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2013/04/18

Ian Anderson 大阪公演 2013年4月15日 サンケイホール・ブリーゼ

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Jethro Tullのイアン・アンダーソンの大阪公演を4月15日に大阪のサンケイホール・ブリーゼで見た。イアン・アンダーソンを見るのはJethro Tullの1993年9月22日渋谷ON AIR EASTの1度きりの公演と、2005年5月11, 12日の渋谷公会堂公演以来4度目。

今回はジェスロ・タルといえばこの曲というイメージの強いコンセプト・アルバムの傑作"Thick As A Brick"(邦題:ジェラルドの汚れ無き世界)を完全演奏し、その後イアン・アンダーソンのソロ名義で2012年に40年ぶりに発表された続編であるパート2を完全演奏するというもの。

続編が作られたこともびっくりしたが、1972年の初来日公演でも完全演奏されたというこの曲をまさか2013年に生で聴けるとは思わなかった。

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会場に着くと、初来日公演も見に行っていたような年配のファンの方が多く、なぜか皆グッズ売り場に長蛇の列を作っていた。やはり久々の記念にパンフやTシャツを買っておこうという感じでしょうか。

友人のとってくれたチケットが前から3列目と絶好のポジションでびっくり。2階席はほぼ無人でやはりソロ名義での動員力は厳しかった模様。埋まっていたのは1階席の約500席くらいか。しかし熱心な往年のファンが多く駆けつけた模様。

開演時間になり、まず清掃員に扮したメンバーがステージの掃除をするパフォーマンスが始まり、「ああいつものジェスロ・タルだなー」と微笑ましくなる。93年の時も清掃員やキャンディー売りのお姉さんが登場した。

メンバーがステージを掃除しているうちにブラジャーや使用済みコンドームが出てきて笑いを誘う。

そのうちステージ後方のスクリーンのビデオに教授風のイアン・アンダーソンが登場し、作品の主人公、ジェラルド・ボストックについて語り出すところでイアン・アンダーソンがステージ上手で歌いだして演奏開始。

清掃員姿のメンバーもユニフォームを脱いでステージ衣装にチェンジ。

オフィシャル・サイトでチェックしても、ベーシスト以外は私よりも年下で、演奏はこれ以上はないというくらい完璧。しかしイアン・アンダーソンの声だけはやはり65歳という年齢もあってか、高音が出なくて苦しそう。

しかしお馴染みの片足立ちのフルート演奏や、ステージ狭しと動き回るパフォーマンスにはいささかの衰えも感じない。

イアンの声を補っているのが、若くハンサムでキュートなボーカリストのRyan O'Donnellで、声質もイアンに近く、パフォーマンスもしてステージを盛り立てていた。キャリアを調べると劇団俳優上がりの人。

パロディー的にYouTubeやSkypeで生中継風の映像を加えつつ、ビデオを効果的に使ってステージが進む。

演奏中のイアン・アンダーソンの携帯に英国の女性ヴァイオリニストAnna Phoebeから電話がかかってきて、自宅で赤ん坊をあやしつつ演奏に加わるヴァーチャル共演のパロディー映像も面白かった。

背景のビデオにはところどころに潜水服姿の男が町を歩くシーンが挿入され、これはファンならだれもがジェスロ・タルの名曲『アクアラング』をモチーフにしていると分かる。

最後の"Thick As A Brick!!"の歌詞を観客に叫ばせて、大団円で約45分に渡る第1部終了。15分の休憩に入るとイアンがアナウンス。もうこれだけでもお腹がいっぱいという感じ。

第2部もビデオ映像から始まり、イアン扮する教授が自宅の庭を散歩する風景などを映しながら演奏が始まり、40年後、48歳になったジェラルド・ボストックの現在の姿をビデオとシンクロしながら物語る。

CDだけではいまいちよく分からなかった物語が映像とパフォーマンスで補完されている感じ。ここでも道を歩く潜水夫の映像が挿入される。

55分ぶっ通しの完全演奏が"Thick As A Brick Two"の歌詞で終了し、ビデオに登場したイアン・アンダーソンがメンバーを紹介し、それに応える形でメンバーが登場し挨拶。

アンコールの拍手の後、再度登場して嵐のような『ロコモーティブ・ブレス』。

観客はオール・スタンディングで応え、大喝采の中終了。終演BGMでルイ・アームストロングの"What a Wonderful World"がかかる。

もう見られないと思っていたジェスロ・タルの音楽をいま一度生で体験できたのは本当に貴重。超一流のパフォーマンスとはこういうものだと、再度イアン・アンダーソンの才能とカリスマに圧倒されたライブだった。

Ian Anderson / Vocal, Flute, Guitar, Bouzouki, Mandolin
David Goodier / Bass
Scott Hammond / Drums, percussion
Ryan O'Donnell - Vocals, Stage Antics
John O'Hara / Keyboards
Florian Opahle / Guitar

01. Thick As a Brick (Part 1&2)
intermission
02. Thick As A Brick 2
 Whatever Happened To Gerald Bostock?
 From A Pebble Thrown
 Pebbles Instrumental
 Might-Have-Beens
 Upper Sixth Loan Shark
 Banker Bets, Banker Wins
 Swing It Far
 Adrift and Dumbfounded
 Old School Song
 Wootton Bassett Town
 Power And Spirit
 Give Till It Hurts
 Cosy Corner
 Shunt and Shuffle
 A Change of Horses
 Confessional
 Kismet In Suburbia
 What-ifs, Maybes and Might-Have-Beens
encore
03. Locomotive Breath

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コメント

ほんとに完璧な演奏でしたね(イアンは年齢的にも高音が厳しいのは仕方ないですが、ライアンのパホーマンスには感心させられました)。できればブリーゼブリーゼではなくてもう少しレベルが上のところで見たかったですね(クラブチッタはプログレ聖地でいいかもしれませんね)。

投稿: kevin kazuki | 2013/04/18 12:29

>kevin kazukiさん

シンプルな楽器編成で、完璧なアンサンブルはさすがだと思いました。ボーカル&パフォーマンスにライアンを入れたのは大正解だったようですね。

ブリーゼは綺麗な中ホールで割と気に入っています。昔のサンケイホールはボロボロでしたし。
チッタ公演も盛り上がったようですね。

投稿: tangerine | 2013/04/19 05:19

イアン・アンダーソンも65歳なんですか・・・。

声帯の衰えは感じられたとの事ですが、
ライヴ・パフォーマンスはまだまだエネルギッシュで
素晴らしかったみたいですね。

恥ずかしながら私は「アクアラング」しか持ってないんです。(^^ゞ
以前アイアン・メイデンが出したシングル“The Trooper”のB面で
“Cross-Eyed Mary”をカバーしており、原曲を聞きたかったから
購入した次第です。

メイデンと言えば今月発売のBURRN!(5月号)にクライヴの追悼記事が
ありました。2ページ程なんで書店で見つけたら読んでみて下さい。

投稿: himajinmetal | 2013/04/20 16:00

>himajinmetalさん

メイデンのスティーヴ・ハリスはジェスロ・タルのファンで有名ですね。メタルながら長く複雑な展開の曲を書くのは、大きな影響を受けているんでしょうねー。"Cross-Eyed Mary"のカバー・ヴァージョンも好きです。

84年のレインボーのコンサートの前にずっと『アクアラング』がかかっていたのも覚えています。リッチーもジェスロ・タルが好きのようです。

BURRN!のクライブの追悼記事、次本屋に行った時にぜひ読みたいです。

投稿: tangerine | 2013/04/21 02:02

不覚にも中国で加熱不十分のカキを食べて、ノロウイルスに感染し悶絶しており、観に行けませんでした。

現在は回復して偶然にも数日前に公演が行われたクラブチッタの隣で十分加熱された天丼を食べております。

ジェスロタルは40年来のファンですが、リアルタイムで聴いたのが、パッションプレイからです。パッションプレイやウォーチャイルドの個性の強い音楽=ジェスロタルの姿のイメージが強すぎて、ひとつ前の上品なシックアズアブリックはしばらく違和感がありましたが、今ではどう変化しようとも確固たるジェスロタルの姿です。というか、ここ20年間変化をやめて過去に回帰しているのが物足りないところですね。

今回のライブは過去2回の来日より気合が入っていたようで、見逃したのは大変残念です。是非次回に期待したいところです。
ジェスロタルの曲で一番好きなのは、時々口にしますが、天井桟敷に入っているベイカーストリートミューズです。これこそ生身のイアンアンダーソンそのものでしょ。この組曲が演奏されるなら世界中どこでも行く覚悟です。

投稿: necotaro | 2013/04/21 11:59

はい、忘れてました。(^^ゞ

リッチーもアンダーソンフリークでした。
開演前のBGMで必ずジェスロ・タルかけてましたね。

Blackmore's Nightの1stアルバムでは念願かなって
アンダーソンにフルート吹いてもらってたし。(^_^)

投稿: himajinmetal | 2013/04/21 18:04

>necotaroさん

ノロ大丈夫ですか。お大事に。よりによってイアン・アンダーソン公演の直前とは残念でした。でも鳥インフルエンザでなかっただけ不幸中の幸いでしょうか。

「天井桟敷の吟遊詩人」は最近アマゾンでリマスター盤が600円位で売ってたのでやっとCDで購入しました。"Baker St Muse"はやっぱり聴き応えありますね。ぜひ生でも聴いてみたいものです。

投稿: tangerine | 2013/04/21 21:07

>himajinmetalさん

リッチーはクラシックとは別にああいうトラッド系の伝統的な音楽も好きそうですね。イアン・アンダーソンにブラックモアズ・ナイトに参加してもらって本望だったでしょうねー。

絶妙なタイミングでハードロックから隠居して、ああいうじっくりしっとり聴ける音楽をやったのはある意味、体力的に無理をしてハードロックを続けて晩節を汚すより、音楽家としての人生を長引かせることができて良かったのかもしれませんね。

投稿: tangerine | 2013/04/21 21:14

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