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2010/09/29

Roger Waters The Wall Live レビュー 前半

トロントで9月15,16,18に見たロジャー・ウォーターズのザ・ウォール・ライブの簡単な曲ごとの演出レビューです。

■1980-1981のオリジナル・ショーとの大きな相違点
代理バンドの不在
オリジナル盤Side4の"In The Flesh"にて、主人公のロック・スター、ピンク君がホテルに戻ってしまった代わりに送られてきた「代理バンド」(Surrogate Band)が演奏をするというコンセプトで、オリジナル・ショーの1曲目は全て、ピンク・フロイドのメンバーの覆面をした、代理バンドが演奏していた。今回はピンク・フロイドというバンドのショーではないので、代理バンドは登場しない。総勢12名での演奏となる。

-02. 開演前
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KEEP TAKING THE TABLETS!(日によって書かれている内容が違う)という看板を入れたショッピング・カートを持った中年のカウボーイハットの男が警備員と会場の通路を徘徊している。演出とわかった2日目からは多くの観客から握手や2ショット写真を求められていた。

-01. 開演直前BGM
モンティ・パイソンの"Always Look on the Bright Side of Life"(アイアン・メイデンのライブの終了後に必ず流れることで有名)が流れる。
スタンリー・キューブリック監督の映画『スパルタカス』のクライマックス・シーンから、処刑するために囚われそうなスパルタカスをかばうために多くの奴隷の同胞たちが、"I'm Spartacus!"と叫ぶシーンが流される。

00. Outside The Wall
トランペットでの演奏。吹いているのはロジャーかと予測。
最前列までたどりついたショッピング・カートの男が、カートに入れていたピンク君の縫いぐるみをステージに放り投げる。

01. In The Flesh?
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大量の花火の爆発で仰々しく開始。8人の旗手が競りあがってくるステージ上で行進。円形スクリーンには、例の交差したハンマーのロゴ。
最後にワイアーで吊るされたドイツの戦闘機の模型がステージ上手に飛んできて爆発。

02. The Thin Ice
中東などで戦死した人々の写真とリストが壁に投影される。

03. Another Brick In The Wall (Part 1)
裏方によって、ゆっくりとレンガが積まれはじめる。

04. The Happiest Days Of Our Lives
ヘリコプターの効果音と客席へのスポットライト。

05. Another Brick In The Wall (Part 2)
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ステージ上手に巨大な風船マリオネットの「ティーチャー」が出現。
20人ほどの子供たちのコーラス隊が登場して、コーラス・パートを歌う。観客から絶賛の歓声。
円形スクリーンには"i Believe"と書かれた壁越しのバタシー発電所の煙突と空飛ぶ豚が映る。

06. Mother
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ステージ下手に巨大な「マザー」の風船が登場。"EARLS COURT 1980"というテロップと共に、30年前のコンサートでロジャーが歌っているのビデオが演奏と完全にシンクロされた状態で壁一面に映写される。ビデオはコントラストを強くした白黒の影絵のような感じ。円形スクリーンには「ママがあなたをいつも見張っていますよ」という歌詞を象徴する監視カメラのアニメ。

07. Goodbye Blue Sky
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アニメでB52爆撃機の大群が映写される。爆弾の代わりに投下されるのは、赤色の十字架(キリスト教)、六芒星(ユダヤ教)、三日月(イスラム教)、ドル・マーク、石油のシェルのロゴ、ベンツのロゴなど。やがて投下されたロゴはまっ赤な血の海となる。

08. Empty Spaces
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あまりにも有名なジェラルド・スカーフによる花同士の性交・捕食のアニメはオリジナルと同じ。

09. What Shall We Do Now?
ライブ・ヴァージョンのみの延長曲。アニメーションはオリジナルどおり。

10. Young Lust
演奏とライティングが重視された演出。「身も心も汚れきった女が欲しい」というイメージのグルーピーを象徴する映像。

11. One Of My Turns
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ピンク君のホテルにやってきたグルーピーのモノクロ映像。例のMCもそのまま。ロジャーは壁の前で座って歌う。

12. Don't Leave Me Now
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緑のカマキリのような「ワイフ」の巨大風船が下手に登場。

13. Another Brick In The Wall (Part 3)
キレてホテルの部屋をめちゃめちゃに壊すピンク君を象徴。テレビのブラウン管が割れる映像となど。

14. The Last Few Bricks
ライブ・ヴァージョンのみの延長曲。ほぼ構築された壁が視覚効果で再び分解される映像が圧倒的にリアル。

15. Goodbye Cruel World
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最後のレンガの1個がはめられて、"INTERMISSION"の巨大な文字が壁に投影され、前半終了。
あらゆる時代に戦死した人々の写真とプロフィールが大量に壁に投影される。
壁の柄は休憩中にリアルにくすんだレンガに変わる。

後半に続く。

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