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2010/06/11

Pat Metheny / Orchestrion Tour 大阪公演

Patmetheny01パット・メセニーのオーケストリオン・ツアー大阪公演を6月9日にサンケイホール ブリーゼで見た。パット・メセニーはPat Metheny Groupで7回、Pat Metheny Trioで1回見ているので、今回9回目。

今回は新作で、膨大な数のアコースティック楽器をMIDIのようなもので同期させて、アナログで自動演奏させ、それをバックにギターを弾くという画期的というか変態というか、前代未聞のプロジェクト、"Orchestrion"をライブで演奏するというもの。天才的変人のパットらしい企画。

いろいろあって、チケットを買いそびれ、だめもとで当日5分前に行くと、なんと当日券を普通に売っており、最前列右端を定価で買うことができた。改装前のボロボロの頃はよく行ってたホールだが、改装され美しい、912席の中型ホールになっていた。

ステージには既に自動演奏用に改造されたマリンバ、ヴィブラフォン、グランド・ピアノなどのアコースティック楽器がセッティングされている。

最初はナイロンギターに始まり、バリトン・ギターなど数種のギターを椅子に座ってソロ演奏。"Phase Dance", "Minuano(Six Eight)"などメセニー・グループの曲なども抜粋で演奏。3本目に例のピカソ・ギターも登場。定番で使っているGibson ES-175(もしくはパット・メセニー・モデルかも)に持ち替えてから、立って演奏。シンバルの自動演奏が始まりそれに合わせて1曲。

Orchestrion01Orchestrion0240分を過ぎたあたりで、後部の緞帳が上がり、巨大なパーカッション類やピアノ、ボトル・オルガンなどの要塞のようなシステムが登場し、フル回転で自動演奏を始めた。圧倒された大きな拍手が沸いく。こんなことをやってしまうのがメセニー。

どの楽器も叩いたり弾いたり、吹いたりされて音がなっているキーの部分でランプが点り、演奏されているのがわかる仕組みになっていて、遠くからでも動きがよく分かるもの。

まるでウィリアム・ギブスン&ブルース・スターリング作の『ディファレンス・エンジン』を彷彿とさせるスチーム・パンクの世界のよう。実際こういう自動演奏システムは100年前から機械仕掛けで存在していた模様。

オーケストリオンのパートに入ってからも、いろいろとギターを持ち替えて、例のローランドのギター・シンセもスタンドに固定された状態のものを弾いたりした。

1時間以上経過して、やっとMC。日本に戻ってこれたことへの感謝と、何が起こるかわからないこのツアーのチケットを買ってくれたことへの感謝などを述べる。そしてライブを見た全ての人がする質問が2つあることに言及。

1. Are You Crazy?
2. この自動演奏システムはどうやって動いているのか。

1.に関してはノーコメントで、2.に関しては、英語圏で説明しても理解してもらえなかったほどなので難しいけど、なんとか説明してみるとのこと。

幼少の頃、ミュージシャンだった祖父によく地下室で自動ピアノを聴かせてもらったことがあり、25年ほど前に日本でホテルのロビーなどに置いてあるヤマハの自動演奏ピアノを見て、感銘を受けたのが記憶に残っていて、プロジェクトのきっかけとなったとのこと。

なんと、この膨大なシステムを使ってインプロヴィセーションも演奏したりして、どのようにシステムを構築しているのか、興味のつきないところ。

アンコール1曲目はメセニー・グループの"Stranger in Town"で、さらに2回目のアンコールを含めて2時間40分にもおよぶライブで、あいかわらず溢れる創造力を目いっぱい堪能して、お腹いっぱいになった。

終演後は皆がこの珍しいシステムを写真に撮っていた。こんなもの2度と見られないだろう、貴重でとてつもないライブだった。

http://streamos.warnermusic.com/wmedia/jpn/jpasset/pat_metheny/276135.wvx?nometa=1

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