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2006年11月

2006/11/29

スティーブ・ハケット 大阪公演

Hackett01

Steve Hackett Acoustic Trioのライブを11月27日に大阪ブルーノートで見た。2ステージ入れ替え制で料金も普通席8千円と高かったが、ウェットン/ダウンズの時見たドリンク付き6千円のカジュアル席にして2ステージ共見る予算を捻出。

ハケットは1996年のジョン・ウェットン、イアン・マクドナルドらとの初来日を3回、2002年の今回と同じアコースティック・トリオでの来日をお台場のTLGで1回、2003年にジョン・ポール・ジョーンズらと共演した企画ライブ"GUITAR WARS"を1回見ているので、今回が6、7回目。メンバーはファーストアルバムからの長い付き合いの弟John Hackett(フルート)と、前回のギター・ウォーズにも参加していたRoger King(キーボード)との3人編成。

アコースティック・トリオということと、ブルーノートという場所柄のせいか、1部も2部も80人程の入りだった(別会場で元フォーカスのギタリスト、ヤン・アッカーマンのライブもあったし。)が、内容は素晴らしかった。ハケットのクラシック・ギターの技量はとんでもなくて、プログレッシヴでエレクトリックなギター・テクニックと双璧をなしている。


Hackett02

内容は2002年のTLGでのライブとほぼ同じ構成で、1部と2部ではジェネシスのカバーの内容が少々違っていた。やはりソロの最初の4枚からの選曲"Jacuzzi","The Red Flower of Tachai Blooms Everywhere","Hands of the Priestess","Kim","Ace of Wands"は耳馴染みが良く、懐かしい。
"Horizons","Supper's Ready"の"Apocalypse in 9/8のイントロ部,"Hairless Heart","After The Ordeal","Blood on the Rooftops","Cuckoo Cocoon","Slipperman","Firth Of Fifth"などのジェネシス時代のナンバーもメドレーで披露され、オールド・ファン(しかいなかったけど)を狂喜させた。GTRの曲まで演奏されたのは凄かった。

ハケットはジェネシスの中では実は一番好きな人で、自分の感性に一番近いものを持っている気がする。とにかくどんな音楽でも吸収してやろうという人で、泣きのプログレからブルース、クラシック、現代音楽、ヘヴィ・メタル、ニューエイジ、アヴァンギャルド、オールディーズ、ポップス、R&B、産業ロックと、引き出しが凄く沢山あって、自由自在に操っている感じが凄い。
ハケットだけでこの才能である。5人時代のジェネシスがいかに凄いバンドであったかということを改めて思い知らされる。

終演後は3人が客席に再登場して観客からのサインや2ショット写真に気軽に応じてくれ、私もジェネシスの『月影の騎士』紙ジャケとファーストの『侍祭の旅』と3人参加の『ライブ・アーカイブ05』にサインを貰い、友人のカメラで2ショット写真も写させてもらった。久々に超舞い上がってしまい、しどろもどろにしか喋られなかった。私にとってはそれほどの人なのだ。

Hackett03

残念ながら自分自身のロック・バンド形式での来日は実現しておらず、4回の来日公演でまだ1度も"Spectral Mornings"は演奏されていない。この曲を生で聴ける日までなんとか努力したいものである。

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2006/11/21

のだめカンタービレ

二ノ宮知子の原作は一回も読んだことがなくて、石川雅之の「もやしもん」にちょっとだけ出ていたので知ってる位でした。

フジテレビで始まったドラマは、第1回からハードディスク・レコーダーに高画質で撮り貯めしていたものの、見られずに放置。なぜ見られなかったかというと、上野樹里が良すぎて、見るのがもったいなかったから。本日意を決して一気に観賞してみると、とにかく上野樹里が良すぎて、同じシーンを繰り返して見てしまい前に進めない。それでもがんばって1日かかって今週分まで全部観賞。脚本とテンポはなかなか良いですね。あと玉木宏が素晴らしく良い。

ギャク・ドラマのようですが、原作もそうなのか。のだめのキャラクターはあれでいいのか。上野樹里の演技はアクが強すぎて、嫌悪感を抱く人も多いんじゃないだろうか。原作を読んでないのでなんとも言えませんが。

スウィングガールズ』以来の竹中直人との共演も久しいですが、上野樹里はあの頃とはまったく違うアプローチでファンを悩殺しております。

ギャグ・シーンのBGMで随所にプロコフィエフ『ロミオとジュリエット』が使われていたりして、案外ELPファンが見るとハマるような気も。

とりあえず原作を読んで見たいので、久々にマンガ喫茶にでも行ってみようかと思います。

あと、汚ギャルというのは実際に存在するのだろうか・・・。フロ嫌いな人は知り合いにいるけど。

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トゥモロー・ワールド

Childrenofmen01Battersea01初めのほうのシーンで主人公が「文化省」に勤める従兄弟に会いに行くが、場所がなんとバタシーパーク発電所で、当然のようにピンクの豚が飛んでいる。しかし、バックに流れる音楽はピンク・フロイドではなくて、キング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』。このシーンだけで元は取れたと思った。

2027年の近未来、未知のウィルスによって人類の子供が産まれなくなる現象が18年間続く荒廃したロンドンが舞台のサイバー・パンク風SF映画で、最初はよく知らなかったので安っぽいハリウッド超大作を想像していたが、良い方に見事に裏切られた感じ。

映像は『ブレード・ランナー』風のいかにもという感じの近未来描写は少なくて、あくまで現代的。長回しを多用した描写は、かなりリアル。最後の市街戦はサラエボなどの内戦を思わせるが、6分もの1発撮りの長回し(厳密には編集しているかもしれないが)は圧倒的だった。ハリウッド的ではない終わり方も良かった。

陰惨なタッチと英国独特の雰囲気、疫病がなぜ起こったのかの説明が全然ないところなどが、同じくイギリスを舞台にしたゾンビ映画『28日後』に非常によく似ていると感じた。脚本と監督は『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のアルフォンソ・キュアロンで、P・D・ジェイムズの原作からはかなり逸脱しているとのこと。しかし、よく作りこまれた映画で琴線に触れっぱなしだった。大ヒットはしない(むしろコケるかも)だろうが、カルト作品として長くビデオで見続けられる気がする。

音楽は現代音楽の巨匠、ジョン・タヴナー。しかし60年代~70年代ロックも多く使われて、こちらにも魅了された。

トゥモロー・ワールドのオフィシャル・サイト
http://www.tomorrow-world.com/

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2006/11/18

怪獣使いの遺産

ネットでも賛否両論で大論争になっている、先週放送のウルトラマンメビウス第32話『怪獣使いの遺産』を見た。1971年11月19日に放送された帰ってきたウルトラマン第33話『怪獣使いと少年』の正式な続編となる。

全ウルトラシリーズを通して最大の問題作といっていい『怪獣使いと少年』は、子供の頃リアルタイムで見て、しばらくショックで食事もできなくなってしまった程の内容だった。日本人の意識の奥深くに根付いている差別感情と民族意識をこれでもかと見せつけられ、後味の悪さもウルトラセブン第42話, 『ノンマルトの使者』を彷彿とさせるものがあった。

地球に気象観測に来たものの、病魔に冒されて帰還できなくなったメイツ星人は、乗って来た円盤を念動力で河原深くに埋める。北海道出身の身寄りのない少年が、金山という老人に擬人化したメイツ星人と廃屋に同居しながら、円盤を掘り起こそうと日々河原でスコップをふるう。怪しげな老人と暮らす挙動不審な少年を宇宙人扱いして徹底的に差別し、目を覆いたくなるような迫害を加えるイジメっ子グループと町の住民達。唯一の希望は少年を対等に扱ってパンを売ってくれるパン屋の娘だけ

結局メイツ星人は、町民にリンチを加えられそうになった少年を庇って、警官に射殺され、メイツ星人が円盤と一緒に河原に封じ込めていた怪獣ムルチが覚醒してしまう。地球人の排他的でご都合主義の態度に、同じ宇宙人であるウルトラマン=郷秀樹は完全に愛想を尽かしてしまうが、結局郷隊員は息伊吹隊長に叱責され、ウルトラマンに変身して怪獣を倒す。ラスト、メイツ星人が死んでも円盤を探し出そうと、河原を掘り続ける少年。彼も地球に愛想を尽かして、メイツ星に行きたかったのだ。
全編を通して降り続く雨、修行僧のコスプレで少年と郷隊員を見守る伊吹隊長、印象的な音楽、凝ったアングルは秀逸で深く脳裏に残る。脚本を担当した沖縄出身の上原正三のテーマは明確で、子供心にも突き刺さった。

それから35年。

オープニングは河原を掘り返す少年と、それを見つめる少女。BGMはあの前作でかかっていたオカリナのテーマソングそっくりの曲。今回もメイツ星人が地球にやってきて地球人との対話を求める。ウルトラマンメビウス=ヒビノ隊員はそれを承諾するが、またしてもGUYSの隊員に銃撃を加えられ、怒ったメイツ星人は連れてきた怪獣ゾアムルチを覚醒させる。なんとか説得を試みるGUYSの隊員。しかし復讐に燃えるメイツ星人は前回で地球人に射殺されたメイツ星人の息子だった。

脚本は少年時代からウルトラシリーズの大ファンだったという直木賞作家の朱川湊人という人で、私と同じ歳。まさに直球ど真ん中で影響されたのだろう。何となれば、我々世代ひとりひとりが独自の続編を考えることだって可能だろう。今回は宇宙人の言動に稚拙な部分があるし、メビウスらしいポジティブな美談化&子供でも理解できる内容へのソフィスティケイテッドが目立つ。そこらへんに反論が集中しているようだが、とりあえずあの35年前の名作を再度広く布教したことだけは評価したい。

かつての少年の知り合いだった少女が幼稚園の園長先生となり、メイツ星人を説得するのだが、演じているのが何と斉藤とも子。歳をとっても美しかった。

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2006/11/08

再結成ジェネシスのチケット

Genesispic01Genesispic02Genesisトニー、フィル、マイクの3人時代での再結成が唐突に発表され、昨日記者会見とツアー日程の発表があったと思ったら、今日もうドイツ公演のチケットの発売がアナウンスされた。友人の情報で日本時間では夕方の18時から開始とのこと。

http://www.genesis-music.com/

http://www.genesis-movement.org/2007tour/pressconf.htm

厳しい。厳し過ぎる。この短い数時間でどう判断すればいいのだ。7ヶ月もあるというのに、もうチケットを売るとは。そんな先の予定が立てられる訳もなく、ただ日々の生活の希望の糧としてとりあえず購入することに決定。

日程を見ると初日はヘルシンキで中三日あってデンマーク、その後ドイツ公演は8回もある。98年の"Calling All Station Tour"をドイツに見に行った時に実感したが、やはりドイツでの人気は絶大。ベルリン公演終了後の帰りの電車で知り合ったデンマーク人の友人がコペンハーゲンに住んでいるので、ツアー2日目のデンマークと3日目のハンブルグをとりあえず予約することにした。

ハンブルグのチケットは販売サイトの会員になって、とりあえず一番高い席を買っておけばいいかなと、少々しかないのドイツ語力を直感的に駆使してクリックし無事購入。しかし、103.75ユーロ(約1万5千円)もし、送料も34.9ユーロもして絶句。なんとか無事購入完了の表示が出てひと安心し、デンマークの友人にチケット取れたとのメールを出すと、「それはたぶんスタンド席で、アリーナはオール・スタンディングでもっと近くで見られるはず」との返信が・・・。よく調べるとカテゴリー3の69.3ユーロの席種にSitztplatzではない、Stehplatzというのがあり、これが立見席で最前列まで強引に行こうと思えば行ける席だった模様。うっかり見落としていた・・・。で、まあ当日状況に合わせてスタンディング席を取ることも考えようということになり、ひと段落。

昨日の記者会見の録画も見たが、ツアーでのレパートリーは特に変わり映えしないような予感もする。ピーター・ゲイブリエルに参加を断られ、必然的にスティーブ・ハケット(今月来日)の参加も見合わされ、ダリル&チェスターを加えた安全牌な編成に落ち着いた模様。が、これが最後という感じなのでぜひ見たい。

GENESIS 'TURN IT ON AGAIN' TOUR DATES

11 June Helsinki, Finland Olympic Stadium
14 June Herning, Denmark Messecenter
15 June Hamburg, Germany AOL Arena
17 June Berne, Switzerland Stade de Suisse
18 June Linz, Austria Gugglestadium
20 June Budapest, Hungary Puskas Ferenc Stadium
21 June Katowice, Poland Slaski Stadium
23 June Hannover, Germany AWD Arena
26 June Dusseldorf, Germany LTU Arena
29 June Stuttgart, Germany Gottlieb-Daimler Stadium
30 June Paris, France Parc Des Princes
1 July Amsterdam, Holland Arena
3 July Berlin, Germany Olympiastadion
4 July Leipzig, Germany Zentralstadion
5 July Frankfurt, Germany Commerzbankarena
7 July London, UK Twickenham Stadium
8 July Manchester, UK Old Trafford
10 July Munich, Germany Olympiastadion
12 July Monaco Louis II Stadium
14 July Rome, Italy Telecomcerto at Colosseo

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2006/11/02

アイアン・メイデン 大阪公演

Ironmaiden01Ironmaiden02IRON MAIDENの2年8ヶ月ぶりの来日公演を前回と同じ大阪城ホールで見た。今回は新作"A MATTER OF LIFE AND DEATH"をまるまる完全演奏し、旧作からのレパートリーはアンコールの3曲を含めて5曲のみという構成。

今年はメタリカスパークスで、アルバムまるまる1枚完全演奏を見ているので3回目だが、以前にもマリリオン、マグマ、ドリーム・シアター、ニール・ヤング&クレイジー・ホース、パット・メセニー・グループ、ブライアン・ウィルソンなどのライブで、同様のアルバム完全演奏を見ており、ファン・サービスでやっていたメタリカの"Master Of Puppets"以外は、どのミュージシャンのものもコンセプト・アルバムだった。

新作が戦争というテーマはあるものの、厳密な意味でのコンセプト・アルバムではなかったので、「もっと旧作の曲を聴きたかったのに」と、この構成に違和感を持つ人も多かったようで、ネットでは批判的な感想も少なくなかった。この構成は、来日公演が実現しなかった昨年行われた、最初の4作のアルバムのみから演奏される"Early Days Tour"と対をなすものだったので、前回を見られなかった日本のファンにとってはいささか不公平感があるのも否めない。しかし、スティーブ・ハリスは客の望む物以前に、自分の本当にやりたいことを優先する人間なので、今回の構成もいかにも彼らしい決断だと思う。

だが、そのような事前情報による危惧など全く問題にならない程、メイデンのライブは相変わらず圧倒的で、超1流のライブ・バンドなのだと再認識させられた。いかにもという感じのリフや展開などパターン化されてしまっている部分も多いが、生で聴く新作はよりヘヴィで長くてドラマティックだった。完全演奏後の"Fear Of The Dark"は、開放感でいつもにも増して盛り上がった。本編ラストの"Iron Maiden"ではお約束の巨大Eddieが今回は戦車に乗って登場し、大爆笑。正直、旧作からあと2~3曲演奏してもらえていたら、より満足度の高いライブとなっていたかもしれないが、5曲に絞った思い切りの良さも、考え抜いた構成なのだろう。

チケットの売れ行きが伸びなかったせいで、楕円形のホールの長い方にステージを作って両側のスペースを閉鎖するというもったいない形状でのコンサートで、スタンド席でも近くで見られた。東京は武道館が完売で追加が出た程だったので、温度差にちょっとがっかりした。FM802の先行予約でとったのに当日券並の席だったのにも憤慨。しかし、集ったファンは皆熱くて、盛り上がったので本当に良かった。

あと、これだけ完璧なコンセプトでのライブなのに、前座にメイデンとかけ離れたポップなハード・ロックをやっているローレン・ハリスをもってくる、スティーブの親バカぶりは、ちょっと微笑ましかった。


Different World
These Colours Don't Run
Brighter Than A Thousand Suns
Pilgrim
Longest Day
Out Of The Shadows
Reincarnation Of Benjamin Breeg
For The Greater Good Of God
Lord Of Light
Legacy
Fear Of The Dark
Iron Maiden
encore
2 Minutes To Midnight
The Evil That Men Do
Hallowed Be Thy Name

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