。音の深みに充実感が漂う。『サマー・ソング』や『フライング・イン・ア・ブルー・ドリーム』といった大好きな定番チューンも演奏してくれて満足。

最後はお約束で各ギタリストがセッションでジミヘンの『フォクシー・レディー』やディープ・パープルの『スモーク・オン・ザ・ウォーター』を演奏して終了。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2005年4月 | トップページ | 2005年6月 »