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2007/09/23

Rush ケベック、モントリオール公演 part1

Rush01Rush02カナダのロック・バンド、ラッシュのSnake&Arrowツアーを、9月14日ケベック・シティ、15日モントリオールで見た。
ラッシュを見るのは、1984年11月の初来日公演を大阪で、2004年8月のR30ツアーをモントリオールとトロントで見て以来3年ぶり。

ご一緒したのは2004年に続き、Rushのファン・サイトMemories About Rushを運営しているAlexさん。今回もチケット取りからホテル予約まで、全面的にお世話になってしまいました。実際に会ったのは、前ツアー以来3年ぶりで、またまた成田空港での再会。

さらに両公演とも確認できただけで10人以上のファンの方々が日本から遠征されておられて、何人かとお話する機会もあって、盛り上がった。カナダ国内の移動中の空港などでも日本から来たRushファンの方達を見かけた。

前日に成田からトロント経由でケベック・シティ入り。夜の気温は10℃を切る寒さで、上着を着込んでも肌寒い。翌日は晴天で、初対面のラッシュ・ファンの方たちとも合流して市街を観光し、夕方にバスで会場を目指す。

会場のColisee Pepsiはキャパシティ約15,000人のすり鉢状のアイスホッケー・アリーナ。上部のスタンド席が売れ残っていたようで、いくらか当日券も出ており、買い求める人々が列を作っていた。
今回は普通にチケット発売日にネットでクリック購入したら、なんと前から4列目をとることができてしまい、席についてみると、Alex Lifesonの真正面7メートル位というとんでもない席で、早くも舞い上がってしまった。

客入れBGMでは、ザ・フー、レッド・ツェッペリン、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス、などの定番が流されており、ジェフ・バックレーやポーキュパイン・ツリーなども流れていた。オフィシャル・サイトによると、選曲したのはNeil Peart

Rush03_2Rush04_220時を数分過ぎたところで、予定どおりに開始、今回もオープニング・ビデオが流れ、眠っているメンバーを起こしてステージに向かわせるという趣旨の内容。そのままアレックスが"Limelight"のイントロをゆっくりとタメてプレイし、演奏開始。前ツアーのラスト・ナンバーをオープニングに持ってくるという意味深?な選曲。

7メートル先にメンバーがいて、実際に楽器を持って演奏している。リアリティが感じられない。Rushは実在している生身の人間がやっているバンドだったのだ

さすがに前から4列目だと、冷静な感覚でライブの内容を吟味することなど無理で、ひたすら盛り上がるしかなかった。一定以上の演奏水準はキープできるバンドなので、些細なミスなどはあったのかもしれないが、とにかく4列目だと、水準もへったくれもないという感じ。Geddy Leeのベースがあまりよく聴こえず、ギターの音が大きすぎたが、4列目という場所は音を聴く場所ではないので、おかまいなし。

インターネットがここまで発達した時代だと、ある程度のツアー情報を得る上で、事前にセットリストを含むコンサートの演出や構成を、一切遮断した状態でライブに臨むのはほぼ不可能で、今回もセットリストや演出情報も、ある程度ネットから得ていた。

Part1
01 Intro
02 Limelight
03 Digital Man
04 Entre Nous
05 Mission
06 Freewill
07 The Main Monkey Business
08 The Larger Bowl
09 Secret Touch
10 Circumstances
11 Between The Wheels
12 Dreamline

Part2
13 Far Cry
14 Workin' Them Angels
15 Armor And Sword
16 Spindrift
17 The Way The Wind Blows
18 Subdivisions
19 Natural Science
20 Witch Hunt
21 Malignant Narcissism
22 Drum Solo
23 Hope
24 Distant Early Warning (9/14) / Summertime Blues (9/15)
25 The Spirit Of Radio
26 Tom Sawyer

Encore
27 One Little Victory
28 A Passage to Bangkok
29 YYZ

一言で言うと、「新譜から大量に演奏し、かつ滅多に演奏されないレア曲満載、しかし定番曲は外さない」という新旧ファンが満足できる内容。

総括すると、
1. 最初の6枚のアルバムから演奏されたのは、4thの"A Passage to Bangkok"と6thの"Circumstances"の2曲のみ。どちらも今では相当のレア曲。
2. "Power Windows", "Presto", "Counterparts", "Test For Echo"からも1曲も演奏されていない。
3. 一番ポピュラーな"Permanent Waves", "Moving Pictures"からは、それぞれ4曲づつ、過半数が演奏されている。
4. "Digital Man", "Entre Nous", "Mission", "Witch Hunt"もよくぞやってくれたというレア曲。"Entre Nous"はライブ演奏されるのは初めてだったかもしれない。
5. 第2部12曲目はツアー開始当初は"Summertime Blues"で、その後代りに"Distant Early Warning"が演奏されることもあり、ほぼ交互という感じになった。両方聴けたのはラッキーだった。
6. 新譜の"Snakes And Arrows"からは13曲中9曲もが演奏されている。

ということで、実質かなり偏りのある選曲なのだが、なぜかそう感じさせない絶妙のバランスを保ったセットリストだった。それだけ"Permanent Waves", "Moving Pictures"が強力にキャッチーなアルバムだということだろう。
当初、新譜を完全再現するというアイデアもあったようだが、プレイヤーと観客双方の集中力の問題で見合わせられ、しかし結果的には大部分が演奏される内容となった。新譜完全再現はいろんなバンドのライブで見ているが、成功しているものもあれば、ちょっと中だるみしてしまったものもあった。Rushのようにアルバムではシリアスな面が強調されるも、ライブではエンタティーメントに徹するバンドでは少々リスクがあるものになっただろう。今回のセットリストで大正解だと思った。

レア曲が演奏されても、マニア意外の観客も大騒ぎで喜ぶ。古くからのRushファンは知っていて当然の曲なのか。このへんは凄いと思った。さすがは地元。それとも、とにかく盛り上がっているだけ?

前々回、前回のツアーセットだった洗濯機やキャンディーの自販機に続いて、ドラムセット右手にチキンロースターが3台置かれており、コックに扮装したスタッフが時折焼き加減をチェックしに来たりする。うーむ。次回はどうなるのだろう。

ゲディのキーボード・セットはRoland Fantom-X7Moog Little Phattyの2台、ベースペダルはKorg MIDI pedals。昔のように要塞のようなセットは、もうここしばらく見られないが、古い曲のソロパートはMoog Little Phattyで出していた。

前半の個人的なハイライトは、やっと生で聴くことのできた"Freewill"と前ツアーに続いてアドレナリンが全開になった"Between The Wheels"。

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