ジェフ・ベック被害者の会、音出しオフ会
5月8日、名古屋のライブハウス、メモリーポップスで開催された『ジェフ・ベック被害者の会、音だしオフ会』に友人のバンドが出演するので見に行った。ジェフ・ベックを愛して止まない人たちが1~4曲づつくらい、かわりばんこにジェフ・ベックの曲を演奏するというイベントで、飽きずに大変楽しめた。
友人のバンドはELP編成のトリオで実はイントロでちょっとだけ『ブルー・ウィンド』を演奏して、その後はキング・クリムゾンのカバーをやるという反則出演。友人もジェフ・ベックは苦手とのことで愛が感じられない出演だったが、結構ウケていた。演奏もセンス・オブ・ワンダーが86年に東京FMのスタジオ・ライブで披露した『21世紀の精神異常者』よりもソリッドでアナーキーなカッコいい演奏だった。さらに『イージー・マネー』も演奏。
その他の出演者は超絶テクニックで『ギター殺人者の凱旋』~『ゼア・アンド・バック』あたりをコピーすものから、初期のシングル、『ハイホー・シルバー・ランイング』をぎこちなく演奏する女性バンド、第1期ジェフ・ベック・グループのブルース色の強い曲をカバーするものから、ゲイリー・ムーアがカバーしているヴァージョンで『シェイプス・オブ・シングス』を演奏するヘヴィ・メタル・グループとヴァラエティに富んでいて、めちゃくちゃ楽しかった。
ジェフ・ベックといえば、大好きなサイバー・パンクSF作家、ルイス・シャイナー(ロックファンは『グリンプス』は必読)の短編でSFマガジンの1986年11月号に掲載された『ジェフ・ベック』ほど、ファンのツボをつくものはないだろう。ジェフ・ベックしか聴かない主人公が倦怠期を紛らわすために友人にもらった得体の知れないドラッグを飲むが、それはジェフ・ベックのようにギターを弾くことができる魔法のピルだったという話。ディテールが完璧で、本当にジェフ・ベックのハードコアなファンでも唸ってしまうほどである。
今回このイベントを見て、このSF小説のことを真っ先に思い出してしまった。演奏した人々も魔法のピルを飲んでしまったに違いない。
7月には9度目の来日公演が実現する。
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