Stick Men 大阪公演
トニー・レヴィン率いるスティック2名とドラムによるトリオ・バンド、Stick Menの大阪公演を6月6日にJanusで見た。ぴあチケットの整理券番号が前日購入で10番だったので心配だったが、最終的に観客は70名ほど集まり、大いに盛り上がった。
ケタ外れのキャリアを持つトニーにとっては小さすぎる会場で、少なすぎる観客かもしれないが、雰囲気は凄く良くて、本当のトニー・ファンが集まった感じで、見て良かったと思えるライブだった。
休憩を挟んでの2部構成。演奏は大部分がハードでヘヴィで、音もメタルのライブなみに大きかった。アグレッシヴでキング・クリムゾンの演奏に近い。予想していたような即興中心ではなく、きちんと曲を演奏した。
1曲目が済んで「まいど、オオサカ!」とトニーが挨拶。親日家ぶりが伺える。
3曲目にキング・クリムゾンの"Red"を演奏。めちゃくちゃハードな演奏で、ライブハウス大の会場で、これ以上はないという位生々しいヘヴィーなRedを聴くのは格別。
パット・マステロットは押すとブヒブヒと鳴くブタとコッコーと鳴くニワトリののビニール人形をマイクに押し付けて鳴らして笑いをとったりしていた。いつもの「打楽器」的なドラミングを展開。
もう一人のスティック奏者、マイケル・ベーニア(ミヒャエル・ベルニア?)はよりテクニカルさを強調したプレイで、トニーと高音ギター・パートと低音ベース・パートを交互に分けてプレイしていた。
楽屋でたこ焼きを食べた話をして「タコヤキ・ジャム」と命名した即興を展開したり。テープ演奏も多用していた。
本編ラストの"Indiscipline"は、2本のスティックによるあのタメのイントロの応酬が延々と続き、サビの爆発するような展開はどんなヘヴィ・メタルよりもハードだった。実は64歳のリーダーが率いる世界最強のプログレッシヴ・メタル・バンドだったのかもしれない。
途中で、今日が誕生日だということをパットが紹介し、全員拍手で祝う。こんな場に居合わせることができるチャンスはめったにない。
アンコールはファースト・アルバム"Soup"にも収録されているストラヴィンスキーの『火の鳥』で、ラストはイエスのオープニングでもお馴染みのあのテーマで終わった。観客全員スタンディング・オベーションで大いに盛り上がる。トニーは例によって客席や他のメンバーをカメラで撮っていた。この会場が非常に気に入ったとも言っていた。
ファースト・アルバム"Soup"のCD購入者のためにサイン会が開かれ、3人にサインをいただく。皆気さくで笑顔を絶やさない。トニーに誕生日プレゼント(日本茶)をし、20回見たことも話すと、喜んでくれた。クリムゾンの"Discipline"にもサインを貰えて感激。
Tony Levin / Stick, Vocal
Michael Bernier / Stick, Vocal
Pat Mastelotto / Drums, Vocal
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コメント
Youtubeで観ましたが素晴らしいですね。
レヴィンも相変わらず格好良いこと!
クリムゾンファンが望んでいるのは正にこのヘヴィネスなんです。
フリップがやらないんだったらもうこのメンバー(+ブリュー)でクリムゾンを再始動しては?と思ってしまいました。
「Power To Believe」なんかよりずっと"(フリップが言うところの)クリムゾンにしかできない音楽"だと思います。
ライブに行けて羨ましいです。
DVDが出る予定はないのでしょうか?
投稿: fripp_fripp | 2010/06/11 10:07
>fripp_frippさん
ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
レヴィン、今回はヘヴィな展開を狙ったようで、凄かったです。レヴィンのことを知らない女性を連れた人が前にいましたが、大音量にドン引きしていました。
クリムゾン、フリップの偏屈さ故に頓挫しているようですが、レヴィンのように無数のギグをこなしてきた人から見れば、もどかしい以前に、もったいなくて、じゃあ俺が・・・という感じでしょうか。
DVDぜひ出てほしいですね。
投稿: tangerine | 2010/06/11 16:46