Progressive Rock Fes 2012 日比谷野外大音楽堂 2012年8月25日
Progressive Rock Fes 2012を2012年8月25日に日比谷野外大音楽堂で見た。プログレ・フェスを見るのは一昨年の第1回に続いて2回目。
今回はVan Der Graaf GeneratorとGoblinが見られるということで迷わず参戦。他にはJohn Lees' Barclay James Harvestも出演。
開場時間に到着するも、リハーサルが押して15分ほど待たされた。前回のような炎天下ではなかったが、相変わらず蒸し暑い。ガマン大会はやめてほしいと思ったが、セミの声をバックに野外でプログレを聴くというのも風情があって捨て難い。第1回が超満員だったのに比較して、今回は後方の席に空きが目立った。
クラブチッタで先行予約でチケットを取ったにもかかわらず、一般発売後の席よりも悪い後方のCセクションで閉口した。同じく遠方から遠征してきたVDGGファンの知り合いの方と久々の再会をして軽く談笑。暑いねーと話していたら、後でわざわざ去年のプログレ・フェスの団扇を配っていたのを貰ってきてくださり、感謝。他にも休憩時間に二人ほど友人と出合った。
セットチェンジ間のMCは、いつものストレンジデイズの岩本晃市郎編集長。
■John Lees' Barclay James Harvest
あっさりとメンバーが登場して開始。バークレイ・ジェームス・ハーベストを名乗るバンドは現在2つあり、2008年のドイツのローレライでの野外プログレ・フェスで、ベーシストLes Holroydが率いるBarclay James Harvest feat. Les Holroydのほうを見ている。ロックの世界でよくある「元祖」と「本家」の確執。当時のレポートは下記のとおり。
http://thenoisehomepage.cocolog-nifty.com/small_talk/2008/08/2_it_bites_the__36f2.html
やっている曲は似通っていて、前回も"Child Of Universe"や"Mocking Bird"をプレイしていた。ゆったりしたリラックスした雰囲気で、かつ堅実なテクニックをもってプレイ。もっと長い時間聴いていたい心地よい演奏だった。しかし演奏の最中にもグッズを買う列が続いていたのは如何なものか。
John Lees / Guitar, Vocal
Craig Fletcher / Bass
Kevin Whitehead / Drums
Jez Smith / Keyboards
1. Ball And Chain
2. Child Of Universe
3. Hymn For The Children
4. She Said
5. Mocking Bird
6. The Poet ~ After The Day
■Van Der Graaf Generator
トリかと思ったら2番目に登場。45分ほどの短いステージで、VDGGだけ見に来たファンには物足りない内容だったかもしれない。しかし、クラブチッタ公演ではやらなかった"The Sleepwalkers"や"Man-Erg"を物凄いテンションでプレイして、それだけでも十分価値があった。
VDGGを野外で見たのは2005年のローマのテニスコートでのライブに続いて2回目。ライトも演出も無く生々しくて良かった。
1曲目の"Interference Patterns"は前回も思ったが、ハミルとバントンの鍵盤ポリリズムが徐々にシンクロしていくところが、ハミルがヘタクソなのでポリリズムなのかテクニック不足でもたついてズレているのか分からない。それもVDGGの味わいといえばそうである。
圧倒的な"Man-Erg"の後はスタンディング・オベーションで、VDGG初体験の人もいたく感動しているようだった。
Peter Hammill / Vocal, Piano, Guitar
Hugh Banton / Organ, Bass Pedal
Guy Evans / Drums
1. Interference Patterns
2. Scorched Earth
3. Bunsho
4. The Sleepwalkers
5. Man-Erg
■Goblin
クラウディオ・シモネッティがDemonia時代にも来日していたが、情報不足で見ることができず、昨年の再結成後の来日はKARAのギュリのミュージカルとバッティングしてしまい断念。ダリオ・アルジェントのファンとして、どうしても見たかったので今回の再来日で夢が叶った。
単独公演がなかったせいか、約1時間15分という長丁場のライブをたっぷりと展開。
両端にツイン・キーボードの要塞というセッティングはバンコなどイタリアン・プログレのお約束的なゴージャスな配置で、これを見ただけで盛り上がる。ミニムーグもあって、期待が高まった。
全体的にメタル色が濃いパーソナルで、前半は"Roller", "Il Fantastico Viaggio Del Bagarozzo Mark"オリジナル・アルバムから中心にプレイ。メリハリのあるアルペジオと明快な音色のゴブリン・サウンドが忠実にライブで再現されて嬉しい。"Roller"はオリジナル・アルバムで一番好きな曲で遂に生で聴けて感動。MCは英語でギターのマッシモ・モランテが担当。
後半は怒涛のアルジェント映画サントラ攻勢で、アドレナリンが上がりっぱなし。『ゾンビ』はLDボックス、DVDボックス、北米版ブルーレイと揃えて何百回と見たマニアなので狂喜。説明不要の『サスペリア』のテーマがプレイされ、会場中が最高潮にホラー色になる。
続く『シャドー』ではシモネッティがボコーダーでテーマを歌いながら客にコーラスを要求して、どう盛り上がったらいいものかとちょっと戸惑った。メンバー紹介をしてから、メタル色の濃い『フェノミナ』では、映画の内容どおりにハエの大群の効果音が出て、メンバーがそれを叩こうとするパフォーマンスで笑を誘う。
そしてダメ押しの最高傑作『サスペリア2』はイントロであの童謡が流れて不気味さいっぱい。とにかくゴブリン節を腹いっぱいになるまで堪能でき至福の時を過ごすことができた。
Massimo Morante / Guitars
Claudio Simonetti / Keyboards
Maurizio Guarini / Keyboards
Bruno Previtali / Bass
Titta Tani / Drums
01. Magic Thriller
02. Mad Puppet
03. Dr. Frankenstein
04. Roller
05. E Suono Rock
06. Non Ho Suono ~ Death Farm
07. L'Alba Dei Morti Viventi
08. Zombi
09. Susperia
10. Tenebre
11. Phenomena
12. Profondo Rosso
個人的には、いつかプログレ・フェスにMarillionをぜひ呼んでもらいたい。今月新譜も出てまだまだ活躍中だし、94年のクラブチッタ2回公演から18年も経過しているので。
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コメント
お疲れさまでした。私もその場でVDGGの感動に震えていました。(実はストレンジディズの10月号でBJHのページでオレンジの帽子で映っています)なおゴブリンのメンバーは本当に虫がいたため払っていたという落ちです。
投稿: kevin kazuki | 2012/09/25 20:01
>kevin kazukiさん
ストレンジデイズ、チェックしました。かなり前で見ておられたのですね。ゴブリン、本当に虫を払っていたとは!暗くなって光のあるステージに集まってきたんですねー。
投稿: tangerine | 2012/09/27 15:18