Genesis 1976-1982 CD/SACD & DVD BOX
Genesisのアルバムを3期に分けてCD/SACD&DVDの2枚組と、ボックスセットで再発するプロジェクトの第1弾、1976-1982がリリースされ、4月3日にHMVより到着しました。
今回は"A Trick Of The Tail", "Wind And Wuthering", "And Then There Were Three...", "Duke", "Abacab"の5作で、ボックスセットはアルバム未収録曲集のボーナス・ディスク(CD/SACDとDVDの2枚)およびハードカバーのブックレットが付録された12枚組となります。
未収録曲集は全13曲中"Me And Virgil"と"Match Of The Day"の2曲以外は全て2000年に発売された3枚組レア・トラック集Genesis Archive #2に収録されているものでした。ただし今回は正規アルバム同様リミックスが施されています。
オリジナル・マルチトラックからステレオ・リミックスと5.1chサラウンド・リミックスが新たに作成されており(オリジナル・マルチトラックの見つからなかったSay It's Alright Joeを除く)、1アルバムにつき、CDステレオ、SACDステレオ、SACDサラウンド、DVDドルビー・ステレオ、DVDdtsサラウンドと5通りの聞き方が可能です。担当したのはGenesisの後期エンジニア蒹プロデューサーであり、1994年に2回に渡ってリリースされたDEFINITIVE EDITION REMASTERを担当したNick Davis。
2004年に発売された3枚組コンピレーションPLATINUM COLLECTIONは、収録された全40曲のうち23曲が同じくNick Davidによってリミックスされていて、その完成度の高さに度肝を抜かれたものでした。レコーディング当時は技術的な問題故に不可能だった製作上の理想的な完成図を目標としたような、オリジナルに敬意を払いつつ問題点を解決し、より鮮明にしたリミックスされており、新たな音粒が細部に渡って聴き取ることができます。
同じく2004年に発売されたプロモーション・ビデオ集THE VIDEO SHOWはアルバム収録曲が初めて5.1chサラウンド化されており、全アルバムのサラウンド化への期待も深まりました。
PLATINUM COLLECTIONは今回のシリーズのリミックス・ステレオ・パートを小出しにしたもので、THE VIDEO SHOWは5.1chパートを小出しにしたものではないかなと感じています。
1994年のDEFINITIVE EDITION REMASTERを聴いた頃は、1984年頃からCD化されはじめたアルバムと比較して、そのズバ抜けた音質に圧倒されましたが、13年が経過した今回のリミックス版は圧倒的に新鮮で全く新しい経験でした。
試しに"ABACAB"を94年版、04年のPLATINUM COLLECTION、今回のCD,SACDのステレオ、サラウンド、DVDのドルビー・ステレオ、DTSサラウンドと聞き比べてみました。安物ですが、DENONのSACD対応のプレーヤー(DVD-2910)とAVサラウンド・アンプ(AVC-1870)&BOSEの5.1chスピーカーを使っているので。結果、94年より04年のベスト版のリミックスは粒立ちがさらに鮮明になっており、今回のリミックスのCD,DVDステレオはそれとほぼ同じに聴こえ、SACDは音圧がさらに迫力を増していました。
サラウンドの効果は素晴らしく、"Wind~"などはメロトロンの音の洪水に囲まれているようでトリップします。ボーカルの上唇と下唇が離れる時出る「ニチャッ」という音まで時々聴こえる程です(汗)。
DVDのほうはアルバム音源の他に特典映像として、メンバーの各アルバムについての最新インタビュー、プロモーション・ビデオ、ライブ映像、ツアー・パンフレットの画像などが収録されています。目玉であるライブ映像は以下のものが収録されています。
A Trick Of The Tail
Genesis In Concert 1976 (昔日本でもLDでオフィシャル・リリースされたもの。約43分完全収録)
Wind And Wuthering
U.S.Television - Bootleg Video 1977 ("Your Own Special Way"と"Afterglow"の口パクTV出演映像。約8分、本当にブート並みの画質)
Japanese Television - Bootleg Video 1977 (テレビ埼玉、サウンド・スーパー・シティーのブートビデオをそのまま収録したもの。番組最後の日本語のテロップも出ます!"Eleventh Ealrl Of Mar""One For The Vine", "Your Own~"の抜粋ライブ映像。音声はアルバムのもの。約8分)
And Then There Were Three...
Three Dates With Genesis 1978 (約49分のツアー・ドキュメント。ブート画質)
Duke
Live At The Lyceum London 1980 (39分弱の短縮版。ブートで完全版が出回っているので残念。いずれ完全版をオフィシャル・リリースしてほしいものです。)
CDだけでも1984年の初期盤、1994年のDefinitive Edition, 1999年の紙ジャケ、今回のCD/SACD & DVD盤と4種類になってしまいました。次のメディアはどうなるのでしょう。
6月の再結成ツアーにあわせて発売される1983-1997と暮れあたりに発売される1970-1974まで期待は膨らみ続けます。特にPeter Gabriel在籍時のリミックス、『幻惑のブロードウェイ』のサラウンド化が待ちきれません。
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コメント
DVDがPALだったので買うのを控えていましたが、これを読んで欲しくなりました。
投稿: ♪死♪ | 2007/04/05 00:06
>♪死♪さん
どうもです。書き忘れていましたが、HMVの通販で買ったものは
NTSCのオールリージョンのもので、日本の普通のDVDプレーヤー
で再生可能でした。
HMVだと12,088円と破格の値段でしたが、もう完売の表示がなさ
れておりました。
投稿: tangerine | 2007/04/05 00:32