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2011年10月

2011/10/10

美女はつらいの 最初の5公演の雑感

Bijo01Bijo02Bijo0310/8から大阪松竹座で始まった韓国ミュージカル『美女はつらいの』の最初の5公演を見ました。松竹座は自転車で10分ほどで行ける距離で、かなり楽なコンディションで見ることができました。

主演の組み合わせは、8日昼(ギュリ、ソンジェ) 夜(パダ、イ・ジョンヒョク)、9日昼(パダ、ソンジェ) 夜(ギュリ、ジョンヒョク)、10日昼(ギュリ、ソンジェ)

国内のミュージカルは何十回も見ているけど、海外からの来日ミュージカルで、電光字幕を使うものは95年のブロードウェイの『秘密の花園』と07年のQueenの"We Will Rock You"以来3作目です。

以下は雑感です。

・ギュリはミュージカル初舞台にしては大健闘だった。直前までKARAの本国活動にほぼ専念しなければならない状態で、毎日の2時間のラジオ番組も続いていており(先週で降板)、とてもミュージカルの練習などする時間はとれなかったはず。通常の神経なら持たないだろうが、ギュリ持ち前の驚異的な努力と、超人的な持久力で、超短期で作品を自分もものにしていた。本作品の経験者であり、プロのミュージカル女優であるパダとはさすがに演技や歌唱力を比較するのは酷だけど、回を重ねて成長していくのは確実だろう。

・パダはさすさすがにミュージカルスターのオーラに満ち溢れていて凄い声量と演技力。ソンジェのファンでギュリとパダを両方見た人は技量の差を実感できるだろう。逆にギュリがパダと比較できる位の水準までごく短期間で仕上げたことに驚愕する。

・初日はギュリのご両親が会場前で目撃されていた。一人娘の初のミュージカルを見に大阪まで来られたようで、ファンとして感動してしまった。親子で大阪を少しの間でも満喫できればよいなと思った。

・映画版もそうだが、コンセプトはジャック・ブラック主演のハリウッド映画『愛しのローズマリー』に通じるものが大きい。

・電光字幕のタイミングが悪い。5回目でもかなりタイミングにずれがあった。バイリンガルのスタッフが操作していないのではないか?と思うほど。外国語のミュージカルでは、正確なタイミングでの字幕はウケるか否かの命綱的な存在であることをもっと実感してほしい。

・字幕は回を重ねるにつれ、細かい修正が加えられている。台詞の変更と共に変わったものもあれば、表現を変えたもの(「ふくよかなお嬢さん」→「ムチムチのお嬢さん」など)もあった。

・当然のことながら演出にも回を重ねて微妙な変更が加えられていた。2日目昼のパダの回からラストの『アベマリア』は挨拶なしで歌いだしをして、途中で挨拶のブレイクを入れなければならなかったが、ギュリは最初に挨拶をしてしまい、出だしを歌いそびれた。「一緒に歌って」とも言わなかった。演出の変更をド忘れしたか、うまく通達されていなかったか。

・前半ラストで、特殊メイクを外して、初めてギュリが本来の姿を現すシーンのインパクトは最高で、もの凄い拍手。ギュリならではの「ドヤ顔」が見られて本望です。というかドヤ顔のためにギュリが起用されたとしか思えないほどのマッチング

・2日目からはラストのアベマリアは字幕にハングルの発音をカタカナにしたものをカラオケの歌詞のように映したものに変更。それを見て「一緒に歌ってください!」と言われても、困るといえば困る・・・。

・字幕のこともあって、キャストがノッてきたときも、アドリヴがなかなか難しい。

・ソンジェとイ・ジョンヒョクは役どころのキャラクターも大きく印象が違っていた。イ・ジョンヒョクは久々のミュージカルだったらしく、歌はソンジェが勝っていた。ソンジェはお人形さんのような甘いルックスだけど、男っぽい演技。ジョンヒョクは重苦しいけどちょっと悩んでいそうな演技。

・天使=整形外科医役の方の歌声がオペラ歌手並に素晴らしい。歌のおいしい部分は全部持っていった感じ。キム・テギュンとヤン・ジュンモのダブル・キャストだが、どちらがどの回に出ていたかよくわからなかった。

・仇役のアミ役のイ・ヨンウンさんがめちゃ良かった。ぜひオフィシャル・サイトでインタビューなどを掲載してもらいたい。検索すると82年生まれのかなり有名な女優さんがヒットするけど同じ人?

・社長役のソン・ヨンギュもコミカルさが板について素晴らしい。この人のインタビューもぜひ読みたい。

・超新星のソンジェの女性ファンは熱狂的だが、エンディングまでは節度を保って鑑賞していた。ラストのアンコール挨拶で熱狂が爆発して凄い声援。盛り上がって本来のK-POPコンサートのノリでなかなか良かった。

・2日目昼のダブルアンコールは最前列がソンジェのハイタッチ会と化して、会場パニック。しかし3日目は自重されていた。

1999年の映画『シュリ』を公開時に見た時、ミュージカルを見に行くシーンがあって、「韓国でもミュージカルが盛んなんだなー」と感じた。その『シュリ』に「北朝鮮の特殊部隊兵士その1」くらいの役で出ていたイ・ジョンヒョクが、『美女はつらいの』の主演なのを見て感慨もひとしお。

・東方神起の離脱問題のパロディと思われるシーンあり。事務所の名前がSJエンタティーメントで「奴隷契約」とか「この業界で二度と働けなくさせてやる!」などという台詞も。天使の部下の3人組もJ・Y・Gayで、JYJをイメージさせる。

・後半の美容外科医のダンスでアラン・パーカー監督『ピンク・フロイド・ザ・ウォール』の"Anothe Brick In The Wall Part2"的な演出(整形マスクで無人格化された患者)があってちょっとウケた。

・チケットが高額で、基本的には直前でも当日券が簡単に買える状態。松竹の会員への招待券も結構出ているらしく、韓流やK-POPに興味なさげな、新喜劇や歌舞伎の常連と思われるご年配の観客も目立っていた。

・松竹座は、かに道楽やグリコのある道頓堀のひっかけ橋から徒歩15秒で、ひっかけ橋北側のビルに超巨大な福山雅治の広告看板が設置されていた。ギュリが見ることを狙っているとしか思えないほど・・・。

・歴史ある松竹座の中に入ったのは初めてで、年輪を重ねた格式ある内装にも感動したけど、事情を知らない韓国スタッフの方には、単なる古い劇場に映ったかもしれない。こっちは上方の伝統的な泥臭い大衆演芸場をなぜか韓国ミュージカルを見ることで体験してしまい、微妙ながらも大阪人としての血が騒いでしまった。

金龍ラーメンのところで延々と出待ちしている何十人ものソンジェ・ファンの女性のみなさんは、ラーメン一杯くらい食べて返ってあげてもいいかと思ったり。

・ギュリとパダの姉妹を超えた絆は大阪でさらに深まった。ここはひとつ海原千里・万里の『大阪ラプソディー』を2人で韓国語でリメイクしてほしい。道頓堀を食べ歩く2人のイメージビデオ付きで。

KARAのギュリは、K-POPに全然興味がなかった昨年暮れに、最初に「お!この人は違う!」と認識した人で、その後紆余曲折あってKARAからK-POP全般にハマりまくったけど、個人的には常に、数多くのK-POP歌手の頂点にいる人で、努力の程を知ってからは心から尊敬できる人のひとりです。

そのギュリが大阪に滞在してミュージカルをやるとのことで、もうギュリが同じ街にいるというだけで息苦しくなるなる感じで、とにかく休日には見られるだけ見ようと思った次第です。千秋楽まで週末公演は見る予定です。結構な出費ですが、交通費も宿泊費もゼロなので、この夏使ったK-POP遠征費用よりも遥かに安上がりです。

この夏の東京ドームも、横浜アリーナも、新潟ビッグワンスタジアムも200メートル以上離れた距離からの鑑賞で、肉眼ではどれがギュリか判別できないほどでした。50メートル以内でギュリを見られたのは、立ち見の野外フェスだった千葉のLOVE-1フェス以来で、非常に緊張しました。

映画版の原作者から著作権侵害による公演差し止めが請求された時は、なぜエージェントは基本的な権利問題を事前にクリアにしておかなかったのか。マスコミ等からの風当たりが強いのは何も関係のないギュリ達出演者なのに・・・と憤慨しましたが、結局は裁判で棄却され、法的に決着がついた状態での上演となったことは、せめてもの救いでした。

後半から参加のオ・マンソク氏が出演する回も楽しみです。ギュリはKARAの日本での活動も始まり、休演中はそちらの仕事で手一杯になるだろうけど、出演者・スタッフ全員、体調に気をつけて無事に千秋楽を迎えることができることを祈りたいです。

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