ジャーマン・ロックの宝庫 片腕カンフー対空とぶギロチン
例の『片腕カンフー対空とぶギロチン』が1月18日の深夜に読売テレビで 放送されたので観賞。前作の『片腕ドラゴン』はリアルタイムで見てて、この続編は昔放送されたらしいですが、見たかどうか覚えておらず。
もうこの映画のカルトさは、あちこちのサイトで多く詳しく語られているので割愛しますが、まあ70年代前半にブルース・リー・ブームに乗じて無数に作られた粗悪な香港カンフー映画の中でも異彩を放っている、とんでもない作品です(1975年製作のこの映画は台湾で撮ったらしく、台湾映画として紹介されている場合もあり)。
また、タランティーノの『キル・ビル』の元ネタ映画として、最近の若い人達の間でも有名となり、ジャーマン・ロックのNEU!(ノイ!)の1973年のセカンド・アルバム、NEU!2から『Super16(空間美学PART2)』が無断で使われていて、それをタランティーノがレスペクトして『キル・ビル』でも使用。『キル・ビル』のサントラにも抜粋が収録されていることなども広く知られています。NEU!のメンバーだったミヒャエル・ローテルのオフィシャル・サイトでも、『キル・ビル』公開時に、映画に使用されたことがニュースとして紹介されたりしていたので、こっちは許可をとっているのでしょう(あたりまえだが)。
まあ片腕ドラゴンに弟子を殺されて復習に燃える、清朝の刺客である盲目の僧侶の登場シーンに流れて、ピッタリの殺伐さなのですが、その僧侶が空とぶギロチンでひと暴れした後でオープニング・テーマとなって、そのテーマとして同NEU!2のラスト・ナンバー『Super』がまるまる使われてたりします。あの「ウォー!」とか「キャー!」という合いの手もなぜかピッタリとマッチしております。なかなかナイスな選曲。
さらに中盤では、同じくジャーマン・ロックのタンジェリン・ドリームの1974年のアルバム『Phaedra(フェードラ)』からタイトル曲が、エンティングにはクラフトワークの1974年のアルバム『Autobahn(アウトバーン)』から『Kometenmelodie2(大彗星 軌道)』が使われております。他にも隅をつつけばいろいろ出てくるかも。
いずれも完全に無許可なんだろうけど、何故ゆえにジャーマン・ロックだったんでしょうか。マイナーな西ドイツのロック・アルバムならバレないと踏んだんだろうか。そもそもこれらのアルバムを耳にしたということは、香港・台湾あたりでも、ある程度流通していたんでしょうかねー。ここらへんを主演兼監督のジミー・ウォン先生に尋ねてみたいところです。
ちなみに、2ちゃんの番組実況板・関西ローカルスレッドで実況しながた見たら、あまりの突っ込みどころ満載度に死ぬ程盛り上がりました。あの武闘大会の行司のAAが秀逸でした。
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\勝/ バッ
( ゚д゚)ノ
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