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2010年9月

2010/09/30

Roger Waters The Wall Live レビュー 後半

00. 開演前
あと5分で演奏が始まりますとのテープ・アナウンス。オリジナル・ウォール・ショーでは、客電がついたままいきなり後半が始まったと文献にあるので相違ある部分だが、現在ではちゃんとアナウンスされるほうが懸命だろう。

01. Hey You
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オリジナルどおり壁の内側での演奏は見えない。特に映写される映像もなく、壁の存在を100%引き出した演奏。

02. Is There Anybody Out There?
「誰かそこにいるのか?」と会場にスポットライトが当てられる。上手の壁の一部が外され、2人によるアコースティック・ギターでの演奏が見えるようになる。

03. Nobody Home
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観客が総立ちになって一緒に歌うラブ・ソング。
壁の下手の一部が開いて、ベッド、ランプ、テレビのあるホテルのセットと共に、ロジャーが安楽椅子に座って歌う演出はオリジナルどおり。

04. Vera
戦場から帰還した兵士と家族との再開シーンの感動的ドキュメント・フィルムが流れる。

05. Bring The Boys Back Home
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壁の前でひとり歌うロジャー、壁一面に戦場での被害者である子供達の写真とメッセージ、歌詞が映し出される。

06. Comfortably Numb
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オリジナルどおり、壁の前で歌うロジャーに対し、壁の頂上で、リード・ボーカリストのRobbie Wyckoffがギルモアのパートを歌い、Dave Kilminsterによるギター・ソロが展開。
この曲に関しては、ギルモアの不在を感じずにはおれない。

07. The Show Must Go On
壁の前に楽器のセッティングをしている間、テープに合わせてコーラス隊がビーチボーイズ風に歌う。
コーラス隊のひとりJohn Joyceはオリジナル・ウォール・ショーにも参加していた。

08. In The Flesh
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壁の前にバンドの楽器が組まれての演奏。オリジナルどおりファシストの集会風の演出。十字ハンマーと"TRUST US"のロゴの入ったパーカー(グッズとして売られていた)を着たメンバーもおり「ピンク党員」を演出。
舞台下手上空に巨大な黒いブタが出現。下腹に多数のファンがついており、リモコンで操作され自力で飛行している。

09. Run Like Hell
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「この会場のパラノイアの皆さんと、邪悪な人々に捧げる」というロジャーのMCもオリジナルどおり。

iProtect, iFollow, iResist, iProfit, iLose, iTeach, iLearn, iBelieve, iPaint, iKill, iPayなどのロゴと、毛沢東、ヒトラー、ビン・ラディン、ブッシュらが映される。皆白いイヤホンをしていて、Appleの宣伝戦略を痛烈に皮肉った映像。

豚は飛行を続ける。

会場の興奮は頂点に達する。全てが爆発しそうなほどの絶頂感。

10. Waiting For The Worms
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オリジナルどおりロジャーがメガホンでアジテーション。そしてあまりにも有名なハンマーの行進アニメが素晴らしい鮮度で壁に投影される。

11. Stop
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ピンク君の縫いぐるみが壁の頂上に現れ、やがて落下する。

12. The Trial
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オリジナルどおりのジェラルド・スカーフによる裁判のアニメ。全編テープ演奏と思われるが、最後の"Tear Down THe Wall"の台詞が、"Tear Down The Fuckin' Wall"に変わっていたので、部分的に録音しなおされたと思われる。
クライマックスでB52の大群の飛行など今まで映された映像がフィードバックし、ついに壁が崩壊する。

13. Outside The Wall
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壁の崩壊後、円形スクリーンに天空から少女の影絵がゆっくりと舞い降りてくる映像。少女は希望を持たせるかのように、ゆっくりと手を広げる。
瓦礫の前にメンバー全員によるアコースティック・バンドが1列になって演奏しながら登場。

アリーナ中央上空から無数の赤い紙吹雪が舞い落ちてくる。紙吹雪は1枚1枚が" Goodbye Blue Sky"で爆撃機が投下していた十字架、六芒星、三日月、ドル・マーク、石油のシェルのロゴ、ベンツのロゴになっている。

ロジャーによる挨拶があり、再度演奏しながら退場。ロジャーは最後までステージに残り、再度挨拶して退場。

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The Band
Roger Waters / Vocal, Bass, Guitar, Trumpet
Graham Broad / Drums
Dave Kilminster / Guitars
G. E. Smith / Guitars
Snowy White / Guitars
Jon Carin / Keyboards
Harry Waters / Hammond Organ
Robbie Wyckoff / Lead Vocal
Jon Joyce / Backing Vocal
Kipp Lennon / Backing Vocal
Mark Lennon / Backing Vocal
Pat Lennon / Backing Vocal

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2010/09/29

Roger Waters The Wall Live レビュー 前半

トロントで9月15,16,18に見たロジャー・ウォーターズのザ・ウォール・ライブの簡単な曲ごとの演出レビューです。

■1980-1981のオリジナル・ショーとの大きな相違点
代理バンドの不在
オリジナル盤Side4の"In The Flesh"にて、主人公のロック・スター、ピンク君がホテルに戻ってしまった代わりに送られてきた「代理バンド」(Surrogate Band)が演奏をするというコンセプトで、オリジナル・ショーの1曲目は全て、ピンク・フロイドのメンバーの覆面をした、代理バンドが演奏していた。今回はピンク・フロイドというバンドのショーではないので、代理バンドは登場しない。総勢12名での演奏となる。

-02. 開演前
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KEEP TAKING THE TABLETS!(日によって書かれている内容が違う)という看板を入れたショッピング・カートを持った中年のカウボーイハットの男が警備員と会場の通路を徘徊している。演出とわかった2日目からは多くの観客から握手や2ショット写真を求められていた。

-01. 開演直前BGM
モンティ・パイソンの"Always Look on the Bright Side of Life"(アイアン・メイデンのライブの終了後に必ず流れることで有名)が流れる。
スタンリー・キューブリック監督の映画『スパルタカス』のクライマックス・シーンから、処刑するために囚われそうなスパルタカスをかばうために多くの奴隷の同胞たちが、"I'm Spartacus!"と叫ぶシーンが流される。

00. Outside The Wall
トランペットでの演奏。吹いているのはロジャーかと予測。
最前列までたどりついたショッピング・カートの男が、カートに入れていたピンク君の縫いぐるみをステージに放り投げる。

01. In The Flesh?
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大量の花火の爆発で仰々しく開始。8人の旗手が競りあがってくるステージ上で行進。円形スクリーンには、例の交差したハンマーのロゴ。
最後にワイアーで吊るされたドイツの戦闘機の模型がステージ上手に飛んできて爆発。

02. The Thin Ice
中東などで戦死した人々の写真とリストが壁に投影される。

03. Another Brick In The Wall (Part 1)
裏方によって、ゆっくりとレンガが積まれはじめる。

04. The Happiest Days Of Our Lives
ヘリコプターの効果音と客席へのスポットライト。

05. Another Brick In The Wall (Part 2)
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ステージ上手に巨大な風船マリオネットの「ティーチャー」が出現。
20人ほどの子供たちのコーラス隊が登場して、コーラス・パートを歌う。観客から絶賛の歓声。
円形スクリーンには"i Believe"と書かれた壁越しのバタシー発電所の煙突と空飛ぶ豚が映る。

06. Mother
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ステージ下手に巨大な「マザー」の風船が登場。"EARLS COURT 1980"というテロップと共に、30年前のコンサートでロジャーが歌っているのビデオが演奏と完全にシンクロされた状態で壁一面に映写される。ビデオはコントラストを強くした白黒の影絵のような感じ。円形スクリーンには「ママがあなたをいつも見張っていますよ」という歌詞を象徴する監視カメラのアニメ。

07. Goodbye Blue Sky
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アニメでB52爆撃機の大群が映写される。爆弾の代わりに投下されるのは、赤色の十字架(キリスト教)、六芒星(ユダヤ教)、三日月(イスラム教)、ドル・マーク、石油のシェルのロゴ、ベンツのロゴなど。やがて投下されたロゴはまっ赤な血の海となる。

08. Empty Spaces
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あまりにも有名なジェラルド・スカーフによる花同士の性交・捕食のアニメはオリジナルと同じ。

09. What Shall We Do Now?
ライブ・ヴァージョンのみの延長曲。アニメーションはオリジナルどおり。

10. Young Lust
演奏とライティングが重視された演出。「身も心も汚れきった女が欲しい」というイメージのグルーピーを象徴する映像。

11. One Of My Turns
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ピンク君のホテルにやってきたグルーピーのモノクロ映像。例のMCもそのまま。ロジャーは壁の前で座って歌う。

12. Don't Leave Me Now
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緑のカマキリのような「ワイフ」の巨大風船が下手に登場。

13. Another Brick In The Wall (Part 3)
キレてホテルの部屋をめちゃめちゃに壊すピンク君を象徴。テレビのブラウン管が割れる映像となど。

14. The Last Few Bricks
ライブ・ヴァージョンのみの延長曲。ほぼ構築された壁が視覚効果で再び分解される映像が圧倒的にリアル。

15. Goodbye Cruel World
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最後のレンガの1個がはめられて、"INTERMISSION"の巨大な文字が壁に投影され、前半終了。
あらゆる時代に戦死した人々の写真とプロフィールが大量に壁に投影される。
壁の柄は休憩中にリアルにくすんだレンガに変わる。

後半に続く。

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2010/09/19

Roger Waters The Wall Live トロント3デイズ終了

Teacher01Pig01Intheflesh01無事にトロント3公演を見終わりました。

スクリーンや壁に投影される映像がアップデートされている以外は、驚くほど80-81年のピンク・フロイドによるオリジナル・ザ・ウォール・ショーに忠実でした。80年当時ブートレッグを聴いて、頭の中で想像を膨らませていた、ザ・ウォール・ショーを遂に現実に体験できて感無量です。

戦闘機も飛んできて爆発したし、教師と母親と妻の巨大風船も出たし、豚も飛んだし、クライマックスのジェラルド・スカーフのアニメもそのまま。ちゃんと観客が期待しているものを100パーセント提供してくれた感じです。

しかしやはり、欧米でのコンサートを、集中力をもって鑑賞するのは難しいのも事実です。名曲を一緒に歌いまくるのは感動的なので良いのですが、
ほとんどの観客が両手にビールの巨大マグカップを持ってスポーツ観戦気分で大騒ぎしながら見ているし、演奏中も平気で大声で話しているし、しょっちゅう席を離れてトイレや売店に行くし、マリファナを吸っている奴も必ず周りにいるし・・・。

ロジャーはそういう奴にキレて、The Wallを作ったはずなんですがねー。

日本だと、クラシックのコンサートのように最後までシーンとした状態で、すべてを見届けてやろうと思う観客がほとんどのような気がします。
盛り上がりに欠けることは間違いないですが、そっちのほうでも見たいショーだと思いました。

本日、午後の飛行機で帰国予定です。

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2010/09/16

The Wall Live 2010 Air Canada Centre 09/15

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先ほどツアー初日を見終わってホテルに帰ってきました。

まさにあのピンク・フロイドの1980年のザ・ウォール・ショーでした。

感想は帰国したらまたゆっくりと。

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2010/09/15

キアヌ・リーブスと遭遇

Keanu01Keanu02トロントに到着し、ホテルにチェックインして、ちょっとまったりして一緒に来た友人と街の散策に出かけたのですが、ホテルを出て5分くらいの小じんまりした古い映画館の前に人だかりが。

話を聞くとどうもトロント国際映画祭に来ているキアヌ・リーブスがレッド・カーペットで出席するらしいという噂で、集まった模様。

で、プレミア上映を見る観客が何百と並んでいたけど、キアヌ目当てのギャラリーは百人もいなかったので、ガセかなーと思いつつ、映画館の向かい側の歩道で待つこと1時間。
リムジンでなくTIFF(映画祭)の普通の車が来て、本当にキアヌが降りてきて、皆大騒ぎになりました。びっくりです。

ファンサービスたっぷりで、映画館の両側のファンにサインをしていき、道路を渡ってこっちにも来て、サインしまくってました。30cmくらいの距離であのキアヌを見られて、感激!

私はデジカメのビデオで撮ってたので、写真は友人提供。

到着していきなり、いいものが見られましたー。一生自慢しますー。

で、結局何の映画のプレミアム上映だったかはわからず仕舞いでした・・・。
(ネットで調べろよ!)

http://www.torontointernationalfilmfestival.ca/

追記

調べたら、映画は Henry's Crime でした。

http://www.torontointernationalfilmfestival.ca/filmsandschedules/tiff/2010/henryscrime

映画館はELGINというところでした。今日も試写が別会場であるけど、チケットは無理でしょうねー。

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2010/09/13

The Wall おさらい

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Roger Watersのコンサート・ツアー"The Wall Live"に向けて、作品のおさらいをしておきたいと思います。

■アルバム
・The Wall (ザ・ウォール) 1979年11月30日発売のPink Floydの11枚目のスタジオ作。オリジナル盤はLPレコード2枚組
・録音時のメンバーはRoger Waters / Bass, Vocal, David Gilmour / Guitar, Vocal, Nick Mason / Drums, Rick Wright / Keyboards
・プロデュースはボブ・エズリンとロジャー・ウォーターズ、デヴィッド・ギルモア。エンジニアはジェイムズ・ガスリー、オーケストラ編曲は故マイケル・ケーメンとボブ・エズリン。
・コンセプトは1977年7月6日カナダのモントリオール・オリンピック・スタジアムでのコンサート中にロジャー・ウォーターズが感じた観客との疎外感(壁)をテーマにしている。(ロジャーは演奏を聴かずに大騒ぎしている観客にツバを吐きかけた。)
・4人のバンド・メンバーの他にも多数のスタジオ・ミュージシャンがノン・クレジットで参加。
・膨大な効果音の挿入など、レコーディングには8ヶ月の時間を費やし、レコーディング・スタジオも4箇所に及んだ。
・推定1,190万枚のセールスを記録。1アーディストの作品では最も売れた2枚組アルバム。
・オリジナル・メンバーのリック・ライトはロジャー・ウォーターズとの確執からレコーディング途中にバンドを解雇されている。
・ジャケット・デザインはヒプノシスが降板し、風刺漫画家のジェラルド・スカーフが担当。
・日本盤の解説は立川直樹、歌詞翻訳は山本安見。


■ツアー
・1980年2月7日の"Los Angeles Memorial Sports Arena"を皮切りにスタートしたアルバムの完全再現ライブ。
・バンド・メンバー4人以外に、覆面バンド(メンバーのライフ・マスクを装着)4人やコーラス4人が参加。
・リック・ライトは既にバンドを解雇されていたため、ゲスト・ミュージシャン扱いでツアーに参加したが、当時は公にされていなかった。
・1981年6月17日のアールズ・コートでの公演が、レコーディング・メンバーでの最後の演奏となった。
・規模の大きさからLAで7回、ニューヨークで5回、ロンドンで6回、ドルトムントで8回、再度ロンドンで5回の4箇所、計31回のみの公演。
・舞台と客席の間に段ボール製の巨大なレンガを積み上げていき、前半終了時に壁で完全に舞台が見えなくなり、後半は見えないまま演奏が続けられる。
・壁にはアルバムでデザインを担当したジェラルド・スカーフのアニメが映写され、最後に壁が崩壊する。


■映画
・1982年公開。監督:アラン・パーカー、主演:ボブ・ゲルドフ
・台詞はほとんどなく、ミュージカルに近い感覚。
・オープニングに未発表曲"When the Tigers Broke Free"を使用。後にシングル盤、ベスト盤、"The Final Cut"のリマスター盤に収録。
・ピンク・フロイドのメンバーは登場せず、ライブ・シーンもアールズ・コートでのライブが撮影されたが使用されなかった。
・アルバムやライブ用映像と同じくジェラルド・スカーフのアニメーションが使用されている。


■ベルリン
・1990年7月21日にベルリンの壁崩壊・東西ドイツ統一を記念してポツダム広場で開催されたロジャー・ウォーターズ主催のチャリティー・コンサート。
・観客動員数推定35万人。
・The Wallが壁の構築も含めて、史上最大の規模で再現された。
・豪華なゲスト・ミュージシャンとフル・オーケストラ、軍楽団隊も演奏に参加。
・最後の1曲"Outside The Wall"のみロジャーのソロ曲"The Tide is Turning"に差し替えられ、希望を持たせる終わり方になっている。
・現状で"The Wall"が最後に演奏された場所。


■ライブCD
・Is There Anybody Out There? The Wall: Live 1980-1981
・2000年3月23日突如リリースされたライブ・アルバム。1980年と1981年のツアーから編集された"The Wall"を完全収録。
・ライブ前や途中の司会者によるヤラセMCや、スタジオ版には収録されなかった"What Shall We Do Now?","The Last Few Bricks"も収録。

■ブートレッグ
・LPレコード、CD、ビデオテープ、DVDなど膨大な数の非公式ライブ音源がツアー直後から現在に至るまで市場・ネット上に出回っている。
・レコーディング・セッションのデモ音源や、ナッソー・コロシアムとアールズ・コートでの完全ライブ映像も存在する。

■イカとクジラ
・The Squid and the Whale、2005年、アメリカ映画、監督・脚本 : ノア・ボーンバッハ
・主人公の息子が「自作の曲」と偽って"The Wall"収録の"Hey You"をコンクールに応募し、優勝するが、後にバレてしまう。
・ザ・ウォールをモチーフにした作品の中では非常に評価の高い一作。

■ザ・ウォールとの出会い
・最初に断片的に聴いたのは1979年12月のNHK FMの渋谷陽一のサウンド・ストリートの『ザ・ウォール特集』。
・レコードを買ったのは1980年1月2日、梅田の32番街ワルツ堂で、一緒にELPの"Ladies & Gentlemen"を買ったのを覚えています。
・山本安見の的確な翻訳はアルバムのコンセプトを理解するのに非常に役に立ちました。擦り切れるほど聴いて、聴きまくりました。
・収録曲を生で聴けたのは、以下のライブ

Pink Floyd / 1988年3月2日 日本武道館、3月8, 9日 大阪城ホール
"Another Brick In The Wall Part 2", "Comfortably Numb", "Run Like Hell"

Roger Waters / 2002年3月25, 26日 大阪厚生年金会館大ホール、28, 30, 31日 東京国際フォーラム ホールA
"In The Flesh", "Happiest Days Of Our Lives", "Another Brick In The Wall, Part 2", "Mother", "Comfortably Numb"


■Roger Waters The Wall Live 2010 - 2011
・55回にもおよぶザ・ウォール再現ライブは明後日9月15日にカナダのトロント"Air Canada Centre"からスタート。


http://www.roger-waters.com/
http://www.facebook.com/rogerwaters

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2010/09/02

Progressive Rock Fes 2010 日比谷野外大音楽堂

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8月22日に日比谷野外大音楽堂で開催された、プログレッシヴ・ロック・フェス 2010を見た。
20日にスティーブ・ハケットを見た後、横浜の友人宅に泊めてもらい、21日は上野のホテルにチェックインして、夜は赤坂に橋本一子を見に行った。22日は金券ショップで帰りの新幹線の割引チケットを買い、ネットで適当に見つけたスーパー銭湯、湯処葛西に行って、ゆっくりと風呂に漬かりゴージャズな東京の休日を過ごす。

日比谷公園には炎天下15時半頃に到着。既に開場していたので並ばずに入場。
日比谷野音はアイドルのribbonを92年8月23日に見たのが最初で、時期も同じで懐かしい。最後に野音に行ったのは、1995年4月22日のピチカート・ファイヴなので15年ぶり。

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半円形のコロシアム状の構造が、2008年にドイツで見た夏のプログレ・フェス、"Night Of Prog Fes"の会場だったローレライのFREILICHTBUHNEに似ていて、野外のプログレ・フェスというコンセプトもあって、デジャヴを感じた。しかしドイツのほうは携帯の電波も届かない山奥で、テント持参だったことを思うと、都会のど真ん中で本当に便利。

とにかく信じられない位に暑い・・・。この状況で4時間も音楽を聴くって、何のガマン大会??と言いたいくらい。というか、熱中症で倒れる人続出なんじゃないかなとすら思った。

しかし、そこは人生の経験を積んできたプログレ中年の皆様だけあって、皆適度にビールなどで水分補給調整をしており、持参した扇子でパタパタ扇いで皆ガマン強く開演を待っていた。個人的には、どしゃ降りでドロドロのFUJI ROCKより、炎天下のほうが音楽を聴くにはましと思った。

チケットを発売日に買ったせいか、席はなんと5列目の中央で、あまりの良さにびっくり。
すぐ傍に上半身裸の年配の男性がおり、結局終演までずっと裸のままだった。気持ちはわかる・・・。暑さのあまり私も裸になりたいと思ったが、ぐっとガマン。その人は、手拍子や拍手の代わりに、裸の胸や腕を激しくパチパチと叩くので、

プログレ・パチパチパンチ

と命名。

セミがとにかく凄い音量でワンワンと鳴いていて、本当に真夏のフェスらしい雰囲気。ツクツクボーシもアブラゼミのオーケストラにアクセントを加えていて、うるさいことこの上なく、暑さも倍に感じる。

開演時間になり、後方を見ると何と立ち見も出る満員状態で、びっくり。収容人数は座席2,664名 立見席450名とのことなので、約3千人は入ったことになる。保守的な日本のプログレ・ファンはクソ暑い夏の野外コンサートなどには来ないのではないかと思っていたから。やはり魅力的なラインナップだったのだろう。四人囃子が出る野音というのも、歴史的でシンボリックな印象があって、オールド・ファンは何としても見なければという想いもあるのかもしれない。

司会者(ルネッサンスの紹介時に雑誌ストレンジデイズの岩本晃市郎編集長と判明)
が出てきて、「今日は暑いので弟が円盤に乗るかもしれないですよ。噴水でネッシーが泳ぐかもしれないですよ」とMC。一気に盛り上げて、四人囃子を紹介。

四人囃子を見るのは4回目で、1989年9月23日のMZA有明の再結成を2回、2002年5月1日のスモーキー・メディスソとのライブを大阪厚生年金中ホールで見て以来。

1. 空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ
2. 泳ぐなネッシー
3. カーニバルがやってくるぞ
4. レディ・ヴァイオレッタ
5. おまつり
6. なすのちゃわんやき
7. 一触即発

森園勝敏 / Guitar, Vocal
坂下秀実 / Keyboards
岡井大二 / Drums
佐久間正英 / Bass, Recorder


このラインナップの演奏をまた見られることに感謝。89年に再結成したときも狂喜したが、やはりこのメンバーが最強だろう。
どの曲もリフを多めに繰り返したりして、少しアレンジを変えて演奏していた。
森園のボーカルは相変わらず不安定で、そこに味わいがあってすごく良い。
岡井のドラムはとにかく凄く強力で、安定していて演奏をガンガンとリードしていた。
『カーニバルがやってくるぞ』は"Summrtime Blues"のイントロ付き。『なすのちゃわんやき』では佐久間が間奏でリコーダーを吹くのもお馴染み。お馴染みの曲をナレーションなしでみっちり60分演奏。


休憩時に売店への長蛇の列に並んでコーラを買って水分補給。曇りにもならず、全然暑さは和らぐ気配もない。FUJI ROCKでMAGMAを一緒に見たMさんにばったり会いしばらく話す。ハケットは聴いたことがないらしく、最初の1枚にとりあえず"Spectral Mornings"を推薦しておいた。


MCの岩本編集長が再び登場し、「みんな暑くて顔がクリムゾン・キングの宮殿みたいになってますよ」と笑いをとりつつ、ルネッサンスを紹介。荘厳なBGMと共にメンバーが登場。

Renaissance
1. Prologue
2. Carpet Of The Sun
3. Midas Man
4. Things I Don't Understand
5. The Mystic And The Muse
6. Running Hard
encore
7. Mother Russia

Annie Haslam / Vocal
Michael Dunford / Acoustic Guitar, Vocal
David J. Keyes / Bass, Vocal
Rave Tesar / Keyboards
Tom Brislin / Keyboards, Vocal
Frank Pagano / Drums

ルネッサンスの音楽は冷房の効いた音響設備の整った国際フォーラムのような会場で、集中力をもってゆったりと聴きたいところだったが、今回は真反対の環境での演奏。しかし、こういうシチュエーションだと、生々しいバンドの音の本質を捉えられるような気もした。

アニーの歌声は、予想や2001年来日時の評判に反して、非常に良く出ており、本当に素晴らしくてびっくりした。ツイン・キーボードのメロディも凄い。観客の反響も素晴らしくて、メンバーも感動しているようだった。

静かなパートでは、演奏&アニーの歌声よりもセミの鳴き声のほうが大きくて、常に音に「ジジジジジジジーーーーー」というノイズが被っているような感じ。ルネッサンスとセミ・オーケストラのありがたくない共演・・・。

"Things I don't Understand"の後でアニーのMC

アニー・ハズラム「暑い!とっても暑いーーー!」
観客「ギャハハッハ!!」
セミ「ミーーン!ミーーン!ミーーン!」
プログレ・パチパチパンチ「パチパチパチ」

アニー「皆さん扇子持ってるの、いいなー、ステージに上がって扇いでよ!」
観客「パタパタパタ (ステージに向かってあおぐ)」
セミ「ミーーン!ミーーン!ミーーン!」
パチパチパンチ「パチパチパチ」

新曲の"The Mystic And The Muse"は壮大で、アニーのハイトーン・ボーカルも衰え知らずを証明するかのように絶叫し、完全に観客を圧倒していた。

"Running Hard"で観客が総勢でスタンディング・オベーションして、アンコールの"Mother Russia"も、これで今日のフェスは終了と思うくらいの盛り上がりを見せた。いい感じの夕日が刺してきてドラマチックだったが、まだまだ暑い。バンドのウェブサイトのブログでは、暑すぎて集中できなかったが、精一杯やった。観客の反応に非常に感動したと書かれていた。


休憩で、ビールを買って飲む。ようやく暗くなって、気温も多少はましになってきた。
岩本編集長が"Genesis Live"のジャケットのピーター・ガブリエルのコスプレ(マントに幾何学マスク)をして登場。「昨日夢にピーター・ガブリエルが出て、この格好をしろと言ったので」とのこと。フェスの成功を喜び、来年もきっと開催されますねと宣言すると、物凄い拍手。スティーブ・ハケット・バンドを紹介。

Steve Hackett Band
01. Everyday
02. Fire On The Moon
03. Ace Of Wands
04. Serpentine Song
05. Fly On A Windshield
06. Broadway Melody Of 1974
07. Sleepers
08. Still Waters
09. Los Endos
10. Firth Of Fifth
11. Clocks

Steve Hackett / Guitars, Vocals, Harmonica
Gary O'Toole / Drums, Vocals
Roger King / Keyboards
Rob Townsend / Sax, Flute, Vocals
Amanda Lehmann / Guitars, Vocals
Lee Pomeroy / Bass, Stick

大観衆の中、野外で聴くハケットのギターは格別で天空に響き渡る感じだった。クラブチッタに続いて、こちらもフル・ステージでやってほしかったが、かなり短縮されていて、物足りない気持ちもあった。特に絶対に外してはいけないはずの"Spectral Mornings"をやらなかったのは本当に残念。アンコールでやってくれるかなと期待していたが・・・。やっていれば本当に歴史的なライブになったと思う。しかし、ジェネシスのナンバーは全て素晴らしく、"Los Endos"も"Firth Of Fifth"もトリに相応しい内容だった。最後の"Clocks"でカタストロフ的に終わらせたのも最高だった。

あまりに良かったので、パンフレットを買って、東京駅まで急ぎ、新幹線で大阪に帰還。

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