FANTASTIC GIRLSのリリース以降のオリコン・デイリーチャートを参照すると下記のようになります。
8/27 3位
8/28 2位
8/29 2位
8/30 2位
8/31 2位
9/01 6位
9/02 4位
初日は同じく韓国のCNBLUEに2位をとられてしまいましたが、以降常にKARAの1位を阻んできたのは『あまちゃん 歌のアルバム』で、KAMILIAも「じぇじぇじぇ!」と驚いたダークホースです。
『あまちゃん』オリジナル・サウンドトラック発売以降、ドラマの爆発的ヒットにより、急遽製作されたと思われる変則的な歌ものアルバムで、内容も定価には及んでいない「入れられるものを何もかもぶちこんだ」感のある完成度に難ありのCDですが、今や「あまちゃん」とつくものなら何でも売れる空前のブームなので売れることは予想できたのでしょう。「儲けられるうちに儲けてやろう」というNHKのゼニゲバぶりが覗えます。
「くそー!あまちゃんさえいなければ・・・」と全国のKAMILIAとユニバーサル・シグマの悲鳴が聞こえそうです。
しかし昨今のアイドルもののような特典目当ての複数枚購入のない正当な売り方で1位というのはかなり画期的ではないでしょうか。敵ながらあっぱれです・・・。
KARAも1位は無理でもおそらく週間チャートで2位はキープできるかと予想できます。
part1でも書いたようにベスト盤的要素を排除した本作で2位を維持できるのはKARAの底力を現した快挙といっても良いと感じます。
過去3作が毎年11月に発売されたのに対して、今回3ヶ月前倒しで発売されており、ニューシングルの発売からも1ヶ月しか経過していません。この時期でのリリースは何を意味しているのでしょうか。
・純然たる契約消化
・各アーティストのリリース・ニュースをリサーチして1位が取れる時期をマーケティングした結果
・韓国カムバック作の前にリリースしておきたかった
・KARASIA 2ndツアーの前にリリースしておきたかった
・昨今のシングル販売量不振に対するテコ入れ
想像にすぎませんが、9月の本国でのカムバック活動への専念において発生してしまう、10月からの日本でのKARASIA 2ndまでの空白の1ヶ月強を、アルバム・リリースによってアルバム自体にプロモーション活動をしてもらおうと考えた気がします。コンサートの予習としても事前リリースは不可欠だったのではないでしょうか。
韓国カムバック作のうち2曲を披露した9月2日のソウルでのショーケースをネットで鑑賞しましたが、もう圧倒的に大人の雰囲気と楽曲のレベルの高さにため息が出てしまいました。
5分で構成を考えたような稚拙な内容の日本でのファンミーティングが子供向けに思えてしまいます。(実際、子供ファンも多いのであれはあれで良かったのですが)。どうして日本でこういう雰囲気で出来ないのかと。
しかし本来のK-POPらしさを妥協無しに発揮できる舞台としての本国活動なので、そちらを存分に応援していれば十分に満足できるし、本国ファンが見たくても見られない大規模なツアーでもこれらの曲が披露されるだろうことを考えると、何と日本のファンは恵まれているのだろうと再認識する次第です。
2001年にBOAとSMエンターテインメントが確立した日韓完全に楽曲や活動内容を分けるダブルスタンダードの手法は多くのフォロワーの手本となりました。
KARAに関してはK-POPアーティストとして認知された上での日本進出で、韓国語曲のみのベスト盤もオリコンの2位にランクインしただけあって、未だ多くのファンが韓国語曲の魅力を理解しており、前回のツアーにおける韓国語曲の比率はまだ高い状態でした。
日本語曲が40曲を超え、それのみでも2時間超のライブが出来てしまえる現状、次のツアーでの「日本語曲」の比率は前ツアーより高くなる可能性もあり、韓国の過去の名曲が削られるリスクは大きいと思われます。
NHK Eテレの「Rの法則」KARA特集でティーンエイジャーの新世代のKARAファンの声を聞くと、やはり若い世代がKARAに求めるのは「GO GO サマー!」「ジェットコースターラブ」の溌剌とした可愛さであり、「思いつくベスト曲」も2年前の売り上げ全盛期のあたりで止まっている感じです。日本のファンが新陳代謝していけば、BOAのごとくダブルスタンダード的な日本語曲主流の活動が大きくなっていくだろうし、K-POPとしてのKARAに魅力を感じ続ける人が多ければ現状を維持できるかもしれません。
そういう意味で、来月からのKARASIA 2ndツアーのセットリストには大変興味があり、期待があり、不安がある状態です。
何となれば日本で1度だけでも限定で「韓国語曲のみでのコンサート」を企画・開催してみるというのもいいかもしれません。赤坂BLITZのショーケース以降の純然たるK-POPのKARAファンの拡大度を測る機会になるでしょう。
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今回のツアーのチケットですが、FC先行、各チケット・オフィス先行でも完売していないという状況に関していろいろ思うところのあるファンも多いと思います。
実際、前回は「KARAバブル」といっても良い状態で、ファーストツアーが1万人規模のアリーナツアーで全会場満員という空前絶後の勢いだったのは、「生のKARAを観たい」という飢餓感からの開放があったことが最大の要因ではないでしょうか。
何と言っても地元大阪でKARAが歌ったのはツアーでの大阪城ホールが最初だったという状況でしたし、楽曲的に人気絶頂だった2011年にKARAは分裂騒動と復帰を経てファン・ミーティングをするのが精一杯という状況でした。
日本全国ツアーを後発の少女時代に越されてしまいましたが、SMエンタがBOA、東方神起、少女時代で築き上げた日本でのコンサート・ツアーの様々なノウハウを研究する猶予ができたというのも事実かと思います。
前回のツアーのチケット料金が¥8,400、東京ドームが¥8,880、今回のKARASIA 2ndが¥8,880と、欧米の一流アーティストと同格の料金設定も少女時代など他のK-POPアーティストの価格帯をある程度参考にしているかもしれません。
ほぼ同時期に同規模の会場でやる「いきものがかり」のツアーのチケットが¥6,800、Perfumeの二大ドーム・ツアーのチケットが¥6,500であるのを考慮すると、J-POPと比較してかなり高めで、日本デビュー以降の主要ファン層である中高校生にはハードルが高い感じです。「いくらでも出せる」という勢いの少女時代、東方神起などの主要ファン層と比較して、KARAはやはり低年齢のファンが多のが事実です。
円安による為替レート変動により昨年よりウォン換算での収益性が低いのもあるでしょうが、欧米と比較してソウル~日本間の飛行機での移動費が国内移動費と大差ない状態では、ダンサー、スタッフを含めた移動・滞在経費なども国内アーティストと同条件で、この価格設定はやはり「大人のファン向け」と言わざるを得ません。
様々な利権構造があるのは詮索せずに置いておいても、K-POPバブルというものは韓流ブームと東方神起ファンの経済的に余裕のあるマダム層の金払いの良さを踏襲しており、「日本人は好きなタレントのためなら無尽蔵にお金を出してくれる」という常識でない常識がまかりとおった賜物かのようです。
シングルの怒涛の複数リリースや購入者イベント、数々のイベント出演、KARAアニメーションのDVDボックス、有料ファンミーティング、KARASIA 3Dの映画、ドラマのタイアップCD、主演ドラマのDVDなど息をつく暇もない攻勢は余裕のある人には嬉しいかもしれませんが、さすがに私もKARAアニメーションのDVD購入は断念したほどです。
最終的にツアーのチケット販売時点で息が尽きたファンも多いのではないでしょうか。
近年はコンサートのチケットそのものの収益より会場で販売される膨大なグッズ販売からの利益のほうが大きいとも言われています。欧米のフェスなどでも食べ物やグッズの屋台の出店から得られるテナント料が大きくて、集客を増やすために極力チケット代を押さえるというところもあります。
今回は前回多数あったCMタイアップのスポンサーも無い状況で、事務所の自己負担率も高くなるかと思います。開けてみないと結果はわかりませんが、学ぶべきものの大きいツアーになるかもしれません。
コンサートが平日開催日が多いというのもネックになっているようですが、ツアー日程から判断するに、どうも同会場のほとんどの週末公演を前述の「いきものがかり」が先に押さえていたようです。前回週末遠征組が多くて取れなかった分、今回地元ファンが楽に見られるようになったのではと思えばよいでしょうか。
ともあれ、日韓2枚のニューアルバムをひっさげてのKARASIA 2ndツアー。どんなものになるかわくわくしながら秋が深まるのを待ちたいです。
P.S.
前回予告のK-POPと政治問題、含めて多くのK-POPアーティストの日本市場撤退などに関してはまた今後煮詰めてから書いてみたいです。
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