芸能・アイドル

2014/12/31

NICOLE / FIRST ROMANCE & DSP SPECIAL ALUBUM / WHITE LETTER

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いろいろあってすっかりレビューが遅れました。ニコルのファースト・ソロ・ミニアルバム "FIRST ROMANCE"とDSPファミリーのクリスマス・アルバム White Letter"の同時レビューにしたいと思います。もっと早く書くつもりが先月から予約していたWhite Letterが発売元からの遅延でクリスマスも終わった26日に到着し、聴き込むことが難しい状況でした。

ニコルのB2Mに事務所を移籍してのソロデビュー・ミニアルバムNICOLE "FIRST ROMANCE"。曲のクオリティーはどれも素晴らしくてボーカルもかなりトレーニングしたみたいでKARA時代より格段に歌唱力が上がっていました。豊富な人脈を意識してか、1stソロにしてはゲストが多すぎて男性ラップの多用なども作品としてのトータル・コンセプトとしては良いのだけど「とにかくニコルの歌声を堪能したい」と思うファンからみたらちょっと耳障りに感じたりも。バラード・マイナ-コード中心の構成ですがソロ・デビューの打ち上げ花火的には溌剌としたメジャーなアップテンポ・ダンスチューンも入れておくべきだったかなと感じました。

同事務所のSPICAのキム・ボアが1曲目に参加してるのが凄いですね。かつてはKARAのボーカル・トレーナー(主にニコルとジヨン)や仮歌入れもやってたそうです。

「7-2=誤解」など意味深いタイトルの曲。訳詩をネットで読みましたがKARAとの決別と苦悩を歌ったと解釈できる部分もあると感じました。

歌番組でのパフォーマンスを観ても普通にKARAではできなかったセクシー路線(KARASIAのソロコーナーで唯一できた)をやりたかったのかなーと思ってました。予想では母国アメリカにもアピールするもっとインターナショナル志向の英語のみの曲も交えたものになるのでは?と思ってたのですがK-POPの王道を行くミニアルバム・スタイルでした。プロモーション活動も韓国内の音楽番組出演とソウルでのファンミーティングのみでまずは地道に地盤を固めようという意志が感じられます。

結局のところ音楽的に事務所を移籍しなければ実現できなかったアルバムかといえばそうでもなく、DSPがやる気を出せばニコルの意向をサポートし、これと同水準のソロ・アルバムを出すことは可能だったと思いますが、現状そういう器量の無い事務所であることは1ファンから客観的に見ても明らかです。

B2MはDSPにてKARAのデビューから成功を収めるまでのマネージメントを担当していたキル・ジョンファ代表が設立した事務所で同じくDSP出身のイ・ヒョリやSS501のメンバー達が在籍するDSPの受け皿的存在で、ニコルも自分のことを理解してくれていて全面的に信頼を寄せられる居心地の良さを最優先したのだと思います。

ニコルが来年に日本での活動を予定していると宣言し嬉しい限りですが、B2Mは日本における活動の基盤が希薄で、どこかの日本の事務所と提携するのか、どのようにマーケット展開する予定なのか興味深いところです。


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DSP SPECIAL ALBUM "White Letter"ですが、8曲中5曲が1年前のKARA5人が主演を務めたドラマ『シークレット・ラブ』のOSTで、3曲が先輩アーティストFin.K.Lのカバーという内容。

5人時代のKARAの曲もありCD音源としてリリースされたのは嬉しい限りです。新たなレコーディングの配置やパッケージでうまくコンセプト感を出していますが「1年間冷凍していたクリスマスケーキに新しいトッピングをほどこして出した」的な感も否めません。OSTから削除されている曲もあり、いずれコンプリート版のリリースも期待したいところです。

1曲目の"White"はFin.K.Lのカバーで昨年のDSPフェスティバルでもエンディングで全員で歌った曲で、このアルバムが「クリスマスの事務所アーティスト合同イベント」だったDSPフェスの延長的存在であることをアピールしています。

Rainbowの"One More Time"はFin.K.L第4集のラスト曲と曲名も歌詞も同じなのですが全く別の曲のように仕上がっています。韓国語が分からないのでこのへんのいきさつが不明なのですがRainbowらしいメジャーでポップな仕上がりで大好きな1曲です。

そのFin.K.L第4集に収録の「君の中の私」を"DSP GIRLS"名義でソミンとチェウォンが1年前に歌ってたのは凄いですね。ソミンはPurettyだったので分かりますが、チェウォンは大抜擢的な感が。ピンクル時代の曲なのでコピーライツはDSP所持だろうけど、作詞はイ・ヒョリなんでB2M側でもイ・ヒョリとニコルのデュエットで実現したらと夢想したりします。

男性2組もDSP一家というコンセプトを出すのに良いフックを与えています。普段ももうちょっと活躍してほしいと感じます。

KARAの2曲とギュリとスンヨンのデュエットも、もっと早くCDで聴きたかった名曲。ほっこりした明るさの"My Angel"と希望に満ちた「世界の中で」は苦難の1年を終えて聴くと格別の感があります。

ギュリとスンヨンのデュエットの至高のバラード「最初の愛」もアーティスト指向にシフトしたKARAとして今回のKARASIAでやるべきだったのではないかと。


曲目に目新しさは希薄かもしれませんが、クリスマス・シーズンの冬の日の明るい朝に聴くと清々しい気持ちになる溌剌さがアルバムに漂っており、クリスマスの企画ものとしては大成功していると感じました。

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さて、前回のブログで「コンサート・ツアーでの課題」とDSPに対する希望のようなことを書きましたが、ご承知の通り来年2月14日に「KARA バレンタインパーティー 2015」と題して東京のホテルにて3万9千円の料金で1日2公演のディナーショーを開催するとの告知がありました。

KARAが苦境にあったこの1年の間、KARAを信じ続け応援し続けてきた日本のファンに対するひとつの回答であり、結果が出たと感じます。

物事の価値観など個人の生活状況や思い入れ次第で様々かと思います。難なく参加できる方もおられるでしょうし、どんなに無理をしてでも参加したいと思う方も多いかと思います。

KARAのメンバー自身は事務所から与えられた仕事を全力でこなすのみかと思いますので参加する方は楽しまれることを望みたいです。

私はしばらくはKARAを遠くから見守り、新曲を楽しみにしたいと思います。

ニコルの日本ソロ活動の成功、ジヨンの女優・モデルとしての日本での更なる活躍も祈りつつ、本年を終えたいです。皆様良いお年を。

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2014/11/29

KARASIA 横浜アリーナ 2014年11月19日 ライブビューイング

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KARAの3rdツアー最終日11月19日横浜アリーナのライブ・ビューイングを梅田ブルク7で見ました。

前回に書いたとおり、今回のツアーは家庭の諸事情で遠征できず、大阪公演は日程が合わず2日目に無理して当日券狙いで会場に行くも、当日券は既に完売し生で見ることができませんでした。

本当に無理をすれば1回くらいは見ることができたのかもしれませんが、今年に入っての私事の精神的に辛い現状を乗り越えるための「願掛け」みたいなものも心の片隅にあったりしました。

さらには世界中のKARAファンのなかでほんの僅かな日本のファンだけがKARAのコンサートを見ることができる状況において、一昨年のソウル公演から1stツアー、東京ドーム、2ndツアーと計18回もKARASIAを幸運にも観られたことへの感謝もあって、今回はライブ・ビューイングに留めました。

既に膨大な感想がツイートやブログに書かれており、ライブ・ビューイングを観ただけの私としてはディテールをレポートするまでもないので、雑感に留めたいと思います。

4人になっての初めての新生KARAのコンサート・ツアー、5人のラインナップでのKARASIAと比較しても何ら遜色なく、アーティストとしてはさらに成長しパワーアップしたともいえる内容で、4人で一丸となって新生KARAの新たなる第一歩を大成功に収めた内容だったと感じます。
5人用に書かれた曲や振り付けを4人用にアレンジし直してのパフォーマンスには1からの努力と膨大なエネルギーが必要だったと思いますが、違和感なく新フォーメーションでの再構築に成功しており、さすがとしか言いようがありません。

1年以上前の"Fantastic Girl"から今更ながら多く取り上げたセットリストは微妙な感もありますが、ライブ・レパートリーを増やし新曲に挑戦していく意味ではマニアにとっては嬉しかったともいえるでしょう。でもラスト近くの涙のトークの後の「POP STAR」などはちょっと冷めてしまいました。

ヨンジの貢献ぶりは正規デビューやフル・コンサートの経験が皆無とはとても思えないほどで、想像もできないほどのプレッシャーの中、堂々たるKARAのステージ・デビューを飾ったといえるでしょう。ヨンジはまだ新メンバーとしてどことなく先輩に遠慮がちな部分も垣間見られているようですが、今回の10回のステージで劇的な成長をとげ、日本のKAMILIAから圧倒的な支持を得ての自信で、KARAのメンバーとしてさらに打ち解けての更なる結束を深めた今後のステージが早くも楽しみなところです。

何よりも松田聖子の「天使のウィンク」にヤラれてしまった中年ファンは多いと思います。オリジナルの味わいを絶妙に踏襲しててリアルタイム世代としてはひたすら感動でした。ただのカバーじゃなく松田聖子の何たるかをちゃんとわかってるようで嬉しかったです。

他メンバーのソロも多くのメッセージを込めていて、去った2人のメンバーに対する想いなども見受けられるという分析をされておられるブログやツイートを沢山拝見し感動しました。特にハラちゃんのソロにおけるアカペラから始まる歌唱力には感動で身震いしてしまいそうな技量と歌心を感じてしまいびっくりです。

スンヨンはもう妖艶といえるほどの女性らしさで、KARA随一の「セクシー担当」になってしまい、もう「最強の童顔」だった頃は遠い過去のよう。
KARAがたどたどしい日本語で日本デビューした頃から遥か遠いところまで来てしまったことを実感してしまいます。

BABY KARAの飛び入りも、既に今の貫禄あるアーティストとなったKARAでは、いささか初々しさに欠ける"Honey"をフレッシュに歌って華を添えられたと思いますし、なぜか今回セトリから外されていた"Jumping"のパフォーマンスはまだ未熟感がありますが嬉しいサプライズだったと思います。"Honey"を本来のかたちで日本のKARASIAで観られたのは貴重でした。

トーク部分も今回は地方公演から長めで充実してたとのことで、いつものグダグダ・トークや脱力ギャグなど含め本来のKARASIAの魅力をさらに引き出していたとのことで日本語での表現力の豊富なKARAでこそなせる技で、みんなそれを楽しみにしているのだと改めて認識。

ライブビューイングで観たトークはツアー・ラストということでギュリが前回ツアーの終了後からの空虚さを心に空いた穴と表現して、もらい泣き。ギュリがリーダーとしてどれだけ苦しんだかと思うと、新生KARAとして再出発できたことを本当に祝福し称えてあげたいと思います。

しかし涙のトークのあとのハラちゃんからせかされてのスンヨンの気をとりなおしての「ギャー!」というカラスのモノマネがホラーで怖すぎでしたし、ギュリの「KARASIAだからカラス」というダジャレで頭が真っ白になり、その後帰宅までの記憶が無く、呆然と「カラシアだからカラス・・・カラシアだからカラス・・・」と呟きながら夜道を歩いていたのでした。昨年の神戸の「さいこうべ・・・もりあがっていこうべ・・・」に続き女神最強伝説は健在でした。

ということで、「いつもどおりの安心安定のKARASIA」は健在でなおパワーアップしつつあることが確認でき、次のツアーが待ち遠しくなったライブ・ビューイングでした。


個人的に感じるコンサート・ツアーでの課題

・横浜アリーナ平日の18時半スタートというのは、少なくとも9,000円のチケット代を払える社会人層としては非現実的な開演時間かと思います。当日券まで完売で私が観られなかった大阪は土曜日の17時スタートということで普通の会社員層も参加しやすく、遠征組も日帰りできる余裕があったと思います。動員を伸ばすのは最低限そこをクリアするべきかと。

・やはり9,000円というチケット代はコアなKARAファンを対象としており、10代学生層などには厳しいと感じます。アリーナでの空席数をみてもライト層も含めて新たにファンを増やす心算があるならリーズナブルな料金体系を再考する余地はあるかと思います。動員の増加はさらにグッズの売り上げ向上にも繋がりますので。チケット代よりもむしろグッズの販売のほうが膨大な利益をもたらす現実を見据えるべきかと。全てのファンがお金に糸目をつけずKARAのコンサートを生で観ることに飢えていたK-POPバブルの時代ではないことを認識する必要があるかと思います。

・KARAに限ったことではありませんが良席のチケットがオークションに大量に出品される現状や、良席目当てに複数のIDで必要以上の枚数のチケットを購入して「友達が行けなくなったので」「空席をつくりたくないので」と転売する人も多く、このへんのことを考えると転売が難しいスマホや携帯での電子チケット化を早期に実施してほしいと思います。

・1stのサインボールのように今回はサイン・チェキ付きのキャンディーを客席に投げ配るパフォーマンスがあったようで、「遠方から見ているファンには不公平感しかない」との意見も見受けられます。おおむね日本のファンは幸運にゲットできた人を広い心で祝福してあげられる余裕があるかと思いますが、客席で一部が暴走して奪い合いで怪我などの事故が起こる可能性は低くないと感じます。ホール・コンサートでは客席通路をメンバーが歩く時にタッチしようと一部が暴走してメンバーや他の観客が危険だったとの話もあり、このへんは安全策を高めてほしいです。

・事務所としてDSPはRainbowとA-JAXを軌道に乗せるべく努力するべき。BABY KARAなどのKARA Projectオーディションはそれがうまくいってる前提でないと遅かれ早かれ同じ道を行ってしまうのではないでしょうか。ドラマやミュージカルなどのソロ活動で多忙なのもあるでしょうが、ガールズ・グループとしてRainbowを活動停止状態にしておくのはこれ以上無い宝の持ち腐れです。Rainbowの才能と可能性はパフォーマンスを見ても明らかなので、10曲程度のファンミではなく、きちんとした2時間フルの単独コンサートをライト層でも見易い上限7,000円程度のチケット代で実施するべきと思います。本当は2年前の状態でやっておくのが理想でしたが、今からでも巻き返しは不可能ではないと思います。ただし少なからずの他のK-POPグループがやっているような、スケジュール管理も行き届いていない状態で、準備不足でステージ演出も予算のかかっていない手抜きとも捉えられかねないコンサートを9,000円前後の価格で1日2回やるというような「あからさまな集金営業」をしたら全て終わりになると思うのでご注意を。


1月2日にはWOWOWで横浜ラストの模様が放送されるとのことで、年明けが待ち遠しいです。
ジヨンが日本で女優やモデルとして充実した活動を行い、ニコルも満を辞してのソロ・デビューを実現させた今、KARAも含めてさらに今後の展開が本当に楽しみです。

setlist
01. マンマミーア!
02. Pandora
03. Lupin
04. ハッピー ハッピー ラブ
05. レスキューミー
06. So Good
07. 天使のウィンク (松田聖子) / ヨンジ
08. Love The Way You Lie (Rihanna)
   Dirrty (Christina Aguilera) / スンヨン
09. みんな空の下 (絢香) / ハラ
10. Hush Hush; Hush Hush (The Pussycat Dolls) / ギュリ
11. Pretty Girl
12. ジェットコースターラブ
13. ガールズ パワー
14. Rock U
15. Honey / BABY KARA
16. ジャンピン / BABY KARA
17. Good-bye days (YUI) / ギュリ&スンヨン
18. Crazy In Love (Beyonce) / ハラ&ヨンジ
19. 一番にわたしを抱きしめて
20. フレンチキス
21. プロミス
22. POP STAR
23. ミスター
encore
24. GO GO サマー!
25. SOS
26. STEP

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2014/11/16

KARA 大阪市中央体育館 2014年11月15日

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KARAの大阪公演、今回は家庭の諸事情で難しい状況でしたが、2日目当日ダメモトでなんとか会場に行ってみるも当日券は無く無念でした。元々今回は行けないスケジュールだったので仕方ないです。中央体育館ソールドアウトは凄いです。

メンバーチェンジ後の初ツアー、ヨンジの仕上がりも上々でパフォーマンスも最高の内容とのことで今後も期待できそうです。

 
2011年に知り合った福岡のKAMILIAさんで1stツアーの頃から(正確にはKARAが契約問題から復活した最初の日本での出演イベントの2011年7月13日Music Bank In Tokyo Domeから)KARAを一緒に見ているふくりんたーさんが3rdツアー初日・2日目の福岡公演の素晴らしいレポートを書いておられますのでリンクを貼っておきます。


(ネタバレ注意)KARASIA 3rd 初日

(ネタバレ注意)KARASIA3rd福岡2日目

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2014/09/21

KARA / Day & Night ・ マンマミーア! 日本一遅いレビュー

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申し訳ありません。おそらく日本で一番遅いKARAの新作レビューになるかと思います。すっかりタイミングを逸してしまった感があります。

ロンドンから帰国後に前日に到着してた"Day & Night"のCDをコンビニで受け取り、続いて日本盤の『マンマミーア!』のシングル初回限定盤Aを買うつもりが、まさかの発売と同時の売切れ。今までこんなことはなかったのでプレス枚数を見誤ったのかと思いましたがどうなんでしょう。

アマゾンもHMVもJoshinも品切れで、タワレコのみ入荷予定があり注文するも、再入荷し発送・到着したのが9月8日でした。その時だけ一時的にアマゾンやHMVにも入荷してたので、予約キャンセル分かと思いきやチケット先行抽選シリアルナンバーが入ってなかったので再プレスしたのでしょうか。

曲ごとの感想とかも書いてみたのですが、今更ブログに書いても新鮮味ないなーと思い、煮詰まった状態でずるずる日々が過ぎていくので、もうオンラインの状態で書きなぐってしまおうかと。

"Day & Night"、グループ存続の最大のピンチを最高の作品を作ることによって大きく飛翔できた傑作だったことに本当に安心し感動しました。

続く日本語ヴァージョンのシングルも、日本デビュー曲『ミスター』以来の韓国先行発売曲の日本語カバーということで、この方針も大成功だと感じました。

日本オリジナル・シングルには、はっきり言ってしまえば駄作もあり(特に前作)、潔く本国ヴァージョンをそのまま売り出したほうがアーティストとしてのクオリティーを維持できるのにと感じていたのでした。

まあ『GO GO サマー!』のように「あちゃ~」と頭を抱えていたものが、日本でのKARA最大のヒットとなったような誤算もありますが。あれは本当に裏をかかれたなーと思うとともに当時の製作サイドのマーケティング力の素晴らしさに感服しました。

その「GOGOサマ」をわざわざ韓国語ヴァージョンにして初めて本国KAMILIAに披露した8月18日のショーケースからみても、新機軸のヴァリエーションに富んだKARAを感じるものがありました。

イダンヨプチャギのサウンドプロデュースはGirl's Day, Apinkなどの最近のトップ・ガールズ・グループの楽曲を意識しつつも前作"Full Bloom"の"1+1"や"In The Game""2Night"などの明るくて跳ねる感じの路線を推し進めたようなエレクトリック・ファンク路線を堪能できるものになっていました。

メンバーチェンジによる違和感のないボーカリゼーションの気持ちよさ。ひたすらポジティブで心地よいサウンド。メンバー4人の歌声のミックス加減が絶妙です。逆をいうとヨンジのボーカルの個性がまだ弱めに感じてしまうところも。

"So Good"でのハラちゃんのラップにはびっくりで、今後のライブにおける過去曲でも披露するか楽しみなところです。

ヨンジのパフォーマンスにおける溶け込み具合の自然さが尋常じゃなくて新加入とも思えないほど。別の見方をすれば冒険的で斬新なメンバーが入らなかったことで新鮮さに乏しい部分はあるかもしれません。KARAにピッタリすぎて安全コースを選んでしまった感が無きにしも非ずという感じ。

アルバムラスト曲のギュリ、スンヨン、ハラが作詞した『物語』(Story)はレコードのスクラッチノイズの効果音から始まり、KARASIAファーストの衣装替えの時に上映されたメンバーがレコードを愛おしそうに手に取る映像を思い出しました。

「私たちの思い出が、美しい記憶が遠ざかる。息が止まりそうで、涙でにじんで消されるようで、あなただけに言うことができない話」(自動翻訳ソフト使用し意訳)という詩の内容は過去に多くのロック・グループなども作っている「去っていったメンバーに対するメッセージ」が暗喩されているとも感じました。

プロモーション活動は韓国に重点が置かれ、日本でのプロモーションは1泊2日だけでTV生出演は「スッキリ!」のみ、ライブは「お台場新大陸」のミニライブのみという潔さ。あのMUSIC JAPANでさえコメント出演のみというあっけなさ。

コメンタリーのみの出演はそこそこありましたが、いずれも表情が固くて以前のような明るくて溌剌とした雰囲気ではなく緊張し憔悴しているようにも見えるほどでした。唯一「王様のブランチ」でのスンヨンへの今更の蚊の鳴きマネのムチャ振り時に「なんですか!この流れは!」というスンヨンの言葉で、パッ!といつもの笑いの絶えないKARAが蘇った感じがしました。これが日本で愛されるKARAの表情なんだと。

韓国では歴史あるファンサイトも脱退騒動で分裂したりして、ファン層が不安定なこともあり、本国でしっかりと足場を固めKARAとしてのパフォーマンス力を今一度たっぷり時間をかけて披露したかったのかもしれません。TV出演はいくつか見ましたが、どれも素晴らしいパフォーマンスで、"So Good"の躍動感から"Mamma Mia"の絶頂感への流れは何度見ても昇天しそうです。

チャートは日韓ともに以前ほど満足いくものにはなりませんでしたが、日本盤もプロモーション活動不足や販促イベント無しの状態を考慮すると健闘したほうではないかと思います。韓国ではやはりメンバーチェンジによる古参ファンのしこりが残っていることと、それまでの約半年間のブランクによる一般的な知名度の低下が影響したのかと。

10月からの大規模なツアーがどういう構成になるのか興味深いところですが、シングルのプロモーション不足やチケット代金が過去最高に高額なこともあって、集客力はどうなのだろうと思うところもあります。

今回は家庭の諸事情で地方遠征はラストの横浜も含めて行けそうになく、大阪公演も割とギリギリまで予定が立つか不明という感じで、過去のようなレビューが書けないのは申し訳ない限りです。ラストのライブ・ビューイングはなんとか見たいところです。

ジヨンも日本の芸能事務所と契約し、いきなりのオールナイトニッポン出演~10月からのドラマ出演と大きく羽ばたこうとしており、ニコルの活動再開も含めて、KARAファミリー全ての活躍を見守っていきたいです。

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2014/08/23

東京パフォーマンスドール 名古屋、大阪公演 2014年8月12, 22日

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■注意:セットリストを含むネタバレが含まれています。

東京パフォーマンスドールの初ワンマン・ツアー『LIVE TOUR2014夏 DANCE SUMMIT "1×0" ver.1.0』を8月12日に名古屋ダイアモンドホール、8月22日に梅田クアトロで見ました。

結論から書くと、MC無しノンストップ90分というステージ構成は現在日本で観られるアイドル・グループのパフォーマンスとしては他の追随を許さないオリイナリティー溢れるもので、現状の日本アイドルシーンのハードルを数段上げてしまった内容でした。そして若さから溢れる無限のスタミナでは先代TPDを凌駕していたとも感じました。

6月のリリース・イベントでファンになり、7月の芝居とパフォーマンスが融合した『PLAY×LIVE』大阪公演を全5回観て、単独コンサートを観たいという欲求が頂点に達した状態での最高のタイミングでのコンサート・ツアーということで、当初大阪のみ鑑賞予定が、がまんできず急遽名古屋まで遠征。

仙台における野外合同イベントをストリーミング放送で観た時の他のアイドル・ファンからのポジイティブな反応の大きさに手応えを感じ、それは8月2, 3日に開催された東京アイドル・フェス(TIF)にて確かなものになったようです。固定の劇場を飛び出してのこのイベントの参加でファンは一気に倍以上に増えたのではないでしょうか。

上西星来の地元ということもあり、名古屋ダイアモンドホールは観客動員も上々。というか初日への爆発しそうな期待が実感できる空気が漂っていました。

大阪、梅田クアトロの観客の込み具合と狭さ加減はまさに「あの頃の原宿ルイード」を再現したかのよう。そう、これこそが本当のダンサミの雰囲気。そして阿倍野と西宮のリリイベで猛威を震った高嶋菜七応援隊のJK軍団も健在。

客入れのダンス・チューンはダンスDJが趣味という菜七の意向も反映されたそうで、この段階からトータル・コンセプトとしての『ダンス・サミット』は始まっていました。

初日の名古屋は何とか間に合わせてきた感が残る技量と本番でないとわからない進行上の弛みを無制限ともいえる若さのエネルギーで乗り切ったとも捉えられますが、翌々日の東京公演で課題をクリアし、大阪公演でひととおりの完成形をみたという感じです。

東京O-EAST公演の後に続々と流れてくる絶賛ツイートを見るだけで胸熱でした。先代がルイードを飛び出して91年8月に日本青年館で行ったライブを見に行った時の爆発しそうな高揚感を新生ファンも体感してることに感動しました。
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ステージの構成などは既にネット・ニュースで詳しく報道されているので、先代TPDのファン&新生TPDの新参者ながらの大ファンとしての個人的な雑感を。

ステージはノンストップといっても衣装換えBGM的なブレイクで大きく3つに分けられていて、"IN THE WONDERLAND"から"The Perfect Day"までの『ワン・バイ・ゼロ』曲を先代曲とからめた2番目のパートが先代のようにソロ、ユニットをメインにした本来のダンス・サミットになってました。

ワンマンでの蔵出しの先代ナンバーは『Ruby Chase』『Shadow Dancer』『史上最大の誘惑』。

"Shadow Dancer"は絶対やってほしかったナンバー。生で聴いたのは22年ぶり。新生TPDにも先代からのハードコアな遺伝子が受け継がれているようです。当初の予想では晏夕あたりがやればいいかと思い、あかりは八木田麻衣ちゃんあたりの可愛い雰囲気で行く感じかと思っていたので、あかりが歌ったのは衝撃的でした。星来との『千夜一夜』での「新生原宿ジェンヌ」を継承しての川村千沙的扱いになったようですが、あかり、男前すぎる・・・。

TPDは92年の新宿厚生年金会館がピークと思っているルイード時代からのファンとしては"Ruby Chase"やTPDの可愛い正当派アイドル路線ユニットViva!の『史上最大の誘惑』のような曲はちょっと好みから外れてしまい、この選曲は93年の武道館公演をベースとしているからかもしれません。

『おちゃめなジュリエット』「あなたの心にらこビーム」は「巨神兵東京に現る」のような破壊力。

うさきも『号泣教室』や『RADIO SUMMIT』を観たり聴いたりしてるうちに菜七を凌ぐ勢いのイチオシになってしまい、今回のうさき中心に見ている部分がありました。『おちゃめなジュリエット』~『史上最大の誘惑』の表情が本当に豊かになって、ぐんぐん成長しているようです。ステージ裏で酸素ボンベ3本ほど空にしてそうな激しさでした。

"The Perfect Day"は『ワン・バイ・ゼロ』の5曲の中では一番好きで、あどけなさの残る二葉のソロをパペットのメンバーがカバーする演技も再現。なぜか芝居パートを思い出して涙が込み上げてきたり。

香帆の出番が一番多いとのことらしいですが、安定した歌唱力とダンス力を絶妙に引き出せている成果ともいでるでしょう。

終演後の打ち上げで先代時代からのファンの友人と「ソロ、ユニット枠では特出したソロ・パートのなかったいさきちゃんにも穴井夕子風の可愛いソロを歌わせたい」という話で一致。

ラストパートの畳み掛けるようなノンストップ攻撃は通常のアイドルのコンサートを見慣れている人には衝撃的だったのではないでしょうか。『東京ハッカーズナイトグルーヴ』はもうダメ押し的な破壊ナンバー。

アンコールは鉄板曲でしたが、MCの後に初のオリジナリ曲"Dreamin'"でステージを終えたのはさすが。
ダブルアンコールで完結に自己紹介し、この先も努力し邁進する決意表明。

「このTPDの初ワンマンを境に、メンバー、ファン、他アイドル・グループ、他アイドルのファン、日本のアイドル界そのものの意識が大きく変わってしまうのでは」と確信できるほどのインパクトを残したツアーでした。

オリジナル曲の比率をどんどん増やして、新生TPDとしての邁進を祈りつつ、年内のセカンド・ツアーを楽しみにしたいです。

終演後、先代が91年8月に初ライブをしたアムホール前を通ってから打ち上げ。
1991年8月15日TPDダンサミ大阪初襲来のあの夏の夜と2014年8月22日が23年を経て、さらにパワーアップして繋がった奇跡に感謝
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setlist
01. ダイヤモンドは傷つかない
02. 十代に罪はない
03. Wake Me Up
04. OVERNIGHT SUCCESS
Dance
05. IN THE WONDERLAND (feat.あかり、星来)
06. Ruby Chase (feat.晏夕 support香帆、菜七)
07. Shadow Dancer (feat.あかり support香帆、二葉)
08. Just Like Magic (feat.菜七、香帆、晏夕)
Dance
09. Lost without you (feat.菜七、晏夕)
10. 千夜一夜 (feat.あかり、星来)
11. おちゃめなジュリエット (feat.らこ、うさき support香帆、いさき、二葉)
12. 史上最大の誘惑 (香帆、いさき、二葉 supportらこ、うさき)
13. The Perfect Day (feat二葉 support全員)
Projection Mapping intermission
14. キスは少年を浪費する
15. Catch!!
16. 夢を
17. 東京パッカーズナイトグルーヴ
18. BRAND NEW STORY
encore
19. We Are TPD
20. WEEKEND PARADISE
MC
21. DREAMIN'
encore
MC

オマケ、初日前日に勝手に妄想したメンバーソロ曲の候補。全部はずれました・・・
二葉:恋して女みがいて
晏夕:Shadow Dancer
沙紀:カチンときちゃう!
桜子:ラッキー・ラブ
あかり:キミはボーイフレンド
香帆:恋はシャンソン
紗季:We Should Be Dancing
星来:誘惑のブギー
菜七:予感

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2014/07/15

東京パフォーマンスドール 大阪公演 シアターBRAVA! 2014年7月4,5,6日

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東京パフォーマンスドールの大阪公演『PLAY×LIVE「1×0」(ワンバイゼロ)COMPLETE』を7月4,5,6日にシアターBRAVA!にて鑑賞しました。

新生TPDは以前書いた阿倍野と西宮のCDリリース・イベントで見たのみで本編であるPLAY×LIVEを見るのは初めて。

東京では昨年6月のデビュー当初からCBGKシブゲキ!!にて定期的に上演されてきた独特の構成によるパフォーマンスで、前半70分ほどの演劇・ミュージカルパートがあり、その後30分ほどのノンストップの歌とパフォーマンスのダンスサミット・パートがあるというもの。
全5公演で同じストーリーに基づいた芝居のパートが各エピソードごとに主人公を変えて展開し、最後に収束するという内容。

各エピソードのタイトルは
Episode1 Lost Without You (主演:小林晏夕・高嶋菜七)
Episode2 In The Wonderland (主演:脇あかり・上西星来)
Episode3 Secret Garden (主演:櫻井紗季・浜崎香帆)
Episode4 Bitter Sweet Memory (主演:神宮沙紀・飯田桜子)
Episode5 The Perfect Day (主演:橘二葉)

東京公演を80公演以上こなした上でのファイナルを大阪で迎えるということで、このステージを見るチャンスは最後。東京公演を多数鑑賞しているファンも大勢が遠征して集まってきているようでした。

内容はTPD自体が90年代前半を象徴する現象だったのに準じたのか、演劇パートのウォーリー木下による脚本も90年代テイストが溢れており、(同じ事務所の)ナイロン100℃など当時の芝居を彷彿とさせるものでした。板倉チヒロという同事務所の劇団員からの出演も劇団テイストを深めるアクセントになっていました。

結論から書くと東京公演に通っていた先代TPD時代からのファンの友人によると、東京公演で未熟だったと感じた部分が全て向上されており、大阪公演は文句の入る余地がなかったほどの完成度だったとのこと。

試行錯誤の途上だった東京公演がDVD化されていますが、構成的にも演技的にもこの芝居におけるメンバーの成長の完成形である大阪公演を映像記録に残せなかったのは本当に残念です。

5月のイベントの時点では菜七、星来を2トップに感じていましたが、演劇パートを見ると力量の素晴らしさは9人の個性も相まって完全に互角。その中でも浜崎香帆、神宮沙紀、小林晏夕の力量を再確認させられた次第。

エピソード1はとにかく初めてなので、畳み掛けるような展開で呆気に取られてストーリーもよく噛み砕けないでいる間に終わってしまい、押しメンの高嶋菜七と才能を感じる小林晏夕が主演だったのでもう1回見たかったところ。

エピソード2はとにかく仕掛けが面白くて脇あかりのポジティブさと上西星来のナイーヴさをうまく引き出している感じ。

エピソード3が「親友の死」を扱った重たいテーマで、主演の浜崎・櫻井たち本人も「嫌いなエピソードなので一番好きになるよう努力した」と挨拶で涙ながらに語ってましたが、アルゴミュージカルや南青山少女歌劇団の脚本で有名な犬石隆の書くストーリーのように「死を乗り越えた感情で人生を悟り友情を深めていく」というポジティブで爽ややかな後味を感じました。
核となった『秘密の花園』はブロードウェイ・キャスト招聘による素晴らしいヴァージョンを1994年元旦に京都で見ました。

むしろ「明るくポジティブでもどこか抜けている」飯田桜子・神宮沙紀を配したエピソード4のほうが現実的で重たく感じてしまいました。

エピソード5はもう「何でもないシーン」でさえ涙腺が緩んでしまう状態で、中盤で橘二葉が車を運転して他メン演じる動物のぬいぐるみ達と海に向かうシーンだけでも
( ;∀;)イイハナシダナー
と涙が溢れてしまう状態。動物のパペット芝居のパートもそんなに稚拙でなくストーリーにうまく馴染んでいたし(想像するに初期はメンバーの照れとかも芝居に見えてたんじゃないかなと)最年少の二葉のけなげさと他メンの絶妙なバックアップが心に染みて大団円に向かってジワジワと盛り上がりました。

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演劇パートにおける3Dプロジェクション・マッピングの完成度は素晴らしく、この設備の無い会場では上演できないという縛りがあるのも頷けます。プロジェクション・マッピングはRoger Watersの2002年の来日公演あたりから体験しており、2010, 2012年とカナダ、アメリカで見たThe Wallのショーでも凄まじい規模で使用されていました。

同じシアターBRAVAでは2011年12月にK-POPのRAINBOWのコンサートでもオブジェに対して限定的にプロジェクション・マッピングを使用していたのを見ています。
またPerfumeのライブでも使用されるようになり昨年の京セラドームでも見ることができました。

TPDのプロジェクション・マッピングは「映写」というよりはより「動的」で立方オブジェをメンバー達が運び積み上げ、それが次々を表情を変えていく効果的なもので、一部の隙も許されない完璧な動作が必要な練習の賜物といえるものでした。

演劇の後のダンス・サミットはもう圧巻の一言。往年の旧TPDによるダンサミのダンスパートをより現代的に進化させて先代ファンから見ても新生TPDに軍配を上げてしまうセットリストでした。芝居パートで歌われた全5曲もメドレーで披露。ぜひアルバムとして発売してほしいです。

菜七、香帆、晏夕の新生ゴルビーズによる"Just Like Magic"で昇天(まさかこの曲を2014年に生で聴くことができるとは!)。10回以上見た先代TPD市井由理のヴァージョンを凌駕する、らこ・うさきの「おちゃめなジュリエット」はバックの4人のダンスもゴージャスすぎ。「東京ハッカーズ・ナイトグルーヴ」の完成度に思わずTPD DASH!!のアルバムを聴き直しました。 "WEEKEND PARADISE"はただただ涙。

Dance Summit Setlist
01. ダイヤモンドは傷つかない
02. Just Like Magic (高嶋菜七&浜崎香帆&小林晏夕)
03. おちゃめなジュリエット (神宮沙紀&飯田桜子)
04. 東京ハッカーズ・ナイト・グルーヴ
05. Lost without you (高嶋菜七&小林晏夕)
06. In the wonderland (上西星来&脇あかり)
07. Secret Garden (櫻井紗季&浜崎香帆)
08. Bitter Sweet Memory (神宮沙紀&飯田桜子)
09. The Perfect Day (橘二葉)
10. Dreamin'
encore
11. We Are TPD!
12. Brand New Story
13. Weekend Paradise

千秋楽。座席に着席すると目の前の席に陣取ったのは、あの阿倍野と西宮のリリースイベントで猛威を振るった「高嶋菜七親衛隊」の女子高生たち(私服モード、でもしっかりTPD NANAのハチマキ着用)。もうこの席のダンサミでの盛り上がりは保障されたようなもので、遠征組男性ファンを凌駕する一糸乱れぬコールを再び目の当たりにすることに・・・。菜七がアンコール曲ですぐ傍まで来た時の悲鳴はあまりにも強烈で台風直撃のようでした。

アンコールの挨拶で号泣モードのメンバー達、菜七も溢れる鼻水を手で隠しながらも感動の表情で他メンが「ティッシュ!テッシュ!」と叫ぶ状態。

1回づつしか観ることができなかったのは一生の不覚と思えるほどの感動。次のPLAY×LIVEが早くも待ちきれないです。

TPDに関しては、地下アイドルが苦労してメジャーになっていくというPerfume以降の定番の展開とは異なり、最初から大きなバックグラウンドがあり曲のストックも予算も活動場所も与えられているという贅沢な環境故に、アイドル・ファン心理的に全国的なブレイクに至ってない要因を感じる部分もあります。

先代TPDも初期ルイード時代は観客が数人の状態から常連がつくようになり、常連にチケットを買い占められて狭い小屋故に新規ファンが付きにくいという状態になりましたが、ルイード以外にも出演を増やしていき徐々にメジャーになり青年館~大阪公演~新宿厚生年金~武道館とキャパシティーを拡げていった経緯がありました。

先代からのファンから見て「懐かしい」と思われてしまうことの、本人達や若いファンからのもどかしさも理解できるので、レパートリーを増やすことも含めてどんどん新しい表現を押し進めていって欲しいと感じます。

とりあえずはダンス・サミットを十分堪能できると期待が膨らむ8月22日の梅田クアトロでのワンマン・ライブが楽しみです。

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P.S.
高嶋菜七の話術とアドリブ力は元モダチョキの濱田マリを彷彿させます。シングル付属ドキュメントDVDのナレーションを聴くと特にそう感じてしまいました。

P.P.S.
新生TPDにハマって久々に「よい子の歌謡曲」1991年7月号を引っ張り出してきました。当時メディアとしても本格的に東京パフォーマンスドールを斬新な切り口で取り扱った最初の雑誌で想い入れがあります。
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2014/07/04

KARA PROJECT 新メンバー加入に関して part2

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公開オーディション企画"KARA PROJECT"によって候補者7人からなるBABY KARAの中からKARAの新メンバーにホ・ヨンジが選ばれました。これによって(現時点で)KARAは4人体制という第1期の編成に戻ることになったようです。ヨンジや他のメンバーの健闘を称え、ヨンジのKARA加入を歓迎し、他の候補者も今後の活躍に期待したいです。

今回のオーディション・ドキュメントを楽しみ、どのメンバーがKARAにフィットするのかを想像して夢を膨らませたファンや、KARAとは別に各候補の魅力を見出して新たにファンになってしまった方も多いと思います。そういう意味ではこのプロジェクトは有意義なものであったと感じます。

個人的に今回の新メンバー選考プロジェクトにファンとして関知しなかった理由を今更ながら少し書いてみたいと思います。

KARAが休止状態であったこの半年間に事務所の所属アーティストであるRAINBOWやA-JAXがどのような活動をし、事務所としてどれだけの成果を上げたか
残念ながらDSPの事務所としての資質はここに集約されていると感じます。やはり今のDSPにはKARAしかないのだと。

またKARAの今後の体制や新メンバーの加入に関して、現メンバー3人からのいかなるステートメントもマニフェストも発信されなかったという事実。

これは昨年の脱退スクープ以降から続いているもので、当のメンバー達本人の意向がぼやけたままの状態が続いている状態です。事務所自体にはっきりとした責任者の顔や確固たるポリシーが見えず、事務所とメンバーの連帯がどれほどのものかということも見えてきません。

ファンミーティングにおいても「私達を信じて待っていてください」という主旨の発言がなされただけで、事務所の被雇用者として今回の件で緘口令が敷かれていたと考えるのが順当と思います。

唯一ハラちゃんが新メンバー決定の翌日である7月2日にインスタグラムにアップした文章
「すべての事が私の思い通り、私の心のままになるなら世の中には全部が自分だけが大切で身勝手な人だらけになるだろう。全てのことには根源があるように流れがあって状況と情勢がある」(翻訳ソフトによる大意)と「Yes, I Can」の文字。
ここから覗える何も言えなかったもどかしさ、現実の重さ、責任の重さ、決意の大きさに心を打たれます。

オーディションに対してKARAのメンバーがノータッチであるという事実から覗えるものは何でしょう。

右も左も分からない新人アイドルであればメンバーチェンジに関してはファンの意向、事務所の意向に素直に従うのは当然で未熟さや新鮮さゆえに効果も期待できるでしょう。しかしKARAは活動8年目のベテランで、スタイルも確立しており個々のメンバ-にも的確な人材を判断する感覚は揃っていると思います。

個人的な当初の予想では、KARAのメンバーが直接オーディションに関わり、審査員風に人柄をチェックしたり一緒にパフォーマンスを合わせたりしてメンバー間の相談で決めていくドキュメント映像になることを期待していました。利潤や外野の声を念頭に置かない純然たるKARAに最もマッチしたメンバーを選ぶにはこのプロセスが最適と思っていました。

これは米国のプログレッシヴ・メタル・バンドDream Theaterがリーダー格であったドラマーのマイク・ポートノイ脱退のショックを克服し、2011年に後任ドラマーを7人の候補の中からオーディションで一人づつ一緒に曲をプレイして選ぶ過程をエピソード1~3としてYouTubeで公開していった素晴らしいドキュメントを見て「オーディションとはこうあるべき」と感嘆したことからも感じていたことです。

実力や容姿など以前に「ずっと一緒にやっていく上で人間として合うかどうか」「パフォーマンスがフィットするという感覚以前にメンバーにしかわからない精神的にフィットする要素」というものがベテラン・グループには存在すると思います。

事務所がファン目線中心のオーディションを行った真意は「韓国での人気がヒートダウンしたなかで再度世間をKARAに注目させる」というマーケティング主体の発想と感じます。

ひょっとしたら「KARAのメンバー自体が中心となってオーディションで決めたメンバーではグループとしてはフィットしても可能性として古い殻を打ち破ることができない」という前向きな戦略があったのかもしれません。

今回の手法は注目を上げるには効果的でしたが、メンバー加入の是非、さらにはどのメンバーを入れるべきかに関してネガティブな論争を行ってしまう古参ファンも多く「もし○○が加入したらKARAファンを辞める」という古参ファンも見受けられました。順当にKARAの現メンバーを交えた選考がなされていれば議論の余地はなかったと思います。

いずれにせよあのギュリ、スンヨン、ハラの3人ですから、今までに如何なる事情があったにせよ、ヨンジを活かした新しいKARAを成功に導いてくれることを信じたいと思います。

新体制になったKARAの今後ですが、韓国カムバックは秋になるとのことでそれより前に8月に日本語でのニュー・シングル発売、10月からは3度目の日本ツアーが発表されており、やはり日本活動における収益が事務所運営の基盤となっている事実は変わっていません。

しかし戦略として「より多くのファンに新しいKARAの魅力を感じてもらうためファンの幅を広げ、ライト層も日本活動開始時のように増やしていこう」という強い意向が事務所にあるのか疑問に感じる部分があります。

ファン・ミーディングにおける「日本のファンなら買うだろう」とグッズを法外なぼったくり価格で販売して利益を高めようとする事務所としての姿勢。

「日本のファンなら来るだろう」と稚拙な構成のファン・ミーティングを7,500円の価格設定で1日2回行う事務所としての姿勢。

コンサートのチケット代を値上げしたことによるライト層やファミリー層の離脱はセカンドツアーでも実感しているはず。消費税増税分くらいとはいえ、次ツアーのさらなる値上げはライト層が「おっ、KARAのコンサート9,000円か。行ってみようかな」という感覚の金額ではありません。ファミリー層もこの価格では躊躇するのではないでしょうか。

そこからは「大きくファン層を広げていこう」というものではなく「残った熱心なファンからいかに集金するか」という負のビジネス感覚しか見えてきません。

誤解してはいけないのが、SMエンターテインメントのように強気の価格設定の基礎となるものが、金に糸目をつけない初期韓流ファンである東方神起からの年配女性層がいて、圧倒的に層の厚いボーイズ・グループのファンの流れから高額な少女時代のコンサートにも女性ファン中心に客が集まるという現実だということです。

誤解して高価格なチケット設定で自らファン層を狭めていってるガールズ・グループは少なくありません。

KARAほどになると9千円でもツアーは盛況になるかもしれません。今回初となる2千~3千人規模の地方でのホール・コンサートにも魅力がありますし、9千円払ってでも新体制のKARAのパフォーマンスがどういうものかは見てみたいですが、個人的にはファースト・ツアーのような圧倒的爽快感よりもある種の虚無感が残りそうです。

高額であっても今までのように「え、ここまで凄いのにまだやるの!?」という中毒性のある圧倒的パフォーマンスを持続できるのならライブ・パフォーマーとしてのKARAのブランド力は持続できるでしょう。1日2ステージなどして「え、もう終わりなの?」と感じてしまった時点でその価値は無くなってしまうので、それだけは注意してほしいものです。

原点に戻って本国での活動に力を入れていくというのであれば、大変結構なことなのでぜひがんばってほしいですし、韓国語での新曲にも期待し、TV出演も楽しみにしたいと思います。

KARAに今後一層飛躍してもらいたいが故の事務所に対して切望する個人的な意見でした。

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2014/06/01

東京パフォーマンスドール イベント あべのキューズモール 西宮ガーデンズ

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2014年5月24日と25日にあべのキューズモールと阪急西宮ガーデンズで昨年メンバーを一新して復活した東京パフォーマンスドールのCDデビュー・イベントを鑑賞しました。両日とも13時と16時の30分2回公演。

旧TPD(リーダー高嶋菜七が「先代」という粋な言い方をしてたので以降「先代TPD」と表記)はデビューから92年頃までは熱狂的なファンだったのですが、新生TPDは襲名だけして意味があるのかと東京まで見に行くのは躊躇しているところがありプロジェクション・マッピングを多用したミュージカル仕立ての舞台とのことで、なんとなくTPDというよりは南青山少女歌劇団を連想してしまっていました。

関西では初舞台ということで今回が初見。結果、圧倒的に素晴らしいパフォーマンスで、先代TPDファンとしての懐かしさだけでなく、新たな可能性に甚く感動してしまいました。当初はあべのイベントだけを見る予定が急遽翌日の西宮イベントも見に行くことに。

先代TPDを見たのは1991年3月10日原宿ルイードから92年8月24日新宿厚生年金会館までの15回。ファースト・アルバムの"Cha Dance Party Vol.1"を聴いて衝撃のあまり速攻で夜行バスに乗り、大阪から原宿ルイードまで遠征して見てました。

当時一緒にTPDを見に行ってた友人(昨年からの東京でのミュージカル・ライブにも遠征してる)も西宮で合流。

あべの会場
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西宮会場
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今回のイベントは各ステージとも6曲でデビュー曲"Brand New Story"以外は先代のカバー。既にTPDとしてはメジャー化ポップス化した後期にあたる曲でそんなに思い入れはなかったのですが、ラストの"Weekend Paradise"はルイード時代のアンコール・ナンバーで聴いたとたんに感涙。まさかこの曲を生で再び聴くことができるとは・・・

2ステージ目はセトリ4曲目を変えてきており、ルーチン的なイベントになっていないところが凄かったです。初日の『東京ハッカーズ・ナイトグルーヴ』などTPDのパリーグ的存在TPD DASH!!の名曲で先代と同じくサイバーなサングラスをかけてのパフォーマンス。これが一番レアで衝撃的でした。この日を見られなかった友人はこの曲を見られなかったことに地団駄踏んで悔しがっていました。
西宮2ステージ目のみの『夢を』もぐっとくるものがあり、あの頃を思い出してしまいました。

official twitterより
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official twitterより
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先代のリーダー木原さとみ&サブ米光美保の2トップを彷彿させる高嶋菜七、上西星来のキャラの立ち具合も含めて他メンもキャラが立っており成長への期待が大きいです。

両日とも高嶋菜七の地元友達と思われるハチマキをしたJK軍団数十名の一糸乱れぬ応援が素晴らしくて会場が3倍位の盛り上がりに。掛け声やケチャ、歓声も男性ファンを遥かに凌駕するインパクトでした。公式親衛隊にしても良いレベル。

晴天の野外というロケーションもイベントに高い効果を出していました。西宮ガーデンズはこのてのイベントには最高の舞台かと。

デビュー曲は一聴した限りベタな感じで音だけ聴いても印象に残らないものでしたが、パフォーマンスを伴うとなかなか良いです。やはりライブならではのグループなんだなと。

7月4日~6日のシアターBRAVA!でのプロジェクション・マッピングを駆使いてのミュージカル"PLAYxLIVE 1x0"や8月22日の梅田クアトロのライブも楽しみです。

■セットリスト
5月24日 あべのキューズモール 第1部 (13:00~)
1.We are TPD!!
2.ダイヤモンドは傷つかない
3.十代に罪はない
4.WAKE ME UP!!
5.BRAND NEW STORY
6.WEEKEND PARADISE

5月24日 あべのキューズモール 第2部 (16:00~)
1.We are TPD!!
2.ダイヤモンドは傷つかない
3.十代に罪はない
4.東京ハッカーズ・ナイトグルーヴ
5.BRAND NEW STORY
6.WEEKEND PARADISE


5月25日 阪急西宮ガーデンズ 第1部 (13:00~)
1.We are TPD!!
2.ダイヤモンドは傷つかない
3.十代に罪はない
4.WAKE ME UP!!
5.BRAND NEW STORY
6.WEEKEND PARADISE

5月25日 阪急西宮ガーデンズ 第2部 (16:00~)
1.We are TPD!!
2.ダイヤモンドは傷つかない
3.十代に罪はない
4.夢を
5.BRAND NEW STORY
6.WEEKEND PARADISE

配布していたチラシ
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■おまけ
91年に渋谷センター街で偶然遭遇したとき先代TPDから貰ったサインも発掘。その他、ルイード時代のチケット、FC会報、チラシ類も発掘しました。

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2014/05/18

KARA PROJECT 新メンバー加入に関して

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個人的にいろいろ煮詰まっていて、最近KARA関係のブログが書けず申し訳ありません。twitterでもKara Projectで新メンバーをオーディション制度で選抜するというニュースが駆け巡って以来、ファンは騒然となり論争が荒れ気味ですが、思い立ってつぶやいたものを転載する形で率直な考えを述べたいと思います。

・新メンバー加入には賛成
・新メンバーの選考プロセスには興味が無い
・新しいKARAとしての歌とパフォーマンスのみに期待したい

3人のみでの活動を望むファン、新メンバー加入は支持するもテレビ放送でのオーディション制は認めないファン、purettyから3人もエントリーすることを疑問視するファンと様々ですが、それぞれの言い分はあるだろうし、何よりもまだファンの多くがニコルとジヨンの脱退のショックから立ち直れていない状態であることを証明しているようです。

3人で活動し続けるアーティストとしてのKARAにも興味があったのですが、アイドルとしてのフレッシュ性を維持するためには新メンバー加入は不可避だったでしょうし、現メンバーと事務所との間での慎重な協議の上での決定なら、新メンバーが加わった新しいKARAの活躍を楽しみにしたいと思います。

イエスやジャーニー等の往年の人気ロックバンドが看板ボーカリスト脱退後にYouTubeでカバー・バンドをチェックし、声のそっくりさんをボーカリストに加えて復活するというパターンが最近よくありますが、それと違ってKARAの新しいメンバーに代用的な存在は不要なのは多くのファンが理解していることと感じます。

キム・ソンヒ脱退後にソンヒ・タイプの歌唱力重視のメンバーを探さず、全く未知数のハラとジヨンを加え、R&B路線から大きく方向転換をしたように、全く違った新しいKARAの新曲とパフォーマンスが見られることに期待したいです。

KARAのようなビッグネームに新たに加わることのプレッシャーの大きさはとてつもないものかと思うし、応援もバッシングも受けるでしょうが、全ては新しいパフォーマンスを見てから判断すれば良いことかと。

個人的にはオーディション・プロジェクトはほぼ横流し的にチェックして干渉せず、早く新しいKARAそのものを見たいというのが率直な意見です。

あと6月1日の日本武道館でのファン・ミーティングですが、残念ながら家の諸事情で現状ぎりぎりまで参加できるか不明な状態です。
それ以前に「1日2回開催、チケット代7,500円、KAMILIA Adventure」というキーワードに「この期に及んでそうするのか」と萎えてしまっている部分があります。

正直なところ2011年の契約解消騒動からの和解を踏まえた「みそぎ」的な横浜アリーナでの無料ファンミ的なものに(無料でなくても1回だけに)したほうが、今後の躍進に繋がりポジティブにも受け取られて、より効果的だったのではないかと感じます。はっきりいって前回のようなゲーム大会などは見たいとは思いません。その辺がメンバーの意向だけではどうにもならない事情なのでしょう。

先に5月24日に行われるソウルでのファン・ミーティングでメンバーから何らかのステートメントがあるだろうし、その時に3人での歌とパフォーマンスがあるのか、新メンバー候補は出演するのか、まずはそのレポートを読んで見極めたいと感じます。

いずれにせよDSPが他の所属タレントを大きく育て、KARAにかかる負担を減らし、利益的ウェイトを均衡化できない限り、同じような契約問題は再発すると思います。

毎日1人づつ発表される7人のオーディション候補発表動画ですが、ここはひとつ7人目にラスボスとして振付のチョン・ホンボク先生に登場してもらえば、今のファンの間の殺伐とした雰囲気もほんわかと和むと思うのですが・・・

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2014/04/03

KARA 2nd JAPAN TOUR 2013 KARASIA DVD & Blu-ray

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(読者の皆様、大幅な遅延をお詫び申し上げます。)

KARA 2nd JAPAN TOUR 2013 KARASIA【初回限定盤】ブルーレイを購入しました。

WOWOWで1月12日放送されたヴァージョン(収録時間1時間58分40秒)との違いは概ね下記の通りです。

・収録時間2時間41分11秒

・客電が付いてのダブルアンコール時の拍手の部分を約3分カットしたのみの完全収録

・WOWOWでカットされた『RUNAWAY』『バイバイ ハッピーデイズ!』『ガールズ パワー』、KARA KIDSとクラウンのパフォーマンス、衣装換え時のCGおよびMC部分を収録

・WOWOWヴァージョンのほうは会場が暗転してオープニングビデオの"DSP media"のロゴが出るまでの様子を約24秒長く収録


例によってWOWOW版とブルーレイを2モニターでシンクロ再生。基本的にアングルは別編集だけどなぜか「ジェットコ~Mr.~スウィートデイズ~SOS」はWOWOWと全く同じで数カット別編集が入るだけ。「今あり」は完全別編集で「STEP」でまたWOWOW版に戻るという謎の編集です。

WOWOWヴァージョンは本編が3曲カットされている以外は間延びした部分が巧みに編集された「作品」として見易く完成度の高いものでした。

衣装換えタイムにかかる映像も前回のツアーはKARAをフューチャーした見ごたえのあるものでしたが、今回はCGを使用していて面白みのあるものではありませんでしたし、クラウンのパフォーマンスもKARAとは完全に切り離されたものだったので初見の人にとってもカットされていても影響は少ないものでした。

DVD・ブルーレイヴァージョンは間延びした部分も含めて完全収録というコンサートのドキュメント映像の理想となるもので、ライブ・ビューイングをそのまま再現した感じで、記録としては完璧なものと感じます。

コンサートの内容に関する感想は当日のブログに詳細に渡って書いているので改めて書き記すことは、「アップで見られることによる再発見」のみです。

「ニコル・ソロのベッド・パフォーマンスをアップで初めて見て、シーツをギュッと掴む仕草など 「あかんやろ!これ!」(;´Д`) 的な悩殺度です。」

とか

「ハラちゃん、左右のストッキング長さが違っているよ。着替え慌ててたのかなー(棒読み)」

とか冗談めいたことも書いてみたのですが、その後のグループの状況を知ってからだと気分は重たくて重たくて・・・。

最後のMCも辛くてまともに見られません。ギュリの会場を絶対0度に凍りつかせた「最高べ」も、今を思えばどれだけメンバーとファンに気をつかっていたことかと思うと泣けてしまいます。

しかし、初見の人が見れば、ここまで完璧なコンサート・パフォーマンスもないと感じられるであろう、グループ最高の瞬間を捉えた作品であることは間違いありません。

残念で仕方ないのはKARAの母国の韓国公演が実現せず、ほとんどの韓国KAMILIAが見ることができなかったこと。特に本ツアー最高のパフォーマンスであった"2 Night"を1度も本国では生パフォーマンスできなかったことではないでしょうか。そしてそのチャンスは今となっては実現の難しいことになりました。これは本当に無念です。映像に残せたのがせめてもの救いです。

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メイキング・フィルムに関しては、ファースト・ツアー時のものは全ツアー行程に同行し、「初のツアーをこなしていく過程で成長していくKARA」を捉えたリアルなドキュメンタリーとして最高の完成度を持っていました。

今回のメイキングは神戸公演2日間のみと、ちょっと物足りなさを感じます。

何よりも三流のバラエティー番組のような過剰に演出された「派手な効果音」と「カラーで大きなサイズの字幕」が安っぽくて、目障り&耳障りでイライラしてしまいます。ガマンして2回見ましたが、もう見たくないと思う程の稚拙な演出が、折角のドキュメンタリーを台無しにしていると感じます。東京ドームやKARA CLIPS IIIでも同様の演出がなされていましたが、今回のような緊張感のあるドキュメントでは逆効果でした。

ドキュメント内容そのものから直感的に感じ取られたのが、メンバーにもカメラにもひたすら気を使いリーダーの使命を全うするギュリ、ナーバスで無口なのかインタビューの少ないスンヨン、感情が入るも絶妙なバランスのハラ、ナーバスを通り越してハイテンションなニコルとジヨンでした。

ギュリはいつもより饒舌でカメラ前でのサービスも多く、何とか場の空気を安定させようとしているようで、ある意味一番必死にもがいているように見受けられました。

スンヨンは冒頭のインタビューには登場せず、27分が経過したころに始めてインタビューが流れますが、当たり障りのないトークに終始しているようで、カメラも遠慮気味になるほど神経質になっているなーと思ってしまいました。

ハラはマイペースで我が道を行くも、それが自然に全メンバーの緊張を和らげて良いムードにリードしているように感じます。

ニコルとジヨンもこれが最後のコンサートをわかっているも、明るく全力を尽くす決意をしているのが覗えます。

アンコール後も延々と続く拍手の舞台裏は貴重でしたし、そういった涙でぐしゃぐしゃなシーンでも「メイク大丈夫ですか?」と確認する女神の女神らしさにも脱帽しました。

ジヨン、ニコルのコメントで終わってしまうエンディングは大きなツアーを最後までやり遂げた達成感と喪失感が入り混じって、心が痛いです。

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これまでのようにマニアックな視点でのレビューを目指そうとするも、今回に限っては、あの最終日の家を出発するまでの胃の痛さと、ずるずると物事を先に延ばして現実を遠ざけようとする感覚が蘇ってしまい、筆が全く進みませんでした。

今回に限っては、後ろを振り返ることなく、新しい何かを始めた5人を見届けてから、ゆっくりとこのライブ・ビデオを見直したいと思いました。

本音を言えば今回の結末にいろいろな面で怒っている部分もあり、文章にぶちまけてしまいたいこともありましたが、何度も考え、書き直し、やはりポジティブに彼女達の偉業を称えたいと思います。

ニコルがアメリカで充実した生活を行っており、ジヨンが元気な姿をInstagramで見せてくれ、スンヨンが今年中のKARAのカムバックを宣言してくれたことは素晴らしいことであり、KARAが再スタートしたときに、改めて心から幸せな気分でこのコンサート・ビデオを見直したいと思います。

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最後に常連の読者の皆様に私情でレビューが大幅に遅れてしまったことへのお詫びを。大変申し訳ありませんでした。

あと、これから一時停止画面を見せられて「ほら!これ!女神と私、目が合ってるでしょ!!」「俺だけのためのファンサ!!」と、うんざりするほどビデオを見せられる友人達にもお詫びを。

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01. LUPIN
02. ジャンピン
03. Pandora
04. Damaged Lady
05. 2NIGHT
06. Miss U
07. Pretty Girl
08. We Will Rock You by スンヨン
09. KISSして by ギュリ
10. We Found Love by ニコル
11. GLAMOROUS SKY by ハラ
12. YOUNG MAN(Y.M.C.A.) by ジヨン
13. HANABI
14. RUNAWAY
15. ウィンターマジック
16. フレンチキス
17. バイバイ ハッピーデイズ!
18. ガールズ パワー
19. マイボーイ
20. サンキュー サマーラブ
21. GO GOサマー!
22. ジェットコースターラブ
encore
23. ミスター
24. スウィートデイズ
25. SOS
26. 今、贈りたい「ありがとう」
27. STEP

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