書籍・雑誌

2008/12/29

2008年に買った本

Book2008購読している映画秘宝とTVブロス、たまに買う音楽雑誌各種を除いて、買った本はたったこれだけ。

先日出たウィリアム・ギブスンの新作、『スプーク・カントリー』(Spook country)は昨年原書のハードカバーも買ったけど、手をつけられず、翻訳を待った状態となりました。今読んでるところだけど、前作『パターン・レコグニション』と同様に現代のアメリカを舞台にしています。現代が秒読みでサイバーパンクの世界観を現実化し、凌駕している状況を見ると、ギブスンにもそれなりの新しい切り口が要求されているようです。

映画監督のウディ・アレンの短編小説集、『ただひたすらのアナーキー』(Mere Anarchy)は、まるでウディ・アレンのパロディかと思うほどウディ節が炸裂していて、マシンガンのように皮肉な口調でまくしたてられているようです。どれも傑作揃いですが、立ち読みするなら『ディズニー裁判』が一番おもしろいと思います。

私が最も信頼し、好きな映画評論家の町山智浩のアメリカの絶望的な状況を分析したコラム2冊『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』は、映画ファンでなくてもおもしろい。しかしそれでもアメリカの多文化性に僅かな希望を見出してくれています。

香山リカ×菊池誠『信じぬ者は救われる』は、ピアニストの黒田亜樹さんに飲み会に誘っていただいた時に、一緒に来ていた音楽友達のきくまこさんが黒田さんに進呈していたので、出ていることを知りました。ニセ科学のやっかいさを解かりやすく対談しております。香山リカも思えば元祖メガネっ子だったのかも。

吾妻ひでお『うつうつひでお日記 その後』、瀧波ユカリ『臨死!!江古田ちゃん 第3巻』、石川雅之『もやしもん 第6巻』
マンガ類はたったこれだけ。もやしもんはオリゼーのぬいぐるみ付き限定版を買ってしまったけど、ぬいぐるみは友人のお子さんにあげる予定。先週に7巻が出た模様。買いにいかねば。江古田ちゃん、あいかわらず毒が凄いです。今年はサイン会なかったのかなー。2巻の時のサイン会で会った瀧波先生は木村カエラを思わせる可愛さでした。うつうつひでお日記の続編はほとんど日記だけで、絵はたまに挿絵がある程度なんだけど、おもしろいです。アル中のその後と戦い続ける吾妻先生に声援を送りたいです。マンガでは、パンク友達が泣いて絶賛している『砂時計』(TBSでドラマ化されたやつが切なすぎて号泣ものらしいです。)を読んでみたい。またマンガ喫茶にでも行ってみようかなー。

パフュームの写真集は勢いで買ってしまったけど、上海ロケで、あまり面白い部分や印象的な部分がなくて残念。古くからパフュームの撮影を担当していた関和亮が撮ったものですが、もっと日常や舞台裏を写したものが見たかった。

いくらなんでも、こんなに本を読んでいないとは思わなかった。来年はもうちょっと読まないとなーと思う次第です。

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2007/04/14

ハンニバル・ライジング 上・下巻

Hannibalrising01_1Hannibalrision02全然ノーチェックのうちにリリースされた、トマス・ハリスの『ハンニバル』以来7年ぶりの新作、『ハンニバル・ライジング』(上・下巻)を読んだ。4月21日に日本公開が決まっている映画も全然知らないうちに製作されていたらしく、2月に京都で公開予定の映画の看板を見て驚いた。

最近よくあるエピソード1もので、レクター博士の幼少からの生い立ちを綴ったもの。『ハンニバル』にも触れられていたと同様、対戦末期の東欧で飢えに苦しんだ脱走兵の捕虜となり、幼い妹ミーシャを最も残酷で悲惨な状況で失い、それが生涯のトラウマとなった経緯をさらに詳細に描いている。

興味深いのは、孤児となって叔父に引き取られたハンニバルが、叔父の妻である日本人、紫夫人に魅せられ、俳句や琴、活け花、侍の甲冑などの日本文化と芸術に深く傾倒していくという展開で、これは原文を読んでいる欧米人にはちょっと馴染み辛いテイストかもしれない。

前作と同様、根底にあるのは「生涯を賭けた復讐」であり、前作では宿敵メイスンに徹底的に駆り立てられたハンニバルが、今回は妹の敵を全てを投げ捨てて追う。この展開はスリリング。

復讐とは冷やすほど美味くなる料理だ」(Revenge is a dish best served cold.)とは、『スタートレック2/カーンの逆襲』の台詞で、『キル・ビル』の脚本初稿にも引用された台詞だが、前作と本作の復讐鬼もこの言葉を実践している。復讐の前に完全に自己をコントロールできるまで冷やし続ける。相手も自分もそのことを忘れてしまう寸前まで・・・。個人的にも実践中のこと。

なお、前3作で触れられていたレクターの第6の指に関しては全く言及されていない。

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2006/06/10

臨死!!江古田ちゃん 第1巻

Ekodachan01臨死!!江古田ちゃん / 瀧波 ユカリ

知人がネットで紹介していて、おもしろそうなので買ってみたら、久々に全開でハマった4コマ(8コマ)マンガ。OL、テレフォン・オペレータ、ホステス、ヌード・モデルと様々な顔を持ち、築25年の畳アパートに住む江古田ちゃん。家では全裸で、つまらない男どもを喰いまくりつつシニカルに人生を突き進むも、打たれ弱くて純情可憐な面も持ち合わせている。

社会の現実との闘いには負けない鋭い牙を持ちつつ、愛には負けっぱなしのところが可愛いさ全開。永遠の敵、今風の「無防備ぶってる可愛い女の子」のプロトタイプ「猛禽ちゃん」との果てしない抗争は、今日も続くのであった。

江古田ちゃんにメロメロです。

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