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2006年3月

2006/03/11

デヴィッド・ギルモア On An Island

onanisland01
David Gilmour22年ぶりのソロ・アルバム、"On An Island"を米国盤にて購入。ピンク・フロイドの最新作、『対』からも12年が経過しての久々のスタジオ作品。いかにもフロイドという仰々しいインストゥルメンタル・コラージュから始まって、フロイドっぽい曲も何曲かあるが、相対的にはフィル・マンザネラの共同プロデュースが幸いしてか内省的で静かな味わいのある作品に仕上がっていた。

クロスビー&ナッシュ、リック・ライト、ロバート・ワイアット、ジュールス・ホーランドも各1曲づつ地味に参加している。前作では故ジェフ・ポーカロがドラムをプレイしていたが、今回はアンディー・ニューマックが数曲でドラムをプレイ。フロイドの『ファイナル・カット』のラスト曲やロジャーウォーターズのソロ『ヒッチハイクの賛否両論』にも参加しているが、ここはフィル・マンザネラや、デイヴがゲスト参加したことのあるブライアン・フェリーの人脈繋がりかだろう。

フィル・マンザネラはロバート・ワイアットのここ2作のアルバム作製でも活躍(ギルモアも最新作の『クックーランド』に参加)していて、本作でも同質のフレーバーを感じ取れるが、今回はキーボードも控えめにプレイ。最終的にクリス・トーマスが仕上げているところは73年の『狂気』と同じ感じである。ドラムでは、78年のファースト・アルバムでプレイしていたフロイド加入以前からの旧友のウィリー・ウィルソンも1曲叩いている。ギルモアはギターの他、サックスやパーカッション、キーボード、ベースハーモニカなどもプレイしていて、ソロ・アルバムならではの活躍ぶりである。

ほとんどの曲をデイヴの奥方のポーリー・サムソンが共作しており、個人的にも彼女に捧げられた作品。ブックレットのアートワークも露骨に2人の絆の深さが表現されている。ここらへんがフロイドではありえないくらい個人的。

87年の再結成フロイドのアルバム『鬱』は実質デイヴ・ギルモアのソロ・プロジェクトで、リックもニックもほんの少ししか参加していないのだが、このアルバムとはやはりソロとしての本質的な仕上がりが違っていた。フロイド的な意識的なゴージャスさが本作では随分と希薄になっているように感じ入られる。96年発表のリック・ライトの素晴らしいソロ・アルバム『ブロークン・チャイナ』はフロイド・ファミリーのソロ・アルバムでは実は一番好きだったりするのだが、これに通じる素朴な味わいを感じることができた。最終的にはDVDにもなった2001年のメルトダウン・フェスティバルで絆を深めたロバート・ワイアットのアルバム作りにも影響されているようだ。

昨年のライブ8での、ロジャー・ウォーターズを加えたフロイドの復活ライブには、本当に驚かされた。裁判沙汰にもなり、これ以上こじれることはないというほど深い確執を持った泥沼のロジャーとフロイドの関係が修復することは絶対にあり得ないと誰もが思っていたはずだが、ロジャーのほうからライブを持ちかけて、それをギルモアが承服した形となったようだ。ギルモアのほうが常にオープンなスタンスでロジャーに対応していたが、ロジャーがかたくなにフロイド側を拒否していたというのは誰の目にも明らかであった。今回も大人の対応をしたのはギルモアのほうだったようだが、それにしても20年という年月が全てを丸く収めてしまうものなのだと実感させられた。歴史的なライブであったが、恐らくこれで、うっかりロジャー抜きのフロイドでは活動できなくなったのも事実だろう。

昨日からドイツのドルトムントを皮切りに5月まで続くソロ・ツアーが開始されたが、ヨーロッパ、イギリス、北米ともにチケットは完売。ちょっと見に行くことを決心するのが遅すぎた。ギルモアをピンク・フロイドで見たのは88年3月の大阪公演が最後となっている。今回のツアーにリック・ライトも参加するとなれば、何が何でも見たかった。最終地である5月末のロンドンで見ることができれば最高なのだが。

追記
2006.03.10 Dortmund Konzerthaus
David Gilmour - Vocals & Guitars
Phil Manzanera - Gitarren
Richard Wright - Keyboards
Guy Pratt - Bass
Jon Carin - Keyboards
Steve DiStanislao - Drums / Percussion
Dick Parry - Saxophon

Castellorizon
On An Island
The Blue
Red Sky At Night
This Heaven
Then I Close My Eyes
Smile
Take A Breath
A Pocketful Of Stones
Where We Start
------------------
Shine On You Crazy Diamond (parts 1-6)
Wot's...Uh The Deal
Wearing The Inside Out
Breathe
Time
Breathe (reprise)
Dominoes
High Hopes
Echoes
------------------
Wish You Were Here
Comfortably Numb

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