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2007/06/30

Peter Gabriel Mainz公演

Peter02Peter03Peter05Peter GabrielThe Warm Up Tour: Summer 07を6月17日、ドイツのマインツで見た。ピーターを見るのは、1994年の日本公演を武道館2回、大阪城ホール1回見て以来13年ぶり。

ジェネシスのハンブルグ公演の翌日、Ripplesのイントロでフィルが言及していたレイパーバーンなどを観光し、デンマーク人の友人と再会を誓って別れ、ケルンに移動し、いつもお世話になっているドイツ在住時代に知り合った10年来の日本人の友人宅で一泊。

MTV世代の友人はピーター・ガブリエル(ゲイブリエル)がジェネシスに在籍したことは当然知らず、ジェネシスはフィル・コリンズあっての(コミカル)バンドで、フィル・コリンズがドラムを叩くことも当然知らないという「やらせじゃねーのー?」と突っ込みたくなる位のお決まりの認識で、嬉しくなってしまった。

で、「1967年、英国チャーター・ハウスという寄宿学校の軽音で、ガーデンウォールとアノンという2つのバンドが・・・(中略)・・・1997年後任にレイ・ウィルソンを迎えるも、全米チャートでコケて自然消滅」というジェネシスの歴史を5分で説明。勿論有名な、ピーターの自宅でのフィルのオーディション時のプールのエピソード、ジルの難産が原因のピーターの脱退などもドラマチックに解説させていただいた。

久々に誰かにこの説明ができて、すごく幸せな気分だった・・・。この気持ち、ジェネシスのコアなファンの貴方なら解かるはず・・・。

その翌日、Inter City特急でマインツに移動。駅前すぐのホテルにチェックインして、すぐピーターの今回のツアーを初日から見ている友人と合流。野外会場のZitadelleに向かう。

Zitadelleはドイツ語で「砦(さいさく、とりで)」という意味で、「敵の侵入を防ぐための城塞の垣とした先のとがった木または竹の柵」というもの。
http://www.zitadelle-mainz.de/
http://de.wikipedia.org/wiki/Zitadelle_Mainz
上空から見るとヘンな形の空間。

今回のツアーはWOMADの25週年を記念して単発ライブをやる予定で準備を進めていたものが発展していったもので、構想を膨らませているうちに、今回はとことんファンのリクエストに応じてセットリストを組むという内容になった模様。

なぜかバックステージパスを持っていた友人は、リハーサルを聴きに会場内に入って待つとのことで、空腹だった私は昼食をとりに市街に戻った。いや!ジェネシスに比べてピーターに思い入れがないという訳じゃないんですよ。さすがに連日のハードな日程に、ここで数時間並ぶとピーターを見る頃には精魂尽き果てているんじゃないかという危惧から来た予防措置なんですよ!友人とは結局、ライブ終了後まで別行動となってしまった。

会場に戻ると、丁度リハーサルをやっていて、ジェネシスに続いてまたまたおもいっきりネタバレをされてしまう。もう長蛇の列で、なんかがんばって並ぶ気がせず、日陰で座り込む。いや!ピーターに思い入れがないという訳じゃないんですよ!さすがに連日のハードな日程に(ry

Peter00開場して、列が進むも、進んだだけ後から客が並んで、一向に縮まらないので、仕方なく並ぶ。
チケットをもぎってもらい、敷地内に入ると、建物に囲まれた、野っ原でバカでかくもなく、5千人は入るかもしれないけど、1万人は入らないかなという感じ。大きな木がフィールドの中央にあって、視覚的に邪魔なのだが、なぜか94年ツアーのステージ上にあったセットの木を思い出させる。周りにも樹木が豊富で、コンサート会場向きではないけど、雰囲気は凄く良い。

ビールやソーセージを売る売店は山ほどあったが、グッズ売り場は、急ごしらえしたような、もひとつぱっとしないアイスクリームとかビーチチェアのデザインの意味不明のTシャツとキャップなど数種類しか売ってないのが1箇所だけで、誰も買っていなかった。プログラムも売っておらず、仕方なくTシャツを2種類購入。ここも30ユーロのぼったくり価格で、ユーロ高に卒倒しそうになる。

ステージは普通のロックバンドのステージという感じで、いつもは凄いスケールのギミックが何も無いシンプルなもの。今回は急な思い立ちということで、音楽だけで勝負ということだろう。前ツアーでも山岳地帯や湖畔でのステージはこの位の規模だったようだ。

ピーターのポジションが下手のキーボードの位置というのは知っていたので、実質6列目位で座って待つ。ジェネシスの時と同じく、今日のライブが録音され、発売されるというthemusic.comの宣伝がドイツ語で流れる。

Charie01開演15分前頃に前座のCHARLIE WINSTONのバンドが登場。REAL WORLDからアルバムを出している人で、いかにもそういう感じの、ひとひねりした歌い方。非常にウケていた。

セットチェンジが30分ほどあって、ピーターの登場。キーボードがRachel ZからAngie Arnoldに変わった以外は前ツアーと同じメンバー。お馴染みのトニー・レヴィン、デヴィッド・ローズもいて、娘のメラニーがバッキング・ボーカル。

Line-Up
Peter Gabriel: Keyboards, Vocals
Tony Levin: Bass
David Rhodes: Guitars
Angie Arnold : Keyboards
Richard Evans : Guitars, Flute
Ged Lynch: Drums
Melanie Gabriel: Backing Vocals & Samples

01. The Rhythm Of The Heat
02. On The Air
03. Intruder
04. D.I.Y.
05. Blood Of Eden
06. I Don't Remember
07. No Self-Control
08. Lovetown
09. Schnappschuss (Ein Familienfoto)
10. Steam
11. Mother Of Violence
12. Humdrum
13. Big Time
14. Not One Of Us
15. Lay Your Hands On Me
encore 1
16 Digging In The Dirt
17. Solsbury Hill
encore 2
18. Sledgehammer
19. In Your Eyes

Peter06Peter07Peter08最初の4曲の流れは凄まじい!開き直ったかのような、コアなファンに対するサービス精神溢れる選曲は、今回のようなツアーだからなせる技であろう。"The Rhythm Of The Heat"は83年のオープニングでPLAYS LIVEでもお馴染みの曲。ぜひ生で聴いてみたかった。ピーターはステージ下手のキーボードを演奏しながら歌う。ラストのドラム連打パートもGed Lynchがひとりで演奏していた。

"On The Air"も凄い!人生で2枚目に買った輸入盤(1枚目はFripp & EnoのEvening Star)が、ピーターの2ndだったので、想い入れの深いナンバー。3rdの"Intruder"も80年のツアーのオープニング。ここまでずっとアルバムの1曲目のみ。"DIY"は2ndからの嬉しい1曲。2ndの曲はここしばらく封印されていたので嬉しさも格別。

"I Don't Remember"では、トニー・レヴィンはスティックをプレイ。続いて"No Self-Control"。"So"ツアーの時のようなクレーンを使ったライティングなどのギミックはなかったが、緊張感溢れる曲。やはり3rdはロックの歴史に残る革新的なアルバムだったことを再認識。

"Schnappschuss (Ein Familienfoto)"は3rdのドイツ語アルバムに収録された"Family Snapshot"のドイツ語ヴァージョン。つたないドイツ語でスミマセンと断りを入れてから歌ったけど、ウケていた。長年ドイツ語をやっているせいか、ある程度の発音はできているみたい。

"Mother Of Violence"では「娘のメラニーが歌います」とピーターが紹介し、自分は袖に引っ込んで、メラニーだけで歌われた。娘に歌わせるところが意味深い。素朴で味わい深かった。

事前にやるのではと噂になっていた1stの"Humdrum"はコアなファンにはたまらないプレゼント。歌詞ラストの"Liebe schoen"のドイツ語がマッチしていた。

本編ラストは4thの"Lay Your Hands On Me"。今回は客席に落下せず。もう歳をとったしねー。メンバー紹介をして終了。

2回のアンコールでは"Digging In The Dirt"と定番の3曲。後のステージでは"Biko"をやった日もあったようだが、ジェネシスと同じく、このへんの選曲が妥当。比較的新しいファンには、やはり"Sledgehammer"は必殺の1曲のようだ。さらにメンバー紹介をして終了。全員が前に出て肩を組むということは、今回はしなかった。

Peter09Peter10あまりに近くで見たせいか、あとステージがあまりにシンプルでギミックなしだったせいか、生々しすぎて、最も尊敬するボーカリストの1人を見たという実感わかなかったが、13年ぶりに見たピーターは円熟味を増しつつも、まだまだ現役でパフォーマンスしていける才人に見えた。何よりも全19曲中12曲が最初の4枚からの選曲という潔さに、本ツアーの特殊性と余裕を感じ、レアな体験ができたと思った。このスケールのステージなら来日も可能と思うのだが。

終了後、最前列で見ていた友人と合流して、レストランで軽く打ち上げ。14日と15日のGelsinkerkinでは、I Have The Touch、Washing Of The Water、We Do What We're Told (Milgram's 37) 、Moribund The Burgermeister、Signal To Noise、Indigoなどもプレイされており、今日は短めのセットだったとのこと。ツアー前にリハーサルしていると噂のあった"Moribund The Burgermeister"はぜひ聴いてみたかった。

贅沢すぎる全日程を終えた翌日、すぐ近くのフランクフルト空港から、ヘルシンキ経由で帰国しました。

13日、コペンハーゲンで見たSecret Oysterの30年目の再結成ライブに続く。

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コメント

うわー、何ですか、このセットリスト。
聞きたい曲ばかり並んでいます。
会場の雰囲気がいいですね~。

あと1週間ほどで念願かなってGensisのライヴを見られます。
1987年の来日公演を見られなかったので、20年越しの夢の実現です。

投稿: okko | 2007/06/30 10:36

お疲れ様です。
相変わらず無茶してますね^^;;

S&ATourでは、ラグジュアリーな空間をご用意しておりますので
安心してください(笑

投稿: ALEX | 2007/06/30 14:43

>okkoさん
どうもです。これだけ初期の曲をまとめて聴ける機会はそうないのではないでしょうか。天気も良くて、緑溢れていて、雰囲気はすごく良かったです。中央駅から徒歩で行ける距離も嬉しかったです。

いよいよGenesisですか。だいぶん演奏もこなれてきた頃だと思うので、期待できそうですね。楽しんできてください。

投稿: tangerine | 2007/06/30 18:19

>ALEXさん
ラグジュアリーで、心和む空間を期待しております!
昨日、Snakes & ArrowsのDVDも届きました。9月に向けてますます盛り上げていきたいです。

投稿: tangerine | 2007/06/30 18:22

私もロンドンで6/23(土)に観ました~!
雨が降ったり止んだりのぬかるみの中観戦しました。
ステージ向かって右端ですが、運良く最前で観ることが出来ました。
私も、94年の東京公演以来13年ぶりに観たわけですが、正に圧巻のステージで最高だったと思います。
ロンドン自体好き嫌いがある都市かもしれませんが、私にとってハイドパークはロックの聖地という思いが未だにあるのでそこで観ることが出来て幸せでした。
実際、こちらもすんごくいい雰囲気で観ることが出来、この感じは日本では無理だなぁと思いました。

投稿: Terry | 2007/07/01 00:17

>Terryさん
どうも書き込みありがとうございます。
ハイドパークとは、いい所で見られたんですねー。
一度行ったことがありますが、真冬で散歩だけしました。
今回はジェネシスもピーターも雨天に悩まされているようですが、まあ野外コンサート独特の風情があってよろしいですね。
日本でもロック・フェスのゲストとかだと、いい雰囲気で見ることができるかもしれませんが、単独で野外はなかなか難しいかもしれませんねー。

投稿: tangerine | 2007/07/01 11:12

スゴオイ。
94年の日本武道館は見たが
84年はLAにホームステイしてたのに
アメリカンツアーが見れずに痛恨★
僕は「アクロスザリバー」のb面シングルを持つ
30年以上のコアなフリークです(笑)

投稿: クラブカシミール | 2007/07/01 23:42

>クラブカシミールさん
どうも書き込みありがとうございます。94年の武道館で見られたんですね。あの時は単独初来日で盛り上がりましたねー。
アクロス・ザ・リバーは94年もやってくれた懐かしいナンバーでしたね。

投稿: tangerine | 2007/07/03 00:22

はじめまして。
ミクシィからおじゃましました。
いやはやすざましいレポート・・・
GenesisならびにPGファンとしては堪能以外反応しがたい内容ですでに涙で画面が見えません。

PGのMoribund The Burgermeister・・・・聞きたい・・・・
Genesisはキーを落としたPHILですが、ステージセットはすごいですね。
Dukeは大好きなだけに、しっかりした音で聞いてみたいです!!!

またおじゃまします。よろしくです!

投稿: あっちゃん | 2007/07/03 00:36

>あっちゃんさん
はじめまして。書き込みありがとうございます。
"Moribund~"はやるという噂だったので楽しみだったのですが、マインツでは飛ばされてしまって残念でした。でも同じ1stから"Humdrum"が聴けて感動しました。

Genesisはちょっと規模が大きすぎて、唖然としました。"Duke"からの曲をオープニングにもってくるとは想像できなかったので、めちゃ盛り上がりましたねー。大音量で"Behind The Lines"のイントロや"Dukes Duke's Travels"が聴けて幸せでした。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: tangerine | 2007/07/03 01:09

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