追悼 広川太一郎
声優の広川太一郎さんが3月3日に亡くなったというニュースを3月8日に知った。
こればかりはショックが大きすぎて、絶句。
最初に意識して聞いたのは、1969年の『ムーミン』のスノークで、台詞の言い回しのスノッヴさがおもしろくて刷り込まれてしまった。吹き替えでは1970年代初頭の『謎の円盤UFO』のストレイカー司令官(エド・ビショップ)。その次が『サイボーグ危機一髪』『600万ドルの男』のスティーヴ・オースチン(リー・メジャース)、そして『宇宙戦艦ヤマト』の古代守。『モンティ・パイソン』のエリック・アイドルさらに決定的なロジャー・ムーアの007ジェームズ・ボンド役と、Mr.BOO!シリーズのマイケル・ホイ。
モンティ・パイソンから受け継がれた、Mr.BOO!シリーズでのアドリヴの凄さは、もはや伝説的になっていて、さらに『大阪ほんわかテレビ』のナレーションで完璧なまでに確立されていた。少し前に発掘された『クイーン・コング』で配給元がそれを狙って起用していたりもした。(おもしろかったけど映画はコケてしまった。)トニー・カーティスやロバート・レッドフォードの2枚目もこなせるけど、コミカルな役どころも得意で、ジェームズ・ボンド役はそれが絶妙にミックスされていた。
ショーン・コネリーのジェームズ・ボンドが若山弦蔵でなければならないのと同様に、ロジャー・ムーアのボンドは広川太一郎でなければならなかった。一昨年に007の全DVDが5.1chでリマスターされた時に、未収録だった吹き替えヴァージョンが、若山コネリー、広川ムーアのオリジナル吹き替えキャストで新収録された。これが残されたのは何よりの救いである。オリジナルTV版の吹き替えに比べると、老いを感じてしまうが、よくぞ残してくれたと言いたい。
テレビ・ジャンキーの人生の要所要所で本当にお世話になった人。なくてはなからかった人がいなくなってしまった。
とりあえずは007シリーズの新吹き替えを見て追悼。
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コメント
今日はモンティ・パイソン吹き替えヴァージョンを見てます。
このー、つんつん。
投稿: pawnhearts | 2008/03/09 23:45
>pawnheartsさん
どうもです。まるで示し合わせるように、今年に
入ってモンティ・パイソンの吹き替え全集が出た
のは、運命を感じますね。
著作権の関係で、吹き替えも中途半端というのが
残念ですが、貴重ですねー。
投稿: tangerine | 2008/03/11 01:25