Roger Waters The Wall Live レビュー 後半
00. 開演前
あと5分で演奏が始まりますとのテープ・アナウンス。オリジナル・ウォール・ショーでは、客電がついたままいきなり後半が始まったと文献にあるので相違ある部分だが、現在ではちゃんとアナウンスされるほうが懸命だろう。
01. Hey You
オリジナルどおり壁の内側での演奏は見えない。特に映写される映像もなく、壁の存在を100%引き出した演奏。
02. Is There Anybody Out There?
「誰かそこにいるのか?」と会場にスポットライトが当てられる。上手の壁の一部が外され、2人によるアコースティック・ギターでの演奏が見えるようになる。
03. Nobody Home
観客が総立ちになって一緒に歌うラブ・ソング。
壁の下手の一部が開いて、ベッド、ランプ、テレビのあるホテルのセットと共に、ロジャーが安楽椅子に座って歌う演出はオリジナルどおり。
04. Vera
戦場から帰還した兵士と家族との再開シーンの感動的ドキュメント・フィルムが流れる。
壁の前でひとり歌うロジャー、壁一面に戦場での被害者である子供達の写真とメッセージ、歌詞が映し出される。
06. Comfortably Numb
オリジナルどおり、壁の前で歌うロジャーに対し、壁の頂上で、リード・ボーカリストのRobbie Wyckoffがギルモアのパートを歌い、Dave Kilminsterによるギター・ソロが展開。
この曲に関しては、ギルモアの不在を感じずにはおれない。
07. The Show Must Go On
壁の前に楽器のセッティングをしている間、テープに合わせてコーラス隊がビーチボーイズ風に歌う。
コーラス隊のひとりJohn Joyceはオリジナル・ウォール・ショーにも参加していた。
08. In The Flesh
壁の前にバンドの楽器が組まれての演奏。オリジナルどおりファシストの集会風の演出。十字ハンマーと"TRUST US"のロゴの入ったパーカー(グッズとして売られていた)を着たメンバーもおり「ピンク党員」を演出。
舞台下手上空に巨大な黒いブタが出現。下腹に多数のファンがついており、リモコンで操作され自力で飛行している。
「この会場のパラノイアの皆さんと、邪悪な人々に捧げる」というロジャーのMCもオリジナルどおり。
iProtect, iFollow, iResist, iProfit, iLose, iTeach, iLearn, iBelieve, iPaint, iKill, iPayなどのロゴと、毛沢東、ヒトラー、ビン・ラディン、ブッシュらが映される。皆白いイヤホンをしていて、Appleの宣伝戦略を痛烈に皮肉った映像。
豚は飛行を続ける。
会場の興奮は頂点に達する。全てが爆発しそうなほどの絶頂感。
オリジナルどおりロジャーがメガホンでアジテーション。そしてあまりにも有名なハンマーの行進アニメが素晴らしい鮮度で壁に投影される。
11. Stop
ピンク君の縫いぐるみが壁の頂上に現れ、やがて落下する。
オリジナルどおりのジェラルド・スカーフによる裁判のアニメ。全編テープ演奏と思われるが、最後の"Tear Down THe Wall"の台詞が、"Tear Down The Fuckin' Wall"に変わっていたので、部分的に録音しなおされたと思われる。
クライマックスでB52の大群の飛行など今まで映された映像がフィードバックし、ついに壁が崩壊する。
壁の崩壊後、円形スクリーンに天空から少女の影絵がゆっくりと舞い降りてくる映像。少女は希望を持たせるかのように、ゆっくりと手を広げる。
瓦礫の前にメンバー全員によるアコースティック・バンドが1列になって演奏しながら登場。
アリーナ中央上空から無数の赤い紙吹雪が舞い落ちてくる。紙吹雪は1枚1枚が" Goodbye Blue Sky"で爆撃機が投下していた十字架、六芒星、三日月、ドル・マーク、石油のシェルのロゴ、ベンツのロゴになっている。
ロジャーによる挨拶があり、再度演奏しながら退場。ロジャーは最後までステージに残り、再度挨拶して退場。
The Band
Roger Waters / Vocal, Bass, Guitar, Trumpet
Graham Broad / Drums
Dave Kilminster / Guitars
G. E. Smith / Guitars
Snowy White / Guitars
Jon Carin / Keyboards
Harry Waters / Hammond Organ
Robbie Wyckoff / Lead Vocal
Jon Joyce / Backing Vocal
Kipp Lennon / Backing Vocal
Mark Lennon / Backing Vocal
Pat Lennon / Backing Vocal
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