NICOLE / FIRST ROMANCE & DSP SPECIAL ALUBUM / WHITE LETTER
いろいろあってすっかりレビューが遅れました。ニコルのファースト・ソロ・ミニアルバム "FIRST ROMANCE"とDSPファミリーのクリスマス・アルバム White Letter"の同時レビューにしたいと思います。もっと早く書くつもりが先月から予約していたWhite Letterが発売元からの遅延でクリスマスも終わった26日に到着し、聴き込むことが難しい状況でした。
ニコルのB2Mに事務所を移籍してのソロデビュー・ミニアルバムNICOLE "FIRST ROMANCE"。曲のクオリティーはどれも素晴らしくてボーカルもかなりトレーニングしたみたいでKARA時代より格段に歌唱力が上がっていました。豊富な人脈を意識してか、1stソロにしてはゲストが多すぎて男性ラップの多用なども作品としてのトータル・コンセプトとしては良いのだけど「とにかくニコルの歌声を堪能したい」と思うファンからみたらちょっと耳障りに感じたりも。バラード・マイナ-コード中心の構成ですがソロ・デビューの打ち上げ花火的には溌剌としたメジャーなアップテンポ・ダンスチューンも入れておくべきだったかなと感じました。
同事務所のSPICAのキム・ボアが1曲目に参加してるのが凄いですね。かつてはKARAのボーカル・トレーナー(主にニコルとジヨン)や仮歌入れもやってたそうです。
「7-2=誤解」など意味深いタイトルの曲。訳詩をネットで読みましたがKARAとの決別と苦悩を歌ったと解釈できる部分もあると感じました。
歌番組でのパフォーマンスを観ても普通にKARAではできなかったセクシー路線(KARASIAのソロコーナーで唯一できた)をやりたかったのかなーと思ってました。予想では母国アメリカにもアピールするもっとインターナショナル志向の英語のみの曲も交えたものになるのでは?と思ってたのですがK-POPの王道を行くミニアルバム・スタイルでした。プロモーション活動も韓国内の音楽番組出演とソウルでのファンミーティングのみでまずは地道に地盤を固めようという意志が感じられます。
結局のところ音楽的に事務所を移籍しなければ実現できなかったアルバムかといえばそうでもなく、DSPがやる気を出せばニコルの意向をサポートし、これと同水準のソロ・アルバムを出すことは可能だったと思いますが、現状そういう器量の無い事務所であることは1ファンから客観的に見ても明らかです。
B2MはDSPにてKARAのデビューから成功を収めるまでのマネージメントを担当していたキル・ジョンファ代表が設立した事務所で同じくDSP出身のイ・ヒョリやSS501のメンバー達が在籍するDSPの受け皿的存在で、ニコルも自分のことを理解してくれていて全面的に信頼を寄せられる居心地の良さを最優先したのだと思います。
ニコルが来年に日本での活動を予定していると宣言し嬉しい限りですが、B2Mは日本における活動の基盤が希薄で、どこかの日本の事務所と提携するのか、どのようにマーケット展開する予定なのか興味深いところです。
DSP SPECIAL ALBUM "White Letter"ですが、8曲中5曲が1年前のKARA5人が主演を務めたドラマ『シークレット・ラブ』のOSTで、3曲が先輩アーティストFin.K.Lのカバーという内容。
5人時代のKARAの曲もありCD音源としてリリースされたのは嬉しい限りです。新たなレコーディングの配置やパッケージでうまくコンセプト感を出していますが「1年間冷凍していたクリスマスケーキに新しいトッピングをほどこして出した」的な感も否めません。OSTから削除されている曲もあり、いずれコンプリート版のリリースも期待したいところです。
1曲目の"White"はFin.K.Lのカバーで昨年のDSPフェスティバルでもエンディングで全員で歌った曲で、このアルバムが「クリスマスの事務所アーティスト合同イベント」だったDSPフェスの延長的存在であることをアピールしています。
Rainbowの"One More Time"はFin.K.L第4集のラスト曲と曲名も歌詞も同じなのですが全く別の曲のように仕上がっています。韓国語が分からないのでこのへんのいきさつが不明なのですがRainbowらしいメジャーでポップな仕上がりで大好きな1曲です。
そのFin.K.L第4集に収録の「君の中の私」を"DSP GIRLS"名義でソミンとチェウォンが1年前に歌ってたのは凄いですね。ソミンはPurettyだったので分かりますが、チェウォンは大抜擢的な感が。ピンクル時代の曲なのでコピーライツはDSP所持だろうけど、作詞はイ・ヒョリなんでB2M側でもイ・ヒョリとニコルのデュエットで実現したらと夢想したりします。
男性2組もDSP一家というコンセプトを出すのに良いフックを与えています。普段ももうちょっと活躍してほしいと感じます。
KARAの2曲とギュリとスンヨンのデュエットも、もっと早くCDで聴きたかった名曲。ほっこりした明るさの"My Angel"と希望に満ちた「世界の中で」は苦難の1年を終えて聴くと格別の感があります。
ギュリとスンヨンのデュエットの至高のバラード「最初の愛」もアーティスト指向にシフトしたKARAとして今回のKARASIAでやるべきだったのではないかと。
曲目に目新しさは希薄かもしれませんが、クリスマス・シーズンの冬の日の明るい朝に聴くと清々しい気持ちになる溌剌さがアルバムに漂っており、クリスマスの企画ものとしては大成功していると感じました。
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さて、前回のブログで「コンサート・ツアーでの課題」とDSPに対する希望のようなことを書きましたが、ご承知の通り来年2月14日に「KARA バレンタインパーティー 2015」と題して東京のホテルにて3万9千円の料金で1日2公演のディナーショーを開催するとの告知がありました。
KARAが苦境にあったこの1年の間、KARAを信じ続け応援し続けてきた日本のファンに対するひとつの回答であり、結果が出たと感じます。
物事の価値観など個人の生活状況や思い入れ次第で様々かと思います。難なく参加できる方もおられるでしょうし、どんなに無理をしてでも参加したいと思う方も多いかと思います。
KARAのメンバー自身は事務所から与えられた仕事を全力でこなすのみかと思いますので参加する方は楽しまれることを望みたいです。
私はしばらくはKARAを遠くから見守り、新曲を楽しみにしたいと思います。
ニコルの日本ソロ活動の成功、ジヨンの女優・モデルとしての日本での更なる活躍も祈りつつ、本年を終えたいです。皆様良いお年を。
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コメント
tangerineさん、今年も一年間たくさんのレビューの執筆お疲れ様でした。
そして本当に有難うございます。
KARAとKARAを巣立っていったメンバー達の更なる活躍と飛躍を、心よりお祈りしています。
tangerineさんも風邪などお召しになりませんよう、どうぞ良い年末年始をお過ごしください。
投稿: 千葉ひろ | 2014/12/31 18:57
こんにちは、tangerineさん。
久々にtangerineさんらしいトーンの内容ですね。
今年の〆に読めて嬉しいです。
さて、ニコルに対してですが、確かにバラード中心のオトナシイ(o^-^o)曲の構成であり、私も少し物足りなさを感じていました。
ただアルバム全体を通してリピート再生して聞いていると、もう少しスタンダード曲も聞いてみたい気がしました。
ふっ、と思ったのですが、ちょっとニコルには若すぎますがLINDA RONSTADTが歌った"I Love You For Sentimental Reasons"を思い浮かべてしまいました。
唇をマイクに押し付け、身体を揺らして歌うニコルの姿を想像してしまいました。
すみません、ちょっと妄想が行き過ぎてしまいました。
日本での活動では、アクティブなダンス曲も取り入れて欲しいですね。
レーベルはどこが受け持つんでしょうね。
"White Letter"は確かにXmasを意識したアルバムですが、今でも良く聴いています。
非常に心地よく聴いていられます。
来年は、こういった収録曲も取り混ぜて"聴かせるコンサート"を行って頂けると嬉しいです。
2/14の件は、最初めったにこんな事はないだろうしどうしようかな、と考えたのですが・・・。
きっとトロッコもあるんでしょうね(^-^;
ほかの企画考えられなかったのでしょうか?
ハラちゃんの『ON&OFF』見終えたのですが、ハラちゃんの気持ちとは裏腹に、みたいな感じでなんか興ざめます。
生活には必要なんでしょうかねぇ???
来年もロックを中心に情報発信をお願いします。
tangerineさんも良いお年をお迎えください。
投稿: b.t | 2014/12/31 20:30
tangerineさん、あけましておめでとうございます。今年もよろしお願い致します。
昨年は多くの記事のアップありがとうございました。
昨年はKARAを取り巻く状況もセンシティブであった為、記事のアップ一つにも色々と気を遣われる事もあったかもしれませんが、常に多くの読み手へ配慮されているその文面から、いつも心地よく、楽しく、また感心しながら読ませていただきました。
今は個々が新たな道を歩きだしましたが、その高いプロ意識とファンに対する真摯な姿勢は以前と何ら変わらぬ事に安心し、今は穏やかな気持で見守っています。
投稿: KARASF | 2015/01/01 02:43
>千葉ひろさん
心のこもった年末のご挨拶ありがとうございました。
今年もKARAメンバー、ニコル、ジヨンの活躍を楽しみにしたいです!
投稿: tangerine | 2015/01/03 11:38
> b.tさん
私らしいトーンといっていただけるととても嬉しいです。昨年後半ちょっとスランプなところがあってあまり文章が書けず申し訳ありませんでした。
ニコルのリンダ・ロンシュタット、絶妙なアイデアのカバーですね!昔初来日公演のライブをFMで放送し録音して何度も聴いたのを思い出します。ニコルにはアメリカの女性シンガーソングライターなども研究してほしいところですね。
2/14の件は集金営業せざるをえない事情があったのかもしれませんが、いくらなんでもなーというのが本音です。おそらく客層も男性中年層がほとんどとなってしまうのではないでしょうか。昨年やったマカオの超高級ホテルでの3人でのディナーショーと同等の感覚なのかもしれませんし、別途ちゃんとしたファンミもあるかもしれませんね。
ロックは後半イエスとかいろいろ見たのですがレビュー遅れております。今年もなんとかいろいろ見たいところです。本年もよろしくお願いします!
投稿: tangerine | 2015/01/03 11:46
>KARASFさん
「常に多くの読み手へ配慮されているその文面」と言っていただけとても光栄です。
たぶんもっと過激に本音を書いた文を読みたいと思われる方もおられるでしょうし「ネガティブなこと書くくらいなら書かないほうがまし」と逃げモードだった部分もありましたが、去年は私生活の状況もありあまりネガティブなこと表に出したくない感じでもあったので。
KARAメンもニコルもジヨンもいつもどおりの仕事とファンに対する真摯な姿勢を見せていて、本当に応援してきてよかったと思いますね。今年も飛躍の年にしてもらいたものですね。
投稿: tangerine | 2015/01/03 11:52
今年もtangerineさんのレポート楽しみにしてます。
nicoleも始動した事ですし、前向きに行きたいと思います。といいながら、今だに2013の2Nightの呪縛から解き放たれないでいるんですが(^_^;)
私はいち早く1月10日、SSAに参戦してきます。ようやく、やっと、日本にもKARAに負けないグループが現れました。
投稿: tak | 2015/01/08 12:30
>takさん
本年もよろしくお願いします。
今年はニコルの日本活動も楽しみですね。
1月10日いいですねー。なかなかギリギリまで予定がつかず、行きたいと思ったころにはチケットも完売で今回は見送りです。しかし2万席+立ち見までソールドアウトとは凄いですね。社会現象化してるようです。
武道館のブルーレイとCDは買いました~
投稿: tangerine | 2015/01/09 17:55
tangerineさん、エドガー・フローゼが・・・(涙)
投稿: トースケ | 2015/01/25 23:39
>トースケさん
とてもショックで残念です。追悼文を執筆中です。少々お待ちください。
投稿: tangerine | 2015/01/28 00:21
初めまして!!
自分は関東Kamiliaのトモと申します。
いきなりの投稿失礼します。
色々Karaの情報見てるときにここにたどり着きまして、色々Karaのblogを読ませていただいていてものすごく自分の考えている事とかと一致する部分が多すぎて共感受けまして思わず投稿させていただきました。
特に現在のDSPのやり方などには本当に同感でして!!
これからKaraはとういうよりDSPはどういう方向性で打ち出していかれると思われますか?
是非ご意見いただきたいです。
投稿: トモ | 2015/03/23 05:21
>トモさん
はじめまして。コメントありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ありません。読んでいただきありがとうございました。
DSPに関してはバレンタインパーティーのイベントとしての質が3万9千円の料金に見合う内容ではなかったという評判をネットで読んで、総合的にヘタなことしてしまったなという思いですね。それでも喜んでいる日本のファンの寛容さにとことん付け込んでいるという印象です。チケットが完売しまだまだ希望者がいるという現状ではこの営業形態は続くと思いますが「新しいファンを積極的に増やす」ことより「残ったファンからいかに集金するか」という運営方針に醒めてしまった部分があります。
個人的にはKARA PROJECTに参加していたDSP練習生ソジンの自殺もDSPの方針から距離を置いている理由となりました。KARA PROJECTの番組に関しては賛同できる要素が無かったので1回も観ておらず(多摩プラーザのライブシーンのみ観ました)ソジンがどういう人なのかなど全く知りませんが、あまりにも気の毒な残酷すぎる結末でした。本当の理由など当事者でないと分からないだろうし憶測で物を語ることはしたくないので何とも言えないのですが、そもそもああいう番組形式のオーディションにしなければ大事にならずソジンもそこまで深刻にならなかったのではないかと感じます。
この件に関してはKARAのメンバーには事務所から緘口令が敷かれたのだろうと思いますが、それにしても弔辞の一言すら許されず対外的に何事もなかったように振舞わなくてはならないのはどうかと。メンバー達も心底辛い思いをしているだろうし語りたいこともあるのではないかと思います。自殺者が出ることが珍しくない韓国芸能界の陰湿な部分を再確認させられた気分です。
KARAのニューシングルはGOGOサマー風の溌剌とした明るいものとのことで再度日本のライト層にアピールする方向のようですが、個人的には当面の間は気持ちを切り替えることができそうにありません。新たにデビューするといわれるAPRILに関しても同様です。
多くのファンが無理にでも気持ちを切り替えてKARAの前進を応援したがる気持ちも理解できますが、しばらくはソジンさんを追悼したいと思います。
投稿: tangerine | 2015/03/28 01:38
tangerineさん、お久しぶりです。しばらくコメントがなかったので心配していました。ソジンさんの件、私もとてもショックでした。karaから、ジオンとニコルが脱退し、その後KARA Projectが始まった時、DSPの罠にはまっている自分を抑えながら、リアルタイムでこのプロジェクトを追いかけていました。トップバッターでソジンを見たとき、ニコルとの面影が重なり、純粋に気持ちが高ぶってしまいました。その後、Projectメンバーとのやりとりや、多摩プラザのライブなど見ながら、絶対にソジンにKARAに入って欲しいと思い、毎回スマホでソジンに投票していました。妻といっしょにKARAのフアンになって4年目、50数年の人生の中で、KARAだけは絶対に失いたくないという思いで必死に応援してきました。その後、いろんなことがあって、KARAの新メンバーはヨンジに決まりました。昨年も妻と福岡のKARAサードツアーに行きました。ヨンジも頑張っていたので、これからもKARAを応援しようと思いました。そして、1年後にきっとソジンを追加加入させてくれるだろうなという淡い期待をもっていました。そして、今年、とんでもないニュースが耳に入ってきました。ソジンの自殺。。。どうして、なぜ、。。。私はkARAから離れたくない。でも、身の置き場にない虚無感が私を襲っていました。思えば、最近のKARAは楽しい話題が少なすぎます。スンヨンが出演したというので、楽しみにして見た韓国歴史ドラマの「チャンオクチョン」では、スンヨンは最悪の悪役を演じていました。同じ役柄なら、「トンイ」を演じてくれればよかったのに。。。すいません、とりとめのないコメントを書きました。tangerineさんどうか許してください。とりあえず、KARAの新曲を待つことにします。ではまた。
投稿: たむまさ | 2015/03/30 05:56
>たむまささん
コメントありがとうございます。ご心配をおかけしました。家庭の事情でいろいろ大変でブログも停滞しております。
ソジンの件は関係者にとっても本当にショックだろうしメンバーたちもポジティブに仕事を進める気持ちにはなかなかなれなかったのでしょうけどメンバーチェンジして軌道に乗ってきたKARAをここで頓挫させるわけにもいかず粛々とスケジュールを進めているのだろうと思います。しかし結果的に故人を黙殺している形になり嫌な気分になってしまいました。
スンヨンの悪役は事務所的なイメージ作りとしてはマイナスだったのかもしれませんね。それを差し引いても仕事を引き受ける何かがあったのかと。しかし韓流ドラマにありがちな「視聴者がものすごく気分が悪くなるほどの悪役」を見事に演じきれていたのなら役者としてはワンステップ成長できて良かったのではないではとも感じます。ギュリにもいつか悪役を演じてもらいたいものですね。
投稿: tangerine | 2015/04/02 10:02