« Tangerine Dream 伊豆Metamorphose part1 | トップページ | Genesis 1973-2007 Live Box 発売 »

2009/09/22

Tangerine Dream 伊豆Metamorphose part2

Part2 老人と若者の宴。音と光の洪水。

Tangerine01Tangerine02Tangerine03Method Of Defianceの終了後、セット・チェンジが行われ、サウンド・チェックはローレライの時のようにメンバー本人が出てきて行っていた。シンセの後ろには最近の定番となっている巨大ディスプレイにシンセ・ソフトの画面を映したセットが組まれた。これって、実際はアナログ・シンセのつまみ類を表示しているだけなら、書き割りだけでもいいんじゃないかなーと思ったり・・・。
ギターのBernhard Beiblはギターとヴァイオリンのチェックを入念に行い、パーカッションのIris Camaaもコンガを中心に生音をじっくりとチューニングしている。ほどなく御大エドガー・フローゼがステージ左側にセットされたシンセサイザーに座って、チェック開始。パートナーのビアンカが傍でいろいろ話しかけたり、写真をとったりしていた。PAからタンジェリン独特のシーケンス・サウンドが出ると、「うぉー!」という歓声が。いよいよ盛り上がってくる。

満月だったのだが、サウンド・チェック中に雲ってしまい、ちょっと残念だったが、ローレライの時のように雰囲気は最高で、より広大な野外空間でタンジェリンが体験できると思うと、わくわくしてきた。エドガー御大の正面から2列目あたりを陣取って、その時を待った。
21:50になってスモークが炊かれいよいよライブ開始。

Tangerine04Tangerine051曲目のシーケンスサウンドで、歓声が上がる。実際にライブを体験しない限りは分からない、とてつもない重低音が響き渡る。まぎれもなくタンジェリンの音だ。しかし何だ?これは?ちょっと曲目がわからない。一瞬"Hyperborea"の"Cinnamon Road"かと思ったが、違う。Bernhardはヴァイオリンを演奏している。結局あとで、シド・バレット追悼アルバム"Madcap's Flaming Duty"の1曲目、"Astrophell And Stella"のボーカル無しヴァージョンと判明。これをオープニングにもってくるとは思わなかった。照明の効果は薄明るかったローレライの時と違って、美くしく。レーザー光線なども素晴らしい効果を発揮していた。

"Tangram"の効果音で繋いで、次の曲もわからず、これも持っていないサウンドトラック・アルバム"Flashpoint"の"Going West"だった模様。もってくるところがマイナーすぎる!(汗)

Tangerine06Tangerine07そして、ローレライで見た時のオープニングだった"One Night In Space"でベルンハルドのギターが炸裂し、歓声が上がる。スティーヴ・ヴァイ・モデルでソロを弾きまくって、これが大ウケしていた。やはりエレクトロ・ミュージックの若いファンもテクニカルなギター・ソロが好きなようだ。ローレライの時はギターの音がほとんど聴こえず、曲の実像がつかめなかったが、今回は完璧なサウンドで圧倒された。

ビジュアル的にもパーカッションのイリス・カーマが大活躍していて、とにかく激しく叩きまくっていて、全く動かないエドガー・フローゼと対照的。躍動的な現在のタンジェリンを象徴しているようだ。

続く曲は、ローレライの時から大好きになった"Boart To China"。近年のナンバーで一番好きな淡々としたお経のようなリズムの曲。イリスのマーチング・ドラムとリンダのソプラノ・サックスが素晴らしい。サウンドに問題があるのか、エドガー・フローゼはときどき、ビアンカを傍に呼んで演奏しながら何か話していた。

Tangerine08Tangerine09続いてもローレライと同じ流れで"Lady Monk"で、マイナーなシーケンス・パターンが不気味で良い感じ。"Sally's Garden"では、黒い魔女のような衣装と帽子でドレスアップしたリンダがステージ前に出てきてドラマチックなバラード調のサックス・ソロを展開。とてもレイヴ系のフェスティバルとは思えない展開だが、良好な反応の拍手で盛り上がる。

次は懐かしい1985年の"Le Park"からアップテンポのタイトル曲。非常にレア。そして1983年の"Hyperborea"から"Sphinx Lightning"のアップテンポなハイライトを演奏。これもレアな曲。どうやら、前回の来日後のレパートリーをおさらいしていく気なのかもしれない。そして、リドリー・スコット監督の"Legend"(これももってないのでわからなかった)、"One Night In Spaceのカップリングの"I Could Hear It When The Moon Collapsed On Broadway"がドラマチックに演奏される。

2chのメタモルフォーゼ・スレで若い人が「T-スクェアみたい」と書き込んでいたが・・・。そ、それを言われると・・・。微妙な気分だけど否定できず。ここまでドラマチックにサックスを吹かれたらねー。

Tangerine10Tangerine11そしてドイツのアンダーグラウンド・ミュージックだった1974年タンジェリンを世界に知らしめた"Phaedra"のシーケンス・フレーズが出てきたときは、思わず叫んでしまった。2005年ヴァージョンのアップテンポな部分の抜粋だが、これはオールド・ファンも若い観客にも大受けで、私の前で150cmくらいの女の子が髪を振り乱して踊り狂っている。70年代のタンジェリン・ドリームのライブでは考えられない・・・。この時、単独ではなく本当にメタモルフォーゼに出演して正解だったと思った。レーザーの効果も最高潮だった。

続いてチル・アウトするような静かな"Love On A Real Train"はトム・クルース主演の"Risky Business"のナンバー。今回はサウンドトラックからの演奏が多い。

"Stratosfear"のロック・ヴァージョンで観客の興奮も絶頂に達し、ベルンハルドのギターも炸裂し、若い観客が叫びまくる。今のタンジェリンの凄さを一気に発揮する曲。ローレライのアンコール時よりも感動した。かつて70年代のNHKの教育科学番組の定番BGMだった曲が、2009年の野外レイヴで激しく演奏されることになるとは・・・!

なんか燃え尽きてしまって、これで終わったほうが良かったのかもしれないと思ったが、まだ本編は終了せず、昨年出たシングル盤の曲"Angels In Barbed Wire Robe"がプレイされる。このライブがワールド・プレミアらしい。"Midwinter Night"もゆったりした雰囲気で、サックスが効果的。しかしここまでメロウな雰囲気になると、もはやシンセサイザー・トリオだった頃とは別バンドといってもいいかもしれない。

本編ラストは"Peter Gun"のテーマのような"Leviathan"。ローレライでも中盤に演奏された。なんか陰鬱に盛り上がって不安を残して終わっていく感じ。

アンコールの拍手と歓声が続くが、もう出演予定時間の90分がたってしまっていた。しかしタンジェリンは再びステージに登場し、1989年の"Lily On The Beach"を演奏。ここでもサックスが効果的にフィーチャーされていた。続くは無機質ながらも温かみを感じさせる"Hyperborea"のナンバー、"Cinnamon Road"で、ここで演奏されて、1曲目がやはりこの曲でなかったのだと確信。ギターは控えめで、本来のトリオ時代のタンジェリンの音である。

後期ヴァージン時代の曲が続き、またまたサウンド・トラックでマイケル・マン監督の『ザ・クラッカー』"Thief"から"Scrap Yard"とレアすぎる選曲。今回演奏されたサントラ曲は4曲もあって、これなら最初にやったサントラの『恐怖の報酬』なんかも演奏してほしかったと思ったり。ギターのカッティングで攻める奏法がウケていた。

もう持ち時間を大幅にオーバーしているにもかかわらず、タンジェリンは4曲目のアンコールに突入。現ラインナップに近づいた2005年の"Jeanne D'Arc"から"La Joie"をダメ押しのようにドラマチックに演奏。

結局、持ち時間を15分オーバーしてようやくライブは終了。最後にエドガー・フローゼがマイクを持ち、Linda Spa、Iris Camma、Thorsten Quaeschning、Bernhard Beibl の順番にメンバーを紹介。感謝の言葉を述べて、"Maybe to next time, Arigato, Sayonara!"と日本語で挨拶。興奮の絶頂で終了。もう何も言うことはないほど完全燃焼しました。

友人とステージ前で茫然自失状態となっていたら、全く見知らぬ若いカップルが、私のタンジェリンTシャツを見てか、「いやー!素晴らしいライブでしたねー!」と握手を求めて来た。「本当に良かったですねー!」と2人と固い握手を交わした。

この瞬間。本当にメタモルフォーゼの出演で、良かったと確信。若い人たちにとっては伝説でしかなかった、全てのシンセサイザー・ミュージックの元祖のタンジェリン・ドリームをあまり予備知識もない状態で、最高の環境で生で体験してもらえて、本当に良かった。後で2chのメタモルフォーゼのスレッドでもダサかったとか、思ったよりつまらなかったとかいう意見もあったが、何よりも、生きている間にタンジェリンを体験できたこと、そして70年代に遡って彼らの作品を聴いたとき、現状のレイヴなど凌駕するほどいかに最先端を行っていたかを知ってもらえる機会が作れたことを思うと、このフェスティバルに招聘してくれた主宰のMayuriに、スタッフに心から感謝

友人と温泉旅館に戻って、爆睡。エドガー・フローゼも温泉につかったのだろうか

Edgar Froese / Keyboards, Guitar
Thorsten Quaeschning / Keyboards
Linda Spa / Sax, Flute, Keyboards
Iris Camma / Percussion
Bernhard Beibl / Guitars, Violin


1. Astrophell And Stella-bridge with Tangram Sounds (Madcap's Flaming Duty, 2007)
2. Going West (Flashpoint, 1984)
3. One Night In Space (Views From A Red Train, 2008)
4. Boat To China (The Anthorogy Dagades, 2008)
5. Lady Monk (c/w Sleeping Watches Snoring In Silence, 2007)
6. Sally's Garden  (Choice, 2008)
7. Le Parc (Le Parc, 1985)
8. Sphinx Lightning (The End)-Nice Bridge (Hyperborea, 1983)
9. Legend (Legend, 1986)
10. I Could Hear It When The Moon Collapsed On Broadway (c/w One Night In Space, 2008)
11. Phaedra (Phaedra 2005, 2005,1974)
12. Love On A Real Train (Risky Business, 1983)
13. Stratosfear (Stratosfear, 1976)
14. Angels In Barbed Wire Robe (Fallen Angels, 2008)
15. Midwinter Night (Turn Of The Tides, 1994)
16. Leviathan (Views from A Red Train, 2008)
encore:
17. Lily On The Beach (Lily On The Beach, 1989)
18. Cinnamon Road (Hyperborea 2008, 2008,1983)
19. Scrap Yard (Thief, 1981)
20. La Joie (Jeanne D'Arc, 2005)

オフィシャル・サイトのTD FORUMによるセットリストを参考にしました。

最後に1983年に見た時のチケット
Tangerinedream83

|

« Tangerine Dream 伊豆Metamorphose part1 | トップページ | Genesis 1973-2007 Live Box 発売 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23958/46275454

この記事へのトラックバック一覧です: Tangerine Dream 伊豆Metamorphose part2:

« Tangerine Dream 伊豆Metamorphose part1 | トップページ | Genesis 1973-2007 Live Box 発売 »