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2010/09/13

The Wall おさらい

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Roger Watersのコンサート・ツアー"The Wall Live"に向けて、作品のおさらいをしておきたいと思います。

■アルバム
・The Wall (ザ・ウォール) 1979年11月30日発売のPink Floydの11枚目のスタジオ作。オリジナル盤はLPレコード2枚組
・録音時のメンバーはRoger Waters / Bass, Vocal, David Gilmour / Guitar, Vocal, Nick Mason / Drums, Rick Wright / Keyboards
・プロデュースはボブ・エズリンとロジャー・ウォーターズ、デヴィッド・ギルモア。エンジニアはジェイムズ・ガスリー、オーケストラ編曲は故マイケル・ケーメンとボブ・エズリン。
・コンセプトは1977年7月6日カナダのモントリオール・オリンピック・スタジアムでのコンサート中にロジャー・ウォーターズが感じた観客との疎外感(壁)をテーマにしている。(ロジャーは演奏を聴かずに大騒ぎしている観客にツバを吐きかけた。)
・4人のバンド・メンバーの他にも多数のスタジオ・ミュージシャンがノン・クレジットで参加。
・膨大な効果音の挿入など、レコーディングには8ヶ月の時間を費やし、レコーディング・スタジオも4箇所に及んだ。
・推定1,190万枚のセールスを記録。1アーディストの作品では最も売れた2枚組アルバム。
・オリジナル・メンバーのリック・ライトはロジャー・ウォーターズとの確執からレコーディング途中にバンドを解雇されている。
・ジャケット・デザインはヒプノシスが降板し、風刺漫画家のジェラルド・スカーフが担当。
・日本盤の解説は立川直樹、歌詞翻訳は山本安見。


■ツアー
・1980年2月7日の"Los Angeles Memorial Sports Arena"を皮切りにスタートしたアルバムの完全再現ライブ。
・バンド・メンバー4人以外に、覆面バンド(メンバーのライフ・マスクを装着)4人やコーラス4人が参加。
・リック・ライトは既にバンドを解雇されていたため、ゲスト・ミュージシャン扱いでツアーに参加したが、当時は公にされていなかった。
・1981年6月17日のアールズ・コートでの公演が、レコーディング・メンバーでの最後の演奏となった。
・規模の大きさからLAで7回、ニューヨークで5回、ロンドンで6回、ドルトムントで8回、再度ロンドンで5回の4箇所、計31回のみの公演。
・舞台と客席の間に段ボール製の巨大なレンガを積み上げていき、前半終了時に壁で完全に舞台が見えなくなり、後半は見えないまま演奏が続けられる。
・壁にはアルバムでデザインを担当したジェラルド・スカーフのアニメが映写され、最後に壁が崩壊する。


■映画
・1982年公開。監督:アラン・パーカー、主演:ボブ・ゲルドフ
・台詞はほとんどなく、ミュージカルに近い感覚。
・オープニングに未発表曲"When the Tigers Broke Free"を使用。後にシングル盤、ベスト盤、"The Final Cut"のリマスター盤に収録。
・ピンク・フロイドのメンバーは登場せず、ライブ・シーンもアールズ・コートでのライブが撮影されたが使用されなかった。
・アルバムやライブ用映像と同じくジェラルド・スカーフのアニメーションが使用されている。


■ベルリン
・1990年7月21日にベルリンの壁崩壊・東西ドイツ統一を記念してポツダム広場で開催されたロジャー・ウォーターズ主催のチャリティー・コンサート。
・観客動員数推定35万人。
・The Wallが壁の構築も含めて、史上最大の規模で再現された。
・豪華なゲスト・ミュージシャンとフル・オーケストラ、軍楽団隊も演奏に参加。
・最後の1曲"Outside The Wall"のみロジャーのソロ曲"The Tide is Turning"に差し替えられ、希望を持たせる終わり方になっている。
・現状で"The Wall"が最後に演奏された場所。


■ライブCD
・Is There Anybody Out There? The Wall: Live 1980-1981
・2000年3月23日突如リリースされたライブ・アルバム。1980年と1981年のツアーから編集された"The Wall"を完全収録。
・ライブ前や途中の司会者によるヤラセMCや、スタジオ版には収録されなかった"What Shall We Do Now?","The Last Few Bricks"も収録。

■ブートレッグ
・LPレコード、CD、ビデオテープ、DVDなど膨大な数の非公式ライブ音源がツアー直後から現在に至るまで市場・ネット上に出回っている。
・レコーディング・セッションのデモ音源や、ナッソー・コロシアムとアールズ・コートでの完全ライブ映像も存在する。

■イカとクジラ
・The Squid and the Whale、2005年、アメリカ映画、監督・脚本 : ノア・ボーンバッハ
・主人公の息子が「自作の曲」と偽って"The Wall"収録の"Hey You"をコンクールに応募し、優勝するが、後にバレてしまう。
・ザ・ウォールをモチーフにした作品の中では非常に評価の高い一作。

■ザ・ウォールとの出会い
・最初に断片的に聴いたのは1979年12月のNHK FMの渋谷陽一のサウンド・ストリートの『ザ・ウォール特集』。
・レコードを買ったのは1980年1月2日、梅田の32番街ワルツ堂で、一緒にELPの"Ladies & Gentlemen"を買ったのを覚えています。
・山本安見の的確な翻訳はアルバムのコンセプトを理解するのに非常に役に立ちました。擦り切れるほど聴いて、聴きまくりました。
・収録曲を生で聴けたのは、以下のライブ

Pink Floyd / 1988年3月2日 日本武道館、3月8, 9日 大阪城ホール
"Another Brick In The Wall Part 2", "Comfortably Numb", "Run Like Hell"

Roger Waters / 2002年3月25, 26日 大阪厚生年金会館大ホール、28, 30, 31日 東京国際フォーラム ホールA
"In The Flesh", "Happiest Days Of Our Lives", "Another Brick In The Wall, Part 2", "Mother", "Comfortably Numb"


■Roger Waters The Wall Live 2010 - 2011
・55回にもおよぶザ・ウォール再現ライブは明後日9月15日にカナダのトロント"Air Canada Centre"からスタート。


http://www.roger-waters.com/
http://www.facebook.com/rogerwaters

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