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2007/04/14

ハンニバル・ライジング 上・下巻

Hannibalrising01_1Hannibalrision02全然ノーチェックのうちにリリースされた、トマス・ハリスの『ハンニバル』以来7年ぶりの新作、『ハンニバル・ライジング』(上・下巻)を読んだ。4月21日に日本公開が決まっている映画も全然知らないうちに製作されていたらしく、2月に京都で公開予定の映画の看板を見て驚いた。

最近よくあるエピソード1もので、レクター博士の幼少からの生い立ちを綴ったもの。『ハンニバル』にも触れられていたと同様、対戦末期の東欧で飢えに苦しんだ脱走兵の捕虜となり、幼い妹ミーシャを最も残酷で悲惨な状況で失い、それが生涯のトラウマとなった経緯をさらに詳細に描いている。

興味深いのは、孤児となって叔父に引き取られたハンニバルが、叔父の妻である日本人、紫夫人に魅せられ、俳句や琴、活け花、侍の甲冑などの日本文化と芸術に深く傾倒していくという展開で、これは原文を読んでいる欧米人にはちょっと馴染み辛いテイストかもしれない。

前作と同様、根底にあるのは「生涯を賭けた復讐」であり、前作では宿敵メイスンに徹底的に駆り立てられたハンニバルが、今回は妹の敵を全てを投げ捨てて追う。この展開はスリリング。

「復讐とは冷やすほど美味くなる料理だ」(Revenge is a dish best served cold.)とは、『スタートレック2/カーンの逆襲』の台詞で、『キル・ビル』の脚本初稿にも引用された台詞だが、前作と本作の復讐鬼もこの言葉を実践している。復讐の前に完全に自己をコントロールできるまで冷やし続ける。相手も自分もそのことを忘れてしまう寸前まで・・・。個人的にも実践中のこと。

なお、前3作で触れられていたレクターの第6の指に関しては全く言及されていない。

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