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2014/09/01

Kate Bush London Hammersmith Eventim Apollo 2014年8月26日 part1

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■注意:セットリストを含むネタバレが含まれています。
■Note: This feature contains spoilers with setlist.

Kate Bushの35年ぶりの復帰コンサート "Before The Dawn"初日を8月26日にロンドンのEventim Apollo (耳馴染みのある昔の名前はHammersmith Odeon)で見ました。

圧巻すぎて言葉も出ないほど。「ノスタルジックな興行」に陥らずアーティストとして妥協せずに表現し続けることの何たるかを思い知らされたステージでした。

ケイトが前回フル・コンサートを行ったのは1979年5月14日の同会場ハマースミス・オデオンということで、まさに「気の遠くなるような長い年月を経てケイトが帰ってきた」感のあるファンにとっては奇跡のコンサート初日。

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22公演分のチケットは3月28日現地時間10時のオンライン発売とともに数分で完売。私も本当に行けるかどうかもわからずダメモトでトライしたら偶然にも初日のチケットを買うことができました。クレジット清算を終え2日目も取ろうとしたら既に完売でした。チケット代は135ポンド、手数料、保険、送料を含めて163ポンドで人生で一番高いコンサートチケットとなりました。

チケットは公演約2週間前に到着。転売ができないよう購入者の名前が入っており、当日入り口で写真付き身分証明と照合する仕組み。

前日の25日にドバイ経由で雨のロンドン入り。コンサート当日も朝から本降りの雨。

ホテルのTVで見てるBBCのニュースでも「今晩いよいよケイト・ブッシュの35年ぶりのコンサートですねー」と朝から報道しているので、やはりイギリスでは一般的にも大事のようです。

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雨が小止みになり16時頃にハマースミスに到着し会場の下見に行くと既に100人ほどのファンが列を作っていてテレビ局も取材をしており盛り上がっている状態。ケイトのコスプレの女性(なぜか年齢も今のケイトくらいのおばちゃん多し)も何人かいて入れ込みの激しさを物語っています。なんといっても地元なので実際に35年前のコンサートを見た人も大勢来ているでしょうし、まさに「待ちに待った」ファンが押しかけた状態でした。

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同じくケイトを見るロンドン在住の知人と別の場所で待ち合わせて30分ほどお茶して再度会場に。もう開場15分前位で列も膨れ上がり、テレビ局の取材もあちこちに。また小雨が降り始め、列に並んでいる間に身分証明書とチケットに印刷された名前の照合を受けて先に進み入場。

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まずは構成に関するデータ

■開演19時45分、終演22時50分

■途中20分の休憩の入る2部構成で約3時間、全25曲(うち1曲はケイトの息子"Bertie"ことAlbert Macintoshが歌う新曲)

■バックバンドは7人編成、コーラスは5人編成、他にパフォーマー多数

■コーラス&パフォーマーとしてケイトの息子のBertieことAlbert Mcintoshが全面的に参加しており親子共演となった

■演劇的なセットを使用する場面が多く、コンサートというより舞台を見に来た雰囲気。まさに35年前のケイト・ブッシュのコンサートと同じコンセプト

■1st~4thと6thアルバムからは1曲もプレイされず、本編は5thの"Hounds Of Love"と7thの"The Red Shoes"、8thの"Ariel"の3作のみから選曲。

■第1部は後半に"Hounds Of Love"のB面"The Ninth Wave"を完全演奏。歌詞のとおり海での遭難がテーマで、「魚」がモチーフ。パフォーマーは「魚の骨格」をイメージしたFish Peopleを演じている

■第2部は"Aerial"のDisc2 "A Sky of Honey"を完全演奏。「鳥」がモチーフとなっている

■アンコールで最新作の"50 Words For Snow"からも1曲プレイ

■lineup
David Rhodes / Guitar
Frissi Karlsson / Guitar, Bouzouke, Charango
John Giblin / Bass
Jon Carin / Keyboards, Guitar, Vocals, Programming
Kevin McAlea / Keyboards, Accordion, Uilleann Pipes
Mino Cinelu / Percussion
Omar Hakim / Drums

Albert Mcintosh(Bertie) / Chorus
Jo Servi / Chorus
Bob Harms / Chorus
Sandra Marvin / Chorus
Jacqui DuBois / Chorus

■Setlist
01. Lily
02. Hounds of Love
03. Joanni
04. Top of the City
05. Running Up That Hill (A Deal with God)
06. King of the Mountain
・The Ninth Wave
07. And Dream of Sheep
08. Under Ice
09. Waking the Witch
10. Watching You Without Me
11. Jig of Life
12. Hello Earth
13. The Morning Fog
intermission
・A Sky of Honey
14. Prelude
15. Prologue
16. An Architect's Dream
17. The Painter's Link
18. Sunset
19. Aerial Tal
20. Somewhere in Between
21. Tawny Moon (New Song by Bertie)
22. Nocturn
23. Aerial
encore
24. Among Angels
25. Cloudbusting

バンドは1列に配置で左からキーボード、ギター、ベース、ドラムス、パーカッション、ギター、キーボード
コーラスは舞台下手に配置

ギターのデヴィッド・ローズは言わずと知れたPeter Gabrielバンドの人でピーターのライブでも4回見ています。
ベースのジョン・ギブリンはBrand Xの出身でケイトのアルバムにも参加。
キーボードのジョン・キャリンはPink Floydの再結成後のツアーやここ数年続いていたRoger WatersのThe Wallツアーでのサポート・ミュージシャン。88年のフロイドの来日公演と2010,2012年のロジャーのコンサートを見ました。
もうひとりのキーボードKevin McAleaはケイトの79年のツアーにも参加しており、79年から数年Barclay James Harbestのキーボードだった人でした。Hounds of Loveにも参加。
ドラムのオマー・ハキムはWeather Report参加後も有名ミュージシャンのバックでプレイしている大物。1992年8月2日に万博お祭り広場で開催されたLive Under The SkyのTHE MARCUS MILLER PROJECT FEATURING DAVID SANBORNで見たことがあります。ケイトはWeather Report出身のドラマーではPeter ErskineもSteve Gaddもアルバムで起用してるのでファンなのかも。

舞台装置にせよ演出にせよ、小さなホール・コンサートながら、あそこまでできるのは他にはPeter Gabriel, Pink Floydくらいかと。その両方のバックミュージシャンが参加しているのも頷けました。

入場後ロビーは凄い人。入り口すぐのところでパンフレットのみ売っており15ポンドで購入。1Fと2FのロビーでTシャツやマグカップ、ポスター等のグッズを売っているも列を作らずダンゴ状態の人だかりで買うのに時間がかかり過ぎで物色を断念。

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ロビーではビールやワインなどのアルコールを販売しており、他の欧米のコンサート同様にほぼ全ての人がワイワイと飲んでいる状態。椅子のある会場内でもアルコール持ち込み可能で、アイスクリームの売り子が巡回していてアイスを食べながら見ている人も。

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ケイト自身から事前にネットで開演中は撮影禁止の要望があったので、開演前や休憩中のステージを数枚。ほぼ全ての観客がスマホで撮影しており、ステージをバックに2ショットしている人も大勢。上演中はさすがにケイト直々の要請だけあって撮影している人は見かけませんでした。

自分の席はCircleと呼ばれる2階の楕円形に配置された席の2列目。

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開演時間となり大歓声の中最初にバンドが登場し演奏を開始。"The Red Shoes"収録の"Lily"をオープニングにもってくるという渋さ。アルバム・ヴァージョンよりビートが効いているアレンジ。続いて舞台上手からケイトがコーラス隊を引き連れてリズムをとりながら登場。観客の熱狂は凄まじくて登場した時の歓声は鼓膜が破れるかと思うほどの前代未聞の激しさでした。ケイトは黒いゆとりのある衣装に裸足といういでたち。

ケイトはステージ全編に渡ってずっと裸足で、衣装換えもするけど全部黒い衣装。ギターのDavid Rhodesも裸足。

当初は久々のステージ復帰に向けて体も絞り込んでくるのかと思っていましたが、数年前の授賞式の映像で見た「ふくよか」なまま。ケイトなら自分の意思で絞ることも出来ただろうけど、それをしなかったのは「どこにでもいる子育ての終わった母親」である56歳の女性である表現者としてのありのままの自分をみてもらいたかったからなのかもしれません。

声はかなり仕上げて衰え知らずの絶好調。さすがに20代前後だった頃のハイトーンは出ませんが、声に艶があります。前半はほぼハンドマイクを使っての歌唱。後半には70年代にケイトがパフォーマンス用に原型を開発したといっても過言でもないヘッドセットマイク(あの頃の最初期タイプから随分と進化したはず)を使用。

1曲目が終了し、ケイトが軽く挨拶するも歓声の大きさにかき消されてしまう。ケイトが喋っている途中で"Hounds Of Love"のイントロの演奏が始まり、懐かしい曲に観客がさらに熱狂(しかし今回のセットリストではこれが一番古いアルバムなのですが)

2曲目終了後にケイトがバンドとコーラスを"fantastic band, beautiful voice!"という感じに紹介。

次のMCでは美術や照明など裏方チームに讃辞を送り、そしてコーラスで参加の息子のBertieを紹介し、物凄い歓声と拍手。まさか全面的に親子共演が見られることになろうとは。

"Running Up That Hill", "King of the Mountain"と耳馴染みの深いアルバムのオープニング曲が続く。どの曲もアルバム・ヴァージョンを忠実に再現していて、バンドの演奏力の高さを物語っているようです。リズム隊のパワフルさと、ギターのデヴィッド・ローズのフィードバックを多用したアヴァンギャルドなプレイで、名曲が数段パワーアップした感じ。

"King of the Mountain"終了後にステージ前面にスクリーンが降りてきて「望遠鏡で天体観測をしていたらしい男性が、海で難破している船を偶然に発見したと電話で通報している」シーンを上映。「場所はどこだ」と訊かれるも「海の上で場所はわからない!」など会話がかみ合わず観客の笑いを誘う。

そのイントロダクションから予想できるように、遭難した船で漂流する主人公をテーマにした組曲"The Ninth Wave"の完全演奏が始まります。

part2に続く

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コメント

すごいボリュームですね。さすがの文章力で聴いたことないのに聴いた気になってますww。コンサートレポの次は「ドバイ旅行記」があると信じてやまない私です。

投稿: 伊藤@愛媛 | 2014/09/04 02:25

から騒ぎのテーマソングの人って、いま知りました(^^;
日本で言えば中島みゆきさんみたいな感じ?

投稿: tak | 2014/09/04 09:18

>伊藤@愛媛さん

ドバイ旅行記、ほとんど「暑かった」「砂っぽかった」「世界最高のタワーからの景色が凄かった」だけなんですが、近日アップします~!

投稿: tangerine | 2014/09/05 00:25

>takさん

日本で言えば音楽性は違うけど山口百恵(ケイト・ブッシュの1歳下で、ケイト・ブッシュと同時期にコンサート活動終了=引退)と状況が似ています。今、山口百恵が1980年の引退以来34年ぶりに復活してNHKホールあたりでコンサートを22回すると発表したら日本中大騒ぎになるのと同じ感じでイギリス中が大騒ぎになってました。

投稿: tangerine | 2014/09/05 00:28

>山口百恵が1980年の引退以来34年ぶりに復活
わかりやすい例えですね!そりゃ大騒ぎだ。

>旅行記
ドバイでもお腹こわしてないか気になりますww

投稿: 伊藤@愛媛 | 2014/09/06 03:14

初めまして、こんにちは
私も初日に行きました!スペイン在住なので日本からよりは近かったですけど!いつかレポート書こうと思ってもう随分経ってしまいました。
細かい説明と文章力がすばらしいですね!本当に読んでいてその通りだと思います
チケット代は850ポンドもしました。でも席は前から3列目
素晴らしいしか言葉がでません。長くなってしまうので。本当にお互いみれてよかったですね!!

投稿: miyuki | 2014/11/07 10:07

>miyukiさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
スペインから遠征されたのですね。同じ会場で初日に見られていたとは。他にも日本人のかた結構おられたようですね。

850ポンド!凄いです。でも内容からして一生に一度の体験ということで元はとられたかと。

早くライブ・ビデオが見たいところですね。詳細な部分を字幕付きで再チェックしたいです。

投稿: tangerine | 2014/11/10 03:00

初めまして、素晴らしいレポをありがとうございます。
僕も去年の9月にこのライヴを見まして、感銘を受けました。
もうすぐ見てから一年なんだな、と思うと早いですね。
ソフトは今年4月以降に出るとアナウンスされてまだリリースされていないので、ぜひまたあの感動を味わいたいな、と切望しています。

投稿: アーク | 2015/07/30 15:53

>アークさん
コメントありがとうございます。早いものでもう1年なんですね。9月に見られたとのことで、だいぶん内容も成熟してきた頃ではないでしょうか。
ライブのビデオを心待ちにしたいと思います。

投稿: tangerine | 2015/08/06 03:26

はじめまして!自分も昨年、現地で2公演観ることが出来、感動しましたー!もう一年が経つんですね・・・。
ちなみに、同じようにレビューを書かれている方々のブログへのリンク集を勝手ながらまとめてみましたので、よければご確認ください~(このコメントの投稿者名にURLつけてあります)

投稿: music bar Gaffa | 2015/09/13 22:44

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