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2012年7月

2012/07/29

2012年上半期に見たライブ

今年の上半期に見たライブは以下の38ステージです。

01/09  NORAZO / なんばHatch
01/11  K-POPオールスターコンサート第26回ゴールデンディスク賞授賞式 DAY1 / 京セラドーム
  SUPER JUNIOR/CNBLUE/KARA/f(x)/INFINITE/BEAST/
  MBLAQ/JAY PARK/B1A4/Apink/Dal★shabet/Rainbow
01/12  K-POPオールスターコンサート第26回ゴールデンディスク賞授賞式 DAY2 / 京セラドーム
  少女時代/4Minute/CNBLUE/Secret/FTISLAND/超新星/
  SISTAR/miss A/G.NA/K.Will/ホ・ガク/BOYFRIEND
01/14  Perfume / 神戸ワールド記念ホール
01/15  Perfume / 神戸ワールド記念ホール
01/18  John Wetton / 梅田Shangri-La
01/24  California Guitar Trio with Tony Levin / ビルボードライブ大阪
01/27  Damned / なんばHatch
02/11  Univers Zero / 吉祥寺Star Pine's Cafe
02/16  Opeth / 梅田AKASO
02/18  KARA / ソウル・オリンピック体操競技場
02/19  KARA / ソウル・オリンピック体操競技場
03/03  ネーネーズ / ライブハウス島唄
03/04  World Music Festival In Okinawa / 那覇セルラー・スタジアム
  OH JOON SUNG DRAMA CONCERT
  KARA・RAINBOW・2PM・SECRET・INFINITE・ZE:A
03/05  Secret / Zepp大阪
03/18  南波志帆 / あべのキューズモール
03/25  バニラビーンズ / タワーレコード難波店
03/27  Perfume / 大阪城ホール
03/28  Perfume / 大阪城ホール
04/14  KARA / 横浜アリーナ
04/15  KARA / 横浜アリーナ
04/21  Yes / 尼崎アルカイックホール
04/23  Dream Theater / オリックス劇場
04/27  KARA / 大阪城ホール
04/28  KARA / 大阪城ホール
04/30  KARA / マリンメッセ福岡
05/01  KARA / マリンメッセ福岡
05/09  Peter Gabriel / O2 World, Berlin
05/10  Tangerine Dream / Admiralspalast, Berlin
05/11  Celtic Woman / O2 World, Berlin
05/16  KARA / 代々木第一体育館
05/17  KARA / 代々木第一体育館
05/26  KARA / さいたまスーパーアリーナ
05/27  KARA / さいたまスーパーアリーナ
06/13  The Artaud Beats / 神戸Big Apple
06/17  LOVE-1 Festival Season 2 in Osaka / 大阪城ホール
  KARA, 2PM, RAINBOW, M.I.B. Lessang, Happiness, BENI
06/19  UK / なんばHatch
06/22  T-ara / グランキューブ大阪

内訳はK-POPが19回、邦楽が8回(うちK-POPと合同1回)、洋楽が12回

もちろんベストは12回見た一連のKARASIAで、その中でもソウル初日が最も衝撃的だったのは当然ですが、国内では足を負傷したニコルが劇的な復活をした大阪初日が一番感動しました。

K-POPでの2位はSecretの単独が素晴らしすぎました。8月発売のファースト・アルバムに東京公演のDVDが付属されるようなので楽しみです。3位は沖縄のワールド・ミュージック・フェス。個々の出番は少なかったし、KARAもギュリ不在、ニコル負傷だったけど、総合的にイベントとして秀逸なものでした。

洋楽ではUnivers Zeroの奇跡の来日が1位、トリオで復活のUK、ベルリンまで見に行ったPeter Gabrielが同率2位。

邦楽は4回見たPerfume。しかしリピートするとMCなどに少々くどさを感じるライブで、今後は1回だけ見るのがいいかなと思っています。南波志帆もショッピングモールの屋外イベントだったけど素晴らしかったです。もっと売れてほしい。

下半期はニューヨークで見たRoger Waters2回に始まり、K-POP NON STOP LIVE 2012 IN SAPPORO、Beach Boys、 Van Der Graaf Generator、 Progressive Rock Fes 2012、 2NE1、ASIAなどのチケットが手元に。あと噂のKARAの東京ドーム公演に期待したいです。

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2012/07/20

KARA 1ST JAPAN TOUR 2012「KARASIA」 WOWOW放送

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WOWOWで全てのKAMILIAが待ちに待った"KARA 1ST JAPAN TOUR 2012「KARASIA」"の最終日、5月27日さいたまスーパーアリーナでのライブ映像が7月15日21時に2時間枠で放送され、その内容の素晴らしさに多くのファンがネットで絶賛しています。

私ももう何回見たか分からない位グルグルとリピート再生しており、twitterのフォロアーさんから「あんまりグルグル回ってるとバターになってしまいます」と言われているくらいです。昔の言い方だと「テープが擦り切れる位再生している」という感じ。劣化しないハードディスク・レコーダーの存在に感謝したいです。

KARASIAをソウル公演合わせて12回見た私にも(遠くからの双眼鏡では)確認できなかった、メンバーの豊かな表情と細かい仕草を十分に堪能できただけでも、永久保存に値する名作となりました。

上記12公演に関しては、過去のブログにちょっと気合を入れたレポートを載せていますので、ご参照ください。

今回のWOWOWの放送では契約や構成の諸事情から、今回の曲目のなかで絶頂的に盛り上がった"STEP"と、MCの大部分や、一般の観客を舞台に上げての「ファン・ミーティング」的要素が強い『Honey ゲーム』がカットされてしまっていますが、"STEP"はDVD (Blu-ray)で補填されるだろうと思います。恐らく"STEP"まで放送してしまうと、これで満足してDVDを買う人は大幅に減ってしまったかもしれません。また、この放送を見て初めてKARAのライブに接して、ファンになりDVDを買う人も多いと思います。

肝心の内容ですが、結論から書くと、

「WOWOWのカメラアングルは神」
「ニコルの"Beat It"を含むソロ曲完全収録」
「衣装替え間のイメージ・ビデオも主要なものを収録」
「マイクからそのまま拾った歌声がとても生々しい」

という期待を大きく上回る、「WOWOWよくやってくれた!」とベタ誉めしたくなる超豪華なものでした。やっつけ仕事では有り得ない、まるでKARAを知り尽くしたKAMILIAが製作スタッフにいるとしか思えないような、ファンの誰もが見たいと望んでいる映像がしっかりと映っています。

まず6月5日の日本テレビ「スッキリ!!」にて、当日の舞台裏と同時に『スピードアップ』『アンブレラ』『GO GO サマー!』『ミスター』の一部が放送されましたが、これは当日、全国の映画館で生中継されたライブ・ビューイングの映像に準じているとみられ、WOWOWとは違う編集になっていました。(『アンブレラ』でウエンツが頼んだWEポーズをニコルがやるシーンもカットが変わっていた)

続いて6月16日のNHK「MJ presents K-POPスペシャル」で『ミスター』『スピードアップ』『GO GO サマー!』『ジェットコースターラブ』の映像が「WOWOW提供」というテロップ付きで抜粋で放送されましたが、これも微妙に編集が違っていました。

今回は、ライブ・ビューイングの撮影素材をベースに、長回しテイクに別アングルからの細かい追加カットを絶妙のタイミングで加えたもので、本来のフォーメーションを一番見たいアングルから映してくれているし、アップにするべきメンバーのところをしっかりアップにしており、一瞬一瞬のどのシーンを切り取っても絵になっています。
このライブ映像を適宜にキャプチャするだけで、素晴らしいライブ写真集ができるという恐るべきクオリティです。

よく、カット割が多すぎたり必然性のないアップや引きの映像が多くて、見づらいだけの、それをスタイリッシュと思いこんだディレクターの勘違いのエゴが出たライブDVD (少女時代の"First Japan Tour"やPerfumeの『直角二等辺三角形ツアー』など)がありますが、コンサート会場では遠くてよく見えなかった部分を補填したくてTV放送やDVDを楽しみにして、このような見づらいだけの映像を見せられると、本当にがっかりしてしまいます。アーティストのファンなのにDVD作品に悪評が出ると、アーティストに罪はないのにマイナス・イメージが出てしまい、次回からの購買にも影響が出ます。

KARASIAはこのWOWOWの映像が完璧なので、これ以上余計な編集を加えずに、このまま"STEP"など欠落部分の補填だけをして商品化してほしいものです。

ソロ・コーナーでは、まず何よりもニコルの"Beat It"があっけなく放送されたことにびっくり。いろいろ複雑な著作権がからんでくると思ったのですが。がんばってクリアしたのでしょうか。DVDへの収録はどうなるのかが気になるところです。
ギュリのあの妖艶なタンゴを、残りの人生、好きなだけ堪能できること以上の幸せがあるだろうか・・・。と思うこの頃。
全てのメンバーのソロにおいて、客席からは確認できなかった表情の魅力や、各人の技量の豊かさをしっかりと見届けることができたと思います。
何よりも、韓国においてさえソウル公演2回で歌われたのみで、公式音源になっていないこれらのソロ曲を、初めて公式に映像化したのがこのWOWOW放送だということが極めて重要です。

衣装替え中に流すイメージ・ビデオで放送されたのは3作品。
・Pretty Girlの後の『ミッシング』インスト・ヴァージョン。横浜公演では歌入りヴァージョンが流された。
・Lupinをテーマにしたもの。ソウル公演では別ヴァージョンのさらにカッコ良いものが流れた
・Do It Do It。オープニングとエンディングの少女の部屋の人形の家のコンセプトに準じたもの。これが始まると、人形のポーズをとりながらため息をついているギュリを見て、「まだまだこれからが後半だ!」と気合を入れなおしたのを思い出す。
全部、日本公演用の撮り卸しで、ひょっとしたらコンサートで見納めと思っていたのもの。本当にゴージャス。本来DVDの特典映像くらいの扱いなのに、惜しげもなく放送してくれるなんて大判振る舞いです。

音声に関しては、現状のアイドルやダンス・グループにありがちな、「あらかじめ収録されたガイド・ボーカルに生歌をかぶせて歌う」という手法が主流になっており、KARAのような日本語が流暢になったK-POPアイドルでも、ダンスでの息切れや発音の難所や歌詞忘れを補填するために、ダンスの激しい曲などに部分的に使用しているようです。

コンサート会場では部分部分でガイド・ボーカルのミックスが大きかったように聴こえましたが、WOWOWの放送では基本的にボーカル・マイクが拾った音を主音声として流しており、たとえばゴンドラに乗ってボールを投げながら移動中に、うっかり歌えなかった部分は、ガイドボーカルの音声が小さく流れていました。ファンとしては、この生々しさを求めていたので、本当に嬉しいです。歌唱力がまだまだのメンバーもいますが、ありのままの歌声を聴きたいのがファンなので、そのまま流して大正解です。
ネットでは「生歌が聴こえるのは確かだが、ライブでこんなに上手いはずがない。後から録り直したのでは」という意見もあり、そうするミュージシャンも多いのですが、スケジュール的にも無理そうだし、もしそうするなら録音しておいた別の日のテイクで良いものを編集で繋いだりしている可能性はあるかもしれません。

とりあえず商品としてDVD (Blu-ray)が出るまでは、これをバターになるまで見たいです。

もしもタイムマシーンがあって、1万7千人が熱狂しているこのコンサート映像を、20人しか集まらなかったというKARAの工事現場横空き地での第1回ファン・ミーティングの現場や、5人になって"Honey"で1位をとった直後の「日本には行ったことがない、いつか日本でもデビューしたい」と語っていた、当時同事務所だった藤原倫己氏によるTVインタビューの場で見せたら、メンバーはどう思うだろうか。


以降は、twitterなどでつぶやいた雑感&無駄な私的KARASIAのトリビアです。


・オープニングのハラちゃんが、舐めていたロリポップを薄ら笑いを浮かべながら無造作に投げ捨てるシーンがカッコ良すぎる。これほどカッコ良いハラちゃんを見たことがない。コンサート初日にこれを見た時、ライブの成功を確信した。

・スカイカムからの空撮映像が迫力ありすぎる。

・アップで見るとDreaming Girlのイントロのニコルのメガホンの中には別に固定マイクが仕込んであった。ニコルはメガホンにボーカル・マイクをかざしてラップを歌っていたけど、実際の集音は固定マイクのほうでしていたみたい。

・よく考えたら今回のツアー用に振り付けが作られたのは"Dreaming Girl"1曲のみ。

・ニコルはこぶしを利かしてソウルフルに歌うねー。他の人もブログに書いておられたが、「ハッ!」という掛け声が全盛期のソウル・テイスト全開の和田アキ子のよう。ライブにおいてはギュリやスンヨンとは全く違う歌いまわしが特徴。

・「盛り上がってる準備OKですかー」というギュリの日本語MCに萌える。

・おっと、最初のスンヨンの挨拶のとき観客席の中に自分を発見(;´Д`)

・ペンライトの消し灯しカットしたー。ハラちゃんの「照明さんもパカパカしてくださーい!」はぜひ見たい。

・Girls Powerの前の「小さいお子さんもいますから、危ないので気をつけてください」という注意喚起のギュリのMCはそのまま流れた。本来言ってなかったものが、観客のマナーの問題で福岡公演以降でつけられたもの。今後の戒めのためにあえてカットしなかったのかもしれない。

・Pretty Girlは当初、なんでこんなにもったいない場所で歌うのかな?と疑問に思っていたが、今となっては初盤のハイライトといってもいい映像が残ったと思う。贅沢に計算された演出。

・"LOST" ニコルのR&Bテイスト満載の名曲ですねー。音階が上がるリフレインところでグッと盛り上がる。最終的に各人のソロ中で一番好きになりました。 ダンサーが登場するのはこの曲が初めて。

・Beat It キター!しかしピカチュウなみにライトの点滅が激しい。 ニコル、ちゃんとムーンウォークしてる! ソウル初日で鳥肌が立ったことと、大阪初日でニコルがこの曲で復活して涙が溢れたことを思い出す。

・ジヨンのギターとのデュオは「KARAメドレー」というタイトルになっていた。

・おっと、ジヨンとこういち先生とのカラミはカットされてしまった

・ジヨンがWanna Doで弾いたギター、アップで見てCORONAという韓国のメーカーというのは分かった。型番はSD-250かCLD-700Rあたりに似てるけどヘッドの色が違う。 http://tinyurl.com/85shdh9

・SD-250が318,000ウォンと書いてますので、22,000円くらいでしょうか。そんなに高くないですが、同じヘッドの色のものが見当たらなかったので、過去のモデルか、ジヨンの特注モデルなのかもしれません。

・ハラちゃんL-O-V-Eでブランコで登場するとき、ちゃんと白い安全ベルトをしている。降りる瞬間に片手で外していた。

・Secret Loveで花束渡したメガネのダンサーは、やっぱりHeyx3でKARAに捧げる歌に出てた振り付けのチョン・ホンボク先生だった。

・(twitter 実況) 今のが最終日だけ見られたギュリの「階段から降りてから、忘れていたことに気づいて髪ほどき」パターンです。

・ギュリのスカートと髪をなびかせている扇風機をようやく発見。階段の右側に丸いのが見える。

・スンヨン切ないくらいキュートですね。最終日だけ「入れ替わったと見せかけて、実は最後までスンヨンがマリオネットしてた」パターンとか密かに期待してたのですが(^ ^;;

・スンヨンの代理マリオネットの人の付けている少女のお面がカーテン越しに見えて、異常に怖いとネットで話題になっている。

・STEPカットはDVDを買えということですね。

・『Honeyゲーム』の部分は参加者の肖像権で収録が難しいのかもしれないが、音だけ活かして映像はツアー・ドキュメントやリハーサル、バックステージの様子などをコラージュしたものを挿入する等で何とか収録してほしいものです。

・もしくはKARASIA全12公演分のハニー・ゲームを全部数秒づつくらい巧みにコラージュした集大成版を作っても面白い気がしますね。これは企画を前提として撮影しておかないと難しいですが。

・『今贈りたい~』はもらい泣きしてしまうので、あまりまともに見られない。

・ニコルの帽子が落ちて、蹴っ飛ばすシーンがちゃんと入っている。

・ジェットコのニコルのギュリへの指ツンツンをはじめとして、おんぶや、抱きつきキスなど、ニコルのギュリへの愛情表現が随所で見られる。 このツアーではニコルはギュリに甘えたい雰囲気だったんだろうか。

・『ガールズ ビー アンビシャス!』の「誰もがうらやむヒ~ロイ~ン」というギュリの歌声がおっさんのように異常に太い。

・ニコルが両手がふさがっているときに、投げるボールをあごに挟んでいた。

・ラストのMCは大幅にカット。ニコルの感動のMCはDVD待ちか。

・Rock Youで遠方ではわからなかった各人の行動、ファンとのふれあいがよく見られた。

・ジヨンのドラえもん普通に映ってた。東京ドームのくだりはカット。

・ラストの少女の目覚め~KARA人形に戻るビデオも収録。ギュリが最後に頭を左右に振ってニンマリと笑うシーンが最高。

WOWOWでの再放送は、8/3(金)深夜0:00、8/18(土)午後4:00 の2回です。
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/101361/index.php

WOWOW放送曲目

(intro video)
スピード アップ
ジャンピン
ドリーミングガール
(MC)
アンブレラ
ガールズ パワー
Pretty Girl
(ミッシング image video)
Lost
Beat it
KARAメドレー
Wanna Do
L-O-V-E
Secret Love
Day Dream
Guilty
(LUPIN image video)
LUPIN
*(STEP 未放送)
Let It Go
*(Honey Game 未放送)
(Do It! Do It! image video)
ウィンターマジック
ミッシング
今、贈りたい「ありがとう」
GO GO サマー!
ジェットコースターラブ
ミスター
(MC)
ガールズ ビー アンビシャス!
SOS
Rock U
(outro video)

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2012/07/17

Roger Waters The Wall ニューヨーク公演 2012年7月6, 7日

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ロジャー・ウォーターズのThe Wallライブを7月6,7日の2日間、ニューヨークのヤンキー・スタジアムで見ました。ツアー開始地点の2010年9月15,16,18日のトロント・エア・カナダ・センター公演を見に行って約2年ぶりの鑑賞。2002年の日本公演5公演を含めると、今回でロジャーのライブを見るのは10回目となりました。

ツアーは2010年北米56公演、2011年ヨーロッパ64公演、2012年オセアニア15公演、南米15公演、北米42公演の全192公演行われ、今回のニューヨーク公演は最後から6,7公演目という終盤に近いもの。

『ザ・ウォール』のライブの構成に関しては、前回に詳しくレポートしているので、参照いただければと思います。
http://thenoisehomepage.cocolog-nifty.com/small_talk/2010/09/roger-waters--1.html
http://thenoisehomepage.cocolog-nifty.com/small_talk/2010/09/roger-waters--2.html

ツアー初日から22ヶ月ぶりの鑑賞であり、今回はアリーナでなく屋外の野球場ということで、構成の変更点などに絞って感想を書きます。


前回一緒にトロントに見に行った友人と今回はそのご家族も同行。今回は春にKARAのツアーやドイツ遠征などもあり、チケット手配や飛行機・ホテルの確保までほぼおまかせしてしまった感じで、感覚的には私が連れて行ってもらった気分。前日午前中にJFKに到着。電車でマンハッタン入り。マジソン・スクエア・ガーデンのまん前のホテルにチェックイン。前回の北米ツアーではここでやっているので、今回もここなら楽だったのだが。しかし『レッド・ツェッペリン狂熱のライブ』を何百回と見た世代としては、MSGが目の前にあるだけで感慨深いものがあった。
アメリカは12年ぶりで、ニューヨークは初めてだったので、おのぼりさん気分でライブ直前まであちこち観光。

ライブは20時半開演で、1時間前に到着するように地下鉄でマンハッタン島の北の外れにある野球場ヤンキー・スタジアムに向けて出発。
地下鉄の中ではロジャーやピンク・フロイドのTシャツを来た人が多数いて、車内から盛り上がっていく。
到着すると既に人の波で、流れにまかせて球場に。チケット・オフィスで友人が予約購入していたチケットを受け渡してもらい、球場内に。グッズ売り場は数箇所にあったが、日本のように買いまくる人はほとんどおらず。2012年版のパンフレットを25ドルで買ったが、そんなに売れている様子はなかった。

これで、2010年版と、2011年のチューリッヒ公演を見た友人のお土産版を合わせて、3種類のパンフレットを揃えることができた。
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球場内は野球観戦のノリで、ビール、ホットドッグ、フライドポテトなどのスタンドが盛況で、トロントの時と同じくスポーツ観戦のノリ。あちこちにNYPDの警官が警備にあたっているのもアメリカならではだろう。野球観戦と同じく、客席までビールやミネラル・ウォーターを売り歩いている店員が多く見られた。これが、演奏の最中にも大声で「ビールいかがっすか~!」と叫んでいて絶句。それに誰も文句を言わず、むしろ喜んでビールを買っている。日本では考えられない。

客席は奮発してスタンドではなくフィールド席の前のほうが買えたので、初日は20列目くらいのやや右端、2日目はさらに少し後方の左端というポジション。フィールド席の数はそんなに多く感じられず、セットが1/3位を締めて、後方もコンソールやプロジェクター投影のためのタワーが建てられていたので、席が作られていなかった。ステージの幅はアリーナ・ツアーの倍近くあったが、壁の幅が長くなった感じで、実際に組み込んでいく壁と演奏スペースの広さはそんなに変わっていない。が、あいかわらずのスケールの大きさに唖然とした。

ロジャーは77年のスタジアム・ツアーで、演奏をまともに聴かず大騒ぎしている、お祭気分の観客との隔たりを感じてThe Wallを作ったはずで、その後もスタジアム・ツアーは拒んできたのに、アリーナ・ツアーであまりに大成功を収めたので、集客力を見込んでスタジアムに移行せずにはおられなかったのだろうか。本末転倒という気もするが、とりあえず見に来ている観客はThe Wallという作品が好きで、どういうコンセプトなのかを知り尽くしているだろうから許してしまえる。

ジョン・レノンやボブ・ディランがBGMで流れる中、空が薄暗くなっていき、21時前にようやく日が落ちて、開始前のアナウンス「カメラで写真を撮る場合はフラッシュを点灯しないでください。投影による演出に影響を及ぼし、これは一番重要なショーの演出です」とのこと。ツアー開始当時から撮影はOKなのは、もうそんなことを取り締まっている余地はないという判断だろう。

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恒例の映画『スパルタカス』のクライマックス・シーンの音声が流れ、ピンク君の人形がステージに放り込まれる。今回はアリーナ・ツアーで見た会場を巡回しているホームレスの仕込み役者が見当たらなかった。ロジャーの吹くトランペットで"Out Side Of The Wall"が流れ、ライブ開始。

最初のど派手な花火や大勢の旗手を乗せてせり上がるステージ、後方から飛んでくる戦闘機などは、いつもと同じ。
その後も同じ構成で進行していく、壁に投影される映像が若干リニューアルしている。
予想はしていたが、野外コンサートなのに、自宅でステレオを聴いているよりも音質が良いのは信じられない。ピンク・フロイド時代から長年蓄積されたPAシステムのマジックを思い知らされる。

壁の幅が広すぎるので、両側がオーロラ・ヴィジョン代わりにミュージシャンのアップを映し出す役割も兼ねていた。

Another Brick In The Wall Pt 2で地元の子供たちのコーラスが出てくるし、ティーチャーの巨大な風船パペットが出てくるのも変わらない。
その後にリプライズ的なロジャーのアコースティック弾き語りである"The Ballad Of Jean Charles de Menezes"(曲目がパンフレットに掲載)が演奏される。これは前回には無かったもの。調べると2011年6月16日のベルリン公演から追加されたものとのこと。

終了後にロジャーが珍しくMCをする。先ほどのリプライズ曲が、2005年のロンドンの多発テロの容疑者と間違えられて警官に射殺されたブラジル人青年のJean Charles de Menezesに捧げたもので、この曲を世界中の全てのテロ犠牲者に捧げるという内容。

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壁の幅がとてつもなく広くて、それいっぱいに映像が投影されるので、前方の席では視界に収まらずIMAXシアターで見ている感じ。
しかし欧米人は背が高く、前の客が立つとステージが全く見えなかったりするのでフィールド席も一長一短である。

"Goodbye Blue Sky"でのアニメでB52爆撃機の大群が爆弾の代わりに投下する赤色の十字架(キリスト教)、六芒星(ユダヤ教)、三日月(イスラム教)、ドル・マーク、石油のシェルのロゴ、ベンツのロゴなどに、あらたにマクドナルドのロゴが加わっていた。

"Don't Leave Me Now"の滴り落ちる緑の血や、"The Last Few Bricks"でのレンガが大移動するCGも、前回から更新されていた。今年のスタジアム・ツアー用にリニューアルしたのかもしれない。

"Goodbye Cruel World"が終わって壁が完成され、20分の休憩。壁には前回と同じく世界の戦争犠牲者のプロフィールが投影される。やはりアメリカ人は皆ビールを買いに行く。

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『あと5分でステージがスタートします』とのアナウンスがあり、"Hey You"で第2部が始まる。ほぼ壁に投影される映像の演出のみで進行。

"Nobody Home"で壁の一部が開き、ホテルの部屋でくつろぐロジャーが歌うのもお馴染みの光景。しかし壁が長く、席から遠い左側だったので、ほとんど見えなかった。

"Vera"での「戦場から帰還した兵士が学校に慰問に来た感じで、その中に帰ったとは知らなかった父がいて泣きながら抱きつく」という一番感動的ドキュメント・フィルムはまだ健在で、そのほかにいくつか新しいものが加えられていた模様。

"Comfortably Numb"も構成は同じで、デヴィッド・キルミンスターによる壁の上でのギター・ソロもいつもどおり。

"In The Flesh"では最後にナチ風の「ピンク党」の衣装のロジャーがシュマイザー・マシンガンを客席に向かって撃ちまくる演出が追加された。モデルガンだろうけど、アメリカだとかなりリスキーな演出という気がする。

そしてあの巨大な豚も、ステージ左上空に現れて、空を飛んでいく。今回は野外なので、そのまま風で球場外に飛んでいかないように、ロープが垂れ下がっていて、スタッフが掴んで、豚の動きに合わせて客席間を移動していってた。

"Run Like Hell"の極限まで盛り上がる映像演出とロジャーの煽りで、観客の興奮は頂点に達する。何回見ても凄い。

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"Waiting For The Worms"~"Stop"~"The Trial"での映像演出は前回と同じで、1980年ツアーからのジェラール・スカーフのアニメに重点を置いたもの。あのハンマーの行進が巨大すぎるスタジアムの壁一面に投影される様子は圧倒的としか言いようがない。

いよいよ最後に壁が崩壊するが、壁の幅の長さに対して、崩れる部分の規格がホール・ツアーの時と同じだったので、ちょっと物足りなく感じてしまった。「真ん中らへんがちょっとだけ崩れた」ように見えてしまう。十分凄いのだろうけど。横の崩れない部分は映像投影で崩れているように見せていた。初日は崩れ方に難があり、スタッフが手で無理やり引き剥がして落としていたりした。

今回は" Goodbye Blue Sky"で爆撃機が投下していた十字架、六芒星、三日月、ドル・マーク、石油のシェルのロゴ、ベンツのロゴの無数の赤い紙吹雪が最後に舞い落ちてくる演出は無かった。スタジアムだし掃除が大変だからだろうか。

崩壊後の円形スクリーンに少女が舞い降りてくる映像は同じ。バンドが行進しながら"Outside The Wall "を演奏。ロジャーから感謝の挨拶があり、リプライズで演奏が始まり、ロジャーがバンド・メンバーを1人づつ紹介。紹介されたメンバーから退場していく。最後に自己紹介してロジャーが退場し終了。

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初日は退場時に壁の裏側を通ることができて、その構造をほんの一部分だけ見ることができた。

"The Wall"はやはり1980年の初演からアリーナ・クラスの会場を意識して構成されているだけあって、やはりスタジアムで見るにはちょっと広すぎると感じた。その分を現在のテクノロジーで補っていたので、十分楽しめたが、もうちょっとだけ壁が派手に崩れたら完璧だったのではないかなとも感じた。

いずれにせよ、「ニューヨークの野球場でザ・ウォールを見る」というのが主旨だったので、巨大コンサートやアメリカのコンサートに付き物なネガティブな部分も含めて堪能でき、旅は本当に満足のいくものとなった。一人では手続きが大変だったところを同行させてくれた友人にも感謝。2年経ってもツアーを続けてくれたロジャーにも感謝。

来年のヨーロッパ・リターン・ツアーの噂は如何に?

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Roger Waters
July 6, 7, 2012
Yankee Stadium
Bronx, NY

The Band
Roger Waters / Vocal, Bass, Guitar, Trumpet
Graham Broad / Drums
Dave Kilminster / Guitars
G. E. Smith / Guitars
Snowy White / Guitars
Jon Carin / Keyboards
Harry Waters / Hammond Organ
Robbie Wyckoff / Lead Vocal
Jon Joyce / Backing Vocal
Kipp Lennon / Backing Vocal
Mark Lennon / Backing Vocal
Pat Lennon / Backing Vocal

Set1
01 Outside The Wall
02 In The Flesh?
03 The Thin Ice
04 Another Brick In The Wall Pt 1
05 The Happiest Days Of Our Lives
06 Another Brick In The Wall Pt 2
07 The Ballad Of Jean Charles de Menezes
08 Mother
09 Goodbye Blue Sky
10 Empty Spaces
11 What Shall We Do Now
12 Young Lust
13 One Of My Turns
14 Don't Leave Me Now
15 Another Brick In The Wall Pt 3
16 The Last Few Bricks
17 Goodbye Cruel World

Set2
01 Hey You
02 Is There Anybody Out There?
03 Nobody Home
04 Vera
05 Bring The Boys Back Home
06 Comfortably Numb
07 The Show Must Go On
08 In The Flesh
09 Run Like Hell
10 Waiting For The Worms
11 Stop
12 The Trial
13 Outside The Wall

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2012/07/16

T-ara 大阪公演 グランキューブ大阪 2012年6月22日

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T-araのコンサートを6月22日にグランキューブ大阪で見ました。T-araを見るのは昨年10月のあべのキューズモールのイベントと、12月のZepp Osakaの単独コンサートに続いて3回目。今回は初の日本語フル・アルバムである"Jewelry Box"のプロモーションに伴う大規模なツアーで名古屋2デイズに続く3回目。当日は天気も良く自転車で会場に向かいました。

以降は当日帰ってから自分がTwitterでつぶやいた雑感をまとめたものです。

2時間弱でT-araらしいハジけたライブだった。直前にPV撮影のためメンバーの髪色が変わり違和感全開だったが、ヒョミンとキュリは似合ってた。赤毛のヒョミンはエロティックすぎて「けしからん!(;´Д`)」とずっと見てた。ジヨンへの声援が凄すぎるのは大阪だけ?

席は1階の中ほどで見やすかった。K-POPをこういうホール・クラスの会場で見るのは初めて。グランキューブはフェスティバルホール無き今は大阪で一番音響の良い会場。ステージ上段にメンバー7人の等身大POPが立ててあり、コンサートが始まると暗転とともに本人に入れ替わっているという仕掛け。

少女時代の時と同様に開演前の諸注意のアナウンスは日本語と韓国語で行われていた。曲間のメンバーのMCは全て日本語で、日本語ヴァージョンのある歌は全部日本語だったので、なんとなくちぐはぐな感じがしないでもない。が、2ヶ国語でのアナウンスは好感が持てた。

今のKARAと比較しても、T-araはまだ日本デビュー前からのファンの比率は高いだろうから、韓国語ヴァージョンも歌えばよかったとも思う。KARAも使っていたが、ガイドボーカルが乗っているオケにかぶせて歌っている感じだが、日本語が流暢でなく、KARAのような自然さを目指すにはまだまだ。というかT-araがどれくらい日本語でやっていきたいと本人達が思っているのか、まだ未知数な部分が多い。

MCもまだ用意されたプロンプタを丸読みしている部分があるし、会話にヴァリエーションも少ない。しかし天然なT-araらしさでウケてた。たこ焼きの話をずっとしてて、ひと段落してソヨンがファヨンにも話題をふったら「たこ焼きは好きですか?」とふりだしに戻して観客絶句・・・。
あと、ソヨンが今はタブー気味の次長課長河本と共演した話をして場内水を打ったようにシーンとしてしまった。

中盤以降にあった本気モードのダンス・メドレーは凄かった。正直、T-araがここまで凄いとは!と唸ってしまった。オープニングの衣装バラバラの「OLのカラオケパーティー」風の「いかにもT-araらしい」部分に慣れていたので、ダンスの切れにハッとしてしまった。

ソヨン、ポピポピの練習の時客席を見て「おじさんネコもいますね~。お疲れ様です!」場内大爆笑。

ボラム姉さん生で見るとやっぱり超キュートだった。ファヨンもあいかわらずプニプニの可愛さだった。しかし今回は髪色のせいかヒョミンとキュリのセクシーさに目がいきっぱなし。

あと「これはちょっと・・・」と思うAKBのカバーはどうしたものか。大人気ないけど、あれを聴きたくないからK-POP聴いてる部分もあるので。

やっぱり自分は「ウェイロニ」と「yayaha」が好きだなと再認識。応援の掛け声が素晴らしい。「ティーアーラーゴー!」と私も叫んでしまった。

個人的にはDVDにもなった去年のZepp Osakaのほうがインパクトが強くて良かったけど、7月の武道館以降の展開が楽しみです。
NORAZO、Secret、KARASIAに続いて、今年上半期に4グループもK-POPの単独ライブを見られたのは幸運でした。


T-ara JAPAN TOUR 2012~Jewelry box~
June 22, 2012
Osaka International Convention Center
(Grand Cube Osaka)

T-ara
Eunjung, Qri, Jiyeon, Soyeon, Hyomin, Hwayoung, Boram

Setlist
01. Lovey-Dovey
02. T-ARATiC MAGiC MUSiC
03. yayaya
04. Apple is A
05. コジンマル~嘘~
06. Breaking Heart~私がとても痛くて
07. ウェイロニ
08. Freakum Dress (Beyonce) / Eunjung, Hyomin, Jiyeon
09. ORION (中島美嘉) / Soyeon
10. 会いたかった (AKB48) / Boram, Qri, Hwayoung
11. LOVE ME!~あなたのせいで狂いそう
12. Cry Cry
13. Till The World Ends (Britney Spears)
14. Like The First Time
15. Bye Bye
16. T.T.L ~Time to Love~
17. Bo Peep Bo Peep
18. Roly-Poly
Encore
19. Lovey-Dovey
20. Roly-Poly
21. Bo Peep Bo Peep


追記
韓国本国では、湧き上がるカタルシスで体の震えが止まらない新作"DAY BY DAY"の超大作PVが話題。『マッドマックス2』を元祖とし無数の類似映画や『北斗の拳』『アキラ』などのマンガに受け継がれる文明崩壊後のサイバーパンク世界。悪役のジヨンが素敵すぎる。
Roly-Polyで『サタデー・ナイト・フィーバー』、Lovey Doveyで『ゾンビ』、DAY BY DAYで『マッドマックス2』と私が十代半ばに見た映画を引用しているのは、キム・グァンス代表の趣味としか思えない。社長、気が合うじゃん!
1枚の新作のプロモーションに、あまりに莫大な予算がかかっているけど、これは正しいお金の使い方だと思います。あとはヒョミンの刀使いがもうちょっと練習できてたらなーと。まだ刀に振り回されている感じ。しかしジヨンのヒールぶりが凄い。この路線で行ってもいいかも。

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UK 大阪公演 なんばHatch 2012年6月19日

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3人組UKの33年ぶりの再結成大阪公演を6月19日に、なんばHatchで見た。昨年4月の川崎クラブチッタ公演に続いて2回目。

http://thenoisehomepage.cocolog-nifty.com/small_talk/2011/04/uk-2011416-f274.html
http://thenoisehomepage.cocolog-nifty.com/small_talk/2009/06/ukz-ee48.html
http://thenoisehomepage.cocolog-nifty.com/small_talk/2010/06/eddie-jobson-an.html

エディー・ジョブソンのUKZ, UZPの来日公演に続き、2011年にはマルコ・ミンネマン、アレックス・マカチェックというUKZのメンバーにジョン・ウェットンを加えたUK名義のライブを見ることができ、ジョブソンの完全復活をしかと確認し、思い残すことはないというほどの満足感を得た。

しかし、多くの日本のファンにとって、UKとはテリー・ボジオを加えた3人での1979年の伝説の来日公演であり、それを収録したライブ・アルバム、"Night After Night"であることは皆が認めるところであろう。それが実現したのは奇跡に近い。

公式ライブアルバムに飽き足らず、数多くの日本公演のブートレッグを聴いて、完璧な演奏力にため息をついた世代が、いかにこの3人での再来日を待ち望んでいたかは、今回のパニックのようなチケット争奪戦からも伺えた。

クラブチッタでのチケットは抽選を外れ続け、その後まさかの大阪公演の発表があり、ギリギリ間に合う形で後ろから3列目の座席チケットを買うことができた。

その後5月に観光でプラハを訪れた時、町中にUKの公演ポスターが貼ってあったのを見て、そのツアーの規模の大きさを実感。しかしプラハなど一部公演ではボジオが参加しない4人編成だった模様。
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公演当日、大阪に台風直撃の中、地下鉄で会場に向かう。中止にならなくて良かったが、終演後の新幹線は運行中止になっており、地方から来た多くの人が足止めをくうことになった。

会場で名古屋や京都から来た友人達とロビーで談笑しながら期待を高め、コンサートが始まるのを待った。

開演前からUKコールの手拍子が始まり、ライブ・アルバムと同じ展開となる。Perfumeを彷彿とさせる感じ。

もうやる曲はだいたい分かっているので、ボジオを加えたアンサンブルに奇跡が起こるかが今回のテーマである。
ボジオはジェフ・ベックとの来日以降、見るのは6回目で、近年のAnd Forest Music招聘によるライブでの要塞のようなドラム・セットによる「パーカッション・ソロ」的な展開をどうUKに持ち込むのかが興味深かった。

ジョブソンは過去3回と同じくステージ左手で、シンプルなキーボード編成。真ん中にジョン・ウェットン。そしてボジオのいつもの要塞ドラム。

1曲目の"Alaska"からいつものあのジョブソンのあの音が再現されて嬉しい。"Time To Kill"に入る直前で"Night After Night"が始まる。あの早弾きアルペジオが2フレーズ目で音が出ず、ちょっと残念。UKZの名古屋公演でもこの肝心のイントロで音が出ず、悔しい思いをした。今回はジョブソンのスイッチング・ミスなのか、あちこちで音が出ないミスが起こった。
しかし"Night After Night"をトリオで聴けるのは人生最高の体験だった。ボジオのドラムは期待どおりにドコスカとうるさくて素晴らしい。ウェットンの声の調子も上々だった。

"Nothing To Lose"は去年見たクラブチッタ公演のアンコールだったもの。あのクリスタル・ヴァイオリンも登場して大歓声。
終了後、今回のこのプロジェクトのリーダーであるジョブソンがMC。33年ぶりの大阪公演が実現して嬉しいと延べ、ワールド・ツアーをほぼ全て見ている追っかけファンが来ていることへの感謝を述べた。さらに30周年を記念しての演奏で"Thirty Years"をやるとコメント。

"Rendezvous 602"は前回は2人だけの演奏だったのでボジオの繊細なハイハット&シンバルさばきで3人で聴けたのは貴重。
UKの曲で一番エレガントで、これ以上完成されたキーボード・ソロを私は知らないという感じ。すべてライブ盤に忠実。
ASIAやジョン・ウェットンのソロ・ライブでも聴いてきた曲だけど、今回のヴァージョンがやはり最高。

"Carrying No Cross"はセカンドの大作だけどひたすら重苦しい曲であまり聴かない。79年公演のブートレッグを聴くと完璧に再現していてびっくりしたが、今回も忠実に再現。インスト部分はジョブソン&ボジオは大活躍だけど、ウェットンは適当な感じ。

終了後はウェットンのMC、お約束の「キミタチ、サイコダヨ」も。"Amazing Gentleman"といってジョブソンのソロ・コーナーを紹介。

ジョブソンはUKZの公演時のように"ZINC / The Gree Album"収録の"Prelude"や"Theme Of Secrets"のタイトル曲、ヴァイオリンに持ち替えてZINCの"Nostalgia"などを折込みつつ、16分以上のソロを展開。弦が切れていた。個人的にはZINCの曲がUKZ以来再び聴けて大満足。

続くテリー・ボジオのソロは12分にも及んだが、近年の来日公演と同様「パーカッション・ソロ」的なアプローチのものだった。繊細だけど、今回はもうちょっとダイナミズム重視のロック・ドラムに比重を置いても良かったかなとも思う。

ボジオのソロ終了後、ジョブソンが79年の来日公演時に2曲新曲を用意して、1曲は"Night After Night"で、もう1曲の"As Long As You Want Me Here"は先日東京で33年ぶりにプレイし、今からまたやりますとMC。ジョブソンのピアノとウェットンのボーカルの2人のみのシンプルな演奏。終盤は観客にコーラスを求めた。

"Danger Money"は初来日公演のオープニング曲。大仰にも程があるというイントロがオープニングにマッチしていたが、今回は終盤の演奏。ボジオのドコスカしたドラムがとにかくマッチしている。というかこの曲はボジオのドラムあっての曲と再認識。
ウェットンのベース・ソロの部分はジョブソンがベース・シンセで弾いていた。今回はタウラス・ベース・ペダルを使っていなかったのもあり、ジョブソンがベース・パートをヘルプするシーンが随所で見られた。

"In The Dead Of Night~By The Light Of Day~Presto Vivace And Reprise"はギター無しヴァージョンを生で聴くのは初めて。来日公演に忠実なキーボードによるギター代替ソロ。しかしソロの後にジョブソンが拍子を間違えたのかグダグダになってしまっていた。ボーカルが入るところから正常に戻る。"By The LIght Of Day"の重圧なシンセ・ソロが始まって、途中でボジオがダダダダっと入り込んでくる瞬間が大好き。79年のブートで死ぬほど聴きまくった。ガラス細工の結晶のような"Presto Vivache"はボジオのドラムで聴くと重厚。リプライズで大団円。鳴り止まない全員スタンディングでのUKアンコール。


"Caesar's Palace Blues"オープニングでヴァイオリンの音が出ず、またまた出鼻を挫かれた感じ。リード楽器が最初から最後までヴァイオリンひとつだけという珍しい編成のこの曲を本来のトリオ編成で聴けて嬉しい。サビのコーラス"Caesar's Palace Blues!"を客が合唱。ヴァイオリン・ソロは火が出るように凄い。

とどめのアンコール2曲目は、プログレ史上一番疾走感があると思う"The Only Thing She Needs"。何度聴いても凄いし、そして何度も書くけどボジオのドラムで聴くと、とにかく格別。スタンディング・オベーションのままライブ終了。


自分のプロジェクトから再度UKの体裁を成すまでにじっくりと準備を積み重ね、満を持してトリオでのワールド・ツアーを行ってくれたエディー・ジョブソンには本当に感謝。引き受けてくれたウェットン&ボジオにも心から感謝。

Eddie Jobson : Keyboard & Violin
John Wetton : Bass & Vocal
Terry Bozzio : Drums & Percussion

June 19, 2012
Namba Hatch
Osaka Japan

01 Alaska
02 Night After Night
03 Nothing To Lose
04 Thirty Years
05 Rendezvous 6:02
06 Carrying No Cross
07 Eddie Jobson Solo
08 Terry Bozzio Solo
09 As Long As You Want Me Here
10 Danger Money
11 In The Dead Of Night
By The Light Of Day
Presto Vivace And Reprise
encore
12 Caesar's Palace Blues
13 The Only Thing She Needs

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The Artaud Beats 神戸ビッグアップル 2012年6月13日

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Henry Cowの元メンバー3人(Geoff Leigh, Chris Cutler, John Greaves)と日本人ピアニストのユミ・ハラ・コークウェルの4人からなるThe Artaud Beatsのライブを6月13日に神戸ビッグアップルで見た。

Henry Cow関係で以前見たライブは、1998年6月7日のPeter Bregbird, John Greeves, Chris Cutlerの京大西部講堂と、1999年6月26日のDavid Allen, Chris Cutler, Hugh Hopperの京都磔磔など。

サポートは友人の菊池誠さんと児嶋佐織さんのテルミン・ユニット"and_more..."と短冊(児嶋佐織、今西玲子)。
and more...は『禁断の惑星』のサントラっぽい曲もあり、昔見たのと雰囲気が変わっていた。短冊はアンヴィエントで心地よい音。

そのままArtaud Beatsのライブのセッティングが始まる。最初にユミ・ハラ・コークゥエルさんより、今回の趣旨と注意事項の説明。録音・撮影は全てOKで、それを提供してほしい。良い素材は作品にしたいとのこと。あとサポート無しの自主ツアーなので、物販等で経費をまかないたいので協力をお願いしたい旨。

演奏は約75分に渡る即興で、しかしリズム・パターンに工夫があり、絶妙なグルーヴが維持されていて退屈しないテンションの高い、かつてのヘンリー・カウを彷彿させるロック・テイストなものであった。

クリス・カトラー以外の3人はボイス・パフォーマンスも展開し、そこらへんはアヴァンギャルドにも感じた。クリス・カトラーのカラ打ちを含めた絶妙なシンバル・ワークを見てヘンリー・カウの昔からの技が健在であると確認。

ジョン・グリーヴスのベースもゴリゴリいって昔ながらのもの。ジェフ・リーはキーボードというかノートパソコンというか、そういうものからノイズを出して、たまにフルートを吹く。

ハラ氏は前方の観客の影になって最後まで全く見えなかったが、ピアノの弦をかき鳴らしたりもしていた。
テンションが高く短いアンコールの後に、物販とサイン会があって、私も最後までだらだらと残って、菊池さんや倉本さんと談笑し、おもいきって持参したクリス・カトラー著作の『ファイル・アンダー・ポピュラー』にサインを貰うことができた。

もう1回くらい見たかったと思うくら演奏は素晴らしかった。

The Artaud Beats

Geoff Leigh / Electronics, Flute, Voice
Chris Cutler / Drums
John Greaves / Bass, Voice
Yumi Hara Cawkwell / Piano, Voice

http://yumihara.exblog.jp/tags/The+Artaud+Beats/

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