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2008/08/05

Tangerine Dream ドイツ ローレライ公演

タンジェリン・ドリームのライブを、Klaus Schulzeと同じく7月18日にドイツ、ローレライのプログ・フェスで見た。1983年6月28日の大阪フェスティバルホール以来25年ぶりの観賞。

メンバーは
Edgar Froese / Keyboards, Guitar
Thorsten Quaeschning / Keyboards
Linda Spa / Sax, Flute, Keyboards
Iris Camma / Percussion
Bernhard Beibl / Guitars

の5人

Td01Td03フェスへの参加ということもあって、膨大な機材を要するグループなのに、短時間でのセット・チェンジが可能なのか疑問だったが、メンバー自ら出てきてのセット・チェンジで、あっさりと20分ほどで準備が完了し、まだ夕方の明るさで、あっけなく演奏が始まった時は面食らってしまった。

エドガー・フローゼはNord Lead IIIを中心とした機材で、もうひとりのキーボーディスト、トーステン・クゥエシュニングともにバックに巨大な液晶モニターを配置して、音源ソフトと思われるプログラムの画像を写していた。

第1音が流れた時、一聴して分かる、まぎれもないタンジェリン・ドリーム以外に出せない音だったので、おもわず興奮してしまう。ラインナップが幾度変わっても、1977年のライブ・アルバム"Encole"あたりから貫かれている音色とリズム感である。

歴史の長いグループだけあって、時期によってファン層も分かれるところだろう。1970年のファーストしか認めない人、Ohrレーベル時代の4枚を最も評価する人、ヴァージン時代でもPeter Baumann在籍時のトリオ編成が一番好きな人、ヴァージン以降でもChris Franke在籍時までは許せる人、創設者のエドガー・フローゼがいる限り、現在に至るも熱心なファン。

初めてリアルタイムで聴いたのが、1977年の映画『恐怖の報酬』(Sorcerer)のサウンドトラックのテーマ曲『裏切り』(Betrayal)で、NHK-FMの映画音楽番組でかかったものだったが、あまりのカッコ良さにエアチェックしたテープを繰り返し聴いていた。
個人的には1972年のサード・アルバム"ZEIT"(ツァイト)が一番好きで、人生で重要な10枚に挙げているほど聴きまくったアルバムである。一時期は眠れない夜に毎日聴いていた。リズム無し、メロディ無しで、ひたすら混沌とした音響が続く2枚組レコード。ただ唯一聴き易い部分が1曲目でゲストのPopol VuhのFlorian Frickeが演奏するモーグ・シンセサイザーの旋律だけである。「ドイツの音楽を何か聴いてみたい」という普通の音楽好きの友人に聴かせたら「ただ音が鳴っているだけじゃん!」と文句を言われたことがある。

Tangerinedreamflyer00Edgar Froese, Chris Franke, Johannes Schmoellingのラインナップでウドー音楽事務所の招聘で行われた1983年の来日公演は、大阪フェスティバル・ホールが3分の1ほどしか埋まっておらず、盛り下がったが、ステージ3箇所に配置された膨大なシンセサイザー群には度肝を抜かれた。当時の機材のほとんどが、まだアナログ・シンセである。第1部で同年12月のポーランド公演を収録したライブ・アルバム"Poland"に収録される曲のほぼ同内容を演奏。1981年のアルバム"Exit"からシングル・カットされたポップでキャッチーな"Chronzon"もプレイされた。休憩後の第2部では1982年11月のロンドン公演を収録したライブ・アルバム"Logos Live"と同内容を演奏。アンコールには3回も応えた。個人的にはその後膨大に見る、ジャーマン・ロックのライブ体験の最初の1歩だった。

ある程度のファンなら、1990年にエドガー・フローゼの息子、Jerome Froeseが正式加入して親子二世代グループとなったあたりまでは把握しているだろう。ギターやサックス、パーカッションの導入で、ライブでもジミ・ヘンドリックスの『紫の煙』なんかをカバーし、ニューエイジ・フィージョン化して、脱エレクトロニクス・グループを図った頃で、ここらへんで見切りをつけた人も多かったのではなかろうか。

息子ジェロームも2006年に脱退し、現在のラインナップに近づいた。今のライブ・メンバーは非常にグループの音楽にマッチしており、安定しているように感じた。

Linda Spa、Iris Cammaの女性メンバー2人の参加で、何というか・・・、華があるグループになった。
女性二人は白い衣装で、リンダ・スパの胸元の大きく開いた衣装を双眼鏡で見ると、胸に銀粉?がまぶしてあった。

(;´Д`)

Td02Td04なんか無骨なおっさん3人組という印象だったタンジェリンがお色気路線に走るとは思えなかったのだが、しかしリンダもパーカッションのイリス・カーマも躍動的で肉体的な演奏をするので、他の男性メンバー2人の影がとても薄く感じられてしまった。

印象的だったのは、ヴァージン時代からのナンバーのキャッチーで耳馴染みあるポップチューンの素晴らしさで、エドガー・フローゼのメロディー・メーカーとしての優秀さを再確認できた。"Hyperborea"の抜粋や、"Tangram"の一番ポップなパート、日本盤でも12インチ・シングルでリリースされた、"Poland"からの抜粋の"Warsaw In The Sun"が演奏された時はおお!と歓声を上げてしまった。

最近の曲で特出して良かったのが、2曲目に演奏された"Boat to China"で、未聴だったが"The Anthology Decades - The Space Years - Vol. 1"のオープニング曲。お経のような単調なリズムにイリスのパーカッションが絶妙にからむ曲で、その後も凄く耳に残ってしまった。

Td05Td06Td07日が徐々に暮れてきて、照明の効果が上がってくる、レーザー光線もたっぷりと使用され、演出効果の素晴らしさに息を飲んだ。日本公演の頃の演出の単調さ(バックの丸いスクリーンにくるくる回る照明が当たるだけ)の頃からは格段に進化していた。

本編が終了して、再びメンバーが登場し、なんとエドガー・フローゼがエレクトリック・ギターを手にする。"Happy Birthday Bianca, That ones for you"と英語でアナウンスして、フィードバック全開のまぎれもなくフローゼのギター音で、"Modesty and Greed"をプレイ。後日調べたが、ビアンカというのは、近年のタンジェリン・ドリームのジャケット・アートなどを担当しているBianca Acquayeのことと思われる。

Td08Td10Td11そのまま2曲目のアンコール"Ayumi's Butterflies"に突入。なんかリンダのサックスがロキシー・ミュージック風。鳴り止まぬ拍手に、タンジェリン・ドリームは何と3度目のアンコールに応えた。しかも、プレイされたのはあの1976年の"Storatosfear"だった!嵐のように激しいビートにアレンジされたヴァージン時代の名曲には完全に打ちのめされた。

エドガー・フローゼがメンバー紹介をし、英語とドイツ語で謝辞を述べて2時間のステージは終了した。もうこれでお腹いっぱいという感じだったのだが、それでもこれから本命のクラウス・シュルツェを見なければならなかったのだった・・・。

シュルツェのライブ終了後に、シュルツェのTシャツと同時にタンジェリンの物販コーナーでTシャツと、このローレライのライブの日の為にリリースされたシングル、"DAS ROMANTISCHE OPFER"と2007年のライブDVD2種(PAL方式)を購入した。物販スタッフはタンジェリン側からのスタッフのようだったので、日本から来たこと、1983年に日本でも見たこと、今日のライブも素晴らしかったことをつたないドイツ語で告げると喜んでくれた。

1990年までのオリジナル・アルバムは膨大なサウンドトラック盤を除いてほぼ制覇していたが、1990年代後半~2000年代にリリースされた膨大なアルバム群で、所有していたのはごく僅かだったので、これらをいま一度ちゃんと聴いてみたいと思った。

TADRAM maillistによるセットリストは下記のとおり。

01 One Night In Space
02 Boat to China
03 Lady Monk
04 Hyperborea 2008
05 Bells of Accra
06 Cinnamon Road 2008
07 Leviathan
08 Sphinx Lightning 2008 Part 1
09 Sphinx Lightning 2008 Part 2
10 Tangram 2008 Set 1
11 Lily on the Beach
12 Warsaw in the Sun
13 Das Madchen auf der Treppe
14 Storm Seekers (without Cool Shibuya ...)
15 Fire On The Mountain
Encores
01 Modesty and Greed
02 Ayumi's Butterflies
03 Stratosfear '95

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コメント

こんにちは、お元気ですか。
その83年フェスティバルホールにご一緒しましたね。。。たしか、、、その後で、京都の四条通りか木屋町の王将で皆で晩御飯を食べたような記憶があるのですが。。。。。。
TangerineDreamは、気にはなっていたのですが、、その後全然フォローできていなくって、今一体どんなバンドになっているのか、見当もつかず、、前に、秋葉原の石丸電気で、ライブDVDが売られていて、、結局迷った末に買わず、、、、でも、またぼちぼち聞き始めようかと思っています。

投稿: sowiloi_kmx | 2008/08/07 00:24

>sowiloi_kmx

ご無沙汰しております。Magmaの大阪公演以来でしょうか。

フェスティバル・ホールのライブの後に晩ご飯を食べたのは、梅田のラーメン屋でした。

当時、タンジェリンのコンサートに行くかどうかの協議をTさん、Aさんと天下一品の京都北白川の本店でしたのですが、それが私の天一初体験でした。もう25年ですか・・・。

タンジェリンは当時、京都のロック喫茶に置いてあった自由ノートに、sowiloi_kmxさんがいろいろレビューを書いておられたのを読んで、感心していました。

時代は変わり、タンジェリンも変わりましたが、あのアンコールの最後に"Storatosfear"を演奏した時は、ぐっとくるものがありました。

投稿: tangerine | 2008/08/07 03:25

、、、とすると、、、京都の王将で二次会したのは、、、KingCrimson来日(81年だったか83年だったか)の時だったのかもしれません。耄碌してしまっていて、、あやふやな事を書いてしまいました。。。。。。
Storatosfear,,,,,,,懐かしいですね。もう10年以上も聴いていない曲ですが、、細部にわたって強烈に覚えています。ライブでぐっときたtangerineさんの気持ちが理解できます。私だったら多分泣いていたと思います。
私にとってはこれが最後のTangerineだったのですね。。。表題曲はよかったのですが、その他の曲はちょっときつかった。。いずれにしても、その後のTangerineDreamをいろいろ聴いてみようと思っています。
tangerineさんの、、とにかくそこに行って見てくるーーたしかDagmarさんにも会いに行ったとかーー行動力に感服します。。。私といえば、、、JannickTopの最近のすばらしいライブをYouTubeで見て、、、CDとかDVDを出す予定があるのかe-mailで聞いてみたのですが、、一ヶ月たってもまだ返信なしのような状態で。。そもそも、英語で書いた(でしか書けない)のが敗因なのかな、、、気合が足りないですね。。。
 

投稿: sowiloi_kmx | 2008/08/09 01:56

>sowiloi_kmxさん
タンジェリンはその後も山のようにアルバムを
リリースしていて、現在は自主レーベルTDI
からもコンスタントに出していて、オリジナル
アルバムだけでも全貌を把握できていない状態
です。70年代のライブもボックス・セットなどで
大量にリリースされてますし・・・。

やはりアナログ・シンセとメロトロン、生ピアノ
でライブやってた時代が良かったですね。
今は今で機材がシンプルになって、昔の音が
簡単に出せているようでした。

Dagmarさんは西部講堂でライブやった時、後で
ちょっとお話する機会がありましたが、会いに
行ったのはアモン・デュールのレナータさん
でした。もう12年前の話ですが・・・。

Jannic Top現役でがんばっているのですね。
MAGMAの4枚連続リリースされたライブDVDの
2枚目で久々に見ました。まだプロでやってる
んですねー。ちなみにヤニックの後のベース
だったベルナール・パガノッティの息子、
アントワーヌ・パガノッティは一昨年の
暮れにエルドンのリシャール・ピナスの
ドラマーとして来日した時、付き添いスタッフ
をボランティアでやって、いろいろ話を
しました。なんか最近MAGMAを脱退したと
いう話ですが・・・。

投稿: tangerine | 2008/08/12 03:24

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