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2014年7月

2014/07/16

GODZILLA ゴジラ 試写会 フェスティバルホール 2014年7月14日

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『ゴジラ』試写会を7月14日に大阪フェスティバルホールで鑑賞しました。2D上映版。

あちこちのテレビ局に応募した結果、人生初めての自力での試写会当選。めちゃ嬉しいかったです。

当日はフェスティバルホールの入り口からレッドカーペット階段がゴジラの口になってる仕掛け。入り口でゴジラ団扇も貰えてテンションが高まりました。

年齢層は年配の観客多し。ゴジラ60年の歴史を感じます。

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女性司会者が出て前説をし、なんと舞台挨拶ゲストの渡辺謙を紹介してびっくり(当日の『ちちんぷいぷい』にも出てたらしい)。渡辺謙開口一番に「上本君がソロホームランを打ちました。鳥谷君がタイムリーです!」といきなり阪神ネタをぶち込んでツカミもOKでした。あとは雑誌のインタビューにあったようなオファーの経緯などを「2時間かけて喋っていいですか?」と笑いをとりつつ丁寧に解説。実はガメラ派だったと内緒話も。

映画の内容は25日の公開まで全面的にネタバレ禁止で自粛しますが期待どおりド凄いです。

ハリウッド的にはあの映画とあの映画とあの映画を足して3で割った感じでした。日本でもあのライバル怪獣映画のリブート作の影響強し。しかしゴジラは東宝の歩き方をしてて嬉しかったです。なんといっても重量感のリアルさが圧倒的でした。

ちゃんとゴジラを恐竜から進化した動物ではなく怪獣という神格的な存在として扱っていることに製作者の理解度と愛情を感じましたし、核兵器・原発・震災・津波と日本人には深く傷の残るテーマもあえてぼやかさずに全面に出したのも第1作目の警鐘を踏襲していて良かったです。

あのジュリエット・ビノシュが出てて他のキャストに比べて大物すぎるのでびっくりでしたけど前のハリウッドゴジラにもジャン・レノが出てたし、フランスでもヒットを狙ったんでしょうかね~。「汚れた血」100回位見て「トリコロール」は3部作DVDボックス持ってるファンです。「パリ・ジュテーム」のエピソードも飛行機の中で見て号泣しました。

クライマックス~ラストは「ゴジラ強えー!」と口が開きっぱなしの状態。
終演後は珍しく会場中から沸きあがる拍手の嵐。

3Dバージョンを含め、あと3回は見たいと思います。

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2014/07/15

東京パフォーマンスドール 大阪公演 シアターBRAVA! 2014年7月4,5,6日

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東京パフォーマンスドールの大阪公演『PLAY×LIVE「1×0」(ワンバイゼロ)COMPLETE』を7月4,5,6日にシアターBRAVA!にて鑑賞しました。

新生TPDは以前書いた阿倍野と西宮のCDリリース・イベントで見たのみで本編であるPLAY×LIVEを見るのは初めて。

東京では昨年6月のデビュー当初からCBGKシブゲキ!!にて定期的に上演されてきた独特の構成によるパフォーマンスで、前半70分ほどの演劇・ミュージカルパートがあり、その後30分ほどのノンストップの歌とパフォーマンスのダンスサミット・パートがあるというもの。
全5公演で同じストーリーに基づいた芝居のパートが各エピソードごとに主人公を変えて展開し、最後に収束するという内容。

各エピソードのタイトルは
Episode1 Lost Without You (主演:小林晏夕・高嶋菜七)
Episode2 In The Wonderland (主演:脇あかり・上西星来)
Episode3 Secret Garden (主演:櫻井紗季・浜崎香帆)
Episode4 Bitter Sweet Memory (主演:神宮沙紀・飯田桜子)
Episode5 The Perfect Day (主演:橘二葉)

東京公演を80公演以上こなした上でのファイナルを大阪で迎えるということで、このステージを見るチャンスは最後。東京公演を多数鑑賞しているファンも大勢が遠征して集まってきているようでした。

内容はTPD自体が90年代前半を象徴する現象だったのに準じたのか、演劇パートのウォーリー木下による脚本も90年代テイストが溢れており、(同じ事務所の)ナイロン100℃など当時の芝居を彷彿とさせるものでした。板倉チヒロという同事務所の劇団員からの出演も劇団テイストを深めるアクセントになっていました。

結論から書くと東京公演に通っていた先代TPD時代からのファンの友人によると、東京公演で未熟だったと感じた部分が全て向上されており、大阪公演は文句の入る余地がなかったほどの完成度だったとのこと。

試行錯誤の途上だった東京公演がDVD化されていますが、構成的にも演技的にもこの芝居におけるメンバーの成長の完成形である大阪公演を映像記録に残せなかったのは本当に残念です。

5月のイベントの時点では菜七、星来を2トップに感じていましたが、演劇パートを見ると力量の素晴らしさは9人の個性も相まって完全に互角。その中でも浜崎香帆、神宮沙紀、小林晏夕の力量を再確認させられた次第。

エピソード1はとにかく初めてなので、畳み掛けるような展開で呆気に取られてストーリーもよく噛み砕けないでいる間に終わってしまい、押しメンの高嶋菜七と才能を感じる小林晏夕が主演だったのでもう1回見たかったところ。

エピソード2はとにかく仕掛けが面白くて脇あかりのポジティブさと上西星来のナイーヴさをうまく引き出している感じ。

エピソード3が「親友の死」を扱った重たいテーマで、主演の浜崎・櫻井たち本人も「嫌いなエピソードなので一番好きになるよう努力した」と挨拶で涙ながらに語ってましたが、アルゴミュージカルや南青山少女歌劇団の脚本で有名な犬石隆の書くストーリーのように「死を乗り越えた感情で人生を悟り友情を深めていく」というポジティブで爽ややかな後味を感じました。
核となった『秘密の花園』はブロードウェイ・キャスト招聘による素晴らしいヴァージョンを1994年元旦に京都で見ました。

むしろ「明るくポジティブでもどこか抜けている」飯田桜子・神宮沙紀を配したエピソード4のほうが現実的で重たく感じてしまいました。

エピソード5はもう「何でもないシーン」でさえ涙腺が緩んでしまう状態で、中盤で橘二葉が車を運転して他メン演じる動物のぬいぐるみ達と海に向かうシーンだけでも
( ;∀;)イイハナシダナー
と涙が溢れてしまう状態。動物のパペット芝居のパートもそんなに稚拙でなくストーリーにうまく馴染んでいたし(想像するに初期はメンバーの照れとかも芝居に見えてたんじゃないかなと)最年少の二葉のけなげさと他メンの絶妙なバックアップが心に染みて大団円に向かってジワジワと盛り上がりました。

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演劇パートにおける3Dプロジェクション・マッピングの完成度は素晴らしく、この設備の無い会場では上演できないという縛りがあるのも頷けます。プロジェクション・マッピングはRoger Watersの2002年の来日公演あたりから体験しており、2010, 2012年とカナダ、アメリカで見たThe Wallのショーでも凄まじい規模で使用されていました。

同じシアターBRAVAでは2011年12月にK-POPのRAINBOWのコンサートでもオブジェに対して限定的にプロジェクション・マッピングを使用していたのを見ています。
またPerfumeのライブでも使用されるようになり昨年の京セラドームでも見ることができました。

TPDのプロジェクション・マッピングは「映写」というよりはより「動的」で立方オブジェをメンバー達が運び積み上げ、それが次々を表情を変えていく効果的なもので、一部の隙も許されない完璧な動作が必要な練習の賜物といえるものでした。

演劇の後のダンス・サミットはもう圧巻の一言。往年の旧TPDによるダンサミのダンスパートをより現代的に進化させて先代ファンから見ても新生TPDに軍配を上げてしまうセットリストでした。芝居パートで歌われた全5曲もメドレーで披露。ぜひアルバムとして発売してほしいです。

菜七、香帆、晏夕の新生ゴルビーズによる"Just Like Magic"で昇天(まさかこの曲を2014年に生で聴くことができるとは!)。10回以上見た先代TPD市井由理のヴァージョンを凌駕する、らこ・うさきの「おちゃめなジュリエット」はバックの4人のダンスもゴージャスすぎ。「東京ハッカーズ・ナイトグルーヴ」の完成度に思わずTPD DASH!!のアルバムを聴き直しました。 "WEEKEND PARADISE"はただただ涙。

Dance Summit Setlist
01. ダイヤモンドは傷つかない
02. Just Like Magic (高嶋菜七&浜崎香帆&小林晏夕)
03. おちゃめなジュリエット (神宮沙紀&飯田桜子)
04. 東京ハッカーズ・ナイト・グルーヴ
05. Lost without you (高嶋菜七&小林晏夕)
06. In the wonderland (上西星来&脇あかり)
07. Secret Garden (櫻井紗季&浜崎香帆)
08. Bitter Sweet Memory (神宮沙紀&飯田桜子)
09. The Perfect Day (橘二葉)
10. Dreamin'
encore
11. We Are TPD!
12. Brand New Story
13. Weekend Paradise

千秋楽。座席に着席すると目の前の席に陣取ったのは、あの阿倍野と西宮のリリースイベントで猛威を振るった「高嶋菜七親衛隊」の女子高生たち(私服モード、でもしっかりTPD NANAのハチマキ着用)。もうこの席のダンサミでの盛り上がりは保障されたようなもので、遠征組男性ファンを凌駕する一糸乱れぬコールを再び目の当たりにすることに・・・。菜七がアンコール曲ですぐ傍まで来た時の悲鳴はあまりにも強烈で台風直撃のようでした。

アンコールの挨拶で号泣モードのメンバー達、菜七も溢れる鼻水を手で隠しながらも感動の表情で他メンが「ティッシュ!テッシュ!」と叫ぶ状態。

1回づつしか観ることができなかったのは一生の不覚と思えるほどの感動。次のPLAY×LIVEが早くも待ちきれないです。

TPDに関しては、地下アイドルが苦労してメジャーになっていくというPerfume以降の定番の展開とは異なり、最初から大きなバックグラウンドがあり曲のストックも予算も活動場所も与えられているという贅沢な環境故に、アイドル・ファン心理的に全国的なブレイクに至ってない要因を感じる部分もあります。

先代TPDも初期ルイード時代は観客が数人の状態から常連がつくようになり、常連にチケットを買い占められて狭い小屋故に新規ファンが付きにくいという状態になりましたが、ルイード以外にも出演を増やしていき徐々にメジャーになり青年館~大阪公演~新宿厚生年金~武道館とキャパシティーを拡げていった経緯がありました。

先代からのファンから見て「懐かしい」と思われてしまうことの、本人達や若いファンからのもどかしさも理解できるので、レパートリーを増やすことも含めてどんどん新しい表現を押し進めていって欲しいと感じます。

とりあえずはダンス・サミットを十分堪能できると期待が膨らむ8月22日の梅田クアトロでのワンマン・ライブが楽しみです。

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P.S.
高嶋菜七の話術とアドリブ力は元モダチョキの濱田マリを彷彿させます。シングル付属ドキュメントDVDのナレーションを聴くと特にそう感じてしまいました。

P.P.S.
新生TPDにハマって久々に「よい子の歌謡曲」1991年7月号を引っ張り出してきました。当時メディアとしても本格的に東京パフォーマンスドールを斬新な切り口で取り扱った最初の雑誌で想い入れがあります。
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2014/07/11

Rick Wakeman 大阪公演 サンケイホールブリーゼ 2014年6月30日

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6月30日にサンケイホール・ブリーゼでリック・ウェイクマンのソロ・コンサートを見ました。リックを生で見るのは2003年9月12日のイエス大阪厚生年金会館以来。ABWHや8人イエスを含めて計5回も見てるけどソロは初めて。

この夏に予定の英国ツアーみたいに『地底探検』再現ライブにしてほしかったけどピアノ・ソロとのことで間が持つかな~と心配でしたが素晴らしいライブでした。

本当にスタンウェイのグランドピアノが1台置かれているだけで、楽譜も無し。開演時間になり暗転とともに弦楽カノンのSEテープが流されて、そのまま正装にコンバースのスニーカーといういでたちでリック登場。SEに合わせてピアノを伴奏するというユルい始まり。

プログレ・ファンなら誰もが1回聴けばわかるリック独特のアルペジオで「ああ本物なんだなー」と感動がこみ上げてきます。

15分の休憩を挟んでの2部構成で、『ヘンリー8世と6人の妻』『地底探検』『アーアー王と円卓の騎士たち』など初期ソロ名作、キャット・スティーヴンスの『雨にぬれた朝』、デヴィッド・ボウイの『ライフ・オン・マース』等の有名なセッション参加作、ABWHの名曲『ミーティング』、イエスの『同志』『不思議なお話を』、ビートルズのカバー『ヘルプ!』『エリナー・リグブー』と盛り沢山なセットリストでした。

演奏もさることながら間のトークが最高でジェネシスのフィル・コリンズのように日本語のカンペを読みながら『サッカー、ワールドカップ、イングランド、ヘタクソ、マイ・ジャパニーズ、ヘタクソ」とか「ヘンリー8世と私は共通点があってどちらも6人奥さんが」と言ったりして観客爆笑でほのぼのとした空間ができ、キース・ジャレットみたいに演奏中に咳をしてしまっても怒られない気楽な雰囲気がよかったです。

演奏の間に水を飲むときにプラスチックのカップが床に落ちてしまい、そのままサッカーのように舞台袖に蹴っ飛ばしてガッツポーズして歓声が上がったり。

キャット・スティーヴンスやボウイとのセッションのエピソードも貴重。ジョン・アンダーソンとの共作のABWH"The Meeting"にいかに想い入れがあるかも良い話でした。

イエスの曲も個人的に大好きな『不思議なお話を』を聴けたことに本当に感動。

初期三部作のソロ演奏は力強さに満ち溢れた圧巻の演奏で、バックにオーケストレーションが聴こえてきそうなほど。バンバンと鍵盤を叩くように弾く指の力強さが伝わってきました。

『ヘルプ!』を哀しい旋律で、『エリナー・リグビー』を楽しい旋律で弾いてみますというMCでのビートルズ・カバーもやっぱりリックならではの解釈がファンには嬉しい演奏。

もうイエスに復帰することはないと断言しているリックですが、音楽性の素晴らしさは衰え知らずでした。次はジョン・アンダーソンと一緒に来日を期待したいです。

Rick Wakeman
Sankei Hall Breeze
2014 June 30

Setlist
Set 1
01. Pachelbel's Canon In D
02. Catherine Of Aragon / Catherine Howard
03. Morning Has Broken (Cat Stevens Cover)
04. Journey To The Centre Of The Earth
05. The Meeting (Anderson Bruford Wakeman Howe)
06. Merlin The Magician
Set 2
07. The Jig
08. Life On Mars? (David Bowie Cover)
09. The Dance Of A Thousand Lights
10. King Arthur Suite
11. And You & I / Wonderous Stories (Yes)
12. Help! / Eleanor Rigby (The Beatles Cover)
encore
13. Gone But Not Forgotten

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2014/07/04

KARA PROJECT 新メンバー加入に関して part2

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公開オーディション企画"KARA PROJECT"によって候補者7人からなるBABY KARAの中からKARAの新メンバーにホ・ヨンジが選ばれました。これによって(現時点で)KARAは4人体制という第1期の編成に戻ることになったようです。ヨンジや他のメンバーの健闘を称え、ヨンジのKARA加入を歓迎し、他の候補者も今後の活躍に期待したいです。

今回のオーディション・ドキュメントを楽しみ、どのメンバーがKARAにフィットするのかを想像して夢を膨らませたファンや、KARAとは別に各候補の魅力を見出して新たにファンになってしまった方も多いと思います。そういう意味ではこのプロジェクトは有意義なものであったと感じます。

個人的に今回の新メンバー選考プロジェクトにファンとして関知しなかった理由を今更ながら少し書いてみたいと思います。

KARAが休止状態であったこの半年間に事務所の所属アーティストであるRAINBOWやA-JAXがどのような活動をし、事務所としてどれだけの成果を上げたか
残念ながらDSPの事務所としての資質はここに集約されていると感じます。やはり今のDSPにはKARAしかないのだと。

またKARAの今後の体制や新メンバーの加入に関して、現メンバー3人からのいかなるステートメントもマニフェストも発信されなかったという事実。

これは昨年の脱退スクープ以降から続いているもので、当のメンバー達本人の意向がぼやけたままの状態が続いている状態です。事務所自体にはっきりとした責任者の顔や確固たるポリシーが見えず、事務所とメンバーの連帯がどれほどのものかということも見えてきません。

ファンミーティングにおいても「私達を信じて待っていてください」という主旨の発言がなされただけで、事務所の被雇用者として今回の件で緘口令が敷かれていたと考えるのが順当と思います。

唯一ハラちゃんが新メンバー決定の翌日である7月2日にインスタグラムにアップした文章
「すべての事が私の思い通り、私の心のままになるなら世の中には全部が自分だけが大切で身勝手な人だらけになるだろう。全てのことには根源があるように流れがあって状況と情勢がある」(翻訳ソフトによる大意)と「Yes, I Can」の文字。
ここから覗える何も言えなかったもどかしさ、現実の重さ、責任の重さ、決意の大きさに心を打たれます。

オーディションに対してKARAのメンバーがノータッチであるという事実から覗えるものは何でしょう。

右も左も分からない新人アイドルであればメンバーチェンジに関してはファンの意向、事務所の意向に素直に従うのは当然で未熟さや新鮮さゆえに効果も期待できるでしょう。しかしKARAは活動8年目のベテランで、スタイルも確立しており個々のメンバ-にも的確な人材を判断する感覚は揃っていると思います。

個人的な当初の予想では、KARAのメンバーが直接オーディションに関わり、審査員風に人柄をチェックしたり一緒にパフォーマンスを合わせたりしてメンバー間の相談で決めていくドキュメント映像になることを期待していました。利潤や外野の声を念頭に置かない純然たるKARAに最もマッチしたメンバーを選ぶにはこのプロセスが最適と思っていました。

これは米国のプログレッシヴ・メタル・バンドDream Theaterがリーダー格であったドラマーのマイク・ポートノイ脱退のショックを克服し、2011年に後任ドラマーを7人の候補の中からオーディションで一人づつ一緒に曲をプレイして選ぶ過程をエピソード1~3としてYouTubeで公開していった素晴らしいドキュメントを見て「オーディションとはこうあるべき」と感嘆したことからも感じていたことです。

実力や容姿など以前に「ずっと一緒にやっていく上で人間として合うかどうか」「パフォーマンスがフィットするという感覚以前にメンバーにしかわからない精神的にフィットする要素」というものがベテラン・グループには存在すると思います。

事務所がファン目線中心のオーディションを行った真意は「韓国での人気がヒートダウンしたなかで再度世間をKARAに注目させる」というマーケティング主体の発想と感じます。

ひょっとしたら「KARAのメンバー自体が中心となってオーディションで決めたメンバーではグループとしてはフィットしても可能性として古い殻を打ち破ることができない」という前向きな戦略があったのかもしれません。

今回の手法は注目を上げるには効果的でしたが、メンバー加入の是非、さらにはどのメンバーを入れるべきかに関してネガティブな論争を行ってしまう古参ファンも多く「もし○○が加入したらKARAファンを辞める」という古参ファンも見受けられました。順当にKARAの現メンバーを交えた選考がなされていれば議論の余地はなかったと思います。

いずれにせよあのギュリ、スンヨン、ハラの3人ですから、今までに如何なる事情があったにせよ、ヨンジを活かした新しいKARAを成功に導いてくれることを信じたいと思います。

新体制になったKARAの今後ですが、韓国カムバックは秋になるとのことでそれより前に8月に日本語でのニュー・シングル発売、10月からは3度目の日本ツアーが発表されており、やはり日本活動における収益が事務所運営の基盤となっている事実は変わっていません。

しかし戦略として「より多くのファンに新しいKARAの魅力を感じてもらうためファンの幅を広げ、ライト層も日本活動開始時のように増やしていこう」という強い意向が事務所にあるのか疑問に感じる部分があります。

ファン・ミーディングにおける「日本のファンなら買うだろう」とグッズを法外なぼったくり価格で販売して利益を高めようとする事務所としての姿勢。

「日本のファンなら来るだろう」と稚拙な構成のファン・ミーティングを7,500円の価格設定で1日2回行う事務所としての姿勢。

コンサートのチケット代を値上げしたことによるライト層やファミリー層の離脱はセカンドツアーでも実感しているはず。消費税増税分くらいとはいえ、次ツアーのさらなる値上げはライト層が「おっ、KARAのコンサート9,000円か。行ってみようかな」という感覚の金額ではありません。ファミリー層もこの価格では躊躇するのではないでしょうか。

そこからは「大きくファン層を広げていこう」というものではなく「残った熱心なファンからいかに集金するか」という負のビジネス感覚しか見えてきません。

誤解してはいけないのが、SMエンターテインメントのように強気の価格設定の基礎となるものが、金に糸目をつけない初期韓流ファンである東方神起からの年配女性層がいて、圧倒的に層の厚いボーイズ・グループのファンの流れから高額な少女時代のコンサートにも女性ファン中心に客が集まるという現実だということです。

誤解して高価格なチケット設定で自らファン層を狭めていってるガールズ・グループは少なくありません。

KARAほどになると9千円でもツアーは盛況になるかもしれません。今回初となる2千~3千人規模の地方でのホール・コンサートにも魅力がありますし、9千円払ってでも新体制のKARAのパフォーマンスがどういうものかは見てみたいですが、個人的にはファースト・ツアーのような圧倒的爽快感よりもある種の虚無感が残りそうです。

高額であっても今までのように「え、ここまで凄いのにまだやるの!?」という中毒性のある圧倒的パフォーマンスを持続できるのならライブ・パフォーマーとしてのKARAのブランド力は持続できるでしょう。1日2ステージなどして「え、もう終わりなの?」と感じてしまった時点でその価値は無くなってしまうので、それだけは注意してほしいものです。

原点に戻って本国での活動に力を入れていくというのであれば、大変結構なことなのでぜひがんばってほしいですし、韓国語での新曲にも期待し、TV出演も楽しみにしたいと思います。

KARAに今後一層飛躍してもらいたいが故の事務所に対して切望する個人的な意見でした。

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