Peter Gabriel ベルリン公演 2012年5月9日 O2 World, Berlin
1ヶ月前のことになってしまいましたが、5月9日にドイツのベルリンにてPeter GabrielのNew Bloodツアーを見ました。ピーター・ガブリエルを見るのは94年の日本ツアー全3回と2007年のドイツのマインツ公演に続いて5回目。
http://thenoisehomepage.cocolog-nifty.com/small_talk/2007/06/peter_gabriel_m_78ba.html
バック・バンド無しのフル・オーケストラとの共演ツアーは2010年に開始され、見たかったのですが予定が合わず、2011年3月のハマースミス・アポロでのライブ・ビデオ"NEW BLOOD LIVE IN LONDON"も発売されたので、もう再演は不可能だと諦めていました。しかし、まさかのドイツでのアンコール・ツアーが実現し、最後のチャンスと思って遠征しました。
まず友人が数ヶ月前にベルリンに5月10日のTangerine Dreamの公演を見に行く計画を立てたところ、前日にたまたまピーター・ガブリエルもやっていることに気がついて私を誘ってくれたのですが、KARAのツアーもあり、直前までいけるかどうか微妙だったので、チケットを購入するのが直前になってしまいました。
直前購入にもかかわらずアリーナ中央7列目の中央をとることができて感激。ファンの話によると、直前に良い席が売りにだされて、発売と同時にチケットを買ったコアなファンは怒っていたとのこと。
以下、コンサートの雑感です。
コンサート当日の朝にイスタンブール経由でベルリンに到着。
ベルリンは12年ぶりで4回目。ホテルのチェックインまでポツダムに観光に行ったりして時間をつぶし、夕方にアムステルダム経由で到着した友人と合流。友人はベルリンは初めてとのことで、徒歩でブランデンブルグ門を観光して、ビールと共に豚の塩茹でのアイスヴァインや旬のアスパラガスなどドイツらしい夕食を堪能。
会場のO2 WorldはSバーンのベルリン東駅から徒歩で10分ほどのところにあり、周辺は開発地区で空き地が目立つ広々とした地域。
席と入り口が違ったので、友人と終演後に待ち合わせすることにして、会場入り。グッズはTシャツ4種類とエコバッグのみで、今回は購入せず。
椅子に座ると、本当に7列目のど真ん中で感激。公式には17,000人収容らしいが、最終的にはスタンドの上のほうの席はかなり空いていた。友人は食事や酒のサービスのあるVIP席を高いから前のほうの席と勘違いして購入してしまったらしく、スタンド席になっていたとのこと。07年のライブでも会った知人も見つかり、ちょっと談話。
開演時間になり、まずピーターが登場し、女性ボーカルの Rosie Doonan を紹介。ピーターは本編も含めて全てのMCをドイツ語でこなしていた。Rosie DoonanはTom Cawleyのピアノをバックに2曲歌唱。
http://www.myspace.com/rosiedoonan
ローラ・ニーロ系というか、スザンヌ・ヴェガ系というか、深みのある美しい声のシンガー・ソング・ライターでした。 YouTube等で調べると、2曲目は"Sing 4 Life"という曲のよう。
その後オーケストラ・チューニングの音があり、幕が上がってオーケストラが登場。幕も半透明で透けてオーケストラが見えており、映像が映されたりもする凝ったもの。
デヴィッド・ボウイの"Heroes"のカバーからスタート。
全編を通して、照明やビデオとの一体性が完璧で、ため息が出るほど。音響も巨大なスポーツ・アリーナにもかかわらずよく響いていた。何よりも7列目中央という奇跡の席から見るステージ全貌が素晴らしい。
2曲目の"Wallflower"はライブで聴くのは初めてで、バンド形式のライブでも滅多にプレイされなかった曲。4thの中でも最も好きな曲で、聴けて感無量。
Talking Headsの"Listening Wind"はリアルタイムで大好きだった"Remain In Light"の曲で、81年当時初めて見に行ったトーキング・ヘッズの同アルバムのツアーでは演奏しなかったので、生で聴けて本当に嬉しい。
"San Jacinto"は実にオーケストラにマッチした完璧なアレンジ。演奏後にファースト・ヴァイオリンのIan Humphries、指揮のBen FosterとNew Blood Orchestraを紹介。
"Secret World"では観客の大きな手拍子が入る。
"Downside Up"は娘のメラニーとのデュオ。
"That'll Do"は映画"BABE"のサントラに提供された曲で、『今日ライブで初めて演奏します』とのMCをしてプレイ。これは凄いレアなものが見られた感じ。
"Solsbury Hill"は天井からワイアーで吊るされたカメラが降りてきて、それをあちこちに揺らしながらの熱唱。最後は観客がオール・スタンディング・オベーションを見せる盛り上がりとなった。
本編ラストの"BIKO"はラストの合唱を観客全員に促してピーターは退場。オーケストラはしばらく演奏し、パーカッションの音で最後を締めくくった。
アンコールの"In Your Eyes"ではRosie Doonanとのデュエットで、あちこち踊り歩きながらの熱唱。John Metcalfeが代わりに指揮をとっていた。
ジョン・メトカフは85年のThe Durutti Columnのジャパン・ツアーにヴィオラで参加しており、京都のCBGBと大阪の中ノ島公会堂のライブを見た経験がある。まさか今回のオーケストラ・プロジェクトの編曲を担当し、ツアーにまで同行して、ピーターと共演するとは思わなかったので感激。
"Don't Give Up"をロージーとデュエットし、最後のレゲエ調のリフレインを観客全員で合唱。
ラストにチルアウト的なインストでOVEの"The Nest That Sailed the Sky"を演奏。ピーターはピアノをプレイ。挨拶とメンバー紹介をして終了。
途中での休憩を排除し、当初のコンセプトであった"Scratch My Back"収録のカバー曲を復活させたとことが、映像化された"Live In London"の頃のツアーとの相違点ですが、勢いもあり、カバーも素晴らしかったので、本当に良いものを体験できたという感じ。
アーティストとしての頂点を極めた感があり、もうこれで隠居に向かうと思いきや、9月から北米で"So"のリリース25週年ツアーを当時のバンド編成で行うとのこと。まだまだピーターの音楽探求の旅は続きそう。
Peter Gabriel / New Blood Orchestra Tour 2012
May, 9, 2012 / O2 World, Berlin, Germany
New Blood Orchestra
Arranger, Music Director : John Metcalfe
Conducter : Ben Foster
Vocal : Peter Gabriel, Rosie Doonan, Melanie Gabriel
01 "Heroes" (David Bowie cover)
02 Wallflower
03 Apres Moi (Regina Spektor cover)
04 Listening Wind (Talking Heads cover)
05 San Jacinto
06 Secret World
07 Signal to Noise
08 Downside Up
09 Digging in the Dirt
10 Mercy Street
11 The Rhythm of the Heat
12 That'll Do
13 Red Rain
14 Solsbury Hill
15 Biko
encore:
16 In Your Eyes
17 Don't Give Up
18 The Nest That Sailed the Sky
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コメント
ベルリンまで遠征! おつかれさまでした.
久々にピーターのお姿を拝見しました.やはりもう「じいさん」という形容になってしまいますが、あのカリスマ性いまだ健在で精力的な活動をしていることを嬉しく思います.
DEEP FORESTとの「WHILE THE EARTH SLEEPS」以来彼のCDを買っていませんが・・・.
RUSHの新作が出ましたね.明日届きます(嬉)
彼らもまた衰えを知らぬパワーで、元気をもらえそうです!
投稿: トースケ | 2012/06/16 13:48
>トースケさん
ピーターも60を過ぎてますます元気な感じです。が、髪を伸ばして髭ももっかい剃って若返ったルックスを見せてほしい気もします。
RUSHの新譜は私も買いましたが、昨日到着したところなので、これから聴きます。
投稿: tangerine | 2012/06/17 04:14