« Patti Smith 大阪公演 2013年1月28日 なんばHatch | トップページ | Rainbow 1集 Part.01 "Rainbow Syndrome" 感想 »

2013/02/22

追悼 Kevin Ayers 1944-2013

Kevinayersflyer01

ケヴィン・エアーズが2月18日にフランスの自宅のベッドで亡くなったとのニュース。享年68歳。
ソフト・マシーンのオリジナル・メンバーとして、その後のマイペースながら充実したソロ・キャリアも含めて敬愛すべきカンタベリー・シーンの重鎮であり、自由奔放なボヘミアンであった。

来日公演は1988年、1992年、2002年、2004年と4回とも地元大阪で見ることができた。今でこそどんなマイナーなミュージシャンでも簡単に来日公演を行えるご時勢だが、88年という時点でケヴィン・エアーズのような知名度はあるがポピュラーではないプログレッシヴ系ミュージシャンが御堂会館や九段会館のようなホールでコンサートを行うというのは凄いことであった。

動員が心配されたのか、同年88年に亡くなった「NICOの追悼」を込めての来訪を促すチラシが直前に作られもした(実家に置いてあるので、後日掲載予定)。

しかし蓋を開けてみると大盛況で、盟友オリー・ハルソールをギターに迎えてのケヴィンの来日を待ち焦がれていたファンがいかに多かったかを思い知らされた。

"May I?"のイントロが流れた時の歓声を今でも忘れることはできない。しかしいきなりアンプが不調で、修繕している間に延々とイントロのフレーズが続き、観客に笑いを誘っていた微笑ましいオープニングだった。

92年のクアトロのギタリストと2人だけのシンプルなステージも感動。何よりもすぐそこにケヴィンがいることが信じられないくらいだった。

02年の帝国ホテルの地下レストランでのライブも実にリラックスした良いものだった。終演後にサインを待ち望むファンが残っており、外国人のマネージャーらしきスタッフが来て「直接サインすることはできないけど、サインをしてもらってくるので、してほしいレコードやCDを預かるよ」と言ってくださり、疲れているはずだろうにサインを貰うことができた。

そして問題の04年の大阪Bridgeでの公演。

当時のブログに感想を書いているが、丁寧な言い方をすれば「非常に残念な」、感情的に言わせてもらえば「ゴミのような」最低のライブだった。
本人が望むままにライブ直前まで酒でも飲ませていたのだろうかと疑いたくなるようなヘロヘロさだった。

http://thenoisehomepage.cocolog-nifty.com/small_talk/2004/05/kevin_ayers.html

前売りチケット代は6,500円。遠方から泊りがけで駆けつけたファンも少なくなかったはず。長丁場のオールスタンディングに耐えられない体調の人もいたと思う。
延々と前座を見せられ、ライブが始まったのは21時。
そして全部で7曲?(終盤で仕事の時間になり帰還)の内容。
露骨にコンディションが悪く、イントロを歌わなかったり、途中で曲を止めたりで不完全に数曲やっては楽屋に引っ込むの繰り返し。そして引っ込んでいる時間のほうが長い。
バックバンドも狼狽していて、代わりにドラマーが歌った曲もあった。

ライブ後のネットでの書き込みは不満を述べるものが多かったが
「ケヴィンを本当に理解していたら、、あれでも満足できたはず」
「来日してくれただけでもありがたく思え」
「裏舞台での事情を察するべき」
などというクソなコメントを書いている人も少なくなかった。
本当にそう思うなら、次回からは自分の好きなミュージシャンのライブは1曲目だけ見て帰って「見られただけでも感激だった」と自己の哲学を証明してもらいたい。

当時のブログにも書いたが、情熱的なファンが大金を払って楽しみにして来たライブなのだから、スタッフもマネージメントもこうならないようにアーティストのコンディションに一番気をつかうべきなのに、何をしていたのだといいたい。シロウトがボランティアで運営しているつもりのライブなら、金など取らずにその辺の路上でやればいい。

ケヴィン自身もこのようなライブは不本意だっただろう。

そういう事情で、不愉快な気分のままケヴィンの実質最後のライブを見てしまい、その後も精神的にそれを引きずってしまって、その後久々にリリースされた名盤といわれる"The Unfairground"も何となく聴く気が起こらず仕舞い。

残念だがケヴィンが生きている間の彼へのアプローチはそこまでだった。自分の中でケヴィンが「プロ意識の欠落した酔っ払いの三流ミュージシャン」という認識のまま彼の人生が終わってしまったことは残念。

ロックの重鎮が亡くなってしまっても、そう驚かなくなってしまったのは、そろそろ自分や家族、友人や周辺の人脈もそういう世代の入り口に立っていることを自覚しているからなのだろうか。

ソフト・マシーンも初期メンバーのうち、エルトン・ディーンとヒュー・ホッパーに続き、ケヴィンまでが亡くなってしまった。3人とも数回づつライブを体験できたことがいかに貴重だったかを思い知らされる。

ソフト・マシーン同期のロバート・ワイアットやデヴィッド・アレンはしぶとく生き残っている。この生命力と現役感は素晴らしい。あと20年は活躍してくれそうな勢いだ。

ケヴィンの残した遺産は大きい。そろそろあのライブのことは水に流して、これを機会に再び作品に向かい合っていきたいと思う。

Kevintickets01

1988年12月19日 大阪 御堂会館
■lineup
Kevin Ayers / Vocal, Guitar
Ollie Halsall / Guitar
Marcelo Fuentes / Bass
Tony Vazquez / Drums
■Setlist
May I?
Shouting In A Bucket Blues
Stepping Out
Everybody's Sometime And Some People's All The Time Blues
Champagne & Valium
Super Salesman
Decadence
Animals
Why Are We Sleeping?
Stranger In Blue Suede Shoes
encore
Am I Really Marcel


1992年6月2日 大阪 心斎橋クラブ・クアトロ
■lineup
Kevin Ayers / Vocal, Guitar
Kevin Armstrong / Guitar
■Setlist
Feeling This Way
When Your Parents Go To Sleep
Super Salesman
Shouting In A Bucket Blues
Everybody's Sometime And Some People's All The Time Blues
Something In Between
I Don't Depend On You
Lady Rachel
M16
Ghost Train
There Goes Johnny
May I?
Once I Awakened / It Begins With A Blessing / But It Ends With A Curse
Thank You Very Much
encore
Blaming It All On Love
encore2
Two Goes Into Four


2002年3月4日 大阪 帝国ホテル パタパタ・デ・ラ・サルサ
■lineup
Kevin Ayers / Vocal, Guitar
Maervin Siau / Keyboards, Guitar, Vocal
Alain Berthe / Guitar
Patrick Deneve / Bass
Ludo Huyghe / Drums
■Setlist
Feeling This Way
Champagne And Valium (Too Old To Die Young)
Mr Cool
When Your Parents Go To Sleep
There Goes Johnny
Animals
The Lady Rachel
Super Salesman
Whatevershebringswesing
See You Later
Didn't Feel Lonely Till I Thought Of You
Everybody's Sometime And Some People's All The Time Blues
Shouting In A Bucket Blues
May I?
Stranger In Blue Suede Shoes
encore
I Don't Depend On You
new song
Thank You Very Much


2004年5月15日 大阪 BRIDGE
■lineup
Kevin Ayers / Vocal, Guitar
Marvin Siau / Keyboards, Guitar, Vocal
Alain Berthe / Guitar
Patrick Deneve / Bass
Ludo Huyghe / Drums
■Setlist
(失望して覚えておらず。)

|

« Patti Smith 大阪公演 2013年1月28日 なんばHatch | トップページ | Rainbow 1集 Part.01 "Rainbow Syndrome" 感想 »

コメント

つらいです。まさかケヴィンがこんな形で亡くなるなんて。もう一度彼のライブに行きたかったです。もう心は空洞です。

投稿: kevin kazuki | 2013/02/22 12:31

追伸です。私もタンジェリンさんと同じ気持ちですが。アンフェアーグラウンドの最後の輝きは素晴らしいのでぜひ聞いてください。

投稿: kevin kazuki | 2013/02/22 15:16

>kevin kazukiさん

"Unfairground"をネットで注文しました。アドヴァイスありがとうございます。

04年のライブの後、ケヴィンは一切聴かなくなってしまったので、これを気にひと通り聴き直してみたいです。

もう1度コンディションの良いライブを見たかったですね。残念です。

投稿: tangerine | 2013/02/23 00:28

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23958/56814269

この記事へのトラックバック一覧です: 追悼 Kevin Ayers 1944-2013:

« Patti Smith 大阪公演 2013年1月28日 なんばHatch | トップページ | Rainbow 1集 Part.01 "Rainbow Syndrome" 感想 »