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2008/02/19

Iron Maiden 幕張メッセ

Maiden01Maiden02アイアン・メイデンSemewhere Back In Time World Tourを2月16日幕張メッセで見た。メイデンを見るのは2006年10月の大阪城ホール以来、約1年3ヶ月ぶりで、通算7度目。

前回は大阪の客の入りが悪く、今回は関東2公演のみとなった。2月15日のパシフィコ横浜のチケットは発売日すぐに電話が繋がったにもかかわらず、既に売り切れ、あちこちに当たったが結局入手できず、無念の2/16のみの観戦となった。

今回は来日公演が実現しなかった1st~4thまでからのみ演奏するコンセプトの2005年の "Early Days Tour" に続く回顧シリーズ第2弾となるツアー。5th"Powerslave", 6th"Somewhere In Time"、7th"Seventh Son Of A Seventh Son"からの曲を中心にプレイするということで、5th~7thのレアな曲が聴けると思いきや、実際は1984年のツアーを収録したライブ・アルバム"Live Afther Death"収録曲プラス・アルファという内容だった。これは今月ようやく初DVD化された"Live After Death"のビデオ・ヴァージョンのプロモーションも兼ねられていた。

Liveafterdeath個人的には願ったり叶ったりで、"Live After Death"は恥ずかしい言い方をすれば、一番精神的に辛い時期の支えになってくれたライブ・アルバムで、1985年の発売当時は毎日のように聴いていた。当時、地獄の自動車教習場に通う時、自分を奮い立たせる為のBGMでもあった。辛い時も苦しい時も、あのアルバム・ジャケットを見れば、あまりの凄まじさで立ち直ることができた。これがほぼ再現されるというのは、まさに夢のようである。

今回は職場で唯一ロック・ファンの同僚で、今までに見たライブが2006年のメイデン1回だけというストレートな方と一緒に見ることとなり、当日に飛行機で上京。成田にメイデン一向が移動に使っており、機長をパイロットの資格を持つボーカルのBruce Dickinsonが勤める専用旅客機、ED FORCE ONEを見に行きたかったところだが、あまりに遠いので挫折。幕張メッセは初めて行く会場で、新鮮だった。16時半頃に会場に到着、すでに入場が始まっていたが、仕切りが悪く、友達がグッズを買いにフェンスをまたいでグッズ売り場に入ってしまい、それが既にチケットをもぎった後の会場内で、引き返せなくなってしまったりした。まあ再びフェンスをまたいで帰ってきたけど。

ミキサー卓より前側左のDave Murray寄りに陣取るともう17時になり、すぐに前回も前座を務めたSteve Harrisの娘、Lauren Harrisのライブが始まった。そこで、いきなり観客が前に押し掛けてしまい、ギュウギュウ詰めになる。ローレンはデビュー・アルバムをmyspaceでダウンロード販売しているらしいが、声量が弱いという感は否めない。はっきりいってアマチュア・レベルのままだった。ギターはまるでザック・ワイルドそのまんまというような風貌と演奏スタイル。観客も一応義理で盛り上がった感じ。

ステージは30分ほどで終了し、セット・チェンジが行われる。17時50分頃になって前回と同様にUFOの"Docter Docter"が大音量で鳴り響き、いよいよメイデンの登場。ここであちこちに陣取っていた過激なブラジル人ら中南米系のグループがモッシュというか単に押し合いを先導して、将棋倒し寸前の危険な状態になる。1978年のレインボー札幌公演の悲劇がふと頭をよぎる。ここで将棋倒しになったら、死人が出たかもしれない。2曲聴いたところで、危険でない所まで下がって観戦することとなった。

"Churchill's Speech/Aces High"の盛り上がりは尋常ではなかった。夢にまでみたオープニングである。続く "2 Minutes To Midnight"の流れも"Live After Death"と同じ。その後曲順は違うが、Hammersmith Odeonで収録されたレア曲集のSide4以外では"Flight Of Icarus""Running Free"を除く残り全てが演奏された。生きているうちに"Rime Of The Ancient Mariner"と"Powerslave"が聴けてとにかく幸せ。バンドの状態もBruce Dickinsonの歌声も当時より現在のほうが良く感じてしまう。若々しさはないが、より重く厚い。

それ以外では"Wasted Years", "Can I Play With Madness", "Heaven Can Wait", "Fear Of The Dark", "Moonchild", "The Clairvoyant",を演奏。"Wasted Years", "Moonchild"以外はかつての定番曲で、そんなにレアでなかった。 大好きな"Heaven Can Wait"では、ラジオ番組やネットで公募したファン10数名がサビのコーラス隊として参加。めちゃくちゃ羨ましかった。"Fear Of The Dark"は何で演奏したのか不明。Janick Gersの立場を尊重したのか、単にスティーヴがやるといったからなのか・・・。まあ盛り上がるからいいけど。

お約束の本編ラスト"Iron Maiden"では巨大なミイラのエディは出現せず、"Somewhere In Time"ヴァージョンのSFエディが登場。ちょっと盛り上がりに欠けた気がする。

アンコールでは、ブルースが感謝の言葉と、25年以上メイデンのステージ・マネージャーを勤めたDick Bellが本日の公演をもって引退することを告げ、ハッピバースデーのメロディでGood Bye Dicky Bellと歌わせた。この日のライブが今までの日本公演で最高だったとも言っていた。"Moonchild", "The Clairvoyant"も最高の選曲。ぜひ聴いてみたかった曲。ラストは定番の"Hallowed Be Thy Name"で、うぉーっと歓声を上げられるだけ上げて完全燃焼。個人的には7回見た中では完璧に最高のライブだった。

終演後、東京の友人達と合流し、遅くまで打ち上げで盛り上がったが、皆"Caught Somewhere In Time"や"Only The Good Die Young"もやってほしかったという点で合意した。

01. Churchill's Speech/Aces High
02. 2 Minutes To Midnight
03. Revelations
04. The Trooper
05. Wasted Years
06. The Number Of The Beast
07. Can I Play With Madness
08. Rime Of The Ancient Mariner
09. Powerslave
10. Heaven Can Wait
11. Run To The Hills
12. Fear Of The Dark
13. Iron Maiden
encore
14. Moonchild
15. The Clairvoyant
16. Hallowed Be Thy Name

P.S.
DVD"The Early Days"に「スティーヴ・ハリス1975年の日記より」という当時の直筆の日記帳が公開されており、『6月10日(木曜)、ハマースミス・オデオンにジェネシスを見に行った。"マジで良かった!"』(Went To see Genesis at Hammersmith Odeon. 'Bloody Brilliant!')とあるが、これは1976年の間違い。1975年は5月27日のセント・エティエヌをもってPeter Gabrielが脱退、ツアーは終了している。1976年の6月10日~14日とドラムにBill Brufordを迎えた新生ジェネシスはハマースミス・オデオンで演奏しており、その模様はラジオ番組King Biscuit Flour Hourにて収録されてオン・エアされ、"White Mountain"というブートレッグでも有名な音源として残っている。スティーヴの歓声も入っているのかもしれない。日記全部が1976年の間違いなのかもしれない。
アイアン・メイデンのファースト・アルバムは、1976年当時のジェネシスのアルバム"A Trick Of The Tail"からの多くの影響を見つけることが出来る。

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コメント

横浜公演のチケットがそんなに激戦だったとは。
私自身、チケットはなんとか入手できましたが、
出遅れたので3階席でした。
見られただけでよしとします。
幕張は客層を見て危険だと思い、PA後ろで見ました。
私も今まで見たメイデンのライヴでは一番良かったと思います。

ED FORCE ONEは金曜日に駐機してある場所を確認したので、
日曜日に離陸を見に行くことも考えましたが、
成田はあまりにも遠く、体力的にきつかったので諦めました。

投稿: okko | 2008/02/20 01:16

>okkoさん
ご無沙汰しております。そちらのメイデンのレポートやED FORCE ONEの写真も拝見しました。
幕張でも、会えないかなーとちょっと探したのですが、さすがに1万人近くいると無理ですねー。

okkoさんのようにブルース脱退以前前のライブから見ておられる方でも、今回のほうが良かったということは、本当に良い内容だったんだなーと再確認しました。(私はデビューの頃から聴いてましたが、ライブ見たのはX Factorのドイツツアーが初めてだったので)

もう22年以上夢だった"Aces High"を生で見られて、感無量でした。

投稿: tangerine | 2008/02/20 01:40

いやーtangerineさんのライヴレポは臨場感があって
読み応えがあります
ヤフートピでブルース・ディッキンソンがジェットを
自分で操縦して来日したと知り、なんてかっこイイんやと、
記事を読むだけで惚れ惚れしてしまいました。
tangerineさんの思い入れのある頃からの選曲が多かったとのことで
本当に良かったですね
是非大阪公演もしてほしかったなぁ・・・
最近、来日しても関東だけというのが多くて、
今度DURAN DURANも東京でしかやらないそうで、寂しい限りです。

もし仮にRUSHが来日することがあったとしても関東だけでしょうかね・・・
でもRUSHだったら関東でも観に行きます

投稿: いも | 2008/02/20 17:26

>いもさん
こちらでもどうもです。ブルースって才人ですねー。旅客機を操縦して、ライブ歌って、いつ休む暇があるんだろうという感じです。

Duran Duranも東京1回だけで残念です。まだオリジナル・メンバー5人の時に神戸公演のいい席を押さえていたのに、ロジャーが怪我して中止になって、そのうちにアンディが脱退してしまって・・・。
結局、84年以来見るちゃんすがなくて・・・。

Rushもちょっと難しそうですね。1万5千円位で武道館2回満員にしても、ギャラが高くて難しいという話です。今年もツアーがあるし、また見に行きたいとは思うのですが・・・。

投稿: tangerine | 2008/02/21 00:01

おおおお、熱いですねー。
今は全く聴いてませんが、こちらも学生時代、先輩の誘いでコピーしてたことあります、懐かしい(笑)

回顧ツアーをやってくれるなんてすばらしいですね。曲名みてもそれは盛り上がるなーと思いました。あのジェット、Bruceがパイロットの免許持ってるとは!びっくり。

投稿: Leek | 2008/02/24 10:25

>Leekさん

またまたどうもです。学校の軽音でクーラ・シェーカーやアラニス・モリセットに加えて、アイアン・メイデンのコピーもしていたとは!あまりの世界の違いに想像つかないです(汗)。ちなみに何をコピーしたのでしょうかねー。スティーブ・ハリスのベースって難しいんですよね。

専用旅客機で移動はツェッペリンもやってましたが、メイデンのあの飛行機のデザインを見たら管制官ドン引きでしょうねー。

投稿: tangerine | 2008/02/24 22:19

もう、コピーバンドがあっちコッチ飛びまくりで
理解不能ですよね(笑)

前者はもろに自分の趣味でありますが、メイデンはまあ、先輩(ベーシストとドラマーの二人)の趣味でありました(汗)  有名どころを結構やりましたよ。Aces High, Hallowed Be Thy Name, Iron Maiden、The Trooperなどなど、他にもそのバンドでは、U.F.O.なんかもやりました。
 元々はハードロックから洋楽に入ったので、それほど抵抗もなくやれましたし、Bruceのボーカルをこぴーするということで、いい勉強になりました。
 なんといってもベースの先輩がやりたいと言いだしたので、ベースはかなり頑張ってましたね。ふつう指弾きは2本ですが、Steveは確か3本とかだった気がします。

投稿: Leek | 2008/03/01 13:06

>Leekさん

おー、凄いコピーですね。録音テープとか残ってませんかー。聴いてみたいですねー(笑)。ブルースは84年頃よりも今のほうが巧くなっているような気がします。ルックスも良くなってるし、ちゃんとパイロットの服を着たらパイロットに見えますもんねー。

投稿: tangerine | 2008/03/05 01:22

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