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2008/05/16

ASIA 大阪公演 2008

Asia01エイジアの約1年2ヶ月ぶりの大阪公演を5月9日に前回と同じ大阪厚生年金会館大ホールで見た。通算4度目の観賞。前回の大阪公演のレポートで再結成への想いを書き綴った。まさか1年以上バンドが持続して、完全なオリジナル・アルバムである"Phoenx"までリリースされてしまうとは全く予想外のことであった。

新譜は、1984年に出ていれば素晴らしいと大絶賛されただろう、当時のエイジアのエッセンスを感じさせるものであり、スティーヴ・ハウが絡んでいる曲はかなり良いと感じたものの、基本的にウェットン・ダウンズのデモ・テープを発展させていったような内容であった。

既に始まっていたワールド・ツアーの選曲を知っており、昨年と比較してさしたる新鮮さもなかったので、今回は結構冷めた状態でライブに望んでしまった。しかし、結果、予想より遥かに素晴らしく、プロフェッショナルな仕事に感服してしまった。

シングルのB面の隠れた名曲と名高い"Daylight"という意表を突いたオープニングも良かった。新曲の"Never Again"とイエスの"Roundabout"がちょっとリハーサル不足なのか危なげだったが、他の演奏はかなり安定していた。前回は外された3rdの名曲"Voice Of America"を初めとするウェットンのアコースティック弾き語り3曲は特に素晴らしく、声には昨年よりさらに磨きがかかり、一時期のスランプなど無かったかのようだ。とても昨年に心臓手術を行った人の声とは思えない艶と伸びだった。

後半も盛り沢山で、カバー曲は前回と同じで新鮮味はなかったが、『庶民のファンファーレ』のソロ合戦などは楽しめた。『ラジオスターの悲劇』での盛り上がりも尋常ではなかった。カールのドラム・ソロは相変わらずだが、スタミナの凄さに感心した。アンコールでは前回アコースティックだった"Don't Cry"をオリジナルのアレンジで演奏。イントロでのハウのギターとスライドギターと切り替えが難しそうだった。ハウがあまり好きではないのは、このイントロが難しいからなのか?とちょっと思ったりした。ラストは1番大好きな『孤独のサバイバー』。観客全員でスタンディング・オベーションをして熱狂のうちに終了。手を抜くことなく130分にも渡る長時間の演奏は、現在のエイジアに溢れている自信が表れているようだった。

観客の年齢層の高さは致し方ないが、アンコールまではゆっくりと座って見ていたいと思う人と、最初から盛り上がって立って見ていたい人のバランスが微妙で、場所によっては見辛い状況になっていた部分が気になったりもした。1990年にアルカイック・ホールで見た時はオープニングからメタルのコンサートのように全員がノリノリで立っていたが、プログレとして見るのなら座って見たいとも感じるところだ。

Geoff Downes / Keyboards, Vocal
Steve Howe / Guitars, Vocal
Carl Palmer / Drums
John Wetton / Lead Vocal, Bass, Acoustic Guitar

01. Daylight
02. Only Time Will Tell
03. Wildest Dreams
04. Never Again
05. Roundabout
06. Time Again
07. Keyboard Solo (Cutting It Fine)
08. Guitar Solo - Clap
09. Voice Of America (acoustic)
10. The Smile Has Left Your Eyes (acoustic)
11. Ride Easy (acoustic)
12. Open Your Eyes
13. Fanfare For The Common Man
14. Without You
15. An Extraordinary Life
16. The Court Of The Crimson King
17. Video Killed The Radio Star
18. The Heat Goes On - Drum solo - The Heat Goes On
19. Heat Of The Moment
encore
20. Don't Cry
21. Sole Survivor

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コメント

tangerineさん、こんにちは。
小生はコンサートは見に行っておりませんが、「Phoenx」は購入しました。
いろんな方のコンサートレポートとか見ましたが「Phoenx」からの曲はほとんど演奏しないようですね。
それだと、「捨て身の予定調和」と某ロック誌で記されたEL&Pの懐メロツアーと同じになってしまう。
せっかく、ニューアルバムをリリースしてオリジナルエイジアらしい佳曲もそれなりにあるわけですから、演奏した方がおもしろかったと思います。それだとライヴCDとか出た時に見に行かなかった私も購買意欲もそそられる訳ですし。
若い頃に体に染み付けたサウンドは歳を重ねても演奏し易いけど、新曲の演奏はライヴでは難しいと言うことなのでしょうか?
エイジアファンは、「Phoenx」絶賛コメントが多いですね。
でも、tangerineさんの言うように、84年だったら絶賛されていたサウンドと言う感じは否めません。
個人的にはデビューアルバムがやはり「アルファ」「アストラ」より抜きんでているように受け止めています。
「アルファ」からはプログレと言うよりもよりポップスに近づいて行っていると思いますし。(決して嫌いとか言うわけではなく私自身はそれなりに楽しみました)
何はともあれ、今回はニューアルバム作っただけで感謝。
学生時代、84年頃、寮の新入りの後輩にアルバム「恐怖の頭脳改革」を聴かせたら、「エイジアに似てますね。」と言われた事があります。(笑)
でも、普通のポップスを主に聴く方々からするとやはりエイジアはプログレ音を奏でているのだと言う事を認識したエピソードでした。

投稿: リバティ | 2008/05/21 10:05

>リバティさん
どうもご無沙汰しております。コメントありがとうございました。
おっしゃるとおり"Phoenix"はハウが作った曲はかなり良かったので、もうちょっとライブで聴きたかったところです。リリース前と演奏曲が変わらないというのがちょっと予定調和でしたねー。
"Alpha"はオーバー・プロデュースしてしまって、エイジアの良い部分が希薄になってしまったのが残念でした。もっとプログレしたほうがかえって売れただろうになーと思います。

ELPがエイジアに似ていると言われるように、最近だと、バグルスを聴いた人が「パフュームに似てますねー。」と言い出しそうだなーと、『ラジオスターの悲劇」の生演奏を聴きながら思ったりしました。

投稿: tangerine | 2008/05/22 18:14

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